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源泉徴収税額 計算ツール|月給×扶養人数で甲欄税額を即算出

課税対象額(社会保険料等控除後の月給)と扶養親族数から国税庁「源泉徴収税額表(月額表)」の甲欄税額を即座に算出。給与担当・社労士・個人事業主の給与計算実務、扶養控除等申告書の甲欄/乙欄、賞与用税額表、年末調整の還付・追徴、所得税法・国税庁通達まで実務ベースで整理しました。

最終更新:2026-08-18/監修:計算ツールズ編集部

源泉徴収税額(月給)ツール

源泉徴収の仕組みと計算式

源泉徴収税額表(月額表)の概要

国税庁が公表する「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」に基づき、給与支払時に所得税を天引き徴収します。表は「社会保険料等控除後の給与額」を左列、「扶養親族等の数(0-7人)」を上列とするマトリクス構造で、交点の金額が源泉税額です。

源泉税額 = 表の該当欄の値(甲欄の場合、扶養1人につき約1,610円/月の控除)

例: 課税対象25.5万円・扶養1人 → 甲欄で約5,030円。扶養0人だと約6,640円、扶養2人だと約3,420円と変わります。国税庁は毎年最新版を配布しており、税制改正時は必ず新表を使用します。

課税対象額の算出手順

課税対象額 = 総支給額 − 非課税通勤費 − 社会保険料(健保・厚年・雇用保険)

例: 総支給30万円、通勤費非課税1.5万円、社会保険料合計4.5万円の場合、課税対象は30万−1.5万−4.5万=24万円。この24万円で税額表を引きます。総支給ベースで計算すると過大徴収になるため注意。

復興特別所得税の内包

2013〜2037年は復興特別所得税(所得税額の2.1%)が上乗せされます。源泉徴収税額表には既に反映済みのため、実務上は表の値をそのまま徴収すれば足ります。復興税分は「所得税及び復興特別所得税」として一体徴収・納付します。

甲欄・乙欄・丙欄の使い分け

源泉徴収税額表には甲欄・乙欄・丙欄の3種類があり、労働者の申告状況・雇用形態で使い分けます。

区分適用条件税率の特徴
甲欄扶養控除等申告書を提出した従業員(主たる勤務先1社)低税率、扶養控除・基礎控除を月次で反映
乙欄扶養控除等申告書を未提出(副業・掛け持ち)高税率(甲欄の2-3倍)、控除なし
丙欄日雇い労働者、2ヶ月以内の短期労働者日額表で日額9,300円未満は非課税

ポイントは「扶養控除等申告書」提出の有無で甲/乙が決まる点。副業アルバイトが「本業側には申告書を出し、副業側には出さない」ケースでは、副業側は乙欄で高税率徴収し、確定申告で精算する流れになります。

月給別 源泉税額の早見表(甲欄・扶養0-3人)

国税庁の月額表からの抜粋(概算)。2026年分(令和8年分)の源泉徴収税額表は改正されていないため、月々の源泉徴収税額は下表のとおりです。基礎控除104万円・給与所得控除74万円への引き上げは2026年12月の年末調整でまとめて反映され、それまでの天引き額との差額が精算されます(多くの場合は還付になります)。源泉徴収税額表そのものが改正されるのは令和9年分以後です。実務では必ず国税庁が配布する最新版の税額表で確認してください。

課税対象額扶養0人扶養1人扶養2人扶養3人
88,000円未満0000
100,000円720000
140,000円2,27065000
180,000円3,6202,0203900
200,000円4,7703,1401,5300
220,000円5,5303,9102,290670
240,000円6,5304,9103,2901,660
255,000円6,6405,0303,4101,790
280,000円7,4705,8504,2302,610
300,000円8,4206,7405,1103,490
350,000円10,7309,0807,4605,840
400,000円13,27011,6109,9908,370
500,000円20,09018,41016,79015,160
700,000円42,41040,12037,83035,540
1,000,000円85,37082,41079,45076,490

