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適正飲酒量 計算ツール|純アルコール量・厚労省ガイドライン準拠

厚生労働省「健康日本21」および2024年公表「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」に基づき、適正飲酒量を試算。1日の純アルコール量から男性40g/女性20gの適正判定、週合計・年合計、生活習慣病リスクとの関連を可視化します。休肝日の設計、飲酒運転回避、健診結果(γ-GTP)との照合にもご活用ください。

最終更新:2026-08-02/監修:計算ツールズ編集部

飲酒量 計算機

純アルコール量の計算式

基本式

純アルコール量(g) = 飲酒量(mL) × アルコール度数(%)÷100 × 0.8

0.8はエタノールの比重(密度)0.79を丸めた値。純アルコール量20gは、厚労省「健康日本21」で「節度ある適度な飲酒量」とされる1日基準です。ビール中瓶1本(500mL・アルコール度数5%)がちょうど純アルコール20g、日本酒1合(180mL・15%)が21.6g、ワイン1杯(120mL・12%)が11.5g、焼酎(25%)で1合(180mL)が36gに相当します。

本ツールの判定基準

  • 純アルコール ≤ 適正×0.5(男20g/女10g以下) → 適正
  • 純アルコール ≤ 適正(男40g/女20g以下) → 上限内
  • 純アルコール ≤ 適正×1.5(男60g/女30g以下) → 多め
  • 純アルコール > 適正×1.5(男60g/女30g超) → 過量・要削減

厚労省ガイドラインでは、生活習慣病発症リスクの上昇する飲酒量として「1日純アルコール男性40g、女性20g以上」を示しています。本ツールはこの基準を採用し、その半分を「安全ゾーン」、1.5倍を「過量ライン」として4段階で判定します。

主要な酒類の純アルコール量早見表

酒類1杯量度数純アルコール量
ビール中瓶500mL5%20g
ビールロング缶500mL5%20g
ビール350mL缶5%14g
ビール(ジョッキ)中ジョッキ435mL5%17g
日本酒1合180mL15%21.6g
ワイングラス120mL12%11.5g
ワインボトル1/2(375mL)12%36g
焼酎(25度)1合180mL25%36g
焼酎(20度)1合180mL20%28.8g
ウイスキーダブル60mL40%19.2g
ウイスキーシングル30mL40%9.6g
チューハイ350mL1本7%19.6g
ストロング系500mL1本9%36g
梅酒(甘口)60mL13%6.2g

ストロング系チューハイ500mL(度数9%)は1本で36gと、単体で1日適正量(男40g・女20g)にほぼ達します。この点は近年の厚労省・依存症学会からも警鐘が鳴らされている論点で、女性の場合は1本で適正の1.8倍に相当します。

厚労省飲酒ガイドライン2024の要点

2024年2月、厚生労働省は「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を初めて公表しました。主要ポイントは次のとおり。

  • 生活習慣病発症リスクを高める飲酒量:純アルコール男性40g/日以上、女性20g/日以上
  • 大量飲酒の定義:純アルコール60g/日以上
  • 年齢・性別・体質による感受性の差を明記(高齢者・妊婦・未成年・アルコール分解酵素弱者は減量または回避)
  • 飲酒直後の運動・入浴・就寝は循環器負荷のリスク
  • 「まず1杯以上」の宴会文化から「純アルコール量で自己管理」への移行を推奨

ガイドラインでは「これ以下なら安全」という絶対基準ではなく、「増えるほどリスクが上昇する」量-反応関係を示しており、「アルコールを一切飲まない」が最も安全という近年の国際コンセンサス(WHO/EU等)にも配慮された内容です。

生活習慣病発症リスク

純アルコール量とがん・生活習慣病発症リスクの関係は、多数のコホート研究で確認されています(厚労省「eヘルスネット」等)。

疾患リスク上昇が示される量備考
高血圧男20g/日以上純アルコール量に比例
脳出血男20g/日以上心血管疾患リスク
大腸がん男20g/日以上WHO/IARCで確実な発がん
食道がん男20g/日以上ALDH2欠損者は特に高リスク
肝がん・肝硬変男40g/日以上・長期C型肝炎併存で加速
乳がん(女性)10g/日以上閉経後リスク上昇
膵炎男80g/日以上・長期急性/慢性膵炎
アルコール依存症男60g/日以上・長期ICD-11診断基準に該当

WHO/国際がん研究機関(IARC)はアルコールを「グループ1(ヒトに対して発がん性がある)」に分類しており、口腔・咽頭・喉頭・食道・肝・大腸・乳の各がんとの因果関係が「確実」とされています。

女性・高齢者・若者の注意

女性

女性は体格・体水分量・アルコール代謝酵素(ADH)活性の違いから、男性の半量が適正基準。妊娠中は「胎児性アルコール症候群(FAS)」予防のため完全禁酒が必須です(厚労省・母子健康手帳)。閉経後の乳がんリスクも10g/日から上昇するため、特にビール1缶/日でも要注意。

高齢者

65歳以上は肝代謝能力・体水分量の低下により、若年時と同量でも血中アルコール濃度が高く出やすい。厚労省ガイドラインでも「若年時より少なめ」を推奨し、転倒・骨折・肺炎・認知症加速のリスク上昇に注意が必要です。

