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時短勤務 給料計算ツール|育児・介護の短時間勤務の手取り・社保料を即時算出

育児・介護休業法に基づく時短勤務(6時間/日 など)の給料を計算。フルタイム比の手取り減少率、健康保険料・厚生年金・介護保険料・所得税・住民税の影響を一発算出。養育期間標準報酬月額特例・育児時短就業給付金・都道府県別の健保料率まで反映し、労務担当者・時短勤務者・産休復帰者の実務に対応します。

最終更新:2026-07-30/監修:計算ツールズ編集部

時短勤務 給料計算機

時短勤務開始の3か月後から減額が標準。育休復帰後は特例で時短前の標準報酬月額を維持できる。

計算式と社会保険の前提

時短後の額面月給

時短後 月給 = フルタイム月給 × (時短時間 ÷ フル時間)

例:フル月給30万円、8h→6hに短縮なら月給 = 30万円 × 6÷8 = 22.5万円。時給単価は変わらず、労働時間比で減額されるのが原則です。

社会保険料の計算(労働者負担分)

健康保険料 = 標準報酬月額 × 都道府県料率 ÷ 2

厚生年金 = min(標準報酬月額, 65万円) × 18.30% ÷ 2

介護保険料(40歳以上) = 標準報酬月額 × 1.60% ÷ 2

雇用保険 = 給与 × 0.6%(2026年度・一般事業)

健康保険料率は協会けんぽの都道府県別料率を反映(2026年度・東京9.98%、大阪10.34%、福岡10.31%)。厚生年金は全国一律18.30%(労使折半で本人9.15%)。介護保険は40歳以上に適用。

所得税・住民税(概算)

本ツールでは所得税+住民税を一律7%で概算しています(月給25〜35万円・扶養なし・社保控除後ベース)。正確な計算には給与所得控除・基礎控除・扶養控除・生命保険料控除等を反映した源泉徴収税額表(甲欄)を参照してください。住民税は前年所得ベースのため、時短初年度は影響なし、翌年から減額される点に注意が必要です。

時短勤務の制度と法的枠組み

育児・介護休業法の時短勤務義務

育児・介護休業法(育介法23条・24条)は、事業主に以下の義務を課しています。

  • 3歳未満の子を養育する労働者:所定労働時間を原則1日6時間とする短時間勤務制度の措置義務
  • 要介護状態にある家族を介護する労働者:所定労働時間の短縮等の措置義務
  • 2025年4月改正:3歳〜小学校就学前の子を持つ労働者にも柔軟な働き方(始業時刻変更・テレワーク・短時間勤務等から2つ以上)を提供する義務

時短中の主な影響

  • 給料:時間比で減額(労働時間×時給単価)
  • 社会保険料:時短開始3か月後から標準報酬月額が減額(特例で維持選択も可)
  • 厚生年金:将来年金額への影響を抑える「養育期間の特例措置」あり(時短前の標準報酬月額で年金計算可能)
  • 所得税:給料減により減額
  • 住民税:前年所得ベースなので時短初年度は影響なし、翌年から減額
  • 賞与:企業の規程により時短時間で按分される場合が多い
  • 退職金:算定基礎額が下がる場合あり(就業規則要確認)

労働時間別 手取り早見表(月給30万円ケース)

フルタイム月給30万円・8時間勤務・東京都・40歳未満・扶養なしを基準に、時短後の労働時間別の手取りをまとめました。標準報酬月額は時短連動で減額前提です。

労働時間額面月給社会保険料所得税+住民税手取りフル比
8h(フル)300,000円約45,000円約18,000円約237,000円100%
7.5h281,250円約42,200円約16,700円約222,300円93.8%
7h262,500円約39,400円約15,600円約207,500円87.6%
6.5h243,750円約36,600円約14,500円約192,700円81.3%
6h(標準時短)225,000円約33,800円約13,400円約177,800円75.0%
5.5h206,250円約31,000円約12,300円約162,950円68.8%
5h187,500円約28,200円約11,200円約148,100円62.5%
4h150,000円約22,500円約8,900円約118,600円50.0%

※概算値。実際は給与所得控除・扶養家族・iDeCo等で変動します。

月給別 時短後の手取り(6時間勤務ケース)

8時間→6時間(75%)への時短勤務時の手取り目安。標準報酬月額は時短連動で減額・東京都・40歳未満で計算しています。

フル月給時短後 額面時短後 手取りフル手取り差額
20万円150,000円約118,600円約158,100円-39,500円
25万円187,500円約148,100円約197,600円-49,500円
30万円225,000円約177,800円約237,000円-59,200円
35万円262,500円約207,500円約276,600円-69,100円
40万円300,000円約237,000円約316,100円-79,100円
50万円375,000円約296,300円約395,000円-98,700円
60万円450,000円約355,600円約473,900円-118,300円

標準報酬月額と養育期間特例

標準報酬月額の見直しタイミング

時短勤務による給与減額は、原則として随時改定(月額変更届/月変2)により標準報酬月額が改定されます。連続3か月の平均給与が従前の等級と2等級以上変わり、いずれの月も支払基礎日数が17日以上の場合、4か月目から新しい標準報酬月額が適用されます。