扶養1人増えるごとに約1,610円/月の税額減。年間換算では約19,300円の減税効果です。

賞与の源泉徴収

賞与(ボーナス)は月給と別途、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使用します。

前月の給与課税対象額 → 扶養数と組合せて「算出率」を求める → 賞与額 × 算出率 = 源泉税額

例: 前月給与25万円・扶養1人 → 算出率6.126%。賞与50万円なら50万×6.126% = 30,630円。前月給与のない新入社員や、賞与が前月給与の10倍超のケースは月額表を分割適用する例外処理があります。

賞与算出率の概算例

前月の課税対象額(扶養1人)算出率
68,000円未満0%
68,000-79,000円2.042%
133,000-171,000円4.084%
200,000-243,000円6.126%
300,000-406,000円8.168%
468,000-563,000円12.252%
1,000,000-1,700,000円22.462%

年末調整の還付・追徴

毎月の源泉徴収は年間の概算で、正確な年税額は年末調整で確定します。以下のイベントで還付/追徴が発生します。

還付が出やすいケース

年の途中で結婚(配偶者控除追加)、扶養家族が増加(子の誕生)、生命保険料・地震保険料の控除、住宅ローン控除(2年目以降)、iDeCo拠出、医療費控除の申告(確定申告)。年間で数万円〜十数万円の還付になる例が多い。

追徴が出るケース

年の途中で扶養家族が減少(離婚・子の就職)、賞与が前月給与の10倍超で月額表分割適用漏れ、期中の昇給で扶養控除等申告書の再提出遅延など。追徴時は翌月給与から相殺徴収。

年末調整の対象外

年収2,000万円超、副業所得20万円超、医療費控除・寄附金控除(ふるさと納税ワンストップ以外)、雑損控除等は年末調整の対象外で確定申告が必要。給与担当は該当者に確定申告の案内が重要。

源泉徴収票の発行

年末調整完了後、翌年1月末までに全従業員へ源泉徴収票を交付(所得税法226条)。同時に税務署・市区町村へ「給与支払報告書」を提出。マイナンバーの記載、電子交付の同意取得ルールに注意。

納付期限と延滞金の仕組み

源泉徴収した所得税は、給与支払者(会社・個人事業主)が期限内に納付する義務があります。

納付区分納付期限対象
原則納付徴収した月の翌月10日全ての給与支払者
納期の特例(7月10日)1月〜6月分常時給与支給人員10人未満の事業所
納期の特例(翌年1月20日)7月〜12月分常時給与支給人員10人未満の事業所

納付遅延時のペナルティ:

  • 不納付加算税: 納付税額の10%(税務署指摘前の自主納付は5%)
  • 延滞税: 納期限翌日から2ヶ月以内は年2.4%、それ以降は年8.7%(令和6年基準、毎年変動)
  • 電子納付(ダイレクト納付・インターネットバンキング)なら即日反映で遅延回避

大企業でも決算前後の資金繰りで納付遅延する例あり。給与担当は納付書の作成→承認→送金のワークフローを月次で固定化することが重要です。

業界・現場での使い方

人事給与担当

月次の給与計算で源泉徴収額を確定し、給与明細に反映。給与ソフト(freee人事労務・マネーフォワード・弥生給与等)が自動計算するが、扶養状況変更時の手動修正、乙欄適用者の識別、賞与算出率の確認は担当者判断。

社労士・税理士

顧問先の源泉徴収監査・年末調整代行。扶養控除等申告書の受領・保管(7年間)、乙欄該当者への確認、住宅ローン控除・生命保険料控除の証明書チェック、法定調書合計表(税務署提出)の作成まで対応。

個人事業主(青色事業専従者給与)

青色申告の事業専従者(配偶者・親族)への給与も源泉徴収対象。月給8.8万円未満なら源泉税0円だが、届出書の提出必須。専従者給与は事業所得の必要経費に算入できるため、法人化前の節税手段として重要。

建設業・製造業の日給月給者

日給月給制(日給×稼働日数)でも支給形態は月給扱いで、月額表適用。ただし2ヶ月以内の短期雇用は丙欄(日額表)で日額9,300円未満は非課税。日雇い派遣・応援職人の管理で頻用。

飲食・小売のパート・アルバイト

月8.8万円未満は源泉0円だが、扶養控除等申告書は本人が主たる勤務先1社にのみ提出可能。副業アルバイトは乙欄扱いで高税率徴収され、本人が確定申告で精算。年収178万円の壁(2026年分=令和8年分で所得税が発生する境界)・年収136万円の壁(親や配偶者の扶養に入れる境界)・130万円の壁(社会保険)の説明も担当業務。

