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個人所得税額 計算ツール|年収・扶養から所得税・住民税を試算

年収・扶養家族数から所得税と住民税を即算出。累進税率(5〜45%の7段階)・給与所得控除・基礎控除104万・扶養控除38万・社会保険料控除の仕組みを踏まえた実効税額と、ふるさと納税・iDeCo・生命保険料控除・住宅ローン控除などの節税策の効果、副業所得の申告と確定申告の必要性、年末調整との違いまで、国税庁・総務省の一次資料に基づき解説します。

最終更新:2026-08-18/監修:計算ツールズ編集部

個人所得税額ツール

所得税の計算式と流れ

基本の5ステップ

1. 給与所得 = 年収 − 給与所得控除

2. 課税所得 = 給与所得 − 所得控除(基礎・扶養・社保等)

3. 所得税 = 課税所得 × 税率 − 控除額

4. 税額控除(住宅ローン控除等)を差引

5. 復興特別所得税(2.1%)を加算

日本の所得税は「累進課税」で、年収500万円・扶養1人・社保15%で計算すると、給与所得控除144万円・社会保険料控除75万円・基礎控除104万円・扶養控除38万円を差し引いた課税所得は139万円、所得税は約7.1万円・住民税は約21.0万円で合計約28万円となります。手取りは約397万円、実効税率は約21%(所得税+住民税+社保)です。速算表の税率区分は年収ではなく課税所得に対するものなので、年収500万円でも適用される税率は20%ではなく5%です。

本ツールが採用している控除額は2026年分(令和8年分)の所得に適用される現行制度に合わせています。基礎控除は所得税104万円(合計所得489万円以下の場合)・住民税43万円で、所得税の基礎控除は合計所得489万円超で67万円、655万円超で62万円、2,400万円超はさらに48万→32万→16万と下がり2,500万円超はゼロになります。住民税の基礎控除は改正されておらず43万円のままです(合計所得2,400万円超で32万→16万→ゼロ)。扶養控除は所得税38万円・住民税33万円、社会保険料控除は年収の15%での概算です。所得税額には復興特別所得税として1.021倍を掛け、住民税は所得割10%に均等割5,000円を加えています。

給与所得控除の計算式

給与所得控除は「サラリーマンの必要経費」に相当する概算控除です。2026年分(令和8年分)の所得からは下の表のとおりで、年収220万円以下は一律74万円になりました(改正前は「年収162.5万円以下=55万円」「180万円以下=年収×40%−10万」の2区分でしたが、この2区分は無くなりました)。

年収給与所得控除
220万円以下74万円(最低保証)
360万円以下年収 × 30% + 8万
660万円以下年収 × 20% + 44万
850万円以下年収 × 10% + 110万
850万円超195万円(上限)

給与所得はマイナスにはなりません。年収が74万円未満なら給与所得は0円として扱います。

基礎控除は合計所得で変わる

2026年分(令和8年分)の所得税の基礎控除は、合計所得金額に応じて次のように変わります。「一律48万円」でも「一律104万円」でもない点に注意してください。

合計所得金額基礎控除(所得税)給与収入だけの場合の目安
489万円以下104万円年収665万5,556円以下
489万円超 655万円以下67万円年収665万5,556円超 850万円以下
655万円超 2,350万円以下62万円年収850万円超 2,545万円以下
2,350万円超 2,400万円以下48万円
2,400万円超 2,450万円以下32万円
2,450万円超 2,500万円以下16万円
2,500万円超0円

住民税の考え方

住民税は課税所得の10%(市町村6%+都道府県4%)を所得割として課税し、これに均等割約5,000円が加算されます。住民税の基礎控除43万円は今回の改正では変わっておらず、所得税の基礎控除104万円との差が大きく開いたため、住民税の課税所得は所得税よりかなり高くなります(扶養控除も住民税33万・所得税38万と差があります)。翌年6月から徴収開始(前年所得基準)。

所得税率表(累進7段階)

基礎控除・給与所得控除・その他控除を引いた「課税所得」に対して、以下の速算表を適用します。

課税所得税率控除額
195万円以下5%
330万円以下10%97,500円
695万円以下20%427,500円
900万円以下23%636,000円
1,800万円以下33%1,536,000円
4,000万円以下40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円

これに加えて復興特別所得税(所得税額の2.1%)が令和19年(2037年)まで加算されます。住民税は課税所得の一律10%+均等割約5,000円が概算です。

所得控除の種類と金額

所得控除は課税所得を減らして税負担を軽減する仕組みです。2026年分(令和8年分)から特定親族特別控除が加わって16種類となり、年末調整・確定申告で漏れなく適用することが節税の第一歩です。

