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疲労度 計算ツール|睡眠・労働時間・ストレスから軽/中/重を判定

睡眠時間・1日の労働時間・主観ストレス値の3つから、その日の疲労度を「軽・中・重」の3段階でスコア判定します。過労死ライン(月80時間残業)厚生労働省ストレスチェック制度、慢性疲労症候群(CFS)、うつ病リスクの分岐点、産業医面談の基準、セルフケアと受診の目安まで、労働衛生の公的資料をベースに解説します。

最終更新:2026-08-02/監修:計算ツールズ編集部

疲労度 計算機

計算式とスコア判定

スコア算出式

疲労スコア = (8 − 睡眠h) × 2 + 労働h × 0.5 + ストレス値

判定:スコア < 10 → 軽 / 10 ≤ スコア < 15 → 中 / 15 ≤ スコア → 重

睡眠不足(理想8時間からの乖離を2倍加算)・長時間労働(1時間あたり0.5加算)・主観ストレス値を合算した簡易指標です。医学的診断ではなく、日々のセルフモニタリング指標として設計されています。厳密な疲労評価は「自覚症しらべ(産業疲労研究会)」「CFQ(Chalder Fatigue Questionnaire)」などの検証済み尺度を使用してください。

3段階判定の目安

スコア判定推奨行動
0〜9通常のセルフケア継続。睡眠・食事・運動の維持
10〜14就寝時刻を1時間前倒し、飲酒・カフェイン制限、週末に完全休養
15以上連続休暇の取得、労働時間削減、産業医・かかりつけ医へ相談

過労死ライン(月80時間残業)

厚生労働省は脳・心臓疾患の労災認定基準として、以下の残業時間を「過労死ライン」と定義しています。

残業時間労災認定における評価
発症前1ヶ月に100時間超業務と発症の関連性が強いと評価
発症前2〜6ヶ月平均で80時間超業務と発症の関連性が強いと評価
発症前1〜6ヶ月平均で45時間超時間が長いほど関連性が徐々に強まる

2021年の改正で「勤務時間の不規則性」「拘束時間の長さ」「事業場外の勤務」「精神的緊張」等の労働時間以外の負荷要因も総合評価に含まれるようになりました。月80時間残業は1日あたり4時間残業(10時間労働)を20営業日続けた計算で、多くの日本の労働現場が該当します。

労働安全衛生法の面接指導

労働安全衛生法第66条の8では、月80時間超の残業を行い疲労蓄積が認められる労働者からの申出があった場合、事業者は医師による面接指導を実施する義務があります。研究開発職・高度プロフェッショナル対象者は月100時間超で本人申出なくても義務対象です。

厚労省ストレスチェック制度

2015年12月に施行された労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度は、常時50人以上を使用する事業場に年1回の実施義務があります。57項目版(職業性ストレス簡易調査票)が標準で、以下の3領域を評価します。

  • 仕事のストレス要因(仕事量・仕事の質・対人関係・作業環境等)
  • 心身のストレス反応(活気・イライラ・疲労感・不安・抑うつ・身体愁訴)
  • 周囲のサポート(上司・同僚・家族友人)

高ストレス者と判定された労働者は、本人希望により医師面接指導を受けることができ、事業者は必要に応じて就業配慮(残業制限・配置転換等)を講じる責務があります。厚労省の無料ストレスチェック実施プログラムで自己診断も可能です。

慢性疲労とうつ病リスク

慢性疲労症候群(CFS/ME)

6ヶ月以上続く強い疲労で、休養しても改善せず日常生活に支障をきたす状態が慢性疲労症候群(CFS)。米CDC・国立感染症研究所等の診断基準では「労作後の悪化」「睡眠障害」「認知機能障害」等が必須項目。近年は筋痛性脳脊髄炎(ME)と併記されME/CFSとも呼ばれます。適切な治療を受けない場合、うつ病・線維筋痛症等の合併率が上昇します。

うつ病リスクの分岐点

疲労が2週間以上続き、以下の症状を伴う場合はうつ病の可能性があります(DSM-5基準抜粋)。

  • 抑うつ気分・興味関心の喪失
  • 不眠または過眠、食欲変化・体重変化
  • 集中力低下・決断困難
  • 無価値感・過剰な罪責感
  • 希死念慮

5項目以上が2週間持続する場合、精神科・心療内科への受診を推奨。労働者の場合は産業医面談も並行で活用可能です。

疲労の3タイプ(身体・精神・神経)