個人への手取り予測

転職・昇給時の手取り予測に活用。総支給→社保控除→源泉税控除→住民税控除(前年分)の順に差し引いて手取り算出。ボーナスの手取りは総支給の75-80%が目安(所得税+社保+住民税除く)。

年末調整前のチェックリスト

11月〜12月の年末調整実務で担当者が確認する主要項目です。

  • 扶養控除等申告書の再提出(翌年分)を全従業員から回収
  • 基礎控除・配偶者控除・所得金額調整控除申告書の回収
  • 保険料控除申告書と生命保険・地震保険の控除証明書原本の照合
  • 住宅ローン控除の年末残高証明書(2年目以降の従業員)
  • iDeCo・小規模企業共済等の掛金証明書
  • 中途入社者の前職の源泉徴収票の回収
  • 16歳未満扶養親族欄と控除対象扶養親族欄の記載区別確認
  • マイナンバー未取得者の本人確認・番号取得

回収漏れは還付漏れ・追徴課税リスクに直結。1ヶ月前から従業員へリマインドし、電子申告(e-Tax)対応の給与ソフトでは電子的な回収・保管が効率化されています。

よくある間違い・注意点

  • 扶養控除等申告書を確認せず甲欄で計算 — 申告書未提出者は乙欄(高税率)で徴収する義務があります。副業アルバイトの多い飲食店・小売店で誤りが多く、税務調査で追徴課税・延滞税の対象になります。
  • 社会保険料控除前の金額で計算 — 課税対象額は「社会保険料等控除後」の金額。総支給ベースで税額表を引くと過大徴収になり、年末調整で還付処理が必要になります。
  • 非課税通勤費を課税対象に含める — 通勤定期代は月15万円まで非課税(所得税法9条1項5号)。マイカー通勤も距離別の非課税限度あり。これを課税対象に入れると過大徴収です。
  • 扶養家族変更の反映遅れ — 結婚・出産・子の就職などで扶養数が変わっても、扶養控除等申告書の変更提出がないと反映不可。年末に慌てて修正申告になるため、四半期ごとの状況確認が有効。
  • 16歳未満の扶養親族を含める — 平成23年度税制改正で16歳未満の扶養親族は所得税の扶養控除対象外(住民税は非課税限度額の判定に使用)。年少扶養親族欄と混同する誤りが典型的。
  • 賞与に月額表を使用 — 賞与は「賞与算出率の表」を使用。月額表を流用すると税額が正しく計算されません。前月給与ゼロや高額賞与の例外処理も要確認。
  • 復興特別所得税を別途上乗せ — 復興特別所得税(所得税額の2.1%)は源泉徴収税額表に既に反映済み。二重加算すると過大徴収になります。

関連する規格・法令

  • 所得税法 第183条 ― 給与所得の源泉徴収義務を規定。給与支払者は毎月の給与から源泉徴収し、翌月10日までに納付する義務がある。
  • 所得税法 第194条・第195条 ― 扶養控除等申告書・従たる給与についての扶養控除等申告書の提出義務。申告書の様式は国税庁が定める。
  • 所得税法 第226条 ― 源泉徴収票の交付義務。翌年1月末までに従業員に交付、税務署・市区町村に提出。
  • 復興特別所得税法 ― 2013年1月〜2037年12月の期間、所得税額の2.1%を上乗せ徴収。
  • 所得税法施行令 第309条 ― 通勤手当の非課税限度額を規定(月15万円まで等)。
  • 国税庁 源泉徴収税額表(月額表・日額表・賞与算出率表) ― 毎年12月頃に翌年分を公表。税制改正時は改訂版が発行される。
  • マイナンバー法(番号利用法) ― 源泉徴収票・給与支払報告書へのマイナンバー記載義務、本人確認、安全管理措置を規定。

参考文献・公的資料

実務では以下の公的機関の最新資料を必ず確認してください。

※本ページの計算結果は国税庁月額表の近似値であり、給与ソフト・年末調整の正確な金額とは若干異なる場合があります。実務での源泉徴収・年末調整には、必ず国税庁の最新税額表と扶養控除等申告書を参照し、税理士・社労士・所轄税務署の指導のもとで実施してください。復興特別所得税、地方税(住民税)の特別徴収、社会保険料は本ツールの計算範囲外です。

よくある質問(FAQ)

月給25.5万円・扶養1人の源泉税は?

