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日本単位尺貫法建築着物古典

尺・寸・間 計算ツール|伝統単位とメートル相互変換+建築・着物・古典の実務解説

尺・寸・間・町・里など日本の伝統単位(尺貫法)とメートルを相互変換。建築(在来工法の柱間・畳寸法)、着物(反物・身丈)、古典(東海道の里程)で使われる単位を即時換算。分・厘・毛の細かな寸法、曲尺・鯨尺の違い、京間と江戸間の寸法差まで実務解説。

最終更新:2026-07-28/監修:計算ツールズ編集部

尺貫法 計算機

尺貫法の定義と換算基準

1尺の法的定義

1尺 = 10/33 メートル ≈ 0.303030... m ≈ 30.303 cm

日本の伝統単位である尺貫法の基準は、1891年(明治24年)の度量衡法で「1尺 = 10/33 メートル」と定義されました。この定義は1958年の計量法施行で商取引での使用が原則禁止されるまで法的単位でした。現在も建築・着物・古典文学の分野では日常的に使われ続けています。

10進法の単位体系

尺貫法の長さ単位は10進法で構成されており、換算が容易です:
・毛(もう)= 1/1000 分 = 3.03 μm
・厘(りん)= 1/100 分 = 30.3 μm
・分(ぶ)= 1/10 寸 = 3.03 mm
・寸(すん)= 1/10 尺 = 3.03 cm
・尺(しゃく)= 30.3 cm(基準単位)
・間(けん)= 6 尺 = 1.818 m
・丈(じょう)= 10 尺 = 3.03 m(曲尺)/6.06 m(鯨尺)
・町(ちょう)= 60 間 = 360 尺 = 109.09 m
・里(り)= 36 町 = 3.927 km

メートル法への統合

1958年の計量法で商取引・公文書での使用が原則禁止されましたが、建築・着物・古典文学・武道など伝統的な分野では現在も使われ続けています。2023年の計量法改正でも、伝統的用途は例外的に認められています。

尺貫法の全単位一覧

尺貫法の長さ単位の完全な一覧です。小さい順に毛・厘・分・寸・尺・間・丈・町・里と続きます。

単位尺での関係メートル換算主な用途
毛(もう)1/10000 尺0.0303 mm (30.3μm)精密加工の許容差
厘(りん)1/1000 尺0.303 mm (303μm)細かな寸法(着物)
分(ぶ)1/100 尺3.03 mm建具・釘・目盛
寸(すん)1/10 尺3.03 cm着物・刀剣・工具
尺(しゃく)1 尺30.303 cm建築・着物の基本単位
間(けん)6 尺1.818 m建築の柱間距離
丈(じょう)10 尺 曲尺/20尺 鯨尺3.03 m(曲尺)着物・大工
町(ちょう)60 間 = 360 尺109.09 m古典の距離
里(り)36 町3.927 km宿場町・古典

面積単位としては、坪(3.306 m²)、畝(99.17 m²)、反(991.7 m²)、町歩(9,917 m²)があり、こちらは今も土地取引で頻用されます。体積単位は合(180 mL)、升(1.8 L)、斗(18 L)、石(180 L)。

曲尺・鯨尺・呉服尺の違い

尺には用途別に複数の種類があり、混同すると寸法が大幅にずれます。

曲尺(かねじゃく)

  • 1尺 = 30.303 cm(10/33 m)
  • 建築・大工・木工の基本単位
  • 「大工の尺」「差し金の尺」ともいわれる
  • 本ツールで扱う「尺」は原則こちら

鯨尺(くじらじゃく)

  • 1尺 = 37.879 cm(1.25倍の曲尺)
  • 着物・呉服・和裁の基本単位
  • 「鯨のヒゲで作られた物差し」に由来
  • 1鯨尺 = 25/66 m

呉服尺(ごふくじゃく)

