計算ツール
中綴じクリープ小口面付

中綴じクリープの計算

総ページ数・用紙の厚み・仕上がり幅から、中綴じで生じるクリープ量と推奨する小口のマージンを算出します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

中綴じクリープの計算ツール

本文のページ数は総64ページから表紙4ページを引いて60ページ、中綴じは1枚が4ページになるので折り枚数は15枚です。最も内側のシートは外側にある本文14枚と表紙1枚のぶんだけ小口へ押し出されるため、クリープ量は0.09×14+0.14=1.40mm。最外の折り丁は表紙厚だけの0.14mm、1シートごとの増分は0.09mmです。塗り足し3mmを加えた推奨マージンは4.40mm、最内ページの実効幅は210−1.40=208.6mmとなります。

ページ数と用紙厚みから見たクリープ量

総ページ数本文の折り枚数用紙0.09mmでのクリープ
16ページ3枚約0.32mm
32ページ7枚約0.68mm
64ページ15枚約1.40mm
96ページ23枚約2.12mm

用紙の坪量と厚みの目安

用紙坪量厚みの目安
上質紙70g/m²約0.09mm
コート紙90g/m²約0.08mm
マットコート紙110g/m²約0.12mm
コート紙(表紙)135g/m²約0.13mm

※参考計算です。保安基準・条例・製品仕様は改定されるため、最新の告示や各社の仕様書で確認してください。

中綴じクリープの計算の詳しい解説

中綴じの冊子は、二つ折りにした紙を入れ子にして背を綴じます。内側のシートは外側のシートに包まれる形になるため、折り山から小口までの距離が外側ほど短くなります。断裁すると外形はそろいますが、内側のページほど小口側が余計に切り落とされ、版面が相対的に小口へ寄って見えます。この現象がクリープで、ずれの量は間に挟まる紙の厚みの合計に等しくなります。ページ数が増えるほど、また紙が厚いほど大きくなる理屈です。

判断が分かれるのは補正のかけ方です。ページごとに版面を少しずつノド側へ移動させる方法が正攻法で、面付ソフトのクリープ補正機能はこれを自動で行います。一方、補正を入れず小口のマージンを最初から広く確保しておく方法もあり、ノンブルや柱の位置がページによって動かないという利点があります。写真を裁ち落としで使う紙面では前者、文字組が中心で位置の統一を優先する紙面では後者が選ばれる傾向があります。

見落とされやすいのは表紙の扱いです。表紙は本文より厚い紙を使うことが多く、1枚でも本文2枚分近い影響を持ちます。表紙を別丁として本文だけでクリープを計算すると、最内ページで無視できない差が出ます。また綴じの針が通る背の部分は紙が寄って膨らむため、実測すると計算値よりわずかに大きくなることがあります。厚い紙で60ページを超えるような冊子では、中綴じ自体が向かず無線綴じへ切り替える判断も必要になります。

条件による違いも大きく効きます。同じ坪量でも嵩高な用紙は厚みが2割ほど増え、クリープ量も比例して膨らみます。見開きで写真をまたがせる紙面ではノド側の絵柄が沈むぶんも見込む必要があり、単純なクリープ補正だけでは足りません。折り方や綴じ機の設定によっても数値は動くため、部数の多い仕事では試し刷りを組んで実測するのが確実です。印刷会社によって補正の考え方や必要なマージンの指定が異なるので、入稿の前に仕様を確認しておくと手戻りを防げます。

仕上がりの確認では、束見本を作って実際に折り重ねてみるのが最も早い方法です。計算上のクリープ量が1mm前後であれば体感としては小さく思えますが、小口に近い位置にノンブルや罫線を置いた紙面では、ページをめくるにつれて位置が動いていくのが目に見えます。逆に余白の広い紙面では2mmのずれでも気づかれません。数値だけで判断せず、紙面のどこに要素があるかと合わせて必要な補正を決めてください。

業界・現場での使い方

冊子デザインの版面設計

小口側に必要なマージンを事前に確保し、文字が切れる事故を防ぎます。

面付作業の設定

クリープ補正の量を数値で決め、面付ソフトの設定に反映します。

印刷会社への入稿確認

補正の要否と必要なマージンを、ページ数と紙厚の根拠つきで打ち合わせます。

綴じ方式の選定

クリープ量が大きくなる条件を把握し、無線綴じへの切り替えを検討します。

よくある間違い・注意点

  • 表紙の厚みを計算に入れない — 表紙は本文より厚いため、1枚でも最内ページのずれに大きく効きます。
  • 総ページ数を4で割らずに折り枚数とする — 中綴じは1枚が4ページ分です。枚数を取り違えるとクリープ量が4倍に膨らみます。
  • 小口ぎりぎりに文字を置く — 内側のページほど余白が減るため、外側で問題がなくても内側で切れます。
  • ノンブルの位置だけ補正する — 版面全体が動くため、ノンブルだけ移動させると本文との関係が崩れます。
  • 嵩高紙を坪量だけで判断する — 同じ坪量でも嵩高な用紙は厚みが2割ほど増え、クリープ量も比例して大きくなります。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

64ページの冊子でクリープ量はどれくらいですか?

本文0.09mm・表紙0.14mmの既定値で1.40mmです。本文の折り枚数は15枚になります。

クリープはどちら向きに出ますか?

内側のページほど小口側へ押し出されます。断裁後は内側ほど小口の余白が狭くなります。

小口のマージンはいくつ取ればよいですか?

クリープ量に塗り足しを加えた値が下限の目安です。既定値では4.40mmとなります。

用紙の厚みが分からないときは?

上質紙70g/m²で約0.09mm、コート紙90g/m²で約0.08mmが目安です。銘柄ごとの資料があればそちらを使います。

何ページを超えると中綴じは向きませんか?

紙厚にもよりますが、64ページを超えるとクリープと膨らみが目立ちます。厚紙なら32ページ程度が実務上の目安です。

面付ソフトの補正機能を使えば計算は不要ですか?

設定値の妥当性を確かめるために計算は役立ちます。補正を入れても小口のマージン確保は別途必要です。

見開きの写真はどう扱いますか?

ノド側で沈むぶんを見込み、絵柄を数ミリ重ねます。クリープ補正だけでは足りません。

表紙のページ数は0にできますか?

できます。本文と同じ紙で表紙を作る場合は0を入力すると、全ページを本文として計算します。