育休復帰後の特例(月変1)

育児休業から復帰し時短勤務する場合、通常の月変2の要件を満たさなくても、復帰後3か月の給与を基に標準報酬月額を改定する特例(産前産後休業終了時改定・育児休業等終了時改定)が使えます。健康保険法第43条の2、厚生年金保険法第23条の2に基づく制度です。

養育期間標準報酬月額特例申出書

時短勤務で標準報酬月額が下がっても、3歳未満の子を養育している期間について、時短前の標準報酬月額で年金額を計算してもらえる特例があります(厚生年金保険法第26条)。これにより将来の年金額が下がらずに済みます。年金事務所への申出書提出が必要で、手続きしないと将来年金が減るため、労務担当者は必ず案内してください。

育児時短就業給付金(2025年4月開始)

2025年4月から創設された新制度。2歳未満の子を養育する労働者が時短勤務を選択した場合、時短勤務中の賃金月額の10%相当額が雇用保険から支給されます。ただし、時短勤務中の賃金と給付金の合計額が、時短前賃金を超えないよう調整されます。

受給要件

  • 雇用保険の被保険者であること
  • 2歳未満の子を養育していること
  • 時短勤務(所定労働時間短縮)を実施していること
  • 時短勤務前と同じ事業所での勤務であること

ハローワークでの申請

事業主経由でハローワークに申請。育児休業給付金と同様に2か月ごとの支給申請となります。本ツールの計算結果には給付金は含めていないため、時短給料 + 育児時短就業給付金(額面の10%相当)を別途加算して家計計画を立ててください。

都道府県別 健保料率(2026年度・協会けんぽ)

健康保険料率は協会けんぽの都道府県別料率で計算します。介護保険料率(2号被保険者・全国一律)は1.60%を加算します。

都道府県健保料率都道府県健保料率
北海道10.29%滋賀9.98%
宮城10.13%京都10.20%
東京9.98%大阪10.34%
神奈川10.02%兵庫10.28%
埼玉9.85%岡山10.15%
千葉9.93%広島10.11%
茨城9.66%山口10.20%
栃木9.79%徳島10.36%
群馬9.81%愛媛10.10%
新潟9.35%福岡10.31%
富山9.62%佐賀10.42%
石川9.94%長崎10.21%
福井10.07%熊本10.30%
愛知10.02%大分10.25%
三重9.94%鹿児島10.26%
静岡9.75%沖縄9.52%

※料率は年度によって改定されます(通常4月改定)。労使折半のため本人負担はこの半額。組合健保加入者は組合独自料率が適用されます。

場面別の使い方

👶 育休復帰の資金計画

復帰後の手取りシミュレーションで家計影響を事前把握。保育料・時短勤務手取り・育児時短就業給付金の3要素を合算し、キャッシュフローの見通しを立てるのが基本パターンです。

👴 介護時短の家計影響評価

親の介護で1日6時間勤務に切替える場合の手取り影響を把握。介護休業給付金(賃金の67%×最大93日間)、介護休業手当との併用を検討する材料になります。

💼 労務・人事の制度設計

時短勤務制度の就業規則整備、標準報酬月額の随時改定、養育期間特例の申請案内、賞与算定基準の設計。従業員向けリテンションツールとしても活用可能です。

📊 給与コンサル・社労士業務

顧問先の時短勤務者相談で、フルタイム比の手取り差額・年金影響・給付金申請の要件を一括提示。育介法改正(2025年4月)に対応した最新情報の提供が求められています。

🏠 パートナーとの就労選択

共働き夫婦で、どちらがどれだけ時短にするかの意思決定材料に。手取り差額と時間価値(1時間あたりの育児時間確保コスト)を天秤にかけて判断できます。

📈 ライフプラン設計

FP相談で3歳までの時短、小学校入学までの時短、フルタイム復帰の各シナリオを比較。年金額・退職金・住宅ローン返済に与える影響を長期視点で試算します。

よくある間違い・注意点

  • 養育期間標準報酬月額特例の申出忘れ — 手続きしないと将来年金が下がります。年金事務所への「養育期間標準報酬月額特例申出書」を必ず提出してください。3歳までの期間が対象です。
  • 標準報酬月額が下がる時期を誤解 — 時短開始と同時に社会保険料が下がるわけではなく、原則3か月後の月変2か、育休復帰後の月変1で改定されます。それまでは高い保険料が続きます。
  • 住民税は当年減らない — 住民税は前年所得ベースのため、時短初年度の住民税額は前年フル勤務時の所得で計算されます。手取りが想定より少ないと感じるケースの多くはこれが原因です。
  • 賞与も時短で減る — 賞与は算定期間中の時短割合で按分される企業が多く、フル比100%とは限りません。就業規則の賞与規程を必ず確認してください。
  • 育児時短就業給付金の存在を知らない — 2025年4月から始まった新制度で、時短勤務中の賃金月額の10%が支給されます。ハローワーク経由で事業主申請が必要です。
  • 健保料率を全国一律9%程度と誤解 — 協会けんぽの健保料率は都道府県別で9.35%〜10.71%と幅があります(2026年度)。組合健保はさらに独自料率です。
  • 時短勤務者を「マミートラック」に固定してしまう — 昇給・昇格の対象から外すのは不利益取扱いに該当し違法です(育介法10条・16条の10)。時短でも公正な人事評価が求められます。

