離婚調停申立費用計算ツール|家庭裁判所費用・弁護士報酬・郵券・同時申立の総額試算
離婚調停の申立費用を、家庭裁判所への収入印紙・郵便切手(予納郵券)・弁護士費用(着手金・成功報酬)まで含めて実額試算。婚姻費用分担・養育費・慰謝料・年金分割・面会交流の同時申立、法テラス民事法律扶助、本人申立と弁護士依頼の費用差、調停不成立時の審判・訴訟移行までの総費用を、離婚調停利用者・弁護士・司法書士・行政書士の実務向けに解説します。
離婚調停申立費用 計算機
費用の内訳と計算式
離婚調停の費用構造
総費用 = 裁判所費用(収入印紙+予納郵券)+ 弁護士費用(着手金+成功報酬+実費)
慰謝料の手取り見込み = 請求慰謝料額 − 総費用見込み
請求慰謝料額は、家庭裁判所に納める収入印紙の額には影響しません。家事調停の申立手数料は請求額にかかわらず1件1,200円の定額だからです。請求慰謝料額が費用側に効くのは、(1) 弁護士に依頼した場合の成功報酬(経済的利益の10〜16%)と、(2) 調停が不成立となり離婚訴訟へ移行する場合の訴訟の提起手数料(訴額は離婚請求160万円と慰謝料請求額の高いほう)の2つです。そのため本人申立で調停成立という前提では、請求額を動かしても費用側は1円も変わりません。それが分かるように、請求額どおり受け取れた場合に手元へ残る額(手取り見込み)と、費用が請求額を上回っていないか(費用倒れ判定)を併せて表示しています。慰謝料を請求しない場合は0を入力してください。
離婚調停は、家庭裁判所への申立費用自体は数千円程度と極めて低額ですが、弁護士に依頼する場合は着手金30〜60万円+成功報酬20〜40万円が加わり、総額50〜100万円程度になるのが一般的です。裁判所費用と弁護士費用を明確に分けて把握することが、費用計画の第一歩です。
裁判所費用の内訳
- 収入印紙: 申立書に貼付(離婚調停1,200円、養育費・慰謝料等の追加申立1件につき1,200円)
- 予納郵券: 呼出状・書類送達用の郵便切手(各家庭裁判所で異なる、通常1,000〜2,500円)
- 戸籍謄本等: 添付書類の取得実費(1通450円等)
弁護士費用の内訳
- 着手金: 依頼時に支払う。調停で30〜50万円が相場、成功可否問わず返金なし
- 成功報酬: 調停成立時に支払う。20〜40万円+経済的利益の10〜16%
- 実費: 交通費・書類作成費・郵送費・印紙代等
- 日当: 遠方の裁判所出頭時に別途発生(1回3〜5万円)
家庭裁判所費用の詳細
家庭裁判所への申立費用は、申立内容ごとに収入印紙代が加算されます。最高裁判所「家事事件費用一覧」に基づく標準額です。
| 申立内容 | 収入印紙 | 備考 |
|---|---|---|
| 離婚調停(単独) | 1,200円 | 基本料金 |
| 離婚+婚姻費用分担 | 2,400円 | 婚費1,200円加算 |
| 離婚+養育費 | 2,400円 | 養育費1,200円加算 |
| 離婚+面会交流 | 2,400円 | 面会交流1,200円加算 |
| 離婚+慰謝料 | 2,400円 | 慰謝料1,200円加算 |
| 離婚+財産分与 | 2,400円 | 財産分与1,200円加算 |
| 離婚+年金分割 | 2,400円 | 年金分割1,200円加算 |
| 離婚+養育費+慰謝料+面会交流+財産分与+年金分割 | 7,200円 | フル申立(5件加算) |
予納郵券(郵便切手)
各家庭裁判所によって金額と内訳が異なります。東京家裁の場合、離婚調停で約1,022円(100円×4枚、84円×5枚、10円×5枚、5円×2枚、2円×5枚、1円×5枚)。地方の家裁では2,000〜2,500円のケースも。管轄裁判所のWebサイトまたは電話で最新額を確認してください。
弁護士費用の相場
弁護士費用は自由化されており、事務所や依頼内容で幅があります。日本弁護士連合会(日弁連)「弁護士報酬に関する規程」および各法律事務所の公表相場に基づく参考値です。
| 費目 | 相場範囲 | 備考 |
|---|---|---|
| 法律相談料 | 5,500円/30分〜無料 | 初回無料の事務所も多い |
| 着手金(調停) | 30〜50万円 | 離婚のみ。追加申立で加算 |
| 着手金(訴訟) | 40〜60万円 | 調停不成立後の訴訟 |
| 成功報酬(調停成立) | 20〜40万円+経済的利益の10〜16% | 慰謝料・財産分与額に応じ変動 |