若者(20代前半まで)

脳の発達が完了しない20代前半までは、飲酒による認知機能・記憶形成への影響がより大きく、依存症リスクも高い。日本の法律では20歳未満飲酒禁止(未成年者飲酒禁止法)。

アルコール分解酵素(ALDH2)欠損者

日本人の約4割が持つALDH2欠損型では、アセトアルデヒド代謝が遅くフラッシング(顔面紅潮)が出現。この体質での飲酒は食道がんリスクが数倍に上昇するため、量を大幅に減らすか回避を推奨します。

休肝日と週合計の設計

「休肝日」は日本独自の用語ですが、週2日以上の休肝日設定で肝機能回復、依存症予防、γ-GTP値改善に寄与するとされます(厚労省「健康日本21」推奨)。

週合計 純アルコール評価目安
0g(禁酒)最も安全
1〜100g(女性)/1〜140g(男性)低リスク缶ビール1-2本×2-3日
140〜280g(男性)中リスク純ア40g×毎日
280〜420g(男性)高リスクストロング系1本×毎日
420g以上(男性)大量飲酒・危険域依存症リスク顕在化

週2日の休肝日を設けた場合、週合計は自然と減少します。たとえば「純ア40g×5日 = 200g/週」なら「40g×7日 = 280g/週」より80g少なく、年間で4,160g(約4kg)の摂取削減になります。

減酒開始のチェックリスト

  • 1週間の飲酒量(酒類・量・度数)を記録し、純アルコール量を算出する
  • 本ツールで週合計・年合計を確認し、リスク帯を判定する
  • 目標(禁酒/-30%/-50%)を数値で決める
  • 週2日以上の休肝日を予定表に組み込む
  • ストロング系チューハイをビール・ワイン等の低度数に置き換える
  • 宴会・接待の前に「1晩の上限」を決める(男20g/女10g目安)
  • ノンアル・微アルコール飲料を代替候補として用意する
  • 健診結果(γ-GTP・ALT・AST)を4-8週後に再測定する
  • 依存症スクリーニング(AUDIT-C)を家族と一緒に受けてみる
  • 減酒が難しい場合は最寄りの精神保健福祉センター・依存症外来へ相談する

こんな場面で使える

健診結果(γ-GTP高値)の対処

γ-GTPが50 IU/L超なら生活習慣改善が推奨。純アルコール量を可視化して「週合計を何g減らすか」の目標設定に。

宴会・接待の総量管理

ビール中瓶2本+日本酒2合の1晩で純ア約60g。適正1日量40gを1.5倍超えているため、翌日以降の減酒・休肝日設定が必要と即判定できます。

ストロング系チューハイの危険性把握

1本500mL(9%)で純ア36g。1日1本でも女性適正20gを大きく超過。「軽い1本」の誤解を数値で崩せます。

禁酒・減酒プログラムの進捗管理

週合計・年合計の推移を記録し、目標(禁酒/-50%等)への到達度を確認。医療機関の減酒外来との連携にも。

妊活・妊娠期の完全禁酒サポート

妊活〜妊娠中は完全禁酒が推奨。家族・パートナーの飲酒量も共有し、家族全体で減酒の相談材料に。

よくある間違い

  • 「日本酒1合=ビール1本」で純アルコールも同じと誤解 — 実は日本酒1合(21.6g)>ビール中瓶(20g)、ワイン1杯(11.5g)<ビール中瓶と、純アルコール量ではかなり違います。度数×量で計算しないと過小・過大評価します。
  • 「休肝日を作れば飲み過ぎOK」と考える — 休肝日で肝機能は回復しますが、飲酒日に大量摂取すれば発がん・脳出血リスクは変わりません。休肝日+1日純ア量の適正化がセットです。
  • 「ワインはポリフェノールで健康」神話 — ワインの健康効果は近年のメタ分析で否定的な結果が続いています。WHOは「アルコールに安全量はない」と2023年に明言。
  • ストロング系チューハイを「軽い1本」と誤解 — 500mL(度数9%)で純ア36g。ビール中瓶1.8本相当。1本で女性適正の1.8倍、男性の約1倍に達します。
  • 「飲めるようになった」で量を増やす — 耐性形成は依存症進行のサイン。同じ酔い方に必要な量が増える現象で、危険な兆候です。
  • 飲酒後の運動・入浴・水風呂 — 血管拡張と脱水の重なりで血圧急変・不整脈・脳梗塞リスク。厚労省ガイドラインで明示的に警告されている行為。
  • ALDH2欠損なのに「訓練して強くなった」と続ける — アセトアルデヒド蓄積は変わらず、食道がんリスクが数倍。体質は変えられません。

