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圧力単位 換算ツール|Pa・hPa・kPa・MPa・bar・atm・mmHg・psi 相互変換

圧力の単位パスカル(Pa)・ヘクトパスカル(hPa)・キロパスカル(kPa)・メガパスカル(MPa)・気圧(atm)・水銀柱(mmHg)・PSIを瞬時に相互換算。気象庁の天気予報(hPa)、自動車タイヤ空気圧(kPa/psi)、油圧配管(MPa)、血圧測定(mmHg)、ボイラ・高圧ガス保安の実務、SI単位系との整合、JIS/計量法・高圧ガス保安法まで解説します。

最終更新:2026-08-02/監修:計算ツールズ編集部

圧力単位 換算機

基本単位と換算式

SI基本式

1 Pa = 1 N/m² = 1 kg/(m·s²)
圧力 P = 力 F ÷ 面積 A

パスカル(Pa)は国際単位系(SI)の圧力単位で、1平方メートルあたり1ニュートンの力を表します。フランスの数学者ブレーズ・パスカル(Blaise Pascal)にちなむ命名。極めて小さい単位のため、実務では10^2倍のhPa、10^3倍のkPa、10^6倍のMPaを用途別に使い分けます。

主要換算値

1 atm = 101,325 Pa = 1,013.25 hPa = 101.325 kPa = 0.101325 MPa
1 bar = 100,000 Pa = 1,000 hPa = 100 kPa = 0.1 MPa
1 mmHg = 133.322 Pa
1 psi = 6,894.76 Pa
1 kgf/cm² = 98,066.5 Pa ≈ 98.0665 kPa

特に「1 atm(標準大気圧)」は水銀柱760mm・気温0℃・重力加速度9.80665m/s²で定義された歴史的定数で、1954年の第10回国際度量衡総会(CGPM)決議で確定した値。日常語の「1気圧」はこの値を指します。

旧単位(kgf/cm²)との関係

日本では計量法改正(1999年)以前、圧力をkgf/cm²(重量キログラム毎平方センチメートル)で表記する慣習がありました。1 kgf/cm² ≒ 98.0665 kPa ≒ 0.09807 MPa。産業設備・古い配管図面・銘板では現在も併記されることがあり、SI単位への換算に注意が必要です。

絶対圧力とゲージ圧力

圧力表記で最も混乱を招くのが絶対圧力(abs)ゲージ圧力(G/gauge)の区別です。

種類基準点用途大気圧下の値
絶対圧力(abs)完全真空(0Pa)気象・熱力学・物理計算101.325 kPa
ゲージ圧力(G)大気圧タイヤ・配管・工業計器0 kPa (基準)
差圧(differential)2点間の差フィルター差圧・流量計-

絶対圧力 = ゲージ圧力 + 大気圧(101.325 kPa)

タイヤ空気圧「240kPa」はゲージ圧力で、絶対圧力では約341kPa。ガス業界・冷凍空調では「MPaG」「MPaabs」等と明示することが実務標準。混同すると設計不良・安全上の重大事故に繋がります。

換算早見表

主要単位の相互換算

基準単位PakPaMPabaratmpsi
1 Pa10.00110^-610^-59.87×10^-61.45×10^-4
1 kPa1,00010.0010.010.009870.14504
1 MPa10^61,0001109.869145.04
1 bar100,0001000.110.986914.504
1 atm101,325101.3250.1013251.01325114.696
1 mmHg133.3220.133321.33×10^-40.001330.0013160.01934
1 psi6,894.766.8950.0068950.068950.06801
1 kgf/cm²98,066.598.0670.098070.980670.967814.223

身近な圧力の目安

対象圧力
真空(理想値)0 Pa
低圧真空装置1〜100 Pa
台風の中心気圧(強)930-950 hPa
標準大気圧1,013.25 hPa
血圧(収縮期正常)120 mmHg = 約16 kPa
ガスコンロ・都市ガス約2.5 kPa
LPガス(調整後)約2.8 kPa
水道給水本管150-500 kPa
自動車タイヤ(乗用)200-260 kPa
トラックタイヤ600-900 kPa
油圧建機・産業機械10-35 MPa
高圧洗浄機(家庭用)7-13 MPa
水素ステーション貯蔵82 MPa
マリアナ海溝(水深10,000m)約 108 MPa
地球中心部圧力約 360 GPa

気圧の変動(地上・生活圏)

