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不動産 仲介手数料 計算ツール|売買・賃貸の上限額を宅建業法で即算出、低廉空家特例・両手片手・値引き交渉まで完全解説

不動産売買・賃貸の仲介手数料の上限を、宅地建物取引業法(宅建業法)に基づき即時算出。売買は3%+6万円+税、賃貸は家賃1ヶ月分+税が原則の上限。低廉な空家等の売買特例(400万円以下は上限18万円+税)、両手仲介と片手仲介、専任媒介契約と一般媒介契約の違い、値引き交渉のポイント、「無料」「半額」キャンペーンの内幕、購入時の総諸費用(物件価格の6〜10%)まで、国土交通省・全宅連・全日本不動産協会の一次資料に基づき解説します。

最終更新:2026-07-28/監修:計算ツールズ編集部

仲介手数料 計算機

計算式と法的根拠

売買仲介の上限(宅建業法)

宅地建物取引業法第46条および同施行規則、告示(昭和45年建設省告示第1552号「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」)で、仲介手数料の上限が定められています。依頼者一方から受け取れる報酬の上限は次のとおりです。

取引価格(税抜)計算式(税抜)
200万円以下の部分取引価格 × 5%
200万円超〜400万円以下の部分取引価格 × 4%
400万円超の部分取引価格 × 3%

速算式

400万円超の速算式:取引価格 × 3% + 6万円(税抜)

税込:取引価格 × 3.3% + 66,000円

速算式は、価格帯ごとに切り分けて計算した合計と一致します。例えば1,000万円の場合、200万円×5%+200万円×4%+600万円×3%=10万円+8万円+18万円=36万円(税抜)=速算式36万円と一致します。

上限であって定価ではない

この金額は「上限」であり、事業者は上限内で自由に決定できます(宅建業法第46条第3項)。上限を超える請求は法令違反で、業務停止・免許取消・罰則の対象になります。実務では上限額満額の請求が一般的ですが、繁忙期以外や大手仲介の一部で「半額」「一律料金」といった値引き提案もあります。

物件価格別の具体例

物件価格仲介手数料 税抜仲介手数料 税込物件比
200万円10.0万円11.0万円5.50%
400万円18.0万円19.8万円4.95%
500万円21.0万円23.1万円4.62%
1,000万円36.0万円39.6万円3.96%
1,500万円51.0万円56.1万円3.74%
2,000万円66.0万円72.6万円3.63%
3,000万円96.0万円105.6万円3.52%
4,000万円126.0万円138.6万円3.47%
5,000万円156.0万円171.6万円3.43%
8,000万円246.0万円270.6万円3.38%
1億円306.0万円336.6万円3.37%
2億円606.0万円666.6万円3.33%
5億円1,506.0万円1,656.6万円3.31%

買主・売主それぞれから上限額の仲介手数料が入る「両手仲介」の場合、事業者が受け取る手数料は上記の2倍になります。

低廉な空家等の売買特例

2018年1月施行、2024年7月から拡充された「低廉な空家等の売買に関する特例」により、空き家対策として少額物件の仲介手数料上限が引き上げられました。

特例の内容

  • 対象物件 ― 400万円以下の宅地・建物(従前)/800万円以下の宅地・建物(2024年7月改正後、告示改正により上限拡大)
  • 報酬上限 ― 通常の計算式による報酬額に、現地調査等に要する費用相当額を加えて合計18万円(税抜、2024年7月改正で30万円に拡大)まで受領可能
  • 要件 ― 売主から仲介事業者に対し、事前に書面で説明・合意していること
  • 買主側 ― 買主からは通常の計算式による上限額(増額不可)

これは空き家対策特別措置法や国交省の空き家対策施策の一環として導入されたもので、遠隔地の空き家や登記が複雑な物件でも、事業者が採算をとって仲介できるようにする狙いです。詳細は国交省の告示改正資料を参照してください。

賃貸の仲介手数料と実務

法定上限は家賃1ヶ月分

賃貸借の媒介では、依頼者双方から受領できる報酬の合計が賃料の1ヶ月分(消費税別)と定められています(宅建業法46条・報酬告示第4)。ただし、居住用建物では、「依頼者の承諾があるとき」を除き、貸主・借主それぞれから0.5ヶ月分+税ずつ受領するのが原則です。

実務は借主1ヶ月負担が慣行

賃貸実務では、事前に借主から「承諾書」を取得することで、借主から1ヶ月分+税を受領するケースが大半を占めます。近年は東京地裁判決(2020年)が「事前承諾のない0.5ヶ月分超は違法」と判示したことをきっかけに、承諾手続の適正化が進んでいます。

