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チーム年間予算 計算ツール|人件費・法定福利費・ツール・教育研修の総額試算

チームの年間予算を試算。マネージャー・メンバーの人件費(法定福利費約16-18%込み)、SaaSツール費、教育研修費、備品、出張費、オフィス按分まで計上して総額・月平均・1人あたりコストを可視化。厚労省・国税庁・中小企業庁の公式データに基づく計算根拠、業界別・職種別の予算配分実例まで解説します。

最終更新:2026-08-05/監修:計算ツールズ編集部

チーム予算 計算機

計算式と前提条件

基本式

総予算 = 人件費×(1+法定福利費率) + ツール費×12×人数 + 教育費×人数 + オフィス按分×12×人数 + 出張費×人数 + その他

チームの実効コストは「表面年収の1.2〜1.4倍」が業界共通の目安。表面年収が500万円なら、法定福利費・オフィス・ツール・教育を含めた「1人あたり実効コスト」は600万〜700万円に達します。この差を認識せず「年収の合計=予算」で経営判断すると、営業利益が大幅に悪化します。

本ツールで含めない項目

本ツールでは以下を「その他予備費」に丸めています:退職金積立、健康診断費、社宅補助、通勤手当、決算賞与、株式報酬、CFO/CTO直下の役員報酬など。企業ステージ・業種で幅が大きいため個別計上を推奨します。

予算精度の目安

本ツールは±10%程度の精度で、経営会議・部門長ヒアリング・予算計画初期の目安づくりに適した粒度です。厳密な予算編成(月次PL、キャッシュフロー計画)は経理部・財務部と連携し、勘定科目別に精緻化してください。

法定福利費の内訳(16-18%の根拠)

「法定福利費」は法律で企業負担が義務化されている社会保険料等の総称。給与総額に対する会社負担率は以下の通り(2026年8月時点、東京都・協会けんぽ標準料率)。

費目会社負担率概要
健康保険料約5.0%協会けんぽ東京 9.98%の労使折半、40歳以上は介護保険1.60%加算
厚生年金保険料9.15%18.3%の労使折半(上限あり)
雇用保険料0.95%2026年度一般事業の会社負担分
労災保険料0.25〜0.30%業種別、事務系は0.25%
子ども・子育て拠出金0.36%厚生年金対象者に対して
介護保険料(40歳〜)約0.80%対象年齢のみ
合計目安約16〜18%年齢構成で変動

本ツールのデフォルト値17%は、40歳未満メインチームで16%、40歳以上比率の高いチームで18%、中間値として設定しています。実際の見積もりは所属都道府県の協会けんぽ料率・厚生年金料率をご確認ください。

SaaSツール費の相場

近年、チーム予算のうちSaaS費が5〜15%を占める企業が増加。総務省「情報通信白書」でも、DX投資の一環として堅調に増えているカテゴリです。

ジャンルツール例1人月額目安
コミュニケーションSlack Pro / Microsoft Teams1,000〜1,500円
プロジェクト管理Asana / Notion / Jira800〜2,000円
グループウェアGoogle Workspace / MS 365800〜2,500円
営業CRMSalesforce / HubSpot7,500〜25,000円
会計・経費精算freee / Money Forward500〜1,500円
デザインFigma / Adobe CC1,500〜7,000円
AI/LLMChatGPT Team / Claude for Work3,000〜5,000円
セキュリティ1Password Business / Okta500〜2,000円
合計(一般的なDXチーム)15,000〜35,000円/人

本ツールのデフォルト「1人5,000円/月」はスタートアップの最低ライン。大企業DX部門・エンジニア組織では1人3万円/月(年36万円)を超えるケースも一般的です。

教育研修費の適正額

厚生労働省「能力開発基本調査」の直近データでは、企業の教育訓練費(OFF-JT)は労働者1人あたり年約1.4万円が全産業平均。ただしIT・コンサル・大手事業会社では10万〜30万円/年の投資が一般化しています。

カテゴリ年間目安/人効果測定
資格取得補助3〜10万円合格時全額支給が一般的
eラーニング(Udemy Business等)6万円〜月あたり視聴時間で評価
外部研修参加費5〜30万円受講後の実務適用レポート
技術書購入補助2〜5万円読書後の共有会
カンファレンス参加10〜30万円登壇・記事化でROI測定
社内勉強会運営1〜3万円参加率・満足度で評価
コーチング30〜60万円マネージャー中心、360度評価

本ツールのデフォルト「5万円/年・1人」は中小企業標準ライン。人材投資に本気の組織では10万円〜20万円が目安です。

オフィス按分と在宅ハイブリッド

フルオフィス出社を前提とした場合、東京都心のオフィス賃料は1坪あたり月2〜4万円(三鬼商事オフィスビル賃料調べ)。1人3坪換算で家賃だけで6〜12万円、共益費・光熱費・清掃費を含めると1人月8〜15万円のオフィス実質コスト。

