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減価償却費 計算ツール|定額法・定率法(200%償却)で年別償却費を即算出

取得価額・耐用年数・償却方法から減価償却費を1年目・最終年まで自動算出。PC・車両・機械・建物・ソフトウェアの法定耐用年数早見表、少額(10万・20万・30万)減価償却資産の特例、中小企業投資促進税制、定率法(200%償却/旧250%)の調整方式まで、法人税法・所得税法・減価償却資産の耐用年数省令に基づく実務対応を解説します。

最終更新:2026-07-30/監修:計算ツールズ編集部

減価償却費ツール

計算式(定額法・定率法)

定額法

年間償却費 = 取得価額 × 定額法償却率(= 1 ÷ 耐用年数)

耐用年数期間、毎年同額を費用計上する方式。1000万・耐用5年なら毎年200万を5年間。計算がシンプルで、建物・建物附属設備・構築物・無形固定資産(ソフトウェア等)には定額法が強制適用されます。

定率法(200%償却法・2012年4月〜)

年間償却費 = 期首帳簿価額 × 定率法償却率(= 定額法償却率 × 2.0)

償却保証額 = 取得価額 × 保証率

初期は大きく、後年は小さく費用計上する方式。1000万・耐用5年なら償却率0.400で1年目400万、2年目240万…と減少。ただし各年の償却額が「償却保証額」を下回った時点から改定償却率で残存を均等償却する調整式です。2007年3月以前取得資産は「旧定率法」(未償却残高×償却率)を適用。

方法選択のルール

機械・器具備品・車両運搬具は原則定率法(法人)/定額法(個人事業主)がデフォルト。変更したい場合は「減価償却資産の償却方法の届出書」を、その事業年度開始前(法人)または3月15日まで(個人)に所轄税務署へ提出します。建物・建物附属設備・構築物・無形固定資産は法定で定額法固定。

法定耐用年数 早見表

「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」(耐用年数省令)による主要資産の法定耐用年数です。

資産区分詳細耐用年数
建物木造事務所24年
建物木造住宅22年
建物鉄骨造(骨格材4mm超)事務所38年
建物RC(鉄筋コンクリート)事務所50年
建物RC住宅・共同住宅47年
建物附属設備電気・給排水・空調(冷暖房)13〜15年
車両運搬具普通自動車6年
車両運搬具軽自動車4年
車両運搬具営業用トラック(貨物)5年
器具備品PC(サーバー用除く)4年
器具備品コピー機・複合機5年
器具備品デスク・椅子(金属製)15年
器具備品デスク・椅子(木製)8年
器具備品冷蔵庫・洗濯機6年
器具備品エアコン(ルーム)6年
機械装置金属加工機械10〜12年
機械装置食料品製造業設備10年
機械装置飲食料品卸売業設備8年
ソフトウェア自社利用・複写販売用5年
ソフトウェア研究開発用3年

定率法の償却率一覧(200%償却法)

2012年4月1日以降取得の減価償却資産に適用される定率法(200%償却)の償却率・改定償却率・保証率です。

耐用年数定率法償却率改定償却率保証率
2年1.000
3年0.6671.0000.11089
4年0.5001.0000.12499
5年0.4000.5000.10800
6年0.3330.3340.09911
7年0.2860.3340.08680
8年0.2500.3340.07909
10年0.2000.2500.06552
13年0.1540.1670.05426
15年0.1330.1430.04565
20年0.1000.1120.03270
30年0.0670.0720.02015
50年0.0400.0420.01072

各期首帳簿価額×償却率が「償却保証額(取得価額×保証率)」を下回った年から、以後は「改定取得価額×改定償却率」で均等償却へ切替。備忘記録として1円だけ残します(残存価額)。

少額減価償却資産の3つの特例

10万円未満: 即時損金算入

取得価額10万円未満は、資産計上せずに全額その事業年度の費用として計上可能(法人税法施行令133条)。中小企業・個人事業主・大企業を問わず適用。PC1台8万円、椅子9万円などが典型例。ただし常用時間3年未満の使用予定資産に限定される点に注意。

20万円未満: 一括償却資産(3年均等)