控除名所得税住民税要件
基礎控除104万円43万円合計所得489万以下(超は67万→62万と縮小)
配偶者控除38万円33万円配偶者の合計所得62万以下(給与収入136万以下)
扶養控除(一般)38万円33万円16歳以上・合計所得62万以下(給与収入136万以下)
特定扶養控除63万円45万円19-22歳(大学生等)・給与収入136万以下
特定親族特別控除最大63万円最大45万円19-22歳で給与収入136万超197万以下(2026年分新設)
老人扶養控除48万円38万円70歳以上
障害者控除27万円26万円本人・扶養親族
ひとり親控除35万円30万円離死別・生計一の子
寡婦控除27万円26万円ひとり親以外の寡婦
勤労学生控除27万円26万円合計所得89万以下(給与収入163万以下)の学生
社会保険料控除実額全額実額全額国保・年金・介護等
小規模企業共済等掛金控除実額全額実額全額iDeCo・小規模共済
生命保険料控除最大12万最大7万生保・介護・個人年金別枠
地震保険料控除最大5万最大2.5万地震保険料
医療費控除10万超10万超年間医療費(セルフメディも可)
寄附金控除寄附額−2,000寄附額−2,000ふるさと納税・認定NPO等

年収別 税負担 早見表(扶養1人・社保15%換算)

本ツールと同じ前提(給与所得控除→社会保険料控除15%→基礎控除→扶養控除38万円で課税所得を出し、速算表と復興特別所得税1.021倍を適用。所得税の基礎控除は合計所得489万円以下なら104万円、超えると67万円・62万円と下がります。住民税は基礎控除43万円・扶養控除33万円で計算した所得割10%+均等割5,000円)で算出した2026年分(令和8年分)の数値です。実効税率は所得税・住民税・社会保険料の合計を年収で割った値です。

年収手取り目安所得税住民税実効税率
300万円約246万円約0.8万円約8.6万円18.1%
400万円約322万円約3.8万円約14.5万円19.6%
500万円約397万円約7.1万円約21.0万円20.6%
600万円約472万円約10.9万円約27.5万円21.4%
700万円約539万円約21.7万円約34.4万円23.0%
800万円約603万円約35.0万円約41.9万円24.6%
1,000万円約722万円約69.7万円約58.4万円27.8%
1,500万円約1,001万円約173.4万円約100.9万円33.3%
2,000万円約1,240万円約316.6万円約143.4万円38.0%
3,000万円約1,657万円約660.8万円約232.7万円44.8%

基礎控除の引き上げにより、年収300万円では所得税が改正前の約3.6万円から約0.8万円へ、年収500万円では約10.0万円から約7.1万円へ下がりました。一方で合計所得489万円(年収665万5,556円)を超えると基礎控除が67万円・62万円へ縮小するため、年収1,000万円以上での減税幅は年3万円前後にとどまります。年収1,000万円で実効税率は約28%、2,000万円で約38%、3,000万円で約45%に達します。高所得層ほど所得控除・税額控除の活用効果が大きく、節税策の検討価値が高まります。なお年収3,000万円クラスでは給与所得が2,500万円を超えるため基礎控除が消滅し、負担がさらに重くなります。

節税策 効果一覧

節税策年間上限年収500万での節税額目安年収1,000万での節税額目安
ふるさと納税寄附上限まで約4.8万円(実質2,000円)約16.8万円(実質2,000円)
iDeCo(月2.3万→27.6万/年)職種別に上限約4.2万円約8.4万円
生命保険料控除(新3枠併用)所得税12万+住民税7万約1.3万円約3.2万円
医療費控除(年間20万時)200万上限約1.5万円約3.0万円
住宅ローン控除(残高2,000万)年最大21〜35万約14万円約14万円
NISA(新NISA)非課税年360万×5年運用益への20%課税ゼロ運用益への20%課税ゼロ
特定支出控除(仕事関連)給与所得控除の1/2超実額全額実額全額

節税額は「年収500万円・扶養1人」「年収1,000万円・扶養1人」の課税所得(それぞれ139万円・555万円)に対応する限界税率(所得税5%・20%)と住民税10%で算出しています。住宅ローン控除は税額控除なので、残高2,000万円なら年収にかかわらず残高×0.7%=14万円が上限です。

優先順位は「①ふるさと納税(実質負担2,000円で返礼品) ②iDeCo(掛金全額所得控除+運用益非課税) ③NISA(運用益非課税) ④住宅ローン控除(該当者のみ)」の順が定番です。副業がある人は経費計上+青色申告で追加節税が可能。

業界・現場での使い方

個人の税負担把握・家計設計

年収別の手取り把握で家計収支の設計、住宅ローン借入可能額の算定、教育費・老後資金の資産形成計画に。転職・昇給・副業開始時のシミュレーションで税額差を先に理解しておくと想定外の税負担で家計が破綻しません。

