オームの法則V=IR
電圧・電流・抵抗のうち二つを入力し、残りの一つと消費電力、配線での電圧降下を計算します。
オームの法則V=IRツール
計算式と考え方
オームの法則は「電圧 = 電流 × 抵抗」です。電圧100V、抵抗10オームなら電流は100 ÷ 10 = 10Aになります。消費電力は電圧 × 電流で100 × 10 = 1,000Wです。配線での電圧降下は、銅の抵抗率0.0175を使い、往復20mを断面積2mm2で割った0.175オームに電流10Aを掛けて1.75Vとなり、電圧の1.75%にあたります。この機器を1日5時間、年365日使うと1,825kWhとなり、単価31円で年間56,575円の電気代になります。
オームの法則と関連する式
| V = I × R | 電圧は電流と抵抗の積で決まる。直流でも交流でも基本の関係は変わらない |
|---|---|
| I = V ÷ R | 同じ電圧なら抵抗が小さいほど電流は大きくなる。短絡が危険なのはこのため |
| P = V × I | 消費電力。抵抗を使って P = I の2乗 × R とも書ける |
| 電圧降下 | 配線自体の抵抗による電圧の損失。距離が長く電線が細いほど大きくなる |
| 導体抵抗 | 銅は1mあたり0.0175を断面積で割った値。往復の長さで計算する |
オームの法則V=IRの詳しい解説
オームの法則は電圧と電流が比例するという単純な関係ですが、この比例が成り立つのは抵抗が一定である場合に限られます。実際の電線や機器では温度が上がると金属の抵抗が増え、銅ではおよそ40度の上昇で1割程度大きくなります。定格いっぱいで使う回路では、通電して温まった状態の抵抗で計算しないと実際より小さい電圧降下を見積もることになります。白熱電球のフィラメントのように、点灯前と点灯後で抵抗が10倍近く変わるものもあり、こうした素子では単純な比例関係は使えません。交流を扱う場合はもう一段の注意が要ります。モーターや変圧器のようにコイルを含む機器では、電流が電圧より遅れて流れるため、電圧と電流を掛けた値が実際の消費電力と一致しません。この差を表すのが力率で、消費電力は電圧 × 電流 × 力率になります。力率0.8のモーターでは、同じ仕事をするのに直流の場合より2割以上多い電流が流れ、その電流が電線の発熱と電圧降下を決めます。電線を選ぶときに電力ではなく電流で判断するのはこのためです。実務で判断が分かれるのは電線の太さの決め方です。許容電流だけを見れば2mm2の電線は20A前後まで流せますが、距離が長くなると電圧降下が先に問題になります。内線規程では、こう長60m以下の場合に電圧降下を2%以内に収めることが目安として示されており、幹線や長い配管の途中では許容電流に余裕があっても1段上の太さを選ぶことになります。電圧が下がるとモーターは回転が落ちて電流が増え、さらに発熱するという悪循環に入るため、余裕を持たせる判断が取られます。見落とされやすいのは接続部の抵抗です。端子のゆるみや酸化があると、その部分だけで大きな電圧降下と発熱が生じ、電線を太くしても改善しません。現場で電圧降下が計算値より大きいときは、電線ではなく接続部を疑うのが定石です。実際の工事や改修の判断は、電気工事士など資格を持つ技術者に確認することが前提になります。
業界・現場での使い方
回路の基本計算
電圧と抵抗から流れる電流と消費電力を確認します。
電線サイズの検討
配線の長さと断面積から電圧降下を求めて太さを判断します。
電気代の把握
消費電力と使用時間から年間の電気代を見積もります。
よくある間違い・注意点
- 許容電流だけで電線を選ぶ — 距離が長いと電圧降下が先に問題になります。こう長を含めて判断してください。
- 配線の長さを片道で計算する — 電流は行きと帰りの両方を通ります。往復分の長さで導体抵抗を求める必要があります。
- 交流で電圧と電流の積を消費電力とする — コイルを含む機器では力率を掛ける必要があります。掛けないと電力を過大に見積もります。
関連する規格・法規
- 電気設備技術基準
- JIS電気規格
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
電圧降下は何%まで許容されますか?
内線規程ではこう長60m以下で2%以内が目安とされています。用途によってはさらに厳しく見ます。
直流と交流で計算は変わりますか?
抵抗だけの回路なら同じですが、コイルやコンデンサを含む場合はインピーダンスと力率を考えます。
抵抗が0に近いとどうなりますか?
電流が非常に大きくなり短絡状態になります。実際の回路では遮断器が作動して回路を切ります。