働き方1人あたり月額目安補足
フル出社(丸の内・大手町)10〜15万円家賃4万×3坪+共益費・光熱費
フル出社(渋谷・新宿)8〜12万円家賃3万×3坪
ハイブリッド(週3出社)4〜7万円フリーアドレス化で坪数削減
フルリモート(東京拠点なし)1〜2万円コワーキング補助・自宅ネット手当
地方拠点2〜5万円福岡・大阪・仙台

本ツールのデフォルト「1人3万円/月」はハイブリッド想定。都心フル出社のスタートアップは6万〜10万円で設定してください。

業界別・チーム予算の相場

チーム構成6名(マネージャー1+メンバー5)モデルの実効コスト業界別目安。

業界年間予算(6名)1人あたり
IT/SaaS スタートアップ5,500〜7,500万円約1,000万円
コンサルティング7,000〜1億円約1,200〜1,700万円
広告代理店4,500〜6,500万円約800〜1,100万円
制作・デザイン3,800〜5,500万円約650〜900万円
メーカー R&D5,500〜8,000万円約1,000〜1,300万円
金融・銀行7,000〜9,500万円約1,200〜1,600万円
介護・福祉2,800〜4,200万円約470〜700万円
飲食・小売2,500〜3,800万円約420〜630万円

部署別予算配分の実例

営業チーム

人件費60〜65%、SalesforceなどCRM10%、教育15%、出張・接待10%。歩合制・インセンティブが年収を押し上げるため、成果連動の変動費比率が高い構造。

エンジニアチーム

人件費70〜80%、開発ツール(GitHub Copilot、AWS/GCP、Datadog等)10〜15%、教育5〜10%。人件費比率が高く、SaaS費とクラウド費が要素として大きい。

マーケティングチーム

人件費40〜50%、広告出稿費30〜40%、ツール(HubSpot、SEO tools、SNS運用等)8%、教育3%。広告費が変動費として大きい。

コーポレート(経理・法務・人事)

人件費75〜85%、SaaS(freee、SmartHR等)5〜8%、外部士業(税理士、弁護士、社労士)3〜7%、教育3%。ツール自動化投資が生産性の鍵。

カスタマーサクセス

人件費65〜75%、CS支援ツール(Intercom、Zendesk等)10%、教育・オンボード5%、出張5%。契約継続率がKPIのため、教育投資のROIが可視化しやすい。

デザインチーム

人件費70〜80%、Adobe/Figma/フォント素材ライセンス10%、外部委託10〜15%。Adobe CC・Figmaの単価が高く、ツール比率が構造的に大きい。

予算モデルケース(4パターン)

ケース1:スタートアップIT開発チーム(6名)

マネージャー1名(年収900万)+エンジニア5名(平均年収650万)。人件費(法定福利17%)=約4,875万円、SaaS費(1人月3万×12×6)=216万円、教育(1人10万×6)=60万円、オフィス按分(1人月3万×12×6)=216万円、出張(1人15万×6)=90万円。総額約5,460万円/年、1人平均910万円

ケース2:営業チーム(8名)

マネージャー1名(900万)+営業7名(平均年収550万)。人件費約5,616万円、CRM/MA(1人月2万×12×8)=192万円、教育・接待60万円、出張(1人20万×8)=160万円。総額約6,030万円/年、1人平均約754万円

ケース3:管理部門・少数精鋭(4名)

マネージャー1名(1,000万)+経理・法務・人事3名(平均年収600万)。人件費約3,276万円、SaaS(freee・SmartHR等)月2万×48=96万円、外部士業240万円/年、教育30万円。総額約3,650万円/年、1人平均約913万円

ケース4:大企業DX推進チーム(12名)

部長1名(1,300万)+マネージャー2名(1,000万)+メンバー9名(平均700万)。人件費約1億1,700万円、SaaS費(1人月3万×144)=432万円、教育(1人15万×12)=180万円、オフィス(一人月5万×144)=720万円、出張(1人20万×12)=240万円。総額約1億3,270万円/年、1人平均約1,106万円

よくある予算計上ミス

  • 法定福利費を計上せず「年収合計=予算」で計算 — 17%の見落としで、6名チームなら年間500万〜800万円の予算不足が発生。経営判断の狂いの最大要因です。
  • SaaS費の年次更新値上げを想定しない — Salesforce・HubSpot・Notion等は毎年5〜15%値上げが定着。3年後には現在の1.3〜1.5倍を想定して予算計画すべき。
  • 採用費・退職費を「その他」丸めで軽視 — 1名採用にリクルート経費で年収の20〜35%、外資系エージェント経由で35〜50%。退職者代替コストは総人件費の10〜20%を占めることも。
  • 賞与・インセンティブを月給ベースで平均化 — 決算賞与や成果報酬は変動費で、業績連動のため計画時は保守的(低め)、実現時に別途上振れ費用として計上するのが安全。
  • 出張費を営業のみと想定 — 開発合宿、リーダー研修、カンファレンス参加でエンジニア・PMも年10万円以上の出張予算が必要。全職種に按分計上すべき。
  • 備品減価償却の月割り忘れ — PC1台25万円は税法上4年償却で年6.25万円/人がコスト。10万円未満は消耗品扱いだが、モニター・椅子・カメラを含めると1人あたり月5,000〜8,000円が実質コスト。
  • 健康診断・産業医費を忘れる — 労働安全衛生法で従業員50人以上の企業は産業医選任義務。健康診断1名1万円+産業医契約年60万〜120万円が固定費。