その他の請求可能な費用

  • 鍵交換費用 ― 2〜3万円。オーナー負担がガイドライン推奨だが、実務は借主負担が多い
  • ハウスクリーニング費 ― 3〜7万円。原則貸主負担(国交省ガイドライン)だが、契約書で借主特約する物件も
  • 保証会社利用料 ― 家賃0.5〜1ヶ月分/初回、年1万円/更新時
  • 火災保険(家財保険) ― 2年で1.5〜2万円
  • 敷金・礼金 ― 家賃0〜2ヶ月ずつが目安

初期費用の総額は家賃の4〜6ヶ月分が中心で、家賃10万円なら40〜60万円が目安です。

両手仲介と片手仲介の違い

両手仲介

1社が売主・買主の両方から仲介手数料を受領する形態。事業者の売上は2倍。「囲い込み」と呼ばれるレインズへの登録隠しや他社紹介拒否が発生する温床とされ、国交省が改善指導を強化しています。

片手仲介

売主側と買主側で別々の仲介事業者が入り、それぞれ一方の依頼者から仲介手数料を受領。売主にとっては買主候補が広がり、買主にとっては情報が公平に共有される利点があります。

分かれ仲介

物件を売主側事業者、購入者側は別事業者。両者間で1つの契約を協働仲介。片手仲介の一種で、業者間で協力して成約に導きます。

囲い込みの回避策

売却依頼時はレインズ登録証明書の提示を義務化する、「他社客付け対応可」を書面で確認する、大手だけでなく地域密着型も並行して検討する等の対策が有効です。

専任媒介と一般媒介

項目専属専任媒介専任媒介一般媒介
複数業者依頼不可(1社限定)不可(1社限定)可能(複数OK)
自己発見の可否不可(自分で買主見つけても業者を通す)可能可能
契約期間最長3ヶ月最長3ヶ月法定なし(3ヶ月が慣例)
レインズ登録義務5営業日以内7営業日以内なし(任意)
業務報告義務1週間に1回以上2週間に1回以上なし
向く売主1社に集中して早期売却したい1社に絞りたい・報告は月2回で十分複数業者と横並びで最良条件を狙う

専任契約は業者にとって売上が確実な分、積極的な広告・営業活動が期待できる一方、囲い込みリスクもあります。一般媒介は複数競わせられるが、業者側のインセンティブが下がり、広告費投入を控えられがちです。実務では「専任媒介+レインズ登録の実効性チェック」が最もバランスの取れた選択とされます。

値引き交渉と無料/半額キャンペーンの内幕

値引き交渉のタイミング

売買仲介では、①媒介契約前、②売却活動中の途中、③申込〜契約直前、の3タイミングで交渉可能。売主側は「上限額の90〜80%」、買主側は「上限額の80〜70%」まで交渉可能な事例が実務で見られます。ただし過度な値引き要求は、事業者側の営業インセンティブを下げ、広告露出が減るリスクもあります。

「仲介手数料無料」の仕組み

買主側「仲介手数料無料」を掲げる業者は、①売主側から仲介手数料を受領し買主側は無料(片手仲介型)、②売主が業者を兼ねる新築系物件で買主無料、③自社所有物件の販売(宅建業者間取引)、といった収益構造で成り立っています。物件価格が相場より高めに設定されていないか、契約前に周辺相場を確認しましょう。

「半額」「一律料金」型

大手ネット系仲介の一部で、成約価格に関わらず一律29〜50万円+税や、通常の半額といった料金体系があります。物件が高価格帯の場合は大幅節約になる一方、業者側の営業活動が薄い場合もあるため、対応品質を事前に確認しましょう。

値引き交渉で確認すべきこと

  • 広告費・宣伝活動の内容と頻度(SUUMO・ホームズ・自社サイト・折込チラシ)
  • 売却/購入希望顧客リストの規模
  • レインズ登録と他社対応の実効性
  • 契約書・重要事項説明書の作成体制
  • アフターサポート(引渡し後の書類整備・税務相談)

購入時の総諸費用(物件価格の6〜10%)

不動産購入時は仲介手数料以外にも多数の費用が発生します。物件価格3,000万円の中古住宅を購入した場合の目安を示します。

費用項目金額目安備考
仲介手数料約106万円3%+6万円+税
登録免許税(所有権移転)約30万円固定資産税評価額×2%(住宅特例で0.3%)
登録免許税(抵当権設定)約12万円借入額×0.4%(住宅特例で0.1%)
司法書士報酬約10〜15万円登記手続き代行
印紙税約2万円売買契約書・金消契約書
不動産取得税約20〜60万円固定資産税評価額×3%(軽減後)
固定資産税・都市計画税精算約5〜10万円引渡日以降の日割
火災保険・地震保険約10〜20万円10年一括、木造/鉄骨で変動
住宅ローン事務手数料約60万円借入額×2.2%(事務手数料型)
住宅ローン保証料約60万円借入額×2%(保証料型の場合)
引越費用・家具家電約50〜100万円物件購入とは別枠
合計目安約200〜300万円物件価格の6〜10%

