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ボーメ度化学食品めっき現場実務

ボーメ度⇔比重換算

ボーメ度(Bé)⇔比重 を重ボーメ・軽ボーメの両スケールで即時換算。
塩水・希硫酸・希塩酸・NaOH溶液・果汁シロップ・化粧品原料・電解液など、工業・食品・農業現場で世代を超えて使われる古典的指標を、現場即算のためのツールに。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

ボーメ度⇔比重換算ツール

ボーメ度換算式

【重ボーメ】SG = 145 ÷ (145 − °Bé) (比重 > 1 用)

【軽ボーメ】SG = 140 ÷ (130 + °Bé) (比重 < 1 用)

ボーメ度は18世紀フランスの化学者アントワーヌ・ボーメ(Antoine Baumé)が塩水濃度計として発明した比重指標です。水より重い液体用の「重ボーメ」と、水より軽い液体用の「軽ボーメ」に分かれ、それぞれ異なる換算式を使います。10%食塩水を10°Bé、水を0°Béとする基準で、酸・アルカリ・塩溶液・果汁・化粧品原料の現場計測で使われ続けています。

重ボーメ度⇔比重 早見

°Bé比重代表用途
01.000純水基準
51.036海水近傍
101.07410%食塩水
151.116電解液・化粧品原料
201.160塩化カルシウム
261.220飽和食塩水
361.330硝酸50%
501.526NaOH 45%
661.841濃硫酸98%

ボーメ度⇔比重換算の詳しい解説

ボーメ度(°Bé または °Baume)は、フランスの化学者アントワーヌ・ボーメ(1728-1804)が1768年に発表した比重測定指標で、比重計(ボーメ比重計 = Baume Hydrometer)のスケールとして世界中で使われてきました。18世紀の欧州で塩水濃度計として広まり、以後200年以上にわたって工業・食品・農業・化粧品の現場で使われ続けている、極めて息の長い実用指標です。

重要なのは「重ボーメ」と「軽ボーメ」の2つのスケールがあること。水より重い液体(食塩水・酸・アルカリ)は重ボーメを、水より軽い液体(アルコール・軽質油・LPG)は軽ボーメを使い、それぞれ別の換算式(SG = 145/(145-Bé) と SG = 140/(130+Bé))を適用します。10%食塩水を10°Bé、水を0°Béとする基準です。

工業現場では今なお塩水プール・電解プラント・めっき工場で日常的に使用。たとえば海水淡水化の逆浸透膜設備では、濃縮ブラインの塩分濃度を°Béでモニタリングします。めっき工場では硫酸浴・塩酸浴の濃度管理、電気めっき液の管理指標として、pH計や導電率計と併用して°Béが記録されます。硫酸66°Bé=98%濃度、塩酸22°Bé=36%濃度など、業界内で「Bé濃度呼称」が定着しています。

食品業界では果汁シロップ、ワイン用ぶどう果汁、ジャム原料の濃度指標として。ジャム煮詰め工程の到達点として「45°Bé」といった業界用語が使われています。化粧品原料では化粧水・美容液のベース処方に含まれるグリセリン・ヒアルロン酸水溶液の濃度確認に用いられます。石油業界では、°Béよりも°API(アメリカ石油協会指標)が主流ですが、旧式の油田・製油所ではボーメ比重計が残っています。

現代ではデジタル密度計・屈折計が普及し、°Béでの直接読み取りは減っていますが、古い設備・レシピ書・作業手順書には°Bé表記が残っているため、換算能力は現場ベテランと若手をつなぐ実務スキルとして今も価値があります。工業高校の化学工業科、専門学校の醸造・化粧品コースでも必ず学ぶ古典的指標です。

業界・現場での使い方

めっき・化学プラント

硫酸浴・塩酸浴・NaOH洗浄槽の濃度管理を°Béでモニタリング。10-30°Béの範囲でリアルタイム制御し、脱脂・酸洗・電解の品質を安定化。

食品・調味料製造

塩水・シロップの調製、ジャム煮詰めの到達判定、味噌仕込み塩水の濃度管理。1°Bé単位の細かい調整で味・保存性を制御。

化粧品・製剤

化粧水・美容液のベース処方確認、グリセリン水溶液の希釈チェック。ラボ試験のレシピが°Bé表記のため換算が必須。

海水・水質管理

海水淡水化ROプラントの濃縮ブライン、水産養殖の塩分濃度、電解工業の塩水プール濃度管理。

よくある間違い・注意点

  • 重ボーメと軽ボーメの取り違え — 式が違うので、比重>1の液体に軽ボーメ式を使うと数値が破綻。塩水系は必ず重ボーメ、アルコール系は軽ボーメで計算する。
  • 温度補正忘れ — ボーメ度は基本60°F(15.56℃)または20℃基準。工場内の温度が高いと0.5-1.0°Béの誤差が出る。
  • °APIと°Béの混同 — 両方とも比重を独自スケールに変換する指標だが、換算式が異なる。特に石油業界では°APIが主流のため、レシピや報告書での表記統一が重要。
  • 比重計プローブの選定ミス — 重ボーメ計と軽ボーメ計は別プローブ。範囲外を測定すると読み取り不能になる。事前に測定対象の想定範囲を確認してプローブを選ぶ。

関連する規格・法規

  • 国際法定計量機関 — Alcoholometers and Alcohol Hydrometers ボーメ比重計の校正・使用基準。
  • JIS B 7527「ボーメ度浮ひょう」— 日本産業規格のボーメ比重計仕様。
  • ASTM E100「Standard Specification for ASTM Hydrometers」— 各種比重計の国際仕様。
  • 塩蔵品の塩分濃度、ジャム類の可溶性固形分は°Béとの換算値が慣行的に使われる。

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

ボーメ度と比重の違いは?

ボーメ度は「歴史的に扱いやすい整数スケール」に比重を換算したもの。0°Bé=水、10°Bé=10%食塩水と直感的なので、200年以上工業現場で使われてきた。比重は物性値そのもの。

重ボーメと軽ボーメを見分けるには?

測定液が水より重ければ重ボーメ、軽ければ軽ボーメ。塩水・酸・アルカリ・シロップは重ボーメ、アルコール・軽質油・LPGは軽ボーメ。事前に測定対象の比重範囲を想定してから使う。

66°Béが濃硫酸を意味するのはなぜ?

換算式 SG = 145/(145-66) = 1.836。この比重は98%硫酸の密度に対応するため、業界慣行として「66°Bé硫酸=98%濃硫酸」が定着している。試薬瓶ラベル、危険物取扱者試験でも登場する重要値。

°Béと°APIはどう違う?

両方とも比重の変換だが、°APIは石油業界標準(141.5基準)、°Béは化学・食品・農業標準。同じ比重でも数値が異なるため換算に注意。API 10 = 比重1.000 = 重ボーメ0.

食塩水の°Béと塩分濃度の関係は?

純粋な食塩水(NaCl水溶液)で、10°Bé=約10%NaCl、20°Bé=約20%、26.4°Bé=飽和食塩水(約26.4% NaCl)。実際の海水(塩分3.5%)は約3.5°Béに相当。

化粧品原料のグリセリン希釈で°Béは使える?

重ボーメで管理可能。純グリセリン(比重1.26)は約30°Bé、20%グリセリン水溶液は約6°Bé。レシピ書に°Bé指定がある場合、屈折率と併用してWチェック。

日本でボーメ比重計を売っている場所は?

アズワン・柴田科学・佐藤計量器製作所・アタゴ等の理化学機器メーカー。ホームセンター(塩浴用途)でも入手可。1本1,000-5,000円程度。