OPアンプゲイン
オペアンプの抵抗値から、増幅回路のゲインと出力電圧、使える周波数の上限を計算します。
OPアンプゲインツール
計算式と考え方
反転増幅回路のゲインは −Rf/Ri で決まります。Rf=100kΩ、Ri=10kΩ なら −10倍、デシベルでは20.00dBです。入力200mVに対して出力の振幅は2.0Vとなり、電源15Vから余裕1.5Vを引いた13.5Vの範囲に十分収まります。帯域の上限はGB積をノイズゲイン(1+Rf/Ri=11)で割った値で、10MHz÷11=約909.1kHzです。スルーレート0.5V/マイクロ秒から決まる上限は、毎秒50万Vを2π×2.0Vで割って約39.8kHzとなり、使用する20kHzはその半分の位置にあります。
基本的な増幅回路の構成と特徴
| 反転増幅回路 | ゲインは −Rf/Ri。入力インピーダンスはRiで決まり、位相が反転する |
|---|---|
| 非反転増幅回路 | ゲインは 1+Rf/Ri。入力インピーダンスが高く、1倍未満にはできない |
| ボルテージフォロワ | 非反転でRf=0、Ri=∞とした形。ゲイン1でインピーダンス変換に使う |
| 差動増幅回路 | 2入力の差を増幅する。同相ノイズを打ち消すため計測用途で使われる |
OPアンプゲインの詳しい解説
オペアンプの増幅率が抵抗2本の比だけで決まるのは、負帰還によって2つの入力端子の電圧差がほぼゼロに保たれるためです。オペアンプ自体の裸の増幅率は10万倍を超える大きな値ですが、その値は個体差と温度で数倍の幅を持ちます。帰還をかけることで、増幅率の決定要因が素子の特性から外付け抵抗の比に移り、精度と再現性が確保されます。したがってゲインの精度は抵抗の精度でほぼ決まり、1%の抵抗を使えばゲインの誤差も2%程度に収まります。設計で判断が分かれるのは抵抗値そのものの選び方です。比が同じであれば、1kΩと10kΩの組でも100kΩと1MΩの組でもゲインは変わりません。しかし抵抗値を大きくすると、抵抗自身の熱雑音と入力バイアス電流による誤差電圧が増え、配線の寄生容量と組み合わさって高い周波数での特性が落ちます。逆に小さくしすぎると、オペアンプの出力から流れ出す電流が増え、消費電力と発熱が問題になります。汎用の用途では数kΩから100kΩの範囲に収める設計が広く採られています。周波数の上限は2つの要因から決まり、小さいほうが実際の限界になります。1つはGB積をノイズゲインで割った値で、これは小信号での帯域です。ノイズゲインは反転でも非反転でも1+Rf/Riであり、反転増幅で10倍にした場合の帯域は11で割った値になる点は誤解されやすいところです。もう1つはスルーレートで決まる大信号での上限で、出力の振幅が大きいほど低くなります。振幅が小さい信号では前者が、大きい信号では後者が効くため、実際に扱う振幅を前提に確認する必要があります。電源についても、出力が電源電圧いっぱいまで振れるわけではありません。一般的な構成では電源から1V以上手前で頭打ちになり、単電源で使う場合は基準電位の作り方も設計要素になります。レール・ツー・レール出力とされる品種では余裕が数十mVまで縮みますが、負荷電流が増えると余裕も広がる点は考慮が必要です。
業界・現場での使い方
抵抗値の決定
必要なゲインから帰還抵抗と入力抵抗の組み合わせを決めます。
飽和の確認
入力振幅と電源電圧から、出力が頭打ちにならないかを確かめます。
品種の選定
必要な周波数に対してGB積とスルーレートが足りるかを判断します。
よくある間違い・注意点
- 反転増幅の帯域をゲインで割って求める — 帯域を決めるのはノイズゲイン1+Rf/Riです。10倍の反転増幅ならGB積を10ではなく11で割ります。
- 抵抗の比だけを見て絶対値を決めない — 値が大きいと雑音とバイアス電流の誤差が増え、小さいと出力電流が増えます。数kΩから100kΩに収めるのが一般的です。
- 出力が電源電圧まで振れる前提で設計する — 一般的な品種では電源から1V以上手前で頭打ちになります。必要な振幅に余裕を加えて電源電圧を決めてください。
関連する規格・法規
- 電気設備技術基準
- JIS電気規格
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
反転と非反転はどう使い分けますか?
信号源のインピーダンスが高い場合は入力インピーダンスの高い非反転が向きます。加算や位相反転が必要なら反転を使います。
ゲインを1000倍にしても大丈夫ですか?
帯域がGB積の1000分の1程度まで狭まります。高いゲインが必要なときは2段に分けるほうが安定します。
dBと倍率の関係は?
電圧比では20×log10(倍率)がdB値です。10倍が20dB、100倍が40dBになります。