  • 1尺 = 37.879 cm(鯨尺と同じ)
  • 反物・呉服商で使用
  • 現代の着物業界でも一般的

現代の使い分け

  • 建築・大工:曲尺(30.3 cm)
  • 着物・和裁・呉服:鯨尺(37.9 cm)
  • 剣道・弓道・武道:曲尺
  • 古典文学の距離:曲尺

建築での実用寸法(在来工法)

日本の伝統的な木造建築(在来工法)は、「間」を基本モジュールとする京間・江戸間・中京間・団地間のグリッドで設計されます。

基本モジュール

寸法呼称尺での長さメートル換算用途
1間(けん)6 尺1.818 m柱と柱の間隔(京間)
半間3 尺0.909 m廊下・押入の幅
1畳(京間)3尺1寸5分×6尺3寸0.955×1.909 m畳の長辺・短辺
1畳(江戸間)2尺9寸×5尺8寸0.879×1.758 m関東の畳サイズ
柱の太さ(3寸角)3 寸角90 mm角間仕切壁・小屋組
柱の太さ(3寸5分角)3.5 寸角105 mm角戸建て柱の標準
柱の太さ(4寸角)4 寸角120 mm角高級住宅の通し柱
梁の高さ(1尺角)1 尺角303 mm角2階建の大梁
天井高(2間)12 尺3.636 m吹抜けの高さ
天井高(1間4尺)10 尺3.030 m1階の高天井

京間・江戸間・中京間・団地間の畳寸法

  • 京間(本間):3尺1寸5分×6尺3寸 = 955×1,909 mm(1.82 m²)
  • 中京間:3尺×6尺 = 909×1,818 mm(1.65 m²)
  • 江戸間:2尺9寸×5尺8寸 = 879×1,758 mm(1.55 m²)
  • 団地間:2尺8寸×5尺6寸 = 848×1,697 mm(1.44 m²)

「6畳の部屋」と言っても、京間なら10.9 m²、江戸間なら9.3 m²と17%も面積が違うため、賃貸物件・不動産取引で注意が必要です。畳数⇔㎡ツールで詳細な換算ができます。

着物・和裁の寸法

着物は鯨尺(1尺 = 37.9 cm)を使うため、建築の曲尺とは異なる寸法体系です。

反物・着物の標準寸法

  • 反物1反:長さ約12.5 m(曲尺の1丈2尺〜1丈3尺)、幅約37 cm(鯨尺の9寸5分〜1尺)
  • 身丈:成人女性で4尺〜4尺3寸(151-163 cm)
  • 裄丈(ゆきたけ):肩幅+袖丈で1尺6寸〜1尺8寸(61-68 cm)
  • 袖丈:1尺3寸(49 cm)が標準、振袖は2尺6寸(98 cm)

刀剣・武具

  • 大刀(打刀):刃長2尺以上(60 cm以上)
  • 脇差:刃長1尺〜2尺(30-60 cm)
  • 短刀:刃長1尺未満(30 cm未満)
  • 薙刀(なぎなた):全長1尺以上の刃+2〜3尺の柄

古典・歴史での距離単位

古典文学・歴史書で頻出する「里」「町」の距離を、現代の交通感覚に置き換えます。

里(り)の距離

  • 1里 = 36町 = 3.927 km(明治24年度量衡法)
  • 徒歩1時間で歩ける距離の目安
  • 「三里塚」「五里霧中」「千里の道」など地名・慣用句で頻出

東海道の里程

  • 東海道(江戸〜京都):約125.5里 = 約492 km
  • 宿場間の平均:約2里 = 約8 km
  • 1日の旅程:8-10里 = 32-40 km(徒歩7-10時間)

慣用句の里数

  • 「百里の道も一歩から」:100里 = 約393 km
  • 「五里霧中」:5里 = 約20 km
  • 「千里眼」:1000里 = 約3,930 km
  • 「三里四方」:3里 = 約12 km四方

実務での使い方・活用シーン

🏗️ 建築・大工・工務店

在来工法の設計で柱間距離、畳寸法、天井高を尺で管理。現代の建築図面はメートル併記だが、大工職人の間では「柱6尺、梁1尺角」等の尺表現が今も日常的に使われる。3尺=910mmの倍数で設計するグリッドは合理的。