国税庁月額表・甲欄で約5,030円。総支給ではなく「社会保険料等控除後」の金額で表を引きます。総支給30万円・社保4.5万円のケースなら課税対象25.5万円で税額表を参照します。

扶養控除等申告書とは?

その年の最初の給与支払日の前日までに提出する書類で、主たる勤務先1社にのみ提出可能。提出者は甲欄(低税率)、未提出者は乙欄(高税率)で徴収されます。副業側は原則乙欄扱いとなります。

賞与の源泉税はどう計算する?

「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使用。前月給与課税対象額と扶養数から算出率を求め、賞与額×算出率で税額を確定します。例: 前月25万・扶養1人で算出率6.126%、賞与50万なら30,630円。

16歳未満の子は扶養控除の対象になる?

所得税では16歳未満の年少扶養親族は扶養控除の対象外(平成23年度改正)。ただし住民税の非課税限度額判定には使用します。「控除対象扶養親族」欄と「16歳未満の扶養親族」欄を混同しないよう注意。

年収178万円の壁とは?

2026年分(令和8年分)の所得では、給与収入178万円=給与所得控除74万+基礎控除104万が本人の所得税がゼロになる境界です。改正前は「給与所得控除55万+基礎控除48万=103万円」でしたが、両方が引き上げられて178万円になりました。配偶者側の税制上の扶養(配偶者控除・扶養控除)に入れるラインは年収136万円、配偶者特別控除が満額38万円なのは年収174万円まで、控除が完全に消えるのは年収207万円です。130万円は社会保険の扶養で、こちらは税制改正では変わっていません。なお2026年分(令和8年分)は源泉徴収税額表が改正されていないため、月々の天引き額は従来どおりです。引き上げ後の控除は2026年12月の年末調整で反映され、差額が精算されます(税額表そのものの改正は令和9年分以後)。

通勤手当は課税対象?

合理的な通勤経路の定期代は月15万円まで非課税(所得税法9条1項5号)。マイカー通勤は片道距離別の非課税限度あり(2km未満は全額課税、10km未満4,200円〜95km以上66,400円の12区分。要件を満たす駐車場等の料金は月5,000円まで加算可)。非課税分は源泉徴収の課税対象額から除外します。

副業アルバイトの源泉徴収は?

副業側は乙欄(高税率)で徴収され、本業側の甲欄と合わせて年間税額を確定するため、本人が確定申告で精算します。副業年収20万円超は確定申告義務あり(給与所得者の副業例外)。

年末調整で還付になる条件は?

年の途中で扶養家族追加、生命保険料控除・地震保険料控除、住宅ローン控除(2年目以降)、iDeCo拠出などがあると、月次で概算徴収した税額より年税額が少なくなり還付が生じます。年間数万円〜十数万円の還付が典型的。

納付期限は?

徴収した源泉税は原則翌月10日までに税務署へ納付(所得税法181条)。ただし常時給与支給人員10人未満の事業所は「納期の特例」で年2回(7月と1月)にまとめて納付可能。特例申請は事前手続きが必要。

丙欄とは?

2ヶ月以内の短期労働者・日雇い労働者に適用する日額表のこと。日額9,300円未満は源泉税0円、9,300円以上でも比較的低税率。派遣・応援・イベントスタッフの給与計算で使用します。

マイナンバーは必ず記載が必要?

源泉徴収票(税務署提出用)・給与支払報告書(市区町村提出用)には従業員本人と扶養親族全員のマイナンバーを記載します。従業員交付用は本人分のみ記載(令和3年以降は記載不要化)。本人確認・安全管理措置が事業者の義務。

源泉徴収漏れが発覚したら?

過去に遡って追加徴収・納付が必要。不納付加算税(税額の10%)・延滞税(年最大14.6%)のペナルティ対象になります。税務調査で指摘される前に自主的に「期限後納付」すれば加算税が軽減される規定もあります。