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不動産相続評価税務

相続不動産評価 計算ツール|路線価×形状補正×小規模宅地特例まで対応

相続税の土地評価額を路線価・面積・形状補正・小規模宅地等の特例から即算出。整形地・不整形地・間口狭小・貸家建付地・借地権・倍率地域のいずれにも対応し、居住用330㎡×80%減の特例適用シミュレーションまで一括表示。相続税申告・遺産分割協議・不動産名義変更の一次見積、土地・建物を含む相続財産のざっくり試算にご利用ください。

最終更新:2026-08-08/監修:計算ツールズ編集部

相続不動産評価 計算機

計算式(路線価方式・倍率方式)

路線価方式(市街地)

評価額 = 路線価(円/㎡)× 面積(㎡)× 各種補正率

市街地の宅地は、国税庁が毎年7月に公表する路線価図(財産評価基準書)の路線価をベースに算出します。路線価は公示地価の約80%に設定されているため、実勢価格の8割程度が評価額の目安です。

倍率方式(郊外・農地・山林)

評価額 = 固定資産税評価額 × 国税局長が定める倍率

路線価が設定されていない郊外・農地・山林は、市町村が算定する固定資産税評価額に、国税局が地域ごとに定めた倍率(宅地1.1〜1.2、農地・山林はより低い)を乗じて算出します。倍率は「評価倍率表」で公表されます。

建物の評価

建物評価額 = 固定資産税評価額(そのまま)

建物は市町村の固定資産税評価額をそのまま用います。建築価額の40〜60%程度が目安で、木造は建築後20年、鉄骨造は30年でおおむね評価額が下限に近づきます。

形状補正(不整形・奥行・間口)

財産評価基本通達では、以下の補正率を路線価に乗じます。複数の補正が該当する場合は原則として乗算します。

補正の種類減額率(目安)適用条件
奥行価格補正0.80〜1.00奥行が路線価地区区分の標準を大きく外れる場合
不整形地補正0.60〜1.00三角地・旗竿地・L字地・欠け地
間口狭小補正0.80〜1.00間口4m未満(住宅地区)
奥行長大補正0.90〜1.00奥行/間口比が2〜6以上
がけ地補正0.53〜0.96傾斜地の割合と方位
無道路地補正0.60(最大40%減)接道義務を満たさない土地
地積規模の大きな宅地約0.70〜0.80三大都市圏500㎡以上、その他1,000㎡以上

本ツールは代表的な形状補正5種類に対応しています。詳細な組み合わせや個別の減額率算定は、税理士・不動産鑑定士による現地調査を推奨します。

自用地・貸家建付地・借地権

土地の利用状況で評価額が大きく変わります。

土地種別評価式目安
自用地路線価×面積×補正100%(基準)
貸家建付地自用地評価×(1 − 借地権割合×借家権割合×賃貸割合)約79%(借地権60%・借家権30%・満室想定)
貸宅地(底地)自用地評価×(1 − 借地権割合)約40%(借地権60%地域)
借地権自用地評価×借地権割合約60%(借地権60%地域)

借地権割合は路線価図に A(90%)〜G(30%) の記号で表示されます。東京都心・大阪市中心部は 80〜90%、地方都市は 50〜60%、農村部は 30〜40% が一般的です。

小規模宅地等の特例

相続税の最大の減額特例。被相続人の居住用・事業用の宅地について、面積の一定範囲まで評価額を大幅減額できます(租税特別措置法69条の4)。

区分面積上限減額率主な適用要件
特定居住用宅地等330㎡80%減配偶者取得、または同居親族・別居家なき子が申告期限まで居住・所有
特定事業用宅地等400㎡80%減相続開始前から事業継続、申告期限まで承継事業を継続
特定同族会社事業用宅地等400㎡80%減同族会社への貸付地、役員承継等
貸付事業用宅地等200㎡50%減賃貸アパート・駐車場等、3年超前から貸付事業

居住用と事業用は併用可能で、最大で 330㎡(居住)+ 400㎡(事業)= 730㎡ を対象とできます。貸付用と併用する場合は面積調整計算が必要です。

「家なき子特例」:配偶者・同居親族がいない場合、別居の子でも「相続開始前3年以内に自己または配偶者・3親等内親族の家に住んでいない」等の条件を満たせば居住用宅地の特例が使えます。

相続税率と基礎控除

基礎控除

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

例:配偶者+子2人(法定相続人3人)→ 3,000万+600万×3 = 4,800万円まで非課税。相続財産(土地・建物・預貯金・有価証券等)の合計が基礎控除以下なら申告不要です。