新築マンションでは仲介手数料が不要(売主直販が多い)な代わり、修繕積立基金や管理準備金が発生するため、諸費用の内訳は変わります。

よくある間違い・注意点

  • 「上限額=定価」と誤解 — 宅建業法の3%+6万円+税はあくまで「受領できる報酬の上限」で、値引き交渉が可能です。実務では上限満額請求が主流ですが、繁忙期以外や大手仲介の一部で「半額」「一律料金」の提案があります。
  • 賃貸で1ヶ月分請求を無条件に受入 — 居住用建物の賃貸仲介では、原則貸主・借主それぞれから0.5ヶ月分+税ずつです。1ヶ月分請求には借主の事前承諾が必要で、これがないと違法。事前承諾の書面確認をしましょう。
  • 「囲い込み」の被害 — 売却依頼した業者が意図的にレインズ登録を遅らせたり、他社紹介の申込を拒否して自社客付け(両手仲介)を狙う行為。売却期間が延び、価格も下がるため、レインズ登録証明書と他社対応可否を書面で確認しましょう。
  • 手付金を仲介手数料と混同 — 手付金は売買代金の一部として売主に支払うもので、仲介手数料ではありません。契約時に手付金5〜10%、決済時に残代金+仲介手数料半額、というのが一般的な流れ。混同すると仲介手数料未払いの誤認識になります。
  • 個人間売買で仲介手数料課税誤り — 個人(消費税非課税事業者)から個人への売買の場合、消費税は取引に発生しません(土地は元々非課税)。ただし仲介手数料には消費税10%が課されます。個人間売買と仲介手数料の課税を混同しないでください。
  • 低廉な空家等の特例を知らずに損 — 400万円以下の物件を売却する場合、通常計算では上限18万円+税ですが、事前承諾書面があれば特例で30万円+税まで受領可能。売主として承諾するかどうかで手数料負担が変わります。

関連する規格・法令

  • 宅地建物取引業法(宅建業法)第46条 ― 報酬の額の上限規定。国土交通大臣が定める告示による上限を超えて受領してはならない。
  • 昭和45年建設省告示第1552号 ― 「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」。上限料率の告示。
  • 宅建業法第37条 ― 契約成立時の書面交付義務(37条書面)。仲介事業者は成立時に速やかに書面を交付する必要がある。
  • 宅建業法第34条の2 ― 媒介契約の書面化義務。専属専任・専任・一般の別、期間、報酬額を書面で明示。
  • 宅建業法第35条 ― 重要事項説明義務。宅建士による書面交付と説明。
  • 不動産の表示に関する公正競争規約 ― 不動産広告のルール。おとり広告禁止、価格表示ルール等。(一社)不動産公正取引協議会連合会が運用。
  • 消費税法 ― 仲介手数料は消費税課税取引(税率10%)。土地の売買代金は非課税、建物は課税(事業者売主)または非課税(個人売主)。
  • 民法(債権法改正・売買契約) ― 契約不適合責任(旧「瑕疵担保責任」)、手付、契約解除ルール。
  • 空家等対策の推進に関する特別措置法 ― 空き家対策の根拠法。低廉な空家等の売買特例の背景。
  • 個人情報保護法 ― 顧客情報の取扱ルール。仲介事業者は個人情報取扱事業者に該当。

参考文献・公的資料

より正確な法令・実務ルールを確認したい場合は、以下の公的機関の資料を参照してください。

※本ページの計算結果は法令上の上限額であり、実際の請求額は事業者との媒介契約で決まります。低廉な空家等の売買特例、賃貸の承諾書面、消費税の課非、地方特別ルールなど個別要件で扱いが変わります。契約前に必ず重要事項説明書と媒介契約書の内容を確認し、宅建士・弁護士・税理士・FP等の有資格者にご相談ください。行政処分歴のある事業者は上記国交省の宅建業者検索で確認できます。

よくある質問(FAQ)

仲介手数料の上限はいくら?