ファイナンシャルプランナー(FP)

ライフプラン設計の基礎数値として、年収別の所得税・住民税・社保料を把握し、可処分所得ベースでのキャッシュフロー表を作成。ふるさと納税・iDeCo・NISAの3点セット提案でCFP案件の付加価値化。

人事・給与計算担当者

従業員の年末調整で扶養控除・保険料控除・住宅ローン控除の申告を集約、源泉徴収票の作成。年度改正(税制大綱)の最新値を反映した給与計算ソフトの設定確認、社会保険料率の更新など。

税理士・確定申告代行

フリーランス・個人事業主の確定申告代行、副業所得の申告支援、医療費控除・寄附金控除の適用漏れチェック。青色申告特別控除65万・電子帳簿保存の説明。副業の給与所得+雑所得のパターンではe-Tax申告が主流。

不動産営業・住宅ローン相談

住宅購入時の住宅ローン控除効果を年収別に試算し、購入可能額の判断材料に。夫婦連帯債務・ペアローンでの控除配分、初年度確定申告の要否説明。省エネ住宅・長期優良住宅で控除限度額が増える点も交渉材料。

副業・フリーランス支援

会社員の副業所得20万超で確定申告必要、雑所得か事業所得かの判定、青色申告承認申請の期限管理。開業届・青色申告特別控除65万・複式簿記の導入支援。副業が本業を超えると独立検討のタイミング。

よくある間違い・注意点

  • 控除を全部使わない — 生命保険料控除・地震保険料控除・iDeCo掛金・ふるさと納税のいずれも申告を忘れると、年間数万円の税還付をみすみす逃します。年末調整で漏らした場合も5年以内なら還付申告可能。
  • 副業所得を無申告 — 会社員でも副業所得(給与以外の雑所得・事業所得)が年間20万超で確定申告必須。マイナンバー・支払調書・情報連携で税務署は把握しており、無申告加算税+延滞税+場合により重加算税のペナルティ。
  • ふるさと納税の限度額オーバー — 上限額を超えた寄附は自己負担が増えるだけで税額控除にならない。総務省の「控除額シミュレーション」で年収・家族構成別に上限を必ず確認。
  • 医療費控除の対象範囲を誤解 — 治療費だけでなく通院交通費(公共交通機関)・処方薬・治療目的の一部の器具も対象。逆に美容整形・健康ドック・予防目的のワクチンは対象外(検診で異常発見時のみOK)。
  • 住宅ローン控除の初年度は確定申告必須 — 会社員でも初年度は必ず確定申告、2年目以降は年末調整で可能。忘れると年20万×10年=200万の税還付を逃す。
  • iDeCoの受取時課税を無視 — 掛金は全額所得控除で節税効果大ですが、60歳受取時は退職所得または雑所得として課税されます。退職金と受取時期を分散して退職所得控除を最大限活用する設計が重要。
  • 税の壁と社会保険の壁を混同 — 2026年分(令和8年分)の所得では、本人に所得税がかかり始める給与収入は178万円(給与所得控除74万+基礎控除104万)で、以前の「103万円の壁」ではありません。一方で130万円=社会保険の扶養家族枠、106万円=一定規模企業のパート社保加入基準は社会保険の基準で、今回の税制改正では変わっていません。それぞれ独立した基準で家族構成と勤務先の規模で判定します。

関連する規格・法令

  • 所得税法 ― 所得税の課税範囲・課税所得・税率・確定申告の根拠法。累進税率(第89条)・所得控除(第72条〜第87条)・税額控除(第92条〜)。
  • 地方税法 ― 住民税(市町村民税+都道府県民税)の課税根拠。所得割10%+均等割約5,000円が原則。
  • 租税特別措置法 ― 住宅ローン控除・寄附金控除(ふるさと納税)・生命保険料控除等の特例規定。
  • 国税通則法 ― 申告・納付・不服申立ての共通ルール。無申告加算税・延滞税・重加算税の税率規定。
  • 復興特別所得税に関する法律 ― 所得税額の2.1%を令和19年まで加算。東日本大震災の復興財源。
  • マイナンバー法(番号利用法) ― 個人番号を活用した所得情報の連携。確定申告・年末調整で番号記載が必須。

参考文献・公的資料

所得税・住民税の最新税率・特例・改正情報は必ず以下の一次資料で確認してください。

※本ページの計算値・税率は執筆時点(2026-08-18)の情報に基づく参考値であり、税制改正や個別事情により実際の税額は異なります。復興特別所得税・住民税均等割・調整控除等は簡略化しています。個別の税務相談は税理士・税務署・自治体窓口へ。特に副業・雑所得・青色申告・住宅ローン控除の初年度は、e-Tax申告か税務署での事前相談を強く推奨します。

よくある質問(FAQ)

年収500万・扶養1人の税額は?