状況気圧(hPa)気象への影響
移動性高気圧の中心1,020-1,035晴天・乾燥
平年並みの晴天1,013-1,020標準状態
曇天・雨天1,000-1,013湿潤・降水
発達した温帯低気圧980-1,000強雨・強風
通常の台風950-980暴風域を伴う
強い台風930-950広範囲被害
猛烈な台風(気象庁分類)<930甚大災害の恐れ

気象・大気圧(hPa)

日本の気象庁は天気予報・警報でヘクトパスカル(hPa)を使用。1992年12月に旧単位「ミリバール(mbar)」からSI準拠のhPaに切替されました(数値は同じで1mbar=1hPa)。

🌪️ 台風の中心気圧

気象庁の階級区分では中心気圧930hPa未満で「猛烈な台風」、950-970hPaで「非常に強い」、970-980hPaで「強い」に分類。歴代最強クラスの伊勢湾台風(1959年、900hPa上陸)、令和元年台風19号(915hPaピーク)など。低気圧の中心ほど気圧が低い。

🌡️ 高気圧・低気圧の境界

1013hPa(標準大気圧)より高いか低いかで高気圧/低気圧を分類。等圧線は4hPa間隔(補助線2hPa)で描画され、地上天気図の基本情報。

⛰️ 標高と気圧

標高が100m上昇するごとに気圧は約12hPa低下(下層大気)。富士山山頂(3,776m)は約640hPa、旅客機巡航高度(10,000m)は約265hPa、エベレスト山頂(8,848m)は約315hPa。

📉 気圧と体調

気圧の急激な低下(1日に10hPa以上)は自律神経に影響し、いわゆる「気象病」(頭痛・関節痛・めまい)の主因とされます。医学的には気圧の急変で内耳・血管系の調節機能が乱れる説が有力。

タイヤ空気圧(kPa/psi)

自動車タイヤの空気圧は指定値の80〜100%を維持することで、燃費・タイヤ寿命・走行安定性が最適化されます。日本車のカタログ・運転席ドア内側の指定表記はkPa、米国車・輸入車はpsiが慣習です。

車種前輪指定圧後輪指定圧
軽自動車240-260 kPa (35-38 psi)240-260 kPa
コンパクトカー220-240 kPa (32-35 psi)210-230 kPa
セダン220-250 kPa210-240 kPa
SUV230-260 kPa230-260 kPa
ミニバン(乗車8人)240-280 kPa280-350 kPa
スポーツカー(高性能)240-290 kPa240-290 kPa
小型トラック(積載時)350-450 kPa400-600 kPa
大型トラック750-900 kPa (110-130 psi)750-900 kPa
自転車(ロード)620-830 kPa (90-120 psi)620-830 kPa

タイヤ空気圧はゲージ圧力(大気圧を基準0とした表記)で、絶対圧力ではありません。米国基準の psi 表示では 32psi = 約 220 kPa、35psi = 約 241 kPa。1997年廃止の旧単位 kgf/cm² は 2.4 kgf/cm² ≒ 235 kPa。

圧力鍋・調理と圧力

圧力鍋は密閉した鍋内で水蒸気圧を高めて沸点を上げ、調理時間を短縮する調理器具です。日本の家庭用圧力鍋の圧力設定は60〜100kPa(ゲージ)程度で、沸点は約113〜121℃に達します。

圧力(ゲージ)絶対圧力水の沸点調理短縮効果
0 kPa(標準大気圧)101.3 kPa100℃基準
30 kPa(低圧設定)131.3 kPa約107℃約1/2の時間
60 kPa(標準設定)161.3 kPa約113℃約1/3の時間
80 kPa(高圧設定)181.3 kPa約117℃約1/3.5の時間
100 kPa(業務用)201.3 kPa約121℃約1/4の時間

油圧・高圧ガス(MPa/bar)

油圧建機・産業機械・水素・天然ガスの高圧貯蔵などではMPaおよびbarが使われます。高圧ガス保安法の対象になる圧力区分は事業者・設備の届出義務と直結します。

用途圧力範囲備考
ボイラ(小型)0.1-2.0 MPa労働安全衛生法対象
圧縮空気ライン(工場)0.5-0.9 MPa7 bar標準
スプリンクラー配管0.7-1.6 MPa建築消防設備
油圧建機(通常運転)10-35 MPa大型ショベル・クレーン
射出成形機(油圧)10-20 MPa射出圧力
都市ガス高圧管1.0-7.0 MPaガス事業法対象
天然ガス(CNG車両)20-25 MPaガスボンベ
水素ボンベ(FCV車載)70 MPaFCVタンク
水素ステーション圧縮機82 MPa充填時圧力
超音波洗浄・研磨200-400 MPaウォータージェット