相続税率(法定相続分に応ずる取得金額)

取得金額税率控除額
1,000万円以下10%
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1,700万円
3億円以下45%2,700万円
6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

この税率で計算した各人の相続税額を合計後、実際の取得割合で按分します。配偶者は法定相続分または1億6千万円までは配偶者の税額軽減で相続税ゼロとなるケースが多く、詳細計算は相続税シミュレータを参照。

計算例(3ケース)

ケース1:都心の自宅(居住用特例あり)

路線価50万円/㎡・180㎡・整形地・小規模宅地特例(居住用)適用
補正前評価 = 50万×180 = 9,000万円
特例適用 = 9,000万 × (1 − 0.80) = 1,800万円
80%減で7,200万円の減額。基礎控除4,800万円と合わせ、この土地のみなら非課税範囲。

ケース2:郊外の賃貸アパート敷地(貸家建付地)

路線価20万円/㎡・300㎡・整形地・貸家建付地(満室)
自用地評価 = 20万×300 = 6,000万円
貸家建付地 = 6,000万 × 0.79 = 4,740万円
さらに貸付事業用宅地特例(200㎡×50%減)で追加減額可能。

ケース3:不整形の郊外宅地

路線価15万円/㎡・250㎡・不整形(×0.90)・自用地
補正前評価 = 15万×250 = 3,750万円
形状補正 = 3,750万 × 0.90 = 3,375万円

こんな場面で使う

相続税申告の一次見積

被相続人の遺産のうち土地評価がどれくらいになるかを、税理士に依頼する前に把握。基礎控除超過の有無、小規模宅地特例の適用効果の試算に。

遺産分割協議の資産バランス調整

不動産と預貯金・有価証券を法定相続分に応じて分ける際、土地の評価額を明示することで代償金・共有名義の判断がスムーズに。

生前対策・相続税シミュレーション

親が元気なうちに、自宅・賃貸物件・借地の評価額を把握し、生前贈与・不動産購入・アパート建築などの対策を検討する起点に。

不動産の売却vs保有判断

相続後に売却する場合の実勢価格(路線価÷0.8)と、保有した場合の固定資産税・管理費を比較し、10年スパンでの損得判断に。

借地・貸宅地の権利関係整理

底地・借地権の相互評価が異なることを利用し、地主と借地人の権利交換(等価交換)を検討する際の第一次資料として。

不動産購入による相続税対策

現預金1億円と、同額の賃貸マンション(実勢1億・評価3,000万円)の相続税差額を試算。タワマン節税の効果も本ツールで可視化。

よくある間違い・注意点

  • 路線価と公示地価を混同 — 路線価は公示地価の約80%。実勢価格ではなく路線価を用いるのが相続税評価。売買相場を評価に使うと過大申告になります。
  • 小規模宅地特例の申告忘れ — 特例は相続税の申告書提出が必須(適用結果としてゼロ円でも)。申告書未提出だと特例が受けられず、後から数千万円の追徴課税もあり得ます。
  • 「同居親族」の解釈ミス — 特定居住用宅地の同居要件は「被相続人と生計を一にする」ことに加え、原則として住民票だけでなく実態としての同居が必要。単身赴任等はケースバイケース。
  • 倍率地域を路線価方式で計算 — 路線価が定められていない地域は倍率方式(固定資産税評価×倍率)が正解。路線価図に「倍率地域」と表記された場所は倍率表を参照します。
  • 相続開始前3年以内の贈与 — 相続開始前3年以内(2024年改正で段階的に7年へ拡大)に受けた贈与は相続財産に加算されます。生前贈与の駆け込みは効果が薄まる可能性があります。
  • 共有持分の按分ミス — 兄弟共有の不動産では自分の持分割合分だけを評価。全体評価額の按分を忘れると倍以上の過大申告になります。
  • 地積規模の大きな宅地の見逃し — 三大都市圏500㎡以上・地方1,000㎡以上の宅地は「地積規模の大きな宅地の評価」で追加減額(約70〜80%)が可能。要件を満たすのに未適用のケースが多い。

