坪単価分析ツール|エリア・築年数・立地・公示地価連動で不動産価格の妥当性を多面判定
不動産の坪単価を、価格・面積・エリア・築年数・立地から多面的に分析。公示地価・路線価・実勢価格の3価格連動、築年数による減価カーブ、駅距離・接道条件による割増、REINS成約事例との比較で割高/割安を客観判定します。国土交通省 地価公示・国税庁 路線価・不動産登記法・宅建業法に基づき、マイホーム購入者・不動産投資家・売却検討者・相続税評価の実務に対応。
坪単価・妥当性判定計算機
計算式と補正ロジック
基本式
坪単価(円/坪)= 物件総額 ÷ 面積(坪)
1坪 = 3.30578㎡(=6尺×6尺)
㎡単価 × 3.30578 = 坪単価
坪単価はマンション・戸建て・土地の価格比較の共通指標として業界標準で使われますが、面積の定義(登記簿面積・壁芯面積・内法面積・専有面積・延床面積)で数値が変わるため、比較前に必ず定義を統一する必要があります。
物件種別×築年減価
築年補正後坪単価 = 新築時想定坪単価 × 築年減価係数
マンション・戸建て・土地で減価カーブは大きく異なります。マンションは築25年で新築時の約50%、戸建ては築20年で建物価値ほぼゼロ、土地は築年の影響を受けず地価変動のみ、というのが実務の目安。
立地補正
立地補正後 = 基準 ×(駅距離係数 × 接道係数 × 用途地域係数)
面積種別と公的評価額の目安
相続税路線価 目安 = 立地補正後の相場 × 0.8
固定資産税評価 目安 = 立地補正後の相場 × 0.7
路線価・固定資産税評価はいずれも土地の評価指標のため、面積種別で「土地面積」を選んだ場合にのみ算出します。また土地は経年で減価しないため、土地面積ベースで見るときは築年減価の影響を建物分だけに限定し、減価幅を半分として扱っています。
公示地価・路線価・実勢価格の関係
日本の不動産価格は複数の公的指標が並立しており、目的に応じて使い分けが必要です。
| 指標 | 所管 | 公表時期 | 実勢価格に対する目安 | 用途 |
|---|---|---|---|---|
| 公示地価 | 国土交通省 | 3月下旬 | 約100% | 取引の指標・裁判基準 |
| 基準地価 | 都道府県 | 9月下旬 | 約100% | 公示地価の中間指標 |
| 路線価(相続税) | 国税庁 | 7月上旬 | 約80% | 相続税・贈与税評価 |
| 固定資産税評価額 | 市区町村 | 3年ごと4月 | 約70% | 固定資産税・都市計画税 |
| 実勢価格(取引価格) | 民間取引 | 随時 | 100% | 実際の売買金額 |
目安として実勢価格100 → 公示地価100 → 路線価80 → 固定資産税評価70という関係が成り立ちます。ただし需給が偏るエリア(都心一等地・不人気地)では乖離が大きくなります。
築年数と減価カーブ
建物価値は築年で減価します。以下は国土交通省「中古住宅の建物評価」ガイドラインおよびRC造・木造の耐用年数を参考にした目安。
マンション(RC造・耐用年数47年)
| 築年数 | 新築比 | コメント |
|---|---|---|
| 新築 | 100% | — |
| 築5年 | 90% | 「築浅」の目安 |
| 築10年 | 80% | — |
| 築15年 | 70% | 大規模修繕1回目 |
| 築20年 | 60% | — |
| 築25年 | 50% | — |
| 築30年 | 40% | 大規模修繕2回目、旧耐震境界 |
| 築40年 | 25% | — |
| 築50年 | 15% | 建替え検討 |
戸建て(木造・耐用年数22年)
| 築年数 | 建物価値 | 土地+建物合計目安 |
|---|---|---|
| 新築 | 100% | 土地+建物満額 |
| 築10年 | 50% | 土地+建物5割 |
| 築20年 | 10% | ほぼ土地値 |
| 築25年以上 | 0% | 土地値、古家付き土地扱い |
立地補正(駅距離・接道条件)
駅距離補正係数
| 駅徒歩 | マンション | 戸建て |
|---|---|---|
| 1〜5分 | +10〜+20% | +5〜+10% |
| 6〜10分 | 基準 | 基準 |
| 11〜15分 | −5〜−10% | −3〜−5% |
| 16〜20分 | −10〜−15% | −5〜−10% |
| 21分以上 | −15〜−25% | −10〜−15% |
接道条件補正
- 角地:+5〜+10%
- 南向き公道4m以上接道:+3〜+5%
- 私道接道:−5〜−10%
- 2項道路(幅員4m未満)・セットバック要:−10〜−15%
- 再建築不可:−30〜−50%
用途地域補正