👘 着物・和裁・呉服店

反物の長さ・幅、身丈・袖丈・裄丈を鯨尺で管理。曲尺と鯨尺の1.25倍の差を混同すると寸法エラーになる。着物のカスタムオーダーでは客の身長・裄丈を鯨尺で測定して、反物を裁断する。

📚 古典文学・歴史研究

「奥の細道」の里程、「源氏物語」の距離感、江戸時代の宿場町の距離を現代のkmに換算。1里=約4kmの感覚で古典を読むと、当時の旅の労苦が実感できる。

⚔️ 剣道・弓道・武道

刀の刃長、弓の長さ、竹刀の全長を尺で管理。竹刀は3尺9寸(118cm)が高校生用、3尺8寸(115cm)が中学生用など、細かい規定がある。

🏡 不動産・畳店

京間・江戸間の畳寸法差を理解した物件仲介・畳の張替え。「6畳」でも京間なら11m²、江戸間なら9.3m²と面積が違うため、賃貸物件の広告表示で誤解を生まないよう配慮が必要。

🎭 伝統芸能・骨董

能舞台の寸法(3間四方)、茶室の畳の敷き方、骨董品の寸法説明を尺で管理。掛け軸の「本紙丈」「表装丈」も尺で表記される。

よくある間違い・注意点

  • 曲尺と鯨尺の混同 — 建築の曲尺(30.3 cm)と着物の鯨尺(37.9 cm)は1.25倍違う。建築の「1尺」と着物の「1尺」は別物。用途で必ず確認する。
  • 京間・江戸間の畳寸法差を無視 — 「6畳」と言っても京間は10.9 m²、江戸間は9.3 m²で17%も違う。不動産取引・物件広告では畳の種類を明記する必要がある。
  • 「1丈」の定義違い — 曲尺の1丈は10尺(3.03 m)、鯨尺の1丈は20尺(7.58 m)に相当。反物の「1丈2尺」は曲尺で3.64 m、鯨尺で12.12 mと大差。
  • 面積・体積単位の混同 — 「1坪」は3.306 m²(面積)、「1升」は1.8 L(体積)で完全に別物。同じ「反」でも面積の反(991.7 m²)と反物1反(長さ)は別の意味。
  • 古典の里と中国の里の混同 — 日本の1里 = 約3.9 km、古代中国の1里 = 約400 m。三国志・水滸伝の「五里霧中」は約2 km、日本の「五里霧中」は約20 km。
  • 商取引での使用制限を知らない — 1958年計量法施行で商取引・公文書での尺貫法使用は原則禁止。建築図面はメートル法、伝統工芸のみ例外的使用。売買契約書に「1間」と書くと法的に有効性が問題になる可能性。
  • 1間=1.8 mと誤解 — 1間=6尺=1.818 m。0.018 mの差は、20 mの部屋で約0.36 mの誤差になる。大工の測量では1間=1.818 mまたは1.82 mで計算する。

関連する法令・規格

  • 計量法(昭和26年法律第207号) ― 日本の法定計量単位。1958年施行で商取引での尺貫法使用を原則禁止し、メートル法に一本化。
  • 計量単位令 ― SI単位(メートル・キログラム等)の法的定義。
  • 度量衡法(明治24年法律第3号、廃止) ― 1891年の尺貫法定義。「1尺=10/33 m」の法的根拠。
  • 建築基準法・住宅品質確保法 ― 建築図面はメートル法での表記が原則。ただし伝統的木造建築の設計は尺グリッド許容。
  • JIS Z 8202「量記号,単位記号,物理定数」 ― 日本産業規格の単位表記基準。
  • 畳工業組合の畳寸法規格 ― 京間・江戸間・中京間・団地間の畳寸法の業界規格。

参考文献・公的資料

尺貫法・単位換算に関する正確な情報は、以下の公的機関・学術機関の資料が一次情報源です。

※本ページの換算値は明治24年度量衡法の定義「1尺=10/33 m」に基づく理論値です。実際の伝統的物差し・巻尺には製造誤差があり、江戸時代以前の史料の尺は現代の曲尺より若干短い可能性があります。商取引・公文書での寸法表記はメートル法を使用してください(計量法)。伝統工芸・古典文学・建築設計の実務での使用は例外的に認められています。

よくある質問(FAQ)

1尺は何センチ?