関連する規格・法令

  • 育児・介護休業法(育介法)第23条 ― 3歳未満の子を養育する労働者への短時間勤務制度の措置義務。原則1日6時間。
  • 育児・介護休業法 第24条 ― 要介護状態の家族を介護する労働者への短時間勤務等の措置義務。
  • 健康保険法 第43条の2 / 厚生年金保険法 第23条の2 ― 育児休業等終了時の標準報酬月額改定(月変1)の根拠。
  • 厚生年金保険法 第26条 ― 3歳未満の子を養育する期間について、従前の標準報酬月額で年金額を計算する特例。
  • 雇用保険法(2025年改正) ― 育児時短就業給付金の創設。時短勤務中の賃金月額の10%を支給。
  • 労働基準法 第32条・第36条 ― 法定労働時間(週40時間・1日8時間)・時間外労働の上限規制。
  • 次世代育成支援対策推進法 ― 一般事業主行動計画の策定義務(101人以上企業)。くるみん・プラチナくるみん認定。
  • 女性活躍推進法 ― 女性の管理職比率・育児休業取得率等の情報公表義務。

参考文献・公的資料

時短勤務の制度詳細・給付金申請・社会保険手続きの一次資料は以下です。

※本ページの計算結果は概算値です。実際の給与計算・社会保険手続き・給付金申請は、勤務先の給与担当・社会保険労務士・年金事務所・ハローワーク等の窓口で最終確認してください。特に養育期間標準報酬月額特例は本人の申請が必要で、勤務先経由でも自動的には手続きされません。

よくある質問(FAQ)

時短勤務でいくら手取りが減る?

労働時間8h→6hの場合、額面で25%減。手取りは社会保険料の関係で約20〜23%減になることが多い(社会保険料は時短前のままだと給与減と相殺せず手取り減が大きくなるため)。月給30万円なら手取り約6万円減が目安です。

厚生年金の将来額が減る?

放置すれば減ります。ただし、子が3歳までに「養育期間標準報酬月額特例申出書」を年金事務所に提出すれば、時短前の標準報酬月額で年金計算してもらえます。手続きしないと将来年金が下がるので必ず提出してください。

時短勤務でボーナスは減る?

賞与計算の対象期間に時短勤務をしている場合、企業の規程によります。標準的には「時短時間に応じて按分」または「ボーナス減額の調整係数」を適用する企業が多い。事前に就業規則を確認してください。

育児時短就業給付金とは?

2025年4月から開始された新制度。時短勤務で給与減になった場合に、賃金の10%が雇用保険から給付されます。2歳未満の子を養育する雇用保険被保険者が対象。ハローワークに事業主経由で申請します。

時短勤務中でも住民税は変わらない?

住民税は前年所得ベースで計算されるため、時短初年度は前年フル勤務時の所得で徴収されます。時短の翌年から減額される仕組み。時短開始直後の家計は住民税負担が重くのしかかることを想定してください。

標準報酬月額はいつから下がる?

通常の月変2は連続3か月の平均給与が2等級以上変わった4か月目から。育休復帰後の時短は復帰後3か月の給与を基にした月変1(特例)で改定されます。育休復帰者はほぼ確実にこの特例に該当します。

介護でも時短勤務できる?

できます。育介法24条により、事業主は要介護状態にある家族を介護する労働者に対し、3年以上の期間かつ2回以上利用できる短時間勤務等の措置を講じる義務があります。介護休業給付金との併用も可能です。

時短勤務で退職金は減る?

就業規則の退職金規程によりますが、退職金算定基礎額が時短時の給与ベースで計算される場合、退職金額が減額されるケースがあります。退職金は長期の勤続に応じて増える性質があるため、時短期間の重み付けを確認してください。

フルタイムに戻すタイミングは?

法的には3歳までは時短の権利がありますが、多くの企業では小学校就学前まで時短可能な制度を導入しています。2025年4月からは3歳〜就学前の子を持つ労働者にも柔軟な働き方が義務化されました。個別の家計とキャリアで判断してください。

時短勤務者を評価対象外にできる?

できません。時短勤務を理由とした昇給・昇格・賞与の減額は不利益取扱いに該当し違法です(育介法10条・16条の10)。仕事の成果と時間当たり生産性で評価するのが正しい設計です。

時短勤務は正社員のみ?

いいえ、正社員・契約社員・パート・派遣社員のいずれでも、育介法の要件(1年以上の雇用継続・週3日以上の勤務等)を満たせば時短勤務を請求できます。ただし派遣社員は派遣元事業主に請求します。

時短勤務中に他の会社で副業できる?

就業規則の副業規定によります。近年は副業解禁が進んでいますが、時短勤務は「育児等のための時間確保」が目的のため、副業に充てる場合は本来の趣旨に反すると判断される可能性もあります。事前に人事に相談してください。