| 日当(遠方出頭) | 3〜5万円/回 | 片道2時間超が目安 |
| 実費(書類・交通) | 2〜5万円 | 戸籍謄本、郵送費、コピー代等 |
| 手数料(証拠保全等) | 10〜30万円 | 特殊対応時のみ |
依頼形態別の総費用イメージ
| 依頼形態 | 目安総額 | 特徴 |
|---|---|---|
| 本人申立(弁護士なし) | 2,400〜10,000円 | 裁判所費用のみ、書類作成負担大 |
| 書面作成のみ司法書士に依頼 | 5〜10万円 | 申立書作成のみ委任 |
| 弁護士依頼(標準) | 50〜100万円 | 着手金+成功報酬+実費 |
| 弁護士依頼(大規模事務所) | 100〜200万円 | ブランド事務所・大都市 |
| 法テラス立替 | 着手金約15万円(月5,000〜10,000円分割) | 収入・資産要件あり |
法テラス(民事法律扶助)
収入・資産が一定以下の方は、法テラス(日本司法支援センター)による民事法律扶助制度を利用できます。弁護士費用の立替(無利息)が受けられ、月々5,000〜10,000円で分割返済します。
利用要件(2026年度)
- 収入要件: 単身者 手取月収20.0万円以下、扶養家族1人 27.6万円以下、2人 29.9万円以下(大都市は+概ね1割)
- 資産要件: 現金・預金180万円以下(家族構成で変動)
- 勝訴の見込み: 明らかに勝ち目のない事件は不可
- 目的の合理性: 民事法律扶助の趣旨に沿う
費用イメージ
離婚調停で法テラス立替を利用した場合、着手金約15万円が立て替えられ、成立後は成功報酬10〜15万円も立替対象。総額30万円を月5,000〜10,000円で3〜5年かけて返済するイメージです。生活保護受給者は返済免除の可能性もあります。
調停の流れと期間
離婚調停は申立から成立まで、通常3〜6ヶ月、複雑な事案では1年以上かかることもあります。
| ステップ | 期間 | 費用発生 |
|---|---|---|
| ①法律相談(弁護士or法テラス) | 1〜2週間 | 相談料5,500円〜無料 |
| ②申立書作成・提出 | 2〜4週間 | 収入印紙+予納郵券+弁護士着手金 |
| ③第1回調停期日(申立から1〜2ヶ月後) | 1日 | 交通費・日当 |
| ④第2〜5回調停期日(月1回ペース) | 2〜4ヶ月 | 交通費・日当 |
| ⑤調停成立・調停調書作成 | 1〜2週間 | 弁護士成功報酬 |
| ⑥離婚届提出(10日以内) | 1日 | 戸籍手数料等 |
調停不成立となった場合、原則審判または訴訟へ移行します。訴訟移行の場合、着手金追加+書類再作成で30〜60万円の追加費用が発生します。
調停不成立後の審判・訴訟費用
調停が不成立となった場合、次の段階へ移行します。段階ごとの費用は以下の通りです。
| 段階 | 費用目安 | 期間 |
|---|---|---|
| 審判(婚費・養育費・面会交流等) | 裁判所費用同額+弁護士報酬 | 3〜6ヶ月 |
| 離婚訴訟(第一審) | 収入印紙13,000円〜+弁護士60〜100万円 | 1〜2年 |
| 控訴審 | 収入印紙×1.5倍+弁護士40〜80万円 | 6ヶ月〜1年 |
| 上告審 | 収入印紙×2倍+弁護士40〜100万円 | 6ヶ月〜1年 |
| 強制執行(給与差押え等) | 1〜5万円+弁護士10〜30万円 | 1〜3ヶ月 |
訴訟の収入印紙額は請求金額により変動(100万円以下: 1万円、100〜1000万円: 1万円+超過額の1%等)。慰謝料・財産分与額が大きいほど印紙代も高額になります。
業界での応用
👤 離婚調停利用者本人
調停申立前の費用試算・資金計画に活用。本人申立か弁護士依頼か、法テラス利用可否の判断材料に。婚姻費用分担・養育費・慰謝料等の同時申立要否を、費用対効果で検討。DV・モラハラ事案では法テラス緊急枠の活用も。
⚖️ 弁護士・法律事務所
初回相談時の見積り提示、報酬規定の説明ツールとして活用。着手金・成功報酬・実費の内訳を透明化し、依頼者との認識齟齬を防止。長期化リスク(複数回期日、審判移行、訴訟転換)の説明にも有用。
🏛️ 司法書士・行政書士
離婚協議書作成・調停申立書代書のクライアントに、費用構造を分かりやすく説明。訴訟代理権のない業種は、弁護士連携が必要な事案の判別にも活用。地方部でのアクセス手段としての役割が大きい。