疲労は原因別に大きく3つに分類され、それぞれ回復戦略が異なります。

タイプ原因症状推奨回復
身体的疲労肉体労働、運動、姿勢維持筋肉痛、だるさ、関節痛睡眠、入浴、マッサージ、軽い有酸素
精神的疲労対人ストレス、意思決定、感情労働気分の落ち込み、イライラ、無気力趣味、瞑想、自然接触、対話
神経的疲労デスクワーク、画面凝視、細かい作業眼精疲労、頭痛、集中力低下眼のストレッチ、画面休憩、暗い静かな空間

現代のオフィスワーカーは精神的+神経的疲労の複合型が多く、身体的な運動不足も同時に抱えるケースが典型的。デスクワーク+週2〜3回の中強度運動、意識的な休憩、対人サポート網の維持が有効です。

疲労バイオマーカーと客観指標

主観的疲労を客観的に評価する指標がいくつか研究されています。

指標意味疲労時の変化
心拍変動(HRV)自律神経バランス低下(交感神経優位)
安静時心拍循環系の負荷上昇
コルチゾールストレスホルモン朝低・夜高(逆転)
DHEA-S抗ストレスホルモン慢性疲労で低下
ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)再活性化慢性疲労の指標上昇
唾液アミラーゼ急性ストレス上昇
反応時間・エラー率認知機能低下・増加

ウェアラブル(Apple Watch、Garmin、Ouraリング等)でHRV・安静時心拍・睡眠を毎日追跡し、自己モニタリングに活用できます。詳細はHRV自律神経評価参照。

こんな場面で使う

週次・月次のセルフチェック

毎週金曜に1週間平均を入力し、疲労傾向をトラッキング。中判定が2週続く時点で対策開始が理想。ストレス指数計算と併用推奨。

繁忙期・プロジェクト直後

大型案件・決算期・年度末等の後に強めに測定し、休養期間を計画。3〜7日の連続休暇取得の判断材料に。

転職・キャリア再考

「重」判定が慢性化しているなら、労働環境そのものの見直しが必要。産業医・キャリアカウンセラーへの相談材料に。

介護・育児と仕事の両立

ダブルケア期は労働時間が短くても疲労が高くなりがち。ストレス値を高めに評価して自己管理を。

受験生・研究者

長時間の頭脳労働+ストレスの複合型。睡眠時間の確保が最も回復に効くため、直前期でも6.5〜7時間睡眠を最低ラインに。

スポーツ選手・アスリート

身体的疲労+精神的プレッシャーの複合。トレーニング負荷と疲労スコアの相関を追跡し、オーバートレーニング症候群の予防に活用。

職場でできる疲労対策

ポモドーロ・テクニック

25分集中+5分休憩を1セットとし、4セット後に長い休憩。集中と回復を反復することで神経疲労を最小化。プログラマー・ライター等の頭脳労働で有効性の報告多数。

スタンディングデスク

1日8時間座り続けると死亡率が上昇するとされ、30分ごとの立位・歩行が推奨。昇降式デスクや立位対応ワークスペースの導入を。

眼精疲労対策(20-20-20ルール)

20分ごとに20フィート(6m)以上先を20秒見る米AAOの推奨。画面凝視による毛様体筋疲労を軽減。ブルーライトカットメガネ・湿度管理も併用。

昼休みの完全オフライン

PC・スマホから離れ、屋外散歩・軽い運動・仮眠が理想。SNS・ニュースは追加の神経負担になるため昼休みは意識的に遮断を。

会議時間の圧縮・削減

50分会議→45分に、1時間会議→30分にして休憩時間を確保。無駄な会議は「アジェンダなしなら参加辞退」等ルール化。

チャット・メール確認時間の集中

Slack・メールを常時オンではなく、朝・昼・夕の3回に集中してチェック。通知オフで深い集中時間を確保。

セルフケアと受診の目安

「軽」レベルのセルフケア

7〜8時間睡眠の確保、20〜30分のパワーナップ、週150分の中強度運動(WHO推奨)、地中海食パターンの食事、就寝1時間前のスマホ断ちが基本。詳細は最適な就寝時刻で計算できます。

「中」レベルの緊急介入

翌日以降の残業を最低限に、週末は予定を空けて完全休養。カフェイン午後カット、アルコール休肝日3日以上、20分入浴で自律神経を副交感優位に。改善しなければ次段階へ。