- 第一種低層住居専用地域:閑静・+3〜+5%
- 商業地域:需給次第で±10%以上
- 市街化調整区域:−30〜−50%
- 準工業地域・工業地域:−5〜−15%
主要エリアの坪単価相場(マンション実勢価格、2026年目安)
| エリア | 坪単価目安 | 3LDK 70㎡新築目安 |
|---|---|---|
| 東京都 港区・千代田区・中央区 | 700〜1,500万円 | 1.5〜3億円 |
| 東京都 渋谷区・目黒区・世田谷区 | 400〜700万円 | 0.9〜1.5億円 |
| 東京都 その他23区 | 250〜400万円 | 5,500〜9,000万円 |
| 東京都 市部(武蔵野市・三鷹市等) | 200〜350万円 | 4,500〜7,500万円 |
| 横浜市・川崎市 中心部 | 200〜350万円 | 4,500〜7,500万円 |
| さいたま市・千葉市 中心部 | 150〜250万円 | 3,500〜5,500万円 |
| 大阪市 中央部 | 200〜400万円 | 4,500〜9,000万円 |
| 名古屋市 中心部 | 150〜300万円 | 3,500〜6,500万円 |
| 福岡市 中央区・博多区 | 150〜300万円 | 3,500〜6,500万円 |
| 札幌市・仙台市 中心部 | 100〜200万円 | 2,500〜4,500万円 |
| 県庁所在地 中心部 | 60〜150万円 | 1,500〜3,500万円 |
| 地方都市郊外 | 30〜80万円 | 800〜2,000万円 |
※新築マンションのグロス坪単価目安。実勢価格は国土交通省「不動産取引価格情報検索」・REINS「取引情報」・不動産経済研究所「新築マンション市場動向」で最新確認できます。
物件種別と坪単価の違い
新築マンション
販売時の坪単価は「専有面積」ベースが業界標準。バルコニー・共用部を含む「壁芯」で表示されることが多く、内法面積より1〜3%大きく計算されます。新築プレミアム(10〜15%)を含み、引き渡し直後に売却すると即座に減価します。
中古マンション
REINS成約事例・過去5年の同マンション取引履歴が最も信頼できる比較指標。同マンション・同間取り・階数・向き・眺望が近い事例3件以上と比較すれば、乖離率±10%以内が妥当な価格帯です。
戸建て(土地+建物)
「土地坪単価」と「建物坪単価」を分けて考える必要があります。築20年以上の中古戸建ては「古家付き土地」として土地値のみで評価するのが実務。建物解体費(100〜200万円)はマイナス要因として控除します。
土地のみ
公示地価・路線価が最も分かりやすい比較指標。「路線価÷0.8=実勢価格の目安」で概算し、REINSと地元不動産業者の意見でファインチューニング。前面道路の幅員・接道長さ・形状(整形/不整形)が価格を左右します。
収益物件(1棟マンション・アパート)
坪単価より利回り(表面利回り・実質利回り)とNOIが主指標。参考として坪単価も見ますが、家賃×稼働率×12ヶ月÷総額の表面利回りが7〜10%(地方10〜15%、都心3〜5%)が投資判断の基本。
タワーマンション
階層別で坪単価が変わる特殊物件。高層階(30階以上)は低層階の1.5〜2倍の坪単価になることも。眺望・日照・角部屋の希少性が価格に反映されるため、単純な平均坪単価では判断が難しいです。
坪単価早見表(総額×面積)
| 総額\面積 | 50㎡ | 70㎡ | 80㎡ | 100㎡ | 120㎡ |
|---|---|---|---|---|---|
| 2,000万円 | 132万 | 94万 | 83万 | 66万 | 55万 |
| 3,000万円 | 198万 | 142万 | 124万 | 99万 | 83万 |
| 4,000万円 | 264万 | 189万 | 165万 | 132万 | 110万 |
| 5,000万円 | 331万 | 236万 | 207万 | 165万 | 138万 |
| 6,000万円 | 397万 | 283万 | 248万 | 198万 | 165万 |
| 8,000万円 | 529万 | 378万 | 331万 | 264万 | 220万 |
| 1億円 | 661万 | 472万 | 413万 | 331万 | 275万 |
| 1.5億円 | 992万 | 708万 | 620万 | 496万 | 413万 |
| 2億円 | 1,322万 | 944万 | 826万 | 661万 | 551万 |
※坪単価(万円/坪)。1坪 = 3.30578㎡ で換算。
こんな人に役立つ
マイホーム購入検討者
販売価格が周辺相場と比べて割高/割安かを客観判定。同エリア・同築年・同駅距離の類似物件と比較して、購入判断や値引き交渉の材料に使えます。