取得価額10万円以上20万円未満の資産は、3年間で1/3ずつ均等償却(耐用年数無視)可能(施行令133条の2)。20万円未満PC1台なら年6.67万×3年で処理。事業年度単位で「一括償却資産」として管理し、途中売却・除却しても3年償却を継続する特徴があります。

30万円未満: 中小企業者等の特例(合計300万まで)

青色申告の中小企業者(資本金1億以下)・個人事業主が対象。取得価額30万円未満の資産を、事業年度単位で合計300万円まで全額損金算入可能(措置法67条の5)。令和8年3月31日までの取得が対象。従業員500人以下(令和2年4月〜)の要件も追加されています。

普通の減価償却(30万円以上)

上記特例に該当しない資産は耐用年数省令に従い定額法・定率法で通常償却。法人は原則定率法、個人事業主は原則定額法。特例適用と通常償却の使い分けが年度末の税務戦略の要になります。

中古資産の簡便法

中古資産の耐用年数は法定年数ではなく、以下の「簡便法」で算定可能。中古車リースや中古機械購入で節税策として活用されます。

法定耐用年数を全部経過した中古品:耐用年数 = 法定耐用年数 × 0.2 (小数点以下切捨、最低2年)

一部経過した中古品:耐用年数 = (法定耐用年数 - 経過年数) + 経過年数 × 0.2

典型例:4年落ち中古普通車

普通車の法定耐用年数6年、経過4年 → (6-4)+4×0.2 = 2+0.8 = 2.8年 → 小数点以下切捨で2年。定率法償却率1.000なので、初年度100%償却が可能に。「4年落ちベンツ節税」の理論根拠がこれです。

業種別 実務での使い方

製造業・工場

機械装置・生産設備の減価償却が経費の大部分。設備投資は定率法で初期利益圧縮しつつ、中小企業投資促進税制で30%特別償却or7%税額控除の併用が定石。5000万円加工機なら初年度2500万+750万特別償却で3250万経費化可能。

不動産賃貸業

建物本体(定額法・木造22-24年/RC47-50年)+建物附属設備(定額法・15年)で分けて償却。新築RC1棟(建物2億+設備5000万)なら年間償却建物400万+設備333万=733万でキャッシュフローと税務利益に大差。中古1棟買いは簡便法で耐用年数短縮も可能。

飲食業・小売業

厨房設備(6-8年)・冷蔵ショーケース(6年)・レジシステム(5年)・店舗内装(建物付属設備扱いで15年)。開業時500万の内装工事を毎年33万でしか償却できず、資金繰りとのミスマッチが起きやすい。20万円未満の3年一括償却の活用余地大。

IT・システム開発

ソフトウェア(自社利用・複写販売用)は定額法5年、研究開発用は3年。クラウド化(SaaSサブスク)への切替でCAPEXからOPEXへ会計処理が変わり、減価償却負担が消えて即時費用化される流れが加速。

運送業・タクシー

営業用トラック(貨物運送)5年、タクシー(乗用)4年と、自家用より短い耐用年数。定率法で初期償却大きく取り、税務効果とキャッシュフローを最大化。中古4年落ち車両は2年で全額償却可能(簡便法)。

個人事業主・フリーランス

青色申告特典で30万円未満の一括経費化(合計300万まで)が使える。PC・カメラ・撮影機材・オフィス家具など、フリーランスの主要投資が対象。決算月に翌年分機材を前倒し購入して駆け込み節税、が定番テクニック。

定額法・定率法 シミュレーション比較

取得価額1000万円・耐用年数5年で、定額法・定率法(200%償却)の各年償却額と期末帳簿価額を比較したものです。

定額法 償却定額法 帳簿定率法 償却定率法 帳簿
1年目200万800万400万600万
2年目200万600万240万360万
3年目200万400万144万216万
4年目200万200万108万108万
5年目200万-1円1円108万-1円1円
累計償却1000万-1円1000万-1円

定率法は4年目以降、償却保証額(1000万×0.108=108万円)を下回るため、改定償却率0.500で改定取得価額216万×0.500=108万の均等償却に切替。トータル償却額は両方式で同じですが、キャッシュフローの時系列で大きく異なります。