1尺 = 30.303 cm(曲尺)、または37.879 cm(鯨尺)。建築・大工の一般用途は曲尺、着物・和裁は鯨尺。両者は1.25倍差で混同すると寸法エラーになる。正確な値は10/33 m(曲尺)、25/66 m(鯨尺)。

1間は何メートル?

1間 = 6尺 = 1.818 m。在来工法の柱間距離の基本単位で、日本の伝統建築の「モジュール」。半間(3尺 = 0.909 m)を最小単位として設計するグリッドが一般的。

1里は何キロ?

1里 = 36町 = 3.927 km(約4 km)。江戸時代の徒歩1時間の距離目安。「五里霧中」は約20 km、「百里の道」は約393 km。中国の1里(400 m)とは10倍違うので古典読解時に注意。

京間と江戸間の違いは?

京間(本間):3尺1寸5分×6尺3寸 = 955×1,909 mm、面積1.82 m²。江戸間:2尺9寸×5尺8寸 = 879×1,758 mm、面積1.55 m²。同じ「6畳」でも面積が17%違う。関西は京間、関東は江戸間が主流。

曲尺と鯨尺はどう使い分ける?

建築・大工・木工・武道 → 曲尺(30.3 cm)着物・和裁・呉服 → 鯨尺(37.9 cm)。1鯨尺 = 1.25曲尺の関係。混同すると建物寸法が25%大きくなったり、着物のサイズが25%小さくなったりする重大なエラーになる。

現代の建築で尺貫法は使われている?

公的な建築図面はメートル法だが、大工職人の間では今も「3尺=910mm、6尺=1間=1820mm、9尺=2730mm」等の尺グリッドが使われる。伝統木造建築の設計・材料寸法は尺で考える方が合理的。合板・柱材の規格寸法も910×1820mm(3尺×6尺)が標準。

「一尺一寸」はどう読む?

「いっしゃくいっすん」と読み、1尺+1寸 = 11寸 = 33.3 cm。慣用的に「〇尺〇寸」と表記し、加算した尺値を意味する。「1尺2寸5分」なら12.5寸 = 37.9 cm。分・厘は10進法の1/10、1/100尺。

反物の「1反」は何メートル?

反物の1反 = 長さ約12.5 m、幅約37 cm(曲尺の1丈2尺〜1丈3尺の長さ、鯨尺の9寸5分〜1尺の幅)。大人1人分の着物を仕立てられる長さ。呉服店で「反物1反」といえばこの標準サイズを指す。

坪と平方メートルの関係は?

1坪 = 6尺×6尺 = 3.306 m²(約3.3 m²)。土地・建物の面積単位として現代も広く使われる。1畳(江戸間)= 1.55 m²、2畳 = 3.1 m²で約1坪。坪⇔㎡ツールで詳細換算可能。

「三尺の童子」は何歳の子供?

3尺 = 90.9 cmの身長。4-5歳の幼児に相当する。古典では「無知な子供」「未熟な者」の意味で使われる慣用句。「7歳児は3尺5寸」等、年齢と身長の対応が古典文献に散見される。

尺貫法は現代でも法的に使える?

商取引・公文書では原則禁止(1958年計量法)。建築図面・売買契約書・登記簿はメートル法で記載する必要がある。ただし伝統工芸・文化財・建築設計の現場作業・古典文学では例外的に使用が認められている。

面積の「1畝」「1反」「1町歩」は?

1畝(せ)= 30坪 = 99.17 m²、1反(たん)= 300坪 = 991.7 m²(約10アール)、1町歩(ちょうぶ)= 3,000坪 = 9,917 m²(約1ヘクタール)。農地・山林の面積表記で今も使われる。