「重」レベル・受診の目安

1ヶ月以上重判定が続く、あるいは以下の症状があれば受診を強く推奨します:寝ても疲れが取れない・食欲不振・体重減少・気分の落ち込み・希死念慮・動悸・胸痛・頭痛。かかりつけ医、産業医、精神科・心療内科、労働基準監督署への相談窓口を活用してください。

燃え尽き症候群(バーンアウト)チェック

燃え尽き症候群(バーンアウト)はWHO国際疾病分類ICD-11で「職業性現象(occupational phenomenon)」として認定されました。医師・看護師・教員・介護職・カスタマーサービス等の対人援助職で発生率が高いことで知られます。以下の3次元で評価します(Maslach Burnout Inventory)。

次元症状典型例
情緒的消耗感感情エネルギーの枯渇「仕事の話をするだけで疲れる」
脱人格化他者への冷淡・攻撃的態度「患者や顧客を数値/番号で見る」
個人的達成感の低下自己効力感の喪失「何をやっても意味がない」

3項目該当なら早期対応必要。休職・配置転換・産業医面談・専門的心理療法の検討を。うつ病への移行率も高いため受診推奨です。

回復のための1週間プログラム

「重」判定が続いた場合の1週間集中回復プランの例です。可能な範囲で実践し、改善なければ医療機関へ。

曜日プログラム
21時就寝・8時間睡眠、朝散歩15分、昼食後10分昼寝
ノー残業、20分入浴、SNS断食、就寝1時間前スマホ停止
朝ヨガ10分、昼休み外出、夜の飲酒回避
軽い有酸素20分(ウォーキング)、夕食軽め、就寝時ストレッチ
プライベート予定を空ける、自然食(魚・野菜中心)、就寝早め
完全休養、日光浴30分、湯船で深呼吸、読書・映画等リラックス
翌週の予定を軽く確認、8時間睡眠、朝食を必ず摂る

週次で疲労スコアを再測定し、改善が見られなければ産業医・かかりつけ医への相談を強く推奨します。長時間労働・過重責任等、環境要因が背景にある場合は個人努力では限界があります。

疲労回復を助ける栄養素

栄養素作用主な食品
ビタミンB群エネルギー代謝の補酵素豚肉、玄米、うなぎ、大豆、卵
ビタミンC抗酸化、コルチゾール代謝キウイ、赤ピーマン、ブロッコリー
マグネシウム神経鎮静、疲労緩和ナッツ、豆腐、ほうれん草、玄米
鉄分酸素運搬、貧血予防赤身肉、レバー、あさり、小松菜
コエンザイムQ10ミトコンドリア機能イワシ、牛肉、ブロッコリー
タウリン肝機能サポート、疲労軽減タコ、イカ、貝類
クエン酸疲労物質代謝促進柑橘類、梅干し、酢

単品のサプリよりバランスの取れた食事が基本。特に若年女性・妊娠中は鉄不足が慢性疲労の原因になりやすく、健診での貧血チェックを推奨。貧血判定参照。

よくある間違い・注意点

  • 睡眠時間だけで疲労を評価 — 睡眠時間が十分でも、労働負荷・ストレス・食事・運動不足で疲労は蓄積します。多角的な評価が必要です。
  • 「休日に寝れば回復する」と考える — 慢性疲労は週末の1〜2日では回復しません。むしろ寝だめは体内時計を乱し月曜の疲労を悪化させます。
  • 栄養ドリンク・カフェインで乗り切る — 一時的に眠気を抑えるだけで疲労は蓄積し続けます。習慣化すると副腎疲労・不眠のリスク。
  • アルコールで疲労解消と誤解 — アルコールはレム睡眠を阻害し翌朝の疲労感を増大させます。休肝日は最低週2日推奨。
  • 「精神論」で症状を放置 — うつ病・適応障害・自律神経失調症は早期治療で予後が大きく改善します。2週間以上の抑うつは受診推奨。
  • 過労死ラインを"超えるまで"我慢 — 月80時間はあくまで労災認定基準で、健康障害は45時間残業から徐々に増加。予防的な労働時間管理が必要です。
  • 本ツールを診断に使う — 疲労度スコアは自己モニタリング指標で医学的診断ではありません。継続的な高スコアは医療機関へ相談してください。