🏢 法テラス相談窓口
民事法律扶助対象者の判定、費用立替可能額の試算、返済計画のシミュレーションに活用。生活保護受給者・DV被害者・障害者等の特別扱いの説明も。
💼 女性センター・行政相談窓口
市区町村・都道府県の女性センター、配偶者暴力相談支援センター、行政書士連合会の無料相談で、離婚を考える相談者への初期情報提供として。生活再建プランと連動した費用試算に活用。
💰 ファイナンシャルプランナー
離婚後のライフプラン設計、養育費・慰謝料の受取・支払計画、住宅ローン処理と連動した費用計画。弁護士費用の資金調達(貯蓄取崩・実家援助・法テラス)の提案。
よくある間違い・注意点
- 裁判所費用だけを見て安心 — 収入印紙1,200円で申立可能ですが、弁護士依頼すると着手金だけで30〜50万円。総費用の全容を最初に把握することが重要です。
- 成功報酬の経済的利益基準を確認しない — 慰謝料300万円獲得なら成功報酬に別途30〜48万円(10〜16%)が加算されます。契約書で必ず「経済的利益の定義」「%区分」「上限」を確認してください。
- 調停不成立時の追加費用を見落とし — 調停で解決しなければ審判または訴訟へ。訴訟には新たに30〜60万円の着手金追加が必要です。長期化リスクを含めた総費用計画を。
- 法テラス利用条件の誤解 — 収入・資産要件を満たしても、勝訴の見込みがない事案では利用不可。DV・モラハラ事案では特別枠あり、必ず窓口相談を。
- 予納郵券を軽視 — 各裁判所で切手の内訳が指定されており、金額が合っていても種類が違うと受理されません。管轄裁判所のWebサイトまたは電話で事前確認必須。
- 戸籍謄本・住民票を古いまま提出 — 通常発行から3ヶ月以内のもの。期限切れは補正を求められて手続き遅延の原因に。
- 調停調書の効力を過小評価 — 調停調書は確定判決と同じ効力を持ち、強制執行も可能。「口約束のようなもの」と誤解して守らないと給与差押え等の対象になります。
関連する法令・基準
- 家事事件手続法 ― 家庭裁判所での調停・審判手続の基本法。2013年施行、旧家事審判法の全面改正。
- 民法(親族編・相続編) ― 離婚・婚姻・親権・養育費・財産分与・慰謝料の実体規定。
- 民事訴訟費用等に関する法律 ― 収入印紙額の算定基準、予納郵券の取扱い、訴訟費用敗訴者負担の原則。
- 民事執行法 ― 調停調書・判決に基づく強制執行(給与差押え・預金差押え・不動産競売等)の手続。
- 総合法律支援法 ― 法テラス(日本司法支援センター)の設置・運営、民事法律扶助制度の根拠法。
- 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法) ― 保護命令・接近禁止命令等の制度。
- 弁護士法 ― 弁護士業務の範囲、報酬取扱い、日弁連の職務基本規程。
- 裁判所職員規則・家事事件費用一覧 ― 最高裁判所が定める家事事件の申立費用一覧。
参考文献・公的資料
離婚調停の申立方法や最新の費用情報は、以下の公的機関の一次資料を参照してください。
- 裁判所 夫婦関係調整調停(離婚) ― 最高裁判所公式サイト。離婚調停の申立方法、必要書類、費用の詳細を掲載。管轄裁判所検索、書式ダウンロードも可能。
- 裁判所ホームページ ― 家庭裁判所の所在地・連絡先、家事事件の一般情報。予納郵券の金額は各裁判所ページで確認可能。
- 法務省 家事事件手続について ― 家事事件手続法の解説、離婚・親権・養育費の民法規定について公式情報。
- 法テラス(日本司法支援センター) ― 民事法律扶助制度の公式窓口。収入・資産要件、立替対象、返済方法の詳細、DV相談窓口。
- 日本弁護士連合会(日弁連) ― 弁護士検索、法律相談窓口、弁護士報酬の目安。日弁連の職務基本規程・報酬規程情報。
- 法務省 民法(親族・相続) ― 民法の親族編・相続編の条文と改正情報。
- 内閣府 男女共同参画局 配偶者暴力相談支援センター ― DV相談窓口一覧、保護命令の申立方法。
- 厚生労働省 児童虐待防止対策・DV対策 ― 児童相談所・母子生活支援施設等の支援制度。
- 各市区町村 女性センター・男女共同参画センター ― 地域の無料法律相談・カウンセリング・生活支援情報。
- 日本行政書士会連合会 ― 離婚協議書作成の相談窓口。都道府県行政書士会検索。
よくある質問(FAQ)
本人申立の場合、いくらかかる?