ダイビング・潜水の水圧

水中では10mごとに約1気圧(101kPa)の水圧が加わります。スキューバダイビングでは水深による圧力変化が身体に影響し、減圧症・肺過膨張症の予防に圧力管理が不可欠です。

水深絶対圧力大気圧比
0m(地上)101 kPa1気圧
10m203 kPa2気圧
20m(初級ダイバー限界)304 kPa3気圧
30m(中級)405 kPa4気圧
40m(アドバンス限界)507 kPa5気圧
60m(テック)709 kPa7気圧
100m(テクニカル最深)1,115 kPa11気圧
1,000m(有人潜水艇)10.1 MPa100気圧

血圧・医療(mmHg)

医療分野では現在も水銀柱ミリメートル(mmHg)が慣習的に使われます。SIではPaが正式ですが、日本高血圧学会・国際高血圧学会も mmHg を維持しています。

血圧分類(JSH2019)収縮期(上)拡張期(下)
正常< 120 mmHg< 80 mmHg
正常高値120-129< 80
高値130-13980-89
I度高血圧140-15990-99
II度高血圧160-179100-109
III度高血圧≧ 180≧ 110

眼圧計(緑内障診断)、酸素吸入(mmHg表示)、人工呼吸器の気道内圧(cmH₂O表示)も同じく水銀柱系統。1 cmH₂O ≒ 0.735 mmHg ≒ 98.0665 Pa。

よくある間違い・注意点

  • 絶対圧力とゲージ圧力の混同 — タイヤ空気圧240kPa(ゲージ)を絶対値扱いすると、実際の絶対圧力は341kPaで100kPa以上のズレ。真空・冷凍空調では致命的ミス。仕様書は「MPaG」「MPaabs」を必ず明示。
  • bar と Pa の勘違い — 1 bar = 100,000 Pa = 100 kPa = 0.1 MPa。海外資料の bar 表記を Pa と誤読しないよう注意。特に欧州製工作機・海外配管図で頻出。
  • psi と kPa の直接比較 — 1 psi ≒ 6.895 kPa。「35 psi = 35 kPa」と誤認するとタイヤ空気圧が1/7に不足し、走行安定性・タイヤ寿命に重大な悪影響。輸入車整備・並行輸入車で要注意。
  • kgf/cm² と MPa の桁違い — 1 kgf/cm² ≒ 0.098 MPa(約 1/10)。旧仕様書の「20 kgf/cm²」は約2 MPa。SI移行(1999年)前後の設備仕様書混在に注意。
  • タイヤ空気圧を「空気を入れた直後」で判定 — 走行後は温度上昇で圧力が上がるため、必ず冷間時(走行前)の値で判定。ロードスター等の高性能車は特に厳格な指定。
  • 気象の hPa と mbar の同一性を疑う — hPa と mbar は数値が完全一致(1 hPa = 1 mbar = 100 Pa)。海外気象データ・航空業界での併存表記に戸惑わないでください。

関連する規格・法令

  • 計量法(日本) ― SI単位系(Pa・kPa・MPa)を法定計量単位として定めています。取引・証明に用いる圧力計はSI単位表示が原則。
  • 高圧ガス保安法 ― 常用圧力1MPa以上のガス設備(製造・貯蔵・移動・消費)の保安を規定。事業者・貯蔵所は届出・許可が必要。
  • 労働安全衛生法・ボイラー及び圧力容器安全規則 ― ボイラ・圧力容器の設計圧力・使用圧力・検査を規定。
  • JIS B 8210 ― 蒸気用・ガス用ばね安全弁。安全弁の吹出し圧力設定基準。
  • JIS B 7505 ― アネロイド型圧力計。工業用圧力計の精度等級・目盛範囲を規定。
  • JIS Z 8203 ― 国際単位系(SI)及びその使い方。圧力を含む物理量のSI表記ルール。
  • 道路運送車両法・保安基準 ― 自動車タイヤの空気圧点検義務・記載表示ルール。
  • ISO 80000-4 ― Quantities and units - Part 4: Mechanics。国際規格の力学量(圧力含む)定義。
  • ASME B40.100 ― Pressure Gauges and Gauge Attachments(米国機械学会の圧力計仕様)。

参考文献・公的資料

より正確な単位定義や測定手順を確認したい場合は、以下の公的機関の資料を参照してください。

※本ページの換算結果は概算値です。取引・型式指定・保安検査・公式報告に用いる場合は、上記公的機関の最新の一次資料および校正証明書付き圧力計での実測結果を優先してください。特に高圧ガス保安法・労働安全衛生法・道路運送車両法の対象となる用途では、有資格者(高圧ガス製造保安責任者・ボイラー技士・自動車整備士等)の判断を仰いでください。

よくある質問(FAQ)

hPaとPaはどう違う?

