用紙坪量⇔厚さ⇔連量換算|四六判・菊判・A判・B判の相互変換と印刷用紙早見
坪量(g/m²)・連量(kg/1000枚)・厚み(μ)を相互換算。四六判・菊判・A判・B判に対応し、四六判110kg=坪量127g/m²など印刷業界標準の対応関係を早見表で瞬時に確認できます。印刷会社・チラシ発注・カタログ制作・出版・段ボール製造・パッケージ設計の現場実務で頻用される見積り計算に、JIS P 8124(坪量)・JIS P 8118(厚さ・密度)・JIS P 8125(こわさ)などの公的規格を参照して解説します。
用紙坪量⇔厚さ⇔連量換算ツール
計算式と前提
基本式
連量(kg/1000枚) = 坪量(g/m²) × 1枚面積(m²)
坪量(g/m²) = 連量(kg) ÷ (1枚面積(m²) × 1000 × 1e-3)
坪量は1平方メートルあたりの用紙質量で、面積に依存しない万能単位(JIS P 8124)。連量は「1000枚あたりkg」で表記する印刷業界の発注単位で、原紙の判(はん、切り出す前の原寸大きさ)により数値が変わります。同じ厚みの紙でも、四六判(788×1091mm=0.860m²)なら110kg、菊判(636×939mm=0.597m²)なら76kgと、判が異なれば連量数値も変わります。両者を混同すると発注ミス・見積り誤差の直接原因になります。
紙判(はん)と面積の関係
印刷業界で頻用される原紙判は「四六判」「菊判」「A判」「B判」の4種。四六判(788×1091mm)は書籍・雑誌・チラシで最も多用され、菊判(636×939mm)は文庫・単行本・小説など、A判(625×880mm)はコピー用紙・オフィス書類、B判(765×1085mm)は雑誌・教科書に使われます。各判の面積を計算に代入すれば、坪量から任意の連量が求まります。
厚み推定と密度
推定厚み(μ) ≒ 坪量(g/m²) ÷ 密度(g/cm³) × 10
密度は紙質(塗工の有無・パルプの詰まり具合)で決まる物性値で、上質紙0.75、微塗工紙0.85、コート紙1.0前後です。実測厚みはJIS P 8118「紙及び板紙-厚さ、密度及び比容積の試験方法」で単票法または束法により測定します。設計・仕様書上は「厚み○○μで指定」する方が確実です。
坪量と連量の違い
坪量と連量は用途と表示単位が異なります。混同すると発注時の紙量・コスト計算に大きな誤差が生じます。
| 項目 | 坪量 | 連量 |
|---|---|---|
| 定義 | 1m²あたり質量 | 1000枚あたり質量 |
| 単位 | g/m² | kg |
| 紙判依存 | 依存しない | 原紙判ごとに数値変動 |
| 用途 | 物性・仕様書表記 | 発注・見積り単位 |
| 国際性 | ISO/JIS共通 | 日本の印刷業界慣行 |
| 典型例 | 127 g/m² | 四六判110kg |
海外の印刷・製紙会社との取引ではISOで統一された坪量(gsm=g/m²)表記が標準です。国内の印刷会社間でも仕様書は坪量、発注書は連量というダブル運用のケースが多く、両方を扱える計算力が実務では必須になります。
四六判 連量⇔坪量早見表
印刷業界で最も多用される四六判(788×1091mm、面積0.86m²)の連量⇔坪量の対応表です。書籍・雑誌・チラシ・カタログの標準判で、日本の商業印刷の8割はこの判が起点となります。
| 連量kg | 坪量g/m² | 厚み目安(μ) | 代表用途 |
|---|---|---|---|
| 45 | 52.3 | 60 | 新聞・薄手内紙 |
| 55 | 64.0 | 75 | 薄手チラシ・スーパー折込裏面 |
| 62.5 | 72.7 | 85 | コピー用紙標準(A4 64g)相当 |
| 70 | 81.4 | 95 | 一般チラシ・軽量DM |
| 90 | 104.7 | 120 | 厚めチラシ・パンフレット中身 |
| 110 | 127.9 | 145 | ポスター・カタログ本文 |
| 135 | 157.0 | 175 | 厚手カタログ・会社案内表紙 |
| 160 | 186.0 | 210 | ポスター(大判)・厚手表紙 |
| 180 | 209.3 | 235 | 官製ハガキ・郵便カード |
| 220 | 255.8 | 290 | 厚手カード・DMハガキ |
| 250 | 290.7 | 330 | プレミアム名刺・招待状 |
厚み目安はコート紙(塗工紙)標準の値で、上質紙(非塗工)では約1.3倍、微塗工紙では約1.15倍として計算してください。
菊判・A判・B判の早見表
菊判(636×939mm、0.597m²)
文庫・単行本・小説などで多用される判。四六判より小さく、書店流通の書籍サイズに適しています。
| 連量kg | 坪量g/m² | 四六判換算 |
|---|---|---|
| 43.5 | 72.9 | 62.5kg相当 |
