ブックカバー展開寸法
本サイズ・背幅・袖幅から表紙カバーの展開寸法(表紙2面+背+袖2面)を即算出。 カバーデザイン入稿サイズ確定に。 JIS Z 8305 印刷用語準拠の判型早見表・塗り足し設計・トンボ配置まで、DTP実務に必要な情報を網羅します。
ブックカバー展開寸法ツール
計算式
展開幅 = 表紙幅×2 + 背幅 + 折り返し袖幅×2
展開高さ = 本の高さ
入稿サイズ = 展開寸法 + 塗り足し10mm(上下左右5mmずつ)
裁ち落とし用に上下左右+5mm(合計+10mm)が必要。
折り返し袖幅(フラップ)は表紙の70-80%が標準で、A5判なら110mm前後が定石です。
背幅は本文用紙の紙厚×ページ数÷2で概算します(例:89.5g/m²上質紙90μm×300ページ÷2=13.5mm)。
計算例
- 四六判(127×188)背15・袖90 → 展開幅127×2+15+90×2=449mm・高さ188mm
- A5判(148×210)背20・袖110 → 展開幅148×2+20+110×2=536mm・高さ210mm
- B5判(182×257)背25・袖130 → 展開幅182×2+25+130×2=624mm・高さ257mm
- 菊判(150×220)背30・袖110 → 展開幅150×2+30+110×2=550mm・高さ220mm
書籍サイズ別 標準袖幅
| 判型 | 寸法mm | 推奨袖幅 | 用途 |
|---|---|---|---|
| 文庫判 | 105×148 | 75mm | 小説・新書 |
| 新書判 | 103×182 | 75mm | 新書レーベル |
| 四六判 | 127×188 | 90mm | 単行本・小説 |
| B6判 | 128×182 | 90mm | 単行本・実用書 |
| A5判 | 148×210 | 110mm | 教科書・実用書 |
| 菊判 | 150×220 | 110mm | 単行本(大型) |
| B5判 | 182×257 | 130mm | 雑誌・写真集 |
| A4判 | 210×297 | 150mm | 大型写真集・カタログ |
ブックカバー展開寸法の詳しい解説
展開図の構造
ブックカバーの展開寸法は「表紙2面+背+袖2面」の平面図です。
A5書籍(148×210)+背15mm+袖110mmなら展開幅531mm、高さ210mm(+塗り足し10mm)となります。
DTPソフト(Adobe InDesign・Illustrator)上でこの寸法で新規ドキュメントを作成し、断裁位置にトンボ(トリムマーク)を配置して入稿します。
PDF入稿と裁ち落とし
実務ではPDF/X-1a・PDF/X-4形式での入稿が主流で、印刷所ごとに指定フォーマットが異なります。
裁ち落とし(bleed)設定は上下左右5mmずつ計10mm余裕を持たせ、印刷所の裁断機許容誤差(±1-2mm)に対応。
折り返し部分(袖)にはあまり重要な情報を配置せず、後で調整可能な余白を確保するのが定石です。
背幅の算出
背幅の算出は、本文用紙の紙厚(μm)×ページ数÷2で概算します。
例えば89.5g/m²の上質紙は約90μm、これに300ページなら90×300÷2=13,500μm=13.5mmとなります。
表紙・見返し・扉ページも含めた総ページ数で計算するのが正確です。
印刷所によっては「背幅計算表」を提供しているので、事前に確認しましょう。
袖幅(フラップ)の設計
袖幅(フラップ)は表紙の70-90%が標準ですが、狭すぎるとカバーがずれて外れやすく、広すぎると保管・輸送時に折れやすくなります。
文芸書は90-110mm、実用書は100-130mmが定石。
袖には著者近影・帯情報・関連書籍広告等を配置することが多いですが、断裁位置の誤差を考慮して断裁ラインから3mm以内に文字を配置しないのがルールです。
特殊加工との整合
近年は電子書籍普及の影響で、紙書籍のカバーは手触り・視認性・書店店頭での差別化が重視されています。
特殊加工(PP加工・箔押し・エンボス・ホログラム)を施す場合、加工位置の別レイヤー指定・見当ズレ許容範囲の確認が必須です。
装丁家・製本会社との事前打ち合わせで、加工の可否・追加コスト・納期への影響を確認しましょう。
トンボ(トリムマーク)と入稿仕様
| 要素 | 設定 | 備考 |
|---|---|---|
| 塗り足し(bleed) | 上下左右5mm | 裁断機誤差±1-2mmに対応 |
| トンボ | コーナー+センター | Illustratorのトリムマーク自動生成 |
| 解像度 | 350dpi以上 | 実寸で作成 |
| カラーモード | CMYK | RGB入稿は色ズレ発生 |
| フォント | アウトライン化 | フォント埋め込み or アウトライン |
| 推奨形式 | PDF/X-1a・PDF/X-4 | 印刷所指定に従う |