よくある間違い・注意点

  • 耐用年数を勝手に短縮 — 「実質的な使用期間」で経理判断すると税務調査で否認されます。耐用年数省令の法定年数(または中古資産簡便法)を厳守。任意短縮は原則不可。
  • 償却方法を勝手に変更 — 定率法↔定額法の変更は「変更承認申請書」を変更事業年度開始前に提出。届出だけでは無効で、原則3年間は変更不可の縛りがあります。
  • 取得価額から付随費用を除外 — 引取運賃・関税・据付費・試運転費など事業供用までの費用は取得価額に含めます。「機械500万+設置費50万」なら550万で減価償却開始が正解。
  • 事業供用日を購入日と混同 — 減価償却の起点は「事業の用に供した日」(通常稼働開始日)であり、購入日・請求書日ではありません。年度またぎで購入だけ済ませ翌期供用の場合、翌期からの償却開始です。
  • 月割償却を忘れる — 期中取得資産は取得月から期末までの月数で按分。1000万・耐用5年定額法を10月取得なら、初年度200万×(6ヶ月÷12ヶ月)=100万が正しい計上額。
  • 少額特例の300万円上限を管理せず — 中小企業者等の30万円未満特例は事業年度単位で合計300万まで。年度末に慌てて追加購入すると上限超過で通常償却に戻される。月次で残高管理を。
  • 定率法の改定償却率切替を忘れる — 200%償却は途中で改定償却率×改定取得価額の均等償却に切替わります。表計算で機械的に処理せず、償却保証額との比較を毎期行う必要があります。

税務効果と法人実効税率

減価償却費は損金算入により法人税・法人住民税・法人事業税を減額します。中小企業(年800万以下)の場合の実効税率で試算した節税効果です。

取得価額年間償却(定額5年)実効税率35%時 節税額/年5年累計節税
100万20万7万35万
500万100万35万175万
1,000万200万70万350万
3,000万600万210万1,050万
5,000万1,000万350万1,750万

定率法採用の場合、初年度節税額は上記の2倍(140万)になり、キャッシュフロー最大化を狙えます。中小企業投資促進税制の30%特別償却or7%税額控除、DX投資促進税制、賃上げ促進税制なども併用して総合的な税務戦略を組みます。

関連する法令・通達

  • 法人税法 ― 減価償却の基本ルール(31条・47条)。損金算入限度額・償却方法・耐用年数の枠組みを規定。
  • 法人税法施行令 ― 133条(10万円未満即時損金)・133条の2(一括償却資産)・48条以下(償却方法・耐用年数)の具体的計算規定。
  • 所得税法 ― 49条(減価償却費の必要経費算入)。個人事業主・不動産所得への適用。
  • 減価償却資産の耐用年数等に関する省令(耐用年数省令) ― 資産区分ごとの法定耐用年数・償却率・改定償却率・保証率を規定する省令。
  • 租税特別措置法67条の5 ― 中小企業者等の少額減価償却資産(30万円未満)の特例。合計300万円まで。
  • 租税特別措置法42条の6 ― 中小企業投資促進税制(30%特別償却or7%税額控除)。機械装置160万円以上等の要件。
  • 法人税基本通達7-1-11〜7-1-14 ― 事業供用日の判定・修繕費と資本的支出の区分など、実務論点の通達解釈。
  • 企業会計原則 ― 費用収益対応の原則。会計上の減価償却は税務と別途、経営実態を反映した償却が可能。

参考文献・公的資料

減価償却の正確な適用ルールや最新の税制改正情報は、以下の公的機関の一次資料を必ず確認してください。

※本ページの計算結果は概算値であり、税務申告に用いる場合は税理士・公認会計士・所轄税務署への確認を必須としてください。特に中古資産の耐用年数、事業供用日の判定、資本的支出と修繕費の区分、償却方法の変更申請など、実務論点は個別事情で判断が分かれることが多い分野です。少額減価償却資産の特例(30万円未満)には合計300万円/年の上限と、資本金1億円以下・従業員500人以下の要件があり、令和8年3月31日までの取得に限定されるため、常に最新の税制改正動向を確認してください。

よくある質問(FAQ)

1000万・耐用5年定額法の年償却は?