| 48.5 | 81.2 | 70kg相当 |
| 62.5 | 104.7 | 90kg相当 |
| 76.5 | 128.1 | 110kg相当 |
| 93.5 | 156.6 | 135kg相当 |
| 111 | 185.9 | 160kg相当 |
| 125 | 209.4 | 180kg相当 |
A判(625×880mm、0.550m²)
コピー用紙・オフィス書類のA4切り出し用に使われる原紙。ISO A系列の派生。
| 連量kg | 坪量g/m² | 用途 |
|---|---|---|
| 36 | 65.5 | コピー用紙A4 64g相当 |
| 40 | 72.7 | PPC用紙標準 |
| 50 | 90.9 | 厚手コピー・両面印刷推奨 |
| 62.5 | 113.6 | チラシ・パンフ |
| 90 | 163.6 | カード・表紙 |
B判(765×1085mm、0.830m²)
雑誌・教科書のB5切り出し用。四六判とほぼ同面積のため連量値も近似します。
| 連量kg | 坪量g/m² | 用途 |
|---|---|---|
| 52.5 | 63.3 | 薄手教科書内紙 |
| 67.5 | 81.3 | 雑誌本文 |
| 86.5 | 104.2 | 厚手雑誌・カタログ |
| 106 | 127.7 | 雑誌表紙 |
| 130 | 156.6 | 厚手表紙 |
紙質別 厚み係数(コート/上質/塗工)
坪量が同じでも紙質(塗工の有無・繊維密度)で厚みは大きく異なります。仕様書・郵便料金計算では厚みが判定基準になるため、係数の理解が重要です。
| 紙質 | 密度 g/cm³ | 厚み係数(μ/g/m²) | 特徴・用途 |
|---|---|---|---|
| 上質紙 | 0.72-0.78 | 1.30-1.40 | 非塗工、書籍本文・便箋 |
| 中質紙 | 0.68-0.72 | 1.40-1.50 | 雑誌本文・週刊誌 |
| 更紙(ざらがみ) | 0.55-0.65 | 1.55-1.80 | 新聞・古紙配合率高 |
| 微塗工紙 | 0.80-0.90 | 1.15-1.25 | チラシ・DM |
| アート紙 | 1.00-1.10 | 0.90-1.00 | 高級カタログ・写真集 |
| コート紙 | 0.95-1.05 | 0.95-1.05 | チラシ・パンフ・カタログ標準 |
| マットコート紙 | 0.85-0.95 | 1.05-1.15 | 目に優しい印刷物・書籍装丁 |
| キャストコート紙 | 1.10-1.20 | 0.85-0.95 | ラベル・パッケージ |
| 板紙(白ボール) | 0.65-0.75 | 1.35-1.55 | パッケージ・化粧箱 |
| 段ボール原紙(ライナー) | 0.55-0.70 | 1.45-1.80 | 段ボール外側 |
例えば坪量105g/m²でも、上質紙なら約140μ、コート紙なら約100μと厚みで約40%の差があります。名刺サイズの厚み感、封筒の重量感、書籍の巻厚(せおい)設計では、この係数を必ず参照します。
業界・現場での使い方
印刷会社・製版
用紙発注・見積り時に坪量→連量へ換算し、原紙仕入れ数量とコストを算出。四六判110kg・コート紙・500枚仕入れなら、110×500÷1000=55kg分の原紙質量となり、単価×kg=原紙コストの見積りに直結。損紙率(5-8%)を加算した実発注枚数の計算も併用します。
チラシ・パンフ発注(広告代理店)
クライアントに用紙提案する際、「四六判90kg=コート紙・軽やか」「四六判110kg=標準」「四六判135kg=高級感」など連量で説明。坪量g/m²は物性値として理解が必要で、輸入紙・海外印刷でも通用します。DM(ダイレクトメール)は郵便料金の重量帯(25g/50g)を意識した坪量選定が売上に直結します。
出版・書籍制作
書籍の本文用紙は上質・中質紙が主流で、四六判62.5kg(コピー用紙相当)〜90kg(厚手)を用途で選定。ページ数×坪量から書籍1冊の質量を計算し、書店流通・郵送コスト・書棚上の厚み(せおい)を仕様書化。ハードカバー表紙は板紙(白ボール)を採用し、耐久性と質感を両立します。
段ボール・パッケージ製造
段ボール原紙のライナー(表裏)と中芯の坪量指定で強度が決まります。K5(表ライナー210g/m²)+SCP180(中芯180g/m²)+K5=Aフルート標準構成。輸送物の重量と段積み高さから、圧縮強度・突刺強度を算定し坪量を最適化。JIS Z 1516「外装用段ボール」の規格が根拠になります。
ノベルティ・DM(直販店)
Amazon・楽天出品の商品説明シート、店舗フライヤー、招待状の用紙選定。名刺は220-250kg連量が高級感の定番、チラシは90-110kgが標準、DMハガキは180kg連量が郵便規格上限にちょうど収まります。ネット印刷サービスの単価表も連量ベースが主流です。