不動産投資家
収益物件の取得判断で、利回り分析と合わせて坪単価チェック。周辺相場より高い物件は物件力があるか(駅近・築浅・希少間取り)を精査し、割安物件は瑕疵の有無を確認するトリガーに。
売却検討者
自宅・投資物件を売却する際の適正価格設定に。不動産業者の査定金額を鵜呑みにせず、自分でも周辺相場と築年減価を確認して交渉に臨めます。
相続税評価・贈与税申告者
相続税の申告で使う路線価評価と、実勢価格・公示地価の乖離を確認。小規模宅地等の特例、貸家建付地評価等の各種減額を織り込む前の基準価格を把握できます。
住宅ローン担当・銀行員
融資可否・融資額算定における担保評価の第一次スクリーニング。公示地価×路線価掛目、REINS成約事例との比較で担保としての妥当性を判定。
リノベーション業者・建築士
中古物件購入+リノベーション予算の逆算に。「築古の土地値物件」を仕入れて再販する事業計画のシミュレーションに使えます。
よくある間違い・注意点
- 面積の定義違い — 「専有面積(壁芯)」「専有面積(内法)」「登記面積」「延床面積」「土地面積」で数値が変わります。マンションは通常「壁芯面積」で表示され、登記の「内法面積」より約1〜3%大きい。比較時は必ず定義を統一してください。
- 「坪単価」だけで判断 — 同じ坪単価200万円でも、駅徒歩3分と徒歩20分では価値が全く違います。駅距離・築年数・階数・向き・間取り・共用施設を総合的に評価する必要があります。
- 路線価と実勢価格の混同 — 路線価は実勢価格の約80%が目安。相続税評価用の路線価をそのまま売買価格の目安と誤認すると、20〜25%安く見積もることになります。
- 新築プレミアムの見落とし — 新築マンションは販売価格に10〜15%のプレミアムが乗り、引き渡し直後に売却するとその分は必ず損します。「新築即転売」は原則損失取引です。
- 築古戸建てを建物込みで評価 — 築20年以上の木造戸建ては建物価値ほぼゼロ。土地値評価が実務で、建物解体費(100〜200万円)はマイナス要素として控除します。
- 「相場より安い」の裏を確認しない — 相場より20%以上安い物件は、心理的瑕疵(事故物件)、既存不適格、再建築不可、旧耐震、雨漏り・シロアリ、大規模修繕金滞納などのリスクがある可能性が高いです。
- 広告表示の坪単価に含まれる要素の違い — 「土地代のみ」「建物代のみ」「諸費用込み」「オプション別」で表示基準が異なります。パンフレット・重要事項説明書で必ず内訳を確認してください。
関連する法令・規程
- 地価公示法 ― 国土交通省による毎年3月の公示地価。取引の指標、公共事業の用地取得補償の基準。
- 国土利用計画法 ― 一定面積以上の土地取引の届出義務。
- 相続税法・財産評価基本通達 ― 国税庁の路線価・倍率方式による相続税評価。
- 地方税法 ― 固定資産税評価額(3年ごとの評価替え)と課税ルール。
- 不動産の鑑定評価に関する法律 ― 不動産鑑定士による評価の法的根拠。
- 宅地建物取引業法 ― 重要事項説明義務、37条書面、広告表示規制。
- 建築基準法 ― 接道義務(第43条)、用途地域、容積率・建ぺい率、再建築要件。
- 不動産登記法 ― 登記簿面積(土地は地籍調査地・建物は各階平面図)の法的基準。
- 不動産の表示に関する公正競争規約 ― 広告表示(徒歩1分=80m、坪単価表示ルール)の業界自主規制。
参考文献・公的資料
より正確な坪単価や公的地価データを確認したい場合は、以下の公的機関の一次資料を参照してください。
- 国土交通省 不動産取引価格情報検索 ― 過去の実勢取引価格を都道府県・市区町村別に無料検索できる公式データベース。
- 国土交通省 地価公示・都道府県地価調査 ― 毎年3月公表の公示地価、9月公表の基準地価。
- 国税庁 財産評価基準書路線価図 ― 相続税・贈与税の路線価(毎年7月上旬公表)。
- REINS Market Information(不動産流通機構) ― 直近1年間のマンション・戸建て成約事例。
- 国土交通省 中古住宅の建物評価ガイドライン ― 築年による減価カーブの公的指針。
- 国土交通省 建築着工統計・住宅市場動向調査 ― 新築・中古住宅の需給と価格動向。
- 東京カンテイ ― 中古マンション・戸建ての価格動向・利回りデータの民間統計。
- 不動産経済研究所 ― 新築マンション市場動向・首都圏販売戸数・平均価格の月次統計。
- 国税庁 相続税・贈与税のあらまし ― 路線価による相続税評価の実務解説。
- 不動産適正取引推進機構 ― 宅建業法・重要事項説明・トラブル事例の解説。
よくある質問(FAQ)
坪単価はどう計算する?