関連会計基準・税務ルール

  • 健康保険料率 ― 全国健康保険協会(協会けんぽ)が都道府県別に決定。東京都は令和6年度9.98%(労使折半)。
  • 厚生年金保険料率 ― 18.3%(労使折半、上限厚生年金基金あり)。日本年金機構が公式レートを掲載。
  • 雇用保険料率 ― 厚生労働省告示。2026年度一般事業は労働者0.6%・事業主0.95%(合計1.55%)。
  • 労災保険料率 ― 業種別、厚労省労働基準局告示。事務系0.25%、建設業0.9%以上など。
  • 子ども・子育て拠出金率 ― 内閣府・厚労省告示、2026年度0.36%(全額事業主負担)。
  • 減価償却 ― 法人税法施行令第56条・耐用年数省令。PC4年、事務用机15年、モニター5年など。
  • 教育訓練費の税額控除 ― 法人税法「所得拡大促進税制(現:賃上げ促進税制)」で教育訓練費の上乗せ控除が制度化。
  • 労働安全衛生法 ― 定期健康診断(年1回以上)・産業医選任(50人以上)を義務化。
  • ストレスチェック制度 ― 労安法により従業員50人以上は年1回のストレスチェック実施義務。

参考文献・公的資料

より詳細な料率・統計データは、以下の公的機関の一次資料をご確認ください。

※本ページの計算結果および料率は執筆時点の目安です。実際の予算編成では、所属都道府県の協会けんぽ料率・厚生年金料率、業種別労災保険料率、企業ステージ・従業員構成を反映してください。また、退職金・株式報酬・役員報酬・特殊な業界規制コスト等は本ツールに含まれていません。詳細は税理士・社労士・公認会計士等の有資格者にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

法定福利費は本当に17%?

2026年8月時点で東京都・協会けんぽ・40歳未満メインチームで約16%、40歳以上比率高で約18%、平均で17%が目安。都道府県・業種で微差があるため、正確な数値は所属健保組合・年金事務所の公式資料でご確認ください。

SaaSツール費が5,000円/月は少なすぎない?

スタートアップ・小規模チーム基本ラインです。DX投資に本気のチームは1人1〜3万円/月が標準。エンジニアチームでGitHub Copilot・AWS・Datadog等を利用すると3〜5万円/月に達します。

教育研修費が5万円/年は少なくないか?

厚労省統計の全国平均は約1.4万円/年なので、5万円は平均以上の水準。ただしIT・コンサル・大手事業会社では10〜30万円/年が一般的。人材投資に本気の組織はデフォルト値を上書きしてください。

オフィス按分3万円/月は妥当?

ハイブリッド勤務・週3日出社の設定として妥当。フル出社(都心)は8〜15万円/月、フルリモートは1〜2万円/月と幅があります。実際のオフィス賃料÷従業員数で正確に算出してください。

退職金・賞与はどう計上する?

本ツールでは「その他予備費」に丸めています。厳密には賞与は年収に含める(月給×15〜18ヶ月換算)、退職金は退職給付会計基準に基づき期間発生額を按分計上。詳細は経理・会計士へ。

採用費は予算に入れるべき?

採用予定があるなら別途計上を推奨。1名採用で年収の20〜50%(外資エージェント経由)が業界相場。年間3名採用予定なら想定年収3名分×30% = 追加予算数百万円を確保してください。

チームの人件費比率の目安は?

業種で大きく異なります。IT・SaaSは総コストの70〜80%、コンサル・広告は50〜65%、飲食小売は35〜45%が中央値。人件費比率が高いほど「人が資本」の業種と言え、教育・SaaS投資のROIも大きくなります。

予算超過を防ぐ運用のコツは?

①月次で予算vs実績を可視化②SaaS・出張は事前承認制③採用時に「1人あたり実効コスト」で決裁④四半期ごとに予備費使用状況をレビュー、の4点で90%は防げます。

ハイブリッド勤務のオフィス削減余地は?

週3出社なら坪数40%削減の実例多数。フリーアドレス+ホテリング(席予約制)でさらに20%削減可能。ただし固定費削減の代わりに、リモートワーク補助・コワーキング利用費が発生する点を織り込みましょう。

備品・PCの計上ルールは?

10万円未満は消耗品費で即時費用化、10万円以上は減価償却(PC4年)。1人あたり月ベースで5,000〜1万円が固定費目安。PCリース活用で月額均等化する企業も増加中。

健康診断・産業医は予算に入れるべき?

労働安全衛生法で必須。健康診断は1名1万円、産業医は50人以上事業所で年60万〜120万円が固定費。ストレスチェックも年1回義務。予算のその他項目で必ず計上を。

役員報酬はチーム予算に含める?

通常はチーム予算とは別枠(役員報酬は税務上も別カテゴリ)。ただしプレイングマネージャーのCTO・CFOで、実務業務比率が高い場合はチーム按分計上する企業もあります。会計士と要相談。