教育・行政資料
教科書・行政広報誌・議会資料の入札仕様書には坪量g/m²で明示されるのが慣例。文部科学省「教科書無償給与制度」に基づく教科書はJIS準拠の坪量規格があり、A判70-100kg程度が標準。市町村広報誌は月次入札で坪量・カラー数・部数から見積り比較されます。
よくある間違い・注意点
- 四六判110kgとA判110kgを同じ紙と誤解 — 判が違うと連量数値が同じでも実際の坪量は大きく異なります。四六判110kg=坪量127g/m²、A判110kg=坪量200g/m²で、厚みも約1.6倍違います。必ず「判+連量」または「坪量」で指定してください。
- 坪量から厚み推定を誤差ゼロと想定 — 紙質(コート/上質/塗工/密度)で厚み係数は±30%変動します。上質紙とコート紙は同じ坪量でも厚みが約40%異なり、封筒詰め厚み・書籍厚み(せおい)計算では誤差が致命的になります。仕様書は「坪量+厚みμ」で二重指定を推奨します。
- 連量表記の「原紙面付」を無視 — 印刷会社ごとに「原紙1枚から取れる仕上げ枚数(面付)」が異なり、連量からの必要原紙数の計算方法もバラつきます。四六判1枚からA4は8面付、B5は16面付が標準ですが、余白・断ちしろ設定で変わります。事前に印刷会社に確認してください。
- 両面印刷で坪量選定を誤る — 薄手用紙(70kg以下)で両面印刷すると、裏抜け(裏側にインクが透ける)で読みにくくなります。両面印刷は最低でも四六判70kg以上、写真中心なら90kg以上、透けやすい色使用なら110kg以上を目安に選定してください。
- 坪量と斤量(きんりょう)を混同 — 中国・韓国の印刷業界では「斤量」という単位を使うことがあり、これは1000枚あたりkgではなく異なる算法。海外印刷委託では必ずg/m²(gsm)で統一するのが誤発注防止の鉄則です。
- 特殊紙の坪量表記を素直に信用 — 和紙・エンボス紙・箔押し用特殊紙は坪量表記があっても密度・厚みが規格外の場合があります。サンプル取り寄せて実測(電子ノギス・マイクロメーター)確認してから発注する運用が確実です。
関連する規格・法令
- JIS P 8124 ― 紙及び板紙-坪量の測定方法。単位面積あたり質量の測定手順(g/m²)を規定し、日本国内の坪量表記のベースとなる公式基準。
- JIS P 8118 ― 紙及び板紙-厚さ、密度及び比容積の試験方法。マイクロメーターによる厚み測定と密度算出のルール。
- JIS P 8125 ― 紙及び板紙-こわさ(剛性)の試験方法。用紙選定における「腰の強さ」を数値化。
- JIS P 0138 ― 紙加工仕上寸法A列・B列。A判・B判・A4・B5等の仕上げ寸法を国内標準化。
- ISO 536 ― Paper and board — Determination of grammage(坪量測定の国際規格、JIS P 8124と整合)。
- ISO 216 ― Writing paper and certain classes of printed matter — Trimmed sizes — A and B series(A/B系列の国際規格)。
- JIS Z 1516 ― 外装用段ボール。段ボールの品質規格。ライナー・中芯の坪量・強度を規定。
- 郵便法・郵便規則 ― 郵便物の重量帯(25g/50g/100g等)による料金区分。DM・ハガキ用紙選定に直結。
参考文献・公的資料
正確な坪量規格・紙質選定・印刷仕様の詳細を確認したい場合は、以下の公的機関・業界団体の一次資料を参照してください。
- 日本産業標準調査会(JISC) ― JIS規格の公式索引。JIS P 8124(坪量)、JIS P 8118(厚み)、JIS P 0138(仕上げ寸法)などが検索・閲覧可能。
- 日本製紙連合会 ― 国内製紙会社の業界団体。用紙統計・品目分類・原紙生産量など一次データを公開。
- 日本紙パルプ商事(業界団体) ― 紙・パルプの卸業界情報。坪量早見・連量換算等の実務資料を頒布。
- 全日本印刷工業組合連合会 ― 日本の印刷業界団体。印刷用紙規格・連量表記の業界慣行資料。
- ISO/TC 6 Paper, board and pulps ― 国際標準化機構の紙・板紙・パルプ規格の技術委員会。ISO 536/ISO 216等の国際標準の情報源。
- 文部科学省 教科書無償給与制度 ― 教科書用紙の規格・仕様に関する行政資料。
- 日本郵便 郵便料金・規格 ― ハガキ・DM・封書の重量帯と用紙選定に直結する郵便規格。
- 大日本印刷(DNP) ― 大手印刷会社の用紙選定資料・連量早見表の実務事例。
- TOPPAN(旧凸版印刷) ― 大手印刷会社の用紙規格・パッケージ設計事例。
よくある質問(FAQ)
四六判110kgは坪量何g/m²ですか?