物件総額 ÷ 面積(坪)で算出します。1坪 = 3.30578㎡ なので、㎡単価×3.30578でも変換可能。マンションは専有面積、戸建ては延床面積、土地のみは土地面積を分母に使うのが業界標準です。
路線価と公示地価はどう違う?
公示地価は国土交通省が3月に発表する取引の指標(実勢価格の約100%目安)、路線価は国税庁が7月に発表する相続税評価用(公示地価の約80%目安)。両者を混同すると相続税評価と売買価格で大きな乖離が生じます。
マンションと戸建て、坪単価はどっちが安い?
一般的にマンションは専有面積のみを分母にするため坪単価が高く、戸建ては土地+建物延床で坪単価が抑えられる傾向。単純比較はできず、駅距離・築年・エリアを揃えて比較する必要があります。
築30年の中古マンションは新築の何%の価値?
目安として約40%。ただし立地・大規模修繕履歴・耐震基準(1981年新耐震境界)で大きく変動します。都心一等地なら築30年でも新築の60〜80%を維持することも珍しくありません。
駅徒歩何分までが「駅近」の目安?
不動産業界では駅徒歩7分以内が「駅近」、10分以内が許容範囲、15分超で駅遠評価が入ります。徒歩1分=80mの計算が業界標準(不動産の公正競争規約)。
「壁芯面積」と「内法面積」の違いは?
壁芯は壁の中心線で測る面積、内法は壁の内側で測る面積。マンション販売時の「専有面積」は壁芯で、登記簿の「専有面積」は内法。両者で約1〜3%(マンションで1〜3㎡)の差があります。
新築マンションを買って即転売すると損する?
基本的に損失取引です。新築販売価格には10〜15%のプレミアム(販売経費・広告費・利益)が乗っており、中古市場ではこのプレミアムは維持できません。転売のための購入は避けるのが賢明です。
相場より20%安い物件は買っていい?
要注意です。心理的瑕疵(事故物件)、既存不適格建築物、再建築不可、旧耐震、雨漏り・シロアリ、大規模修繕積立金滞納、隣地紛争などのリスクを重要事項説明書と現地調査で必ず確認してください。
収益物件で坪単価と利回り、どっちが重要?
利回り(表面・実質・NOI)が主指標で、坪単価は副次的な参考値です。同じ坪単価でも家賃相場や稼働率で利回りは大きく変動するため、収益物件は必ずキャッシュフロー分析を優先してください。
タワーマンションの坪単価はなぜ階数で違う?
眺望・日照・希少性が階数で大きく変わるため。高層階(30階以上)は低層階の1.5〜2倍の坪単価になることも。同じマンションでも住戸ごとの査定が必要です。
土地の坪単価はどこで調べられる?
公示地価は国土交通省「地価公示」、路線価は国税庁「路線価図」、実勢価格は国交省「不動産取引価格情報検索」とREINSで無料閲覧できます。地元不動産業者への相場ヒアリングも有効です。
坪単価が高い=良い物件?
一概には言えません。高坪単価は駅近・築浅・希少間取りが理由なら妥当ですが、「タワマン最上階だけど間取り効率が悪い」「新築プレミアム込み」だと割高です。総合的に判断してください。