1 hPa = 100 Pa。ヘクトパスカルはパスカルの100倍で、気象分野で使うのに適した数値スケール(標準大気圧が1013.25hPaと4桁で収まる)ため気象庁が採用。物理計算の基本単位はPaで、両者は完全に整合しています。

台風の中心気圧が低いほど強い?

基本的にはそのとおりです。気象庁の階級では中心気圧が930hPa未満で「猛烈な台風」。中心気圧が低いほど気圧傾度が大きく、周囲との差から強風が生じます。ただし最大風速との相関は完全ではなく、進行方向や陸地への影響も併せて評価します。

タイヤ空気圧の psi と kPa の換算は?

1 psi ≒ 6.895 kPa。乗用車の一般的な指定圧は32-35 psi ≒ 220-241 kPa。輸入車の英語仕様書は psi、日本車のドア内側ステッカーは kPa 表記。ガソリンスタンドのエアゲージは kPa 表示が主流ですが、両方の目盛併記の機種もあります。

血圧の120mmHgはSI単位で何Pa?

1 mmHg = 133.322 Pa なので、120mmHg ≒ 16 kPa。SIでは16kPa/10.7kPa(上/下)となりますが、医療現場では歴史的経緯とスケールの分かりやすさから mmHg が国際的にも維持されています。

bar と atm はどれくらい違う?

1 bar = 100 kPa、1 atm = 101.325 kPa。bar は atm より約1.32%小さい値です。工業界では bar、気象・物理では atm、SI優先では Pa と、用途別に使い分けます。

絶対圧力とゲージ圧力の見分け方は?

仕様書・銘板に「MPaG」「G表記」があればゲージ圧力(大気圧基準)、「MPaabs」「abs表記」があれば絶対圧力。何も付いていない場合は文脈で判断(タイヤ・配管はゲージ、気象・物理・冷凍サイクルは絶対)、迷ったら発注元に確認を。

1気圧=1kgf/cm² は正しい?

厳密には違います。1 atm = 1.0332 kgf/cm²。従来慣用的に「1気圧≒1kgf/cm²」と近似されてきたため両者を同一視しがちですが、精密計算では約3%のズレが生じます。SI移行後(1999年〜)は Pa/kPa/MPa を使用してください。

高圧ガス保安法の対象圧力は?

常用圧力1MPa以上のガス製造・貯蔵・消費が主対象(法第2条)。ただし液化ガス、可燃性ガス、毒性ガス等は圧力基準以下でも対象になるケースあり。事業所届出・技術基準・冷凍保安責任者の選任等の義務が発生します。

水素ステーションの82MPaはなぜ?

FCV(燃料電池車)の車載水素タンクが70MPa仕様のため、充填時に70MPaまで確実に押し込む必要があり、圧縮機は+10MPa以上の余裕を持たせて82MPaで運用。極めて高圧のためJIS/ISO規格に基づく専用機器と有資格者が必須です。

気圧が低いと体調が悪くなるのはなぜ?

気圧の急激な変化(1日10hPa以上)は内耳・自律神経・血管系の調節機能に影響し、頭痛・関節痛・めまい等の「気象病」を引き起こすとされます。医学的には内耳の圧センサーが自律神経に信号を伝える説が有力で、天気予報アプリの気圧グラフを日常管理に取り入れる方もいます。

富士山山頂の気圧はどれくらい?

富士山山頂(3,776m)の気圧は約640 hPaで、地上の約63%。酸素分圧も同比率で低下するため高山病リスクが増します。旅客機巡航高度(10,000m)は約265hPa、キャビン内は与圧により2,000-2,400m相当(約760hPa)に保たれています。

kgf/cm² は今でも使える?

正式な計量法上は 1999年10月以降、取引・証明用の圧力計は SI 単位(Pa/kPa/MPa)を使用することが原則。ただし旧設備の銘板・図面での併記、社内標準としての使用は継続可能。2 kgf/cm² ≒ 0.196 MPaの換算表を現場に貼っておくと便利です。