関連する法令・ガイドライン

  • 労働安全衛生法 第66条の8 ― 長時間労働者(月80時間超残業)への医師面接指導の実施義務。
  • 労働安全衛生法 第66条の10 ― 常時50人以上の事業場でのストレスチェック実施義務(2015年12月施行)。
  • 脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準(2021改正) ― 過労死ライン・労働時間以外の負荷要因を含む労災認定基準。
  • 心理的負荷による精神障害の認定基準 ― うつ病等の精神疾患を業務起因性と認定するための厚労省基準。
  • 職業性ストレス簡易調査票(57項目版) ― ストレスチェックの標準ツール。厚労省委託研究で開発。
  • 働き方改革関連法(2019施行) ― 時間外労働の上限規制(原則月45時間・年360時間、特別条項でも月100時間未満・年720時間以下)。

参考文献・公的資料

※本ツールの疲労度判定は簡易的なセルフモニタリング指標であり、医学的診断ではありません。慢性的な疲労、抑うつ気分、身体症状、希死念慮等がある場合は、かかりつけ医・産業医・精神科・心療内科への受診を強く推奨します。労働環境に起因する健康障害は、産業医面談・労働基準監督署・こころの耳等の公的窓口をご活用ください。

よくある質問(FAQ)

疲労スコアの根拠は?

睡眠不足(理想8時間からの乖離×2)・労働時間(×0.5)・主観ストレス値を合算した簡易指標です。産業衛生分野の疲労評価要素を単純化しており、医学的診断ではなく日々のセルフモニタリング用途です。

過労死ラインは月何時間の残業?

発症前1ヶ月に100時間超、または発症前2〜6ヶ月平均で80時間超の残業が「業務と発症の関連性が強い」と評価されます。ただし45時間超から徐々に関連性が強まるため、80時間はあくまで最終ラインです。

ストレスチェックは受けなければいけない?

常時50人以上の事業場では年1回実施が義務化されています。労働者側は受検は任意ですが、自己のメンタル状態把握のため受検推奨。高ストレス判定で医師面接を希望した場合、事業者に伝わるのは面接希望の有無のみで結果内容は開示されません。

「重」判定が続いたら?

1ヶ月以上続く場合は連続休暇の取得、労働時間の見直し、産業医面談、かかりつけ医・精神科への受診を推奨。放置すると適応障害・うつ病・自律神経失調症等に移行するリスクがあります。

栄養ドリンクで疲労は取れる?

タウリン・カフェイン・ビタミンB群による一時的な覚醒作用があるだけで、疲労そのものは解消しません。習慣化するとカフェイン耐性・不眠・胃腸障害を招きます。継続摂取ではなく緊急時のみが原則です。

睡眠時間が足りていれば疲労はない?

いいえ。睡眠は必要条件ですが十分条件ではありません。労働負荷、対人ストレス、栄養不足、運動不足、慢性疾患、更年期などが複合的に疲労を生じます。睡眠質の評価は睡眠の質診断で。

週末の寝だめで回復できる?

短期的な回復には有効ですが、平日との時差が2時間以上あると体内時計が乱れ月曜朝の疲労を増大させます。日々7時間以上の確保が理想で、寝だめは補助手段と考えてください。

産業医面談は誰でも受けられる?

常時50人以上の事業場には産業医選任義務があり、労働者は労働時間・健康状態・ストレスの相談で面談を申し込めます。相談内容は本人同意なく事業主に伝えられません。労働安全衛生法上の権利です。

疲労が慢性化するのはどういう状態?

6ヶ月以上続く疲労で休養しても改善しない状態は慢性疲労症候群(CFS/ME)の可能性。労作後の悪化・睡眠障害・認知機能低下等を伴い、専門医(内科・神経内科・膠原病内科)の診断が必要です。

うつ病と疲労の見分け方は?

抑うつ気分・興味関心の喪失が2週間以上続き、不眠/過眠・食欲変化・集中力低下・無価値感・希死念慮等の症状を伴えばうつ病の可能性。精神科・心療内科の受診で鑑別可能です。

労働時間の上限規制は?

2019年施行の働き方改革関連法で、時間外労働は原則月45時間・年360時間。特別条項付き36協定でも月100時間未満・年720時間以下・複数月平均80時間以下が上限です。違反は罰則対象です。

フリーランス/自営業でも参考になる?

使えます。ストレスチェック制度は非対象ですが、労働時間・睡眠・ストレスの数値化は共通です。自営業は労災保険特別加入も可能で、健康障害への備えを推奨します。