関連法令・通達

  • 相続税法 ― 相続財産の評価・課税・申告のベースとなる法律。第22条で「時価」による評価を原則とする。
  • 財産評価基本通達(国税庁) ― 相続税・贈与税における土地・建物・株式等の評価方法を体系的に定めた通達。路線価方式・倍率方式の詳細規定。
  • 租税特別措置法69条の4 ― 小規模宅地等についての相続税課税価格の計算の特例。居住用330㎡×80%・事業用400㎡×80%・貸付用200㎡×50%減。
  • 地価公示法 ― 国土交通省が毎年3月に公示地価を公表する根拠法。相続税路線価の基礎データ。
  • 不動産登記法 ― 相続登記(2024年4月から義務化)の根拠法。取得を知った日から3年以内の登記が義務。
  • 民法(相続編) ― 法定相続分・遺留分・遺産分割協議の根拠。配偶者居住権(2020年新設)も規定。
  • 不動産鑑定評価基準(国土交通省) ― 実勢価格による鑑定評価の公的基準。個別性の強い土地は鑑定評価による申告も可。

参考文献・公的資料

相続税・不動産評価の一次資料は以下を必ずご確認ください。

※本ツールの評価額は路線価方式による簡易試算であり、実際の相続税申告における評価額とは異なる場合があります。奥行価格補正・不整形地補正・地積規模の大きな宅地の評価等は個別具体的な計算が必要で、実勢の相続税申告は税理士・不動産鑑定士への依頼を強く推奨します。また税制改正(毎年)により面積要件・減額率・借地権割合等は変更されるため、最新の国税庁通達を必ずご確認ください。

よくある質問(FAQ)

小規模宅地特例とは?

被相続人の居住用・事業用の宅地について、面積の一定範囲まで評価額を大幅減額できる特例です。居住用宅地330㎡まで80%減、事業用宅地400㎡まで80%減、貸付事業用200㎡まで50%減。相続税の最大の節税制度で、必ず申告書提出が必要です。

路線価はどこで調べる?

国税庁の財産評価基準書(路線価図・評価倍率表)で毎年7月1日に公表されます。住所から地図を検索でき、道路上に千円単位で表示された数字(例:「300C」→30万円/㎡、借地権割合C=70%)を読み取ります。

路線価と公示地価の違いは?

路線価は相続税・贈与税の計算用で、公示地価の約80%。公示地価は売買価格の指標で国土交通省が毎年3月に公表。固定資産税評価額は公示地価の約70%と、それぞれ用途が異なります。

倍率地域とは?

路線価が設定されていない地域(郊外・農村・山林等)で、固定資産税評価額×倍率で評価する方式。倍率は国税局長が地域ごとに定め、宅地は1.1〜1.2、農地・山林はより低い値です。路線価図に「倍率地域」と表記されます。

相続税の基礎控除はいくら?

3,000万円+600万円×法定相続人の数。配偶者と子2人なら4,800万円まで非課税。この額を相続財産(土地・建物・預貯金・有価証券の合計)が超えない場合、原則として申告不要です。

貸家建付地の評価はなぜ低くなる?

賃借人がいることで所有者の使用収益権が制限されるため、自用地評価×(1 − 借地権割合×借家権割合×賃貸割合) で評価。借地権60%地域・借家権30%・満室なら約79%評価に減額されます。

タワーマンション節税は今も有効?

2024年から評価方法が改正され、時価と評価額の乖離が大きいマンションは評価乖離率による補正が導入されました。従来のような「時価1億→評価3,000万」の節税効果は薄まりましたが、なお一定の効果は残っています。

相続登記は義務?期限は?

2024年4月から相続登記が義務化されました。相続で不動産取得を知った日から3年以内に登記申請が必要で、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料。過去に相続した未登記物件も対象です。

配偶者の税額軽減とは?

配偶者が取得する遺産のうち、法定相続分または1億6,000万円のいずれか多い金額まで相続税がゼロになる制度。ただし配偶者亡き後の二次相続で税負担が増えるため、一次相続で使い切らない設計も有効です。

相続税申告の期限は?

相続開始(被相続人の死亡)を知った日の翌日から10ヶ月以内。同時に納付も必要で、延納・物納の申請もこの期限内に行います。期限後は延滞税・無申告加算税が発生します。

不整形地の減額率はどう決まる?

「かげ地割合」(想定整形地に対する欠け地の割合)と地区区分・地積により、財産評価基本通達に定められた不整形地補正率表(0.60〜1.00)から決定します。詳細は税理士による現地測量に基づく計算が必要です。

相続税と贈与税、どちらが安い?

贈与税は年間110万円の基礎控除内なら非課税。相続税は基礎控除(3,000万+600万×人数)が大きい代わりに一度で課税。総財産・法定相続人数・相続まで残された年数によりベストな組み合わせが異なり、詳細シミュレーションは税理士相談を推奨します。