売買は取引価格×3%+6万円+消費税(400万円超の場合の速算式)が上限。1,000万円で税込39.6万円、3,000万円で税込105.6万円、5,000万円で税込171.6万円。賃貸は原則家賃1ヶ月分+税が上限で、居住用は貸主・借主それぞれから0.5ヶ月分+税ずつが原則。この額は法令上の上限で、値引き交渉が可能です。

「仲介手数料無料」は本当に無料?

買主側「仲介手数料無料」は、①売主側から仲介手数料を受領する片手仲介型、②売主兼業者の新築物件、③自社所有物件の販売、といった収益構造で成り立ちます。物件価格が相場より高めに設定されている可能性もあるため、周辺相場と比較確認が必要。契約前に必ず物件比較を行いましょう。

賃貸の仲介手数料は「家賃1ヶ月分+税」が普通?

実務では家賃1ヶ月分+税が慣行化していますが、宅建業法上は貸主・借主それぞれから0.5ヶ月分+税ずつが原則。借主から1ヶ月分+税を受け取るには、事前の書面による承諾が必要です。2020年の東京地裁判決以降、承諾手続の適正化が進み、承諾書面の確認を求められる場合があります。

低廉な空家等の特例とは?

2018年施行、2024年7月拡充。800万円以下の宅地・建物の売買では、売主から30万円+税まで受領可能(従前は400万円以下・18万円+税)。空き家対策と地方物件の流通促進が目的。売主からの事前承諾書面が必要で、買主からは通常の上限額(増額不可)。詳細は国交省告示改正資料を参照。

両手仲介と片手仲介の違いは?

両手仲介は1社が売主・買主双方から仲介手数料を受領する形態で、事業者の売上は2倍。「囲い込み」(レインズ登録隠しや他社紹介拒否)の温床とされる。片手仲介は売主側・買主側で別々の事業者が入り、それぞれ一方から仲介手数料を受領する形態で、公正な情報流通が期待できます。売主はレインズ登録証明書を業者に要求しましょう。

専任媒介と一般媒介、どちらが売主に有利?

専任媒介は業者の広告・営業インセンティブが高く、広告費投入が期待できる一方、囲い込みリスクあり。一般媒介は複数業者を競わせられるが、各社の営業力が薄まりがち。実務では「専任媒介+レインズ登録の実効性チェック」が最もバランスの取れた選択とされます。契約期間は最長3ヶ月です。

仲介手数料の値引き交渉は可能?

可能です。上限は宅建業法の規定額ですが、事業者の裁量で値引き可。売却時(売主から)で上限額の90〜80%、購入時(買主から)で80〜70%までの交渉事例が実務であります。ただし過度な要求は業者側の広告・営業活動を薄くする可能性があり、大手仲介ほど値引き交渉に応じにくい傾向。値引き前に業務内容を確認しましょう。

不動産購入時の総諸費用は?

物件価格の6〜10%が目安。3,000万円の中古住宅なら200〜300万円。内訳は仲介手数料(106万円)、登録免許税(42万円)、司法書士報酬(15万円)、印紙税(2万円)、不動産取得税(20〜60万円)、固定資産税精算(5〜10万円)、火災保険(10〜20万円)、住宅ローン諸費用(60〜120万円)等。新築マンションは仲介手数料が不要な代わり修繕積立基金がかかります。

仲介手数料の支払いタイミングは?

実務では契約時に半額、決済(引渡)時に半額が一般的。全額を決済時に支払うケースもあります。売買契約が成立した時点で仲介事業者に報酬請求権が発生するのが法的原則ですが、事業者側の慣行として分割払いが定着しています。

契約途中で仲介業者を変えられる?

専任・専属専任媒介契約は最長3ヶ月です。期間満了で解約し他社に変更可能。契約期間中でも重大な業務違反(レインズ登録怠慢、報告義務違反等)があれば解約できます。ただし違約金や履行費用の請求リスクがあるため、事前に契約書の解約条項を確認しましょう。一般媒介契約は複数業者と並行契約可能なため、実質的にはいつでも変更可能です。

仲介業者は誰でもなれる?

いいえ。不動産の売買・賃貸の媒介は宅地建物取引業免許(国土交通大臣免許または都道府県知事免許)を持つ事業者のみが行えます。無免許営業は宅建業法違反で刑事罰の対象。事務所に宅地建物取引士を5人に1人以上配置する義務があり、重要事項説明も宅建士による書面交付が必須。免許番号は国交省の宅建業者検索で確認できます。

仲介トラブルはどこに相談する?

全宅連(ハトマーク支援機構)全日(ラビーホットライン)の相談窓口、②免許を出している都道府県または国交省地方整備局、③消費生活センター、④弁護士会の不動産紛争相談、⑤公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター。免許取消・業務停止処分は国交省の宅建業者検索で確認可能。