計算ツール
給水管径FUHunter曲線SHASE-S設備設計

給水管サイズ選定 計算ツール

大便器・小便器・洗面器・浴槽・キッチン・洗濯機の個数入力だけで、FU合計・流量・給水管径を即算出。SHASE-S 206給排水衛生設備規準準拠。住宅・オフィス両対応。設備設計・積算・行政協議に対応。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

給水管サイズ選定 計算ツールツール

給水管径選定の基本

合計FU = Σ (器具FU値 × 個数)

同時使用流量 ≒ Hunter曲線変換(FU→L/min)

管径 = 流量 ÷ (許容流速 × 断面積) ※通常2m/s基準

SHASE-S 206給排水衛生設備規準の給水器具単位(FU: Fixture Unit)法は日本の給水管径選定の実質標準。私室用(住宅)と公衆用(事務所)でFU値が1.5-2倍異なり、器具の同時使用確率を反映しています。

器具給水単位(FU)一覧 (SHASE-S 206)

器具私室用(住宅)公衆用(事務所)
大便器(洗浄弁)35
大便器(タンク式)23
小便器(自動)-3
洗面器・手洗い12
浴槽・シャワー24
流し(キッチン)24
洗濯機24

合計FU→給水管径 選定表

合計FU流量 L/min管径 mm
~10~100φ20 (3/4)
~30~200φ25 (1)
~60~400φ32
~110~700φ40
~200~1000φ50
~400~1600φ65
~800~2500φ80
~1500~4000φ100

※本ツールはJIS/SHASE-S/建築設備設計基準等の公的基準に基づく参考計算です。実施設計・行政協議時は建築士・設備士による最終判断+所轄行政の指針確認が必須です。

給水管サイズ選定 計算ツールの詳しい解説

給水管サイズ選定は、水圧・水量不足を防ぐための設備設計の要です。過小径では2階のシャワーで水が細くなる等の生活障害、過大径ではコスト増+滞留水の水質悪化のリスクがあります。

FU法の考え方

すべての水栓が同時に開くわけではないため、FU(器具給水単位)で確率的に流量を評価します。1FU=約7.5L/minが基準ですが、小規模ではFU×10、大規模ではFU×2.5と実際の同時使用率を反映したHunter曲線で換算されます。

公衆用FUが住宅より高い理由

事務所・商業施設の便所は昼休み等に集中利用され、住宅より同時使用率が高くなります。SHASE-S 206では公衆用FUを1.5-2倍に設定し、実流量を安全側に評価。オフィスビルで住宅基準の管径を採用するとピーク時に水圧不足が発生します。

共同住宅の給水方式

①直結給水(3階まで)、②直結増圧給水(5-10階)、③受水槽+ポンプ給水、④受水槽+高置水槽の4方式。管径選定は各方式で異なり、直結増圧では本管径φ25-40、受水槽以降はφ40-100が典型です。

本管圧力の確認と直結増圧の可否

管径だけを決めても、供給側の本管(配水管)圧力が足りなければ水圧不足は解消しません。配水管の圧力は概ね0.2-0.5MPa程度で、直結増圧給水を採用する場合は0.25MPa以上を目安に5階建て程度まで認める自治体が多く見られます。本管圧力が0.2MPaを下回る地域や、それ以上の階数では加圧ポンプ・受水槽方式の併用を検討します。いずれの方式でも採用可否と申請条件は自治体ごとに異なるため、設計着手前に水道局との事前協議が必須です。あわせて減圧弁の配置と設定圧を確認し、下層階の過大圧(一般に0.4-0.5MPa超)による水撃・器具劣化を防ぎます。

業界・現場での使い方

設備設計事務所

新築・リフォーム時の給水管径選定、水圧計算、施工図作成の基礎データ。

管工事業者

現場での管径確認、既存管との接続、水圧不足時の管径アップグレード提案。

マンション管理

築古物件の水圧問題調査、増圧ポンプ導入判断、リフォーム時の給水改修提案。

リフォーム業者

キッチン・浴室増設時の給水管容量チェック、既存管の流用可否判定。

公共施設・学校

大規模器具増設時の給水本管容量確認、老朽管更新時のサイズ選定。

よくある間違い・注意点

  • 私室用FUで公衆施設を設計 — 同時使用率が違うため過小径になり水圧不足。事務所は公衆用FUを必ず適用。
  • 平均流量で管径選定 — ピーク流量が問題。FU法または実測ピークで評価すべき。
  • 圧力損失無視 — 長い配管+多数曲がりで圧損拡大。距離200m超は詳細計算必須。
  • 管径2ランク下げでコスト削減 — 施工費差は微少、水圧不足クレームで大損失。1ランク上げが安全。
  • 老朽管の内径縮小を無視 — 築30年の鋼管は内径が20-30%縮小。改修時は現状の実測が必須。
  • 本管水圧を確認せず設計 — 管径が適正でも本管圧力が0.2MPa未満なら加圧ポンプが必要。5階以上への直結増圧は本管圧力の余裕確認が前提。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

1住戸(3LDK)の給水本管は?

FU合計12-15前後でφ20-25が標準。3階建てなら増圧ポンプ+φ25が安全。

小規模事務所(20人)は?

FU合計30-50でφ25-32が典型。トイレ・給湯・清掃で使用ピークを想定。

マンション全体の本管径は?

50戸級でφ80-100、100戸級でφ100-125が目安。実際は水道局協議で確定。

FUと流量(L/min)の関係は?

小規模FU×10、中規模FU×7、大規模FU×2.5と近似。Hunter曲線での換算。

直結給水と受水槽方式の違いは?

3階まで直結、5-10階で直結増圧、それ以上は受水槽+ポンプが標準。

水圧不足の原因は?

①管径不足、②本管圧力低下、③エア噛み、④減圧弁誤設定、⑤フィルタ詰まりが典型。

管径をワンサイズ上げるコストは?

材工でφ25→φ32で15-20%増、φ40→φ50で20%増程度。水圧不足リスク回避に安価。

SHASE-S 206は法律?

学会指針(準法規)。行政審査で事実上採用され、違反は設計ミス・施工不良の指摘対象。

管径に余裕を持たせすぎるとどうなる?

材工費と配管スペースが増えるうえ、流速が落ちて滞留水が生じます。水温上昇・残留塩素の低下によりレジオネラ属菌等の繁殖リスクが上がるため、過剰な余裕は品質低下の要因です。1ランク上げまでが実務上の目安。

直結増圧方式の本管圧力の目安は?

0.25MPa以上で5階建てまで直結増圧を認める自治体が多いです。0.2MPa未満の地域や高層では受水槽+加圧ポンプ方式を検討。判断基準は自治体ごとに異なるため水道局との事前協議が必要です。