| 版下データ | Ai・InDesign | 原稿保管・再版対応 |
業界・現場での使い方
書籍デザイン
小説・実用書・写真集のカバーデザイン。判型・背幅・袖幅から入稿用ドキュメントの正確な寸法を確定。装丁家との仕様打ち合わせに。
カタログ・パンフレット制作
製品カタログ・企業パンフレットの表紙。糊付け製本・中綴じ製本により背幅計算が異なるため、製本方式の確認が必須。
パッケージデザイン
化粧箱・スリーブケース・ブックケース等の展開設計。紙厚による折り曲げ半径の考慮が必要。
同人誌・自費出版
ネット印刷所(PrintPac・GraphicJP・Kinko's・Grafton等)への入稿。各社の背幅計算ツール・入稿テンプレートと整合性チェック。
よくある間違い・注意点
- 背幅計算間違い — 背幅が実際と1mmずれるとカバー全体がずれてしまい、印刷所での増刷対応が必要になります。本文用紙・表紙用紙・遊び紙・見返し全てを含めた総ページ数で計算し、印刷所の「背幅計算表」で事前確認を。
- 塗り足し忘れ — 断裁で白場発生。5mm×4辺=10mm加算必須。特に背景に色を敷いている場合、塗り足し忘れは致命的(白い縁が出る)。
- 袖に重要文字配置 — 袖折り返し部で断裁位置があいまい。文字・重要な図版は断裁ラインから3mm以内を避けるのがルール。
- RGB入稿での色ズレ — 液晶ディスプレイのRGB色空間はCMYK印刷では再現できない色があります(特に鮮やかな緑・青・紫)。必ずCMYK変換して色校正を確認。
- フォント埋め込み漏れ — 印刷所側でフォントがないと文字化けや置換が発生。PDF入稿時は「全フォント埋め込み」設定を確認し、Illustrator入稿ではアウトライン化を。
- 特殊加工位置の指定漏れ — 箔押し・エンボス・部分ニス等の特殊加工は別レイヤーで加工位置を明示。加工版のズレ許容(±0.5-1mm)を考慮してデザイン。
よくある質問(FAQ)
A5書籍(148×210)+背20mmの展開幅は?
148×2+20+110×2 = 536mm。これに塗り足し10mmを加えて546mm×220mmが入稿サイズとなります。袖110mmは実用書・単行本の標準値で、写真集は130mm程度に広げるケースもあります。
袖幅の推奨は?
本表紙幅の70-90%が標準。狭すぎるとカバーが外れ、広すぎると保管不便・折れ易い。文芸書90-110mm、実用書100-130mm、大型写真集130-150mmが目安。袖には著者近影・帯情報・関連書籍広告等を配置します。
塗り足しは何mm?
上下左右5mmずつ計10mmが標準。印刷所の裁断機許容誤差±1-2mmに対応するための余裕です。特殊加工(型抜き・エンボス)がある場合は加工位置の精度に応じて7-10mmに拡大することもあります。
カバーと表紙の違いは?
カバー=取り外し可能な外装、表紙=本体に接着された表面。ブックカバーは書籍全体を包む可動部品で、表紙は本文と綴じ合わされた表紙(表1・表4)を指します。カバーは折り返し袖を持ち、表紙は持ちません。
背幅の計算方法は?
本文用紙紙厚(μm)×ページ数÷2で概算。上質紙89.5g/m²は約90μm、コート紙は約70μm。300ページの上質紙なら90×300÷2=13.5mm。表紙・見返し・扉ページも含めた総ページ数を用い、印刷所の「背幅計算表」で事前確認を推奨します。
入稿形式は何が最適?
PDF/X-1aまたはPDF/X-4が業界標準。印刷所により指定が異なるため、事前確認必須。Illustrator(Ai)・InDesign(indd)ネイティブファイル入稿を受け付ける印刷所も多く、修正対応の容易さでは推奨です。
関連する規格・公的資料
- 日本規格協会 JIS Z 8305 印刷用語
- 日本印刷技術協会(JAGAT)
- 日本印刷産業連合会
- 日本書籍出版協会
- 日本出版インフラセンター
- 印刷博物館(凸版印刷)
- Adobe InDesign ヘルプ 書籍作成
- Adobe Illustrator ヘルプ トリムマーク
- 日本ブックデザイン協会
- 日本製本工業組合連合会
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の入稿・製本・仕様確定は印刷所の指示および装丁家・製本会社の判断に従ってください。
免責事項
本ツールはJIS Z 8305 印刷用語およびDTP実務標準に基づく参考計算です。
実際の背幅は本文用紙の紙厚・製本方式(無線綴じ・糸綴じ・平綴じ・中綴じ)・湿度による膨張・出版社の慣習により変動します。
特殊加工(PP加工・箔押し・エンボス・型抜き)を伴う場合、加工仕様書・見当ズレ許容範囲・追加コストは印刷所ごとに異なります。
本ツールの計算結果を根拠に印刷入稿する場合、事前に印刷所のテンプレート・入稿仕様との整合性を必ずご確認ください。
裁断ズレ・色調不良・製本不良等の責任は負いかねます。