給与所得控除144万・社会保険料控除75万・基礎控除104万・扶養控除38万を差引後の課税所得は139万円で、適用税率は5%です。所得税約7.1万・住民税約21.0万・合計約28万円となり、手取りは約397万、実効税率は約21%(社保含む)になります。iDeCo満額(年27.6万)で年約4.2万円の節税が可能です。

178万円・130万円・106万円の壁とは?

2026年分(令和8年分)の所得では、本人に所得税がかかり始めるのは給与収入178万円から(給与所得控除74万+基礎控除104万)で、改正前の「103万円の壁」から引き上げられました。扶養親族・配偶者控除の対象に入れる収入の上限は136万円です。一方130万円=社会保険の扶養家族枠(健保・年金)、106万円=一定規模企業のパート社保加入基準は社会保険の基準で、今回の税制改正では変わっていません。基準はそれぞれ独立で、家族構成と勤務先規模で判定が変わります。

ふるさと納税の上限額はいくら?

年収と家族構成で決まる住民税所得割の約20%が目安。本ツールと同じ前提(社保15%)なら、年収500万・扶養1人で約4.8万円、年収1,000万・扶養1人で約16.8万円、年収2,000万・扶養1人で約51万円が上限の目安です。総務省・ふるさとチョイス等のシミュレーションで正確な数値を確認してください。上限超は自己負担増になります。

iDeCoの節税効果は?

会社員の掛金月2.3万(年27.6万)を拠出すると、所得税+住民税で年収500万(扶養1人・課税所得139万)なら約4.2万円、年収1,000万(同・課税所得555万)なら約8.3万円の節税。運用益も非課税、受取時は退職所得控除・公的年金等控除で優遇されます。ただし60歳まで引出せない拘束性はデメリット。

住宅ローン控除は誰でも使える?

住宅取得後に住宅ローン残高がある人が対象。床面積50m²以上・自己居住・合計所得2,000万以下等の要件。控除率0.7%・最長13年(新築)、年間最大21〜35万(住宅の性能と入居時期で変動)。初年度は確定申告必須、2年目以降は年末調整可。

副業所得はいくらから申告必要?

会社員(給与所得者)は給与以外の所得が年間20万円超で確定申告必須。20万以下でも住民税の申告は必要な場合あり(自治体による)。年金受給者・専業主婦(夫)の副業も、合計所得が基礎控除104万円を超えると所得税の申告対象になります(2026年分)。マイナンバーで税務署は把握しており、無申告は重加算税リスクあり。

青色申告と白色申告の差は?

青色申告は特別控除65万(電子申告+複式簿記)、赤字の3年繰越し、専従者給与の必要経費算入等が可能。白色申告は控除なし、赤字繰越不可。開業届と青色申告承認申請書(開業日から2ヶ月以内)が必要ですが、副業でも「事業所得」認定されれば効果大。近年は「営利性・継続性」の基準が厳しくなっており、雑所得扱いに留まるケースも増えています。

医療費控除の対象になる支出は?

年間10万円超の医療費が控除対象(所得200万未満は所得の5%超)。治療費・処方薬・通院交通費(公共交通機関)・入院食事代等が対象、美容整形・健康ドック・予防ワクチンは対象外(検診で異常発見時のみOK)。セルフメディケーション税制(1.2万超で市販薬)との選択制。

住民税はいつから引かれる?

前年1〜12月の所得を基準に、翌年6月から翌々年5月まで12回に分けて特別徴収(給与天引き)されます。新入社員の1年目は住民税ゼロ、退職者は翌年6月から一括請求で驚くことも。退職時期を12月・3月に合わせると住民税の負担が異なります。

年末調整と確定申告の違いは?

年末調整は会社(給与支払者)が代行する簡易な精算、確定申告は自分で税務署に申告する正式手続。会社員でも医療費控除・ふるさと納税(ワンストップ非適用時)・住宅ローン控除初年度・副業所得20万超・年収2,000万超の場合は確定申告必須です。e-Tax(電子申告)なら還付が最短2週間で完了。

復興特別所得税とは?

東日本大震災の復興財源として、所得税額の2.1%を令和19年(2037年)まで加算するもの。所得税10万なら復興税2,100円上乗せで10.21万円。給与源泉徴収でも自動的に加算されており、意識しないうちに支払っています。

高所得層の節税策は?

年収1,500万超では所得控除の効果が薄れるため、「所得の分散」が主戦略。①法人化(所得税→法人税で税率下げ)、②役員報酬と退職金の分割、③不動産投資での減価償却、④家族への給与分散、⑤特定寄附金(認定NPO・国立大学等)などが実務で使われます。相続・贈与の観点も同時検討が必要。