取得価額1000万÷耐用5年=年200万を5年間均等償却。最終年のみ備忘記録の1円を残して残額償却。定額法償却率0.200で計算しても同じ200万になります。事業供用日が期中の場合は月割按分が必要です。

1000万・耐用5年定率法(200%)の1年目は?

定率法償却率0.400なので1000万×0.400=400万(1年目)。2年目は残高600万×0.400=240万、3年目360万×0.400=144万。ただし4年目以降は償却保証額との比較で改定償却率0.500による均等償却に切替わります。

定額法と定率法どちらが有利?

キャッシュフロー・税務戦略次第。初期利益圧縮したいなら定率法(前期集中)、平準化したいなら定額法。ただし建物・建物附属設備・構築物・無形固定資産は定額法固定です。ベンチャー・投資直後は定率法選択で節税効果大、成熟企業では定額法で安定計上が主流。

PCの耐用年数は何年?

汎用PC(サーバー用除く)は4年(器具備品「電子計算機」)。サーバー用は5年、モニター単体は5年で仕分。取得価額20万円未満なら3年一括償却、30万円未満なら中小特例で全額即時損金化も可能。フリーランスは30万特例が最有利です。

建物の減価償却は?

木造事務所24年・木造住宅22年・RC事務所50年・RC住宅47年と長期。定額法固定で、償却率は1÷耐用年数(木造住宅なら0.046)。不動産賃貸業のキャッシュフローと税務利益に大きな乖離を生む原因です。付属設備(空調・給排水13-15年)は分離して定額法で早めに償却するのが定石。

中古の4年落ちベンツで節税できるって本当?

本当です。中古車簡便法で(6-4)+4×0.2=2.8→切捨2年、定率法償却率1.000で初年度100%償却が可能。ただし事業供用が要件で、私用中心では否認リスク。かつ最終月取得だと月割で1/12しか償却できないので、期首取得か上半期取得を狙うのが実務セオリー。

10万・20万・30万の特例の違いは?

10万円未満は全事業者が全額即時損金(施行令133条)、20万円未満は3年一括償却(施行令133条の2)、30万円未満は中小青色特例で合計300万まで全額即時損金(措置法67条の5)。中小企業なら30万特例が最有利、20万は上限なしで償却スピードは中間。組合せ活用が節税ポイント。

ソフトウェアの償却期間は?

自社利用・複写販売用ソフトウェアは5年(定額法固定)。研究開発用は3年。SaaS(クラウドサブスク)は資産計上不要で全額費用処理でき、償却負担を回避できます。オンプレ→クラウド移行は会計面でCAPEX→OPEXへの転換を意味します。

期中取得の月割計算はどうする?

取得月から期末までの月数で按分。10月取得(12月決算)なら3ヶ月分。1000万・定額法5年なら200万×3/12=50万が初年度計上額。定率法は「期首帳簿価額×償却率×月数/12」で同様に計算。1ヶ月未満は切上げ(月単位)が実務慣行です。

会計上と税務上で耐用年数を分けられる?

会計上は経済的耐用年数で自由に設定可能(企業会計原則)、税務上は法定耐用年数固定。両者を分けると会計利益と課税所得に差(税務調整項目)が発生し、申告書別表4・5(1)で調整。上場企業では会計独自の耐用年数を採用する例もありますが、中小企業は税務基準に統一が実務的です。

減価償却しない資産は?

土地・借地権・美術品(特定金額以下でない)・書画骨董・ゴルフ会員権・電話加入権など「時の経過で価値が減らない資産」は非減価償却資産(法人税法基本通達7-1-1)。土地は建物と一体購入時も按分して土地部分は非償却です。

資本的支出と修繕費の区分は?

資産の使用可能期間延長・価値増加は「資本的支出」で減価償却対象、原状回復は「修繕費」で全額即時損金。60万円未満または前期末取得価額の10%以下なら修繕費として一括処理可能(法人税基本通達7-8-3)。判定に迷う場合は税理士確認を。