四六判(788×1091mm、面積0.86m²)の110kg連量は、坪量約127g/m²に相当します。カタログ本文・ポスター・パンフレット表紙に多用される標準厚みで、日本の商業印刷で最も多い連量指定の1つです。
連量とは何ですか?
連量は「1000枚あたりの原紙質量(kg)」で、印刷業界の発注単位。原紙判(四六判・菊判・A判・B判)ごとに面積が異なるため、同じ坪量の紙でも連量数値は変わります。四六判・菊判は書籍/雑誌、A判・B判はコピー用紙/教科書で使われる代表的な原紙判です。
コピー用紙A4の坪量は?
市販オフィス用コピー用紙(PPC用紙)の標準はA4サイズで坪量64g/m²(A判36kg連量相当)です。厚手の「A4 90g/m²(A判50kg相当)」は両面印刷・冊子印刷向け。坪量ラベルは各パッケージに記載があります。
紙の厚みを坪量から知る方法は?
厚み(μ) = 坪量(g/m²) ÷ 密度(g/cm³) × 10 で概算できます。上質紙は密度0.75で厚み係数1.33、コート紙は密度1.00で厚み係数1.00程度。ただし紙質で±30%変動するため、正確な厚みはJIS P 8118に基づくマイクロメーター実測を推奨します。
四六判とA判、どちらが多く使われますか?
日本の商業印刷では四六判が最多(書籍・雑誌・チラシ・パンフ)、オフィス用途ではA判(A4/A3)が最多。海外との取引ではISO A系列(A判系)が標準です。段ボール・パッケージは独自の判(K判・S判等)を使うこともあります。
両面印刷に適した坪量は?
裏抜け防止の観点から、両面印刷は最低でも四六判70kg(坪量81g/m²)以上を推奨。写真・グラフィック中心なら四六判90kg(105g/m²)、高品質カタログなら110kg(127g/m²)以上。透けやすい薄手色紙・和紙は特に注意が必要です。
坪量と斤量(きんりょう)の違いは?
坪量は「1m²あたり質量(g/m²)」の国際単位。斤量は中国・韓国の一部業界で「1000枚あたりkg」を指しますが、原紙サイズが日本と異なるため直接比較できません。海外発注時は必ず「gsm(g/m²)」で指定してください。
ハガキの標準連量は?
官製ハガキ・郵便ハガキは四六判180kg連量(坪量約209g/m²)が標準。厚み約235μで、郵便法規上の重量下限(2g)・上限(6g)を満たすよう設計されています。プライベートDMハガキも同じ規格を推奨します。
段ボール原紙の坪量表記は?
段ボール原紙は「K5(表ライナー210g/m²)+SCP180(中芯180g/m²)」のようにライナー(外側)と中芯を別々に坪量指定します。Aフルート(段厚5mm)・Bフルート(3mm)・Cフルート(4mm)の段構成と組み合わせて強度を決定します。
紙の重さの単位はg/m²とkg/㎡どちらが正しい?
紙の坪量はg/m²(グラム毎平方メートル)が正式単位です。kg/m²表記は稀。国際的にはgsm(grams per square meter)と略記され、印刷・製紙業界の世界共通言語となっています。
菊判と四六判はどちらが大きい?
四六判(788×1091mm、面積0.86m²) > 菊判(636×939mm、面積0.60m²)。四六判は菊判の約1.4倍の面積で、四六判からはA4が8面付、菊判からは6面付の切り出しが標準です。書籍・雑誌の判型で使い分けます。
用紙の見積り金額はどう計算する?
用紙代 = 単価(円/kg) × 連量(kg/1000枚) × 発注枚数 ÷ 1000。例えば四六判110kg・コート紙・単価250円/kg・5000枚なら、250 × 110 × 5 ÷ 1000 × 1000 = 137,500円。損紙率5-8%を上乗せした実発注が業界慣行です。