離婚調停のみなら収入印紙1,200円+予納郵券1,000〜2,500円=合計2,200〜3,700円で申立可能です。養育費・慰謝料等を同時申立すると1件につき1,200円ずつ加算。実費(戸籍謄本450円/通、郵送費数百円)を含めても1万円以内で完結可能です。ただし書類作成・調停対応は自力となるため、時間的負担は大きくなります。
弁護士に依頼すると総額いくら?
標準的な離婚調停では着手金30〜50万円+成功報酬20〜40万円+実費2〜5万円=合計50〜100万円が相場。慰謝料・財産分与を獲得した場合、その金額の10〜16%が成功報酬に加算されます。300万円獲得なら追加30〜48万円で、総額80〜150万円になることも。大規模事務所・都心では150〜200万円のケースもあります。
期間はどれくらいかかる?
調停成立まで3〜6ヶ月が一般的。第1回期日が申立から1〜2ヶ月後、以降月1回ペースで4〜6回開催されるのが標準。複雑な事案(親権争い、高額財産分与、DV事案)では1年以上かかることもあります。調停不成立→審判・訴訟移行の場合、さらに1〜2年の追加期間が必要です。
調停が成立しなかった場合、どうなる?
婚姻費用分担・養育費・面会交流等は審判に移行(家庭裁判所の職権判断)、離婚自体は離婚訴訟を新たに提起する必要があります。訴訟は弁護士着手金40〜60万円追加、期間1〜2年、控訴・上告があればさらに1〜2年。総費用200〜500万円になるケースも珍しくありません。
法テラスは誰でも使える?
収入・資産要件があります。単身者で手取月収20万円以下、預貯金180万円以下が目安(家族人数で変動、大都市は緩和)。DV事案・生活保護受給者・障害者・65歳以上には特別扱いがあります。まず法テラス(0570-078374)に電話または最寄り窓口で相談し、要件確認から始めてください。
予納郵券とは何?
家庭裁判所が呼出状・書類を郵送する際に使う予納の郵便切手のことです。申立時に指定された金額と種類を購入・提出。東京家裁で約1,022円、地方裁判所では2,000〜2,500円のケースも。切手の種類(100円、84円、10円等)まで指定されるため、必ず管轄裁判所のWebサイトまたは電話で事前確認してください。
戸籍謄本など添付書類は何が必要?
離婚調停の一般的な添付書類は、①申立書(正副2部)、②夫婦の戸籍謄本、③申立人の住民票、④年金分割時は年金分割のための情報通知書。養育費・婚費申立では源泉徴収票・給与明細等の収入証明も必要。全てコピー可のもの以外は原本提出。発行から3ヶ月以内のものが原則です。
調停中に婚姻費用(生活費)はもらえる?
離婚成立まで婚姻費用分担請求を同時申立することで、別居中の生活費・子ども養育費相当額を配偶者から受け取れます。金額は「養育費・婚姻費用算定表」に基づき、双方の収入・子どもの人数で機械的に算定。月10〜20万円程度が典型的です。
調停調書の効力は?
調停調書は確定判決と同一の効力を持ち、強制執行が可能な債務名義です。養育費不払いなら給与差押え・預金差押えを実行できます。強制執行手続は別途裁判所への申立が必要で、費用1〜5万円+弁護士依頼10〜30万円。ただし調停調書があれば「口約束」より圧倒的に有利で、支払い率も高くなります。
DV事案での注意点は?
DV事案では保護命令申立(住居退去・接近禁止)、緊急一時保護(母子生活支援施設・シェルター)、法テラス緊急枠、住所秘匿等の特別対応が可能です。婚姻費用・慰謝料の増額事由になります。まず配偶者暴力相談支援センター(DV110番等)に連絡し、身の安全確保を最優先してください。加害者に住所を知られない申立方法(住所秘匿)も家裁で認められます。
親権争いがある場合、費用はどう変わる?
親権争いは調停期日が長期化(10回以上)、家庭裁判所調査官の調査(自宅訪問・面接)、子の意向調査、心理検査等の特別手続が必要になります。弁護士着手金50〜70万円、成功報酬40〜60万円、総額100〜200万円になることも。子どもの福祉を最優先し、面会交流・監護補助・別居前準備等を計画的に進めることが重要です。
複数の弁護士から見積りを取るべき?
3〜5事務所から見積りを取ることを強く推奨します。着手金・成功報酬の金額だけでなく、①離婚案件の実績・専門性、②DV・親権・海外案件等の得意分野、③連絡頻度・対応速度、④弁護士本人か若手のみ対応か、⑤契約書の費用明細の透明性を比較。初回相談は無料の事務所も多いので、複数比較で相性の合う弁護士を選んでください。