飲酒パターン別 週合計・年合計シミュレーション

代表的な飲酒スタイル別に、週合計・年合計の純アルコール量と生活習慣病リスク帯を整理しました。自身の状況に近いパターンで判定してください。

パターンA:晩酌ビール1本×毎日

項目数値
1日 純アルコール20g(男性:適正・女性:上限)
週合計140g
年合計7,280g
リスク帯男性:低〜中/女性:高血圧・乳がん要注意

パターンB:ストロング系500mL×毎日

項目数値
1日 純アルコール36g(女性の1.8倍・男性の0.9倍)
週合計252g
年合計13,104g
リスク帯男性:中/女性:高リスク

パターンC:週末飲みだけ・宴会5合

項目数値
1日 純アルコール108g(日本酒5合)
週合計216g(週2日想定)
年合計11,232g
リスク帯大量飲酒(1回60g超)・急性中毒リスク

パターンD:休肝日4日+晩酌ビール1本×3日

項目数値
1日 純アルコール20g
週合計60g
年合計3,120g
リスク帯低リスク・推奨パターン

パターンE:完全禁酒

項目数値
1日 純アルコール0g
週合計0g
年合計0g
リスク帯最も安全(WHO 2023推奨)

週合計140g前後(男性適正×週7日)であっても、閉経後女性・ALDH2欠損型・高血圧予備軍では既にリスクが上昇するため、絶対的な安全ラインは存在しません。「増えるほどリスクが上がる」量-反応関係を踏まえ、可能な限り減量・休肝日の設計を推奨します。

参考資料・公的機関

※本ツールは厚労省ガイドラインに基づく概算判定です。個人の体質(ALDH2欠損等)・持病・服薬状況・年齢により適正量は大きく変わります。飲酒運転は法律で厳しく禁止されており、少量でも運転前・運転中の飲酒はしないでください。健診で異常値が出た場合や依存症が疑われる場合は、必ず医師・専門機関(保健所・精神保健福祉センター)へ相談してください。

よくある質問(FAQ)

純アルコール量って何?

飲酒量(mL)×アルコール度数(%)÷100×0.8で計算される、実際に摂取したエタノールの重量(g)。厚労省の適正基準は男性40g/女性20g/日、生活習慣病リスクを避けるため世界的にはより低い値(男20g/女10g等)が推奨されています。

ビール1本の純アルコールは?

ビール中瓶500mL(度数5%)で純アルコール20g。ちょうど1日適正量(女性)に相当。350mL缶なら14g、ロング缶500mLなら20gです。

ストロング系チューハイの危険性は?

500mL(度数9%)で純ア36g、女性適正20gの1.8倍、男性適正40gに近い量が1本に含まれます。「軽い1本」の感覚で数本飲むと依存症・急性中毒リスクが顕在化するため、厚労省・医学会からも警告が出ています。

休肝日は何日必要?

厚労省・健康日本21で「週2日以上の休肝日」が推奨。肝機能回復・依存症予防・γ-GTP改善に有効。休肝日は連続2日確保するのが理想的です。

女性の適正量が男性の半分なのはなぜ?

体格・体水分量・アルコール代謝酵素(ADH)活性の違いから、同量飲酒でも血中濃度が高く出やすいため。乳がんリスクも10g/日から上昇するため、女性の適正は20g/日以下と設定されています。

妊娠中の飲酒は?

完全禁酒が必須。少量でも胎児性アルコール症候群(FAS)のリスクがあり、妊娠期間中は絶対に飲酒しないでください。妊活中も同様の配慮が推奨されます。

γ-GTPが高いと言われた

γ-GTPは肝機能・アルコール摂取のマーカー。50 IU/L超で生活習慣改善が推奨、100超は要精査です。純アルコール量を減らして4-8週後の再検で改善するのが典型的。禁酒で1-2ヶ月で正常化するケースが多いです。

アルコール依存症の目安は?

ICD-11の診断基準では「12ヶ月間に飲酒コントロール喪失、優先順位の変化、身体的離脱症状のうち2つ以上」で診断。純アルコール60g/日以上長期継続、朝迎え酒、飲まないと落ち着かない、家族の指摘、などは要注意サインです。

お酒に強い/弱いはどう決まる?

アルコール分解酵素(ADH1B)とアセトアルデヒド分解酵素(ALDH2)の遺伝子型で決まります。日本人の約4割がALDH2欠損型(部分/完全)で、飲酒でフラッシング(顔面紅潮)が出現。この体質での飲酒は食道がんリスクが上昇するため要注意です。

飲酒運転は何時間空ければOK?

体重・性別・体質で異なりますが、目安は「純ア20gあたり4時間」。ビール中瓶1本を22時に飲んだら翌朝2時にようやく分解完了。翌朝運転する場合も「昨夜多く飲んだ」なら昼まで運転しないのが安全です。詳細はアルコール分解時間ツールで確認を。

禁酒は健康にいい?

WHO 2023年声明「アルコールに安全量はない」が示すとおり、禁酒は最も安全な選択。心血管疾患の予防効果も近年のメタ分析で否定的です。少量でもゼロにするほど発がん・生活習慣病リスクは下がります。

減酒外来はどこで受けられる?

精神科・心療内科・アルコール依存症専門医療機関で受診可能。厚労省の「依存症対策」ページや各都道府県の精神保健福祉センターで最寄りの機関を案内しています。「ナルメフェン(セリンクロ)」等の減酒補助薬もあります。