ISO/JIS紙サイズ 詳細寸法ツール|A判・B判の全寸法・面積・√2比の解説
ISO 216 A判(A0〜A10)・JIS P 0138 B判(B0〜B10)の紙サイズ寸法・面積・アスペクト比を瞬時に表示。√2比(1:1.414)の設計思想、封筒との対応、印刷・製本・DTP・オフィス実務での使い方を、公的規格(ISO/JIS)に基づき解説します。
ISO/JIS紙サイズ 詳細ツール
√2比の計算式と設計思想
基本式
A0 = 841 × 1189 mm(面積 ≒ 1 m²)
A(n) の面積 = 1 ÷ 2ⁿ m²
アスペクト比 = 1 : √2 ≒ 1 : 1.4142
ISO 216で規定されるA判は、A0を基準として長辺を半分に折るごとにA1、A2、A3…と番号が増える設計です。特徴は√2:1のアスペクト比を維持することで、半分に折っても元と相似形になります。この性質により、拡大・縮小コピー(A4→A3:141%、A4→A5:71%)が単純な倍率で完結します。
√2比が選ばれた理由
18世紀のドイツの物理学者ゲオルク・リヒテンベルクが提案したローデ比を起源とし、1922年ドイツDIN 476で標準化、1975年にISO 216として国際規格化されました。折っても比率が変わらないため、印刷版下・封筒・製本・保管のあらゆる場面で無駄が出ません。
JIS B判とISO B判の違い
日本のJIS P 0138 B判はB0=1030×1456mmで、面積は約1.5m²。江戸時代の美濃紙寸法を継承したもので、ISO B判(B0=1000×1414mm、面積1.414m²)とは異なります。書籍・雑誌・広告物では日本独自のJIS B判が主流です。
A判 全サイズ早見表(ISO 216)
A0を1m²とし、半分ずつ小さくなる寸法系列です。名刺サイズはA8に近く、A4は世界標準のオフィス用紙、A3はプレゼンや設計図面に使われます。
| サイズ | 寸法 (mm) | 面積 (mm²) | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| A0 | 841 × 1189 | 999,949 | ポスター・図面・タペストリー |
| A1 | 594 × 841 | 499,554 | ポスター・大型図面 |
| A2 | 420 × 594 | 249,480 | ポスター・掲示物・設計図 |
| A3 | 297 × 420 | 124,740 | プレゼン資料・図表・見開き雑誌 |
| A4 | 210 × 297 | 62,370 | ビジネス書類・レターサイズ相当 |
| A5 | 148 × 210 | 31,080 | 手帳・ノート・文庫本相当 |
| A6 | 105 × 148 | 15,540 | 文庫本・ハガキ・チラシ |
| A7 | 74 × 105 | 7,770 | ポケット手帳・カード |
| A8 | 52 × 74 | 3,848 | 名刺相当(91×55mmは規格外) |
| A9 | 37 × 52 | 1,924 | 切手・小型ラベル |
| A10 | 26 × 37 | 962 | 切手・タグ |
JIS B判 全サイズ早見表
日本独自のJIS P 0138規格。書籍・広告・写真プリントで多用されます。B4は新聞見開き半分に近く、B5は大学ノート・雑誌の標準サイズ。
| サイズ | 寸法 (mm) | 面積 (mm²) | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| B0 | 1030 × 1456 | 1,499,680 | 大型ポスター・工事看板 |
| B1 | 728 × 1030 | 749,840 | ポスター・駅貼り広告 |
| B2 | 515 × 728 | 374,920 | ポスター・掲示 |
| B3 | 364 × 515 | 187,460 | 中吊り広告・小ポスター |
| B4 | 257 × 364 | 93,548 | 週刊誌見開き・大判ノート |
| B5 | 182 × 257 | 46,774 | 大学ノート・週刊誌・単行本 |
| B6 | 128 × 182 | 23,296 | 単行本・手帳 |
| B7 | 91 × 128 | 11,648 | ポケット手帳・パスポート相当 |
| B8 | 64 × 91 | 5,824 | ラベル・カード |
ISO B判との違い
国際規格ISO 216のB判は、日本のJIS B判より一回り小さくなります。海外印刷会社にB4指定で発注すると寸法違いが発生するため、mm単位で指定するのが安全です。
| サイズ | JIS B判 (mm) | ISO B判 (mm) | 差 |
|---|---|---|---|
| B4 | 257 × 364 | 250 × 353 | 約3%小さい |
| B5 | 182 × 257 | 176 × 250 | 約3%小さい |
| B6 | 128 × 182 | 125 × 176 | 約3%小さい |
近年はDTP・電子出版でISO B判に統一する動きもあり、印刷指定書には「JIS/ISOどちらか」を明示することが業界慣行です。
封筒サイズとの対応
紙サイズを折り込む封筒には、A判・B判に対応した規格封筒(長形・角形・洋形)が用意されています。
| 封筒 | 寸法 (mm) | 収納する紙 |
|---|---|---|
| 長形3号(長3) | 120 × 235 | A4三つ折り |
| 長形4号(長4) | 90 × 205 | B5三つ折り |
| 角形2号(角2) | 240 × 332 | A4折らず |
| 角形3号(角3) | 216 × 277 | B5折らず |
| 角形A4号 | 228 × 312 | A4折らず(薄型) |
| 洋形0号 | 120 × 235 | A4三つ折り(横入れ) |
| 洋形2号 | 114 × 162 | A5・招待状 |
定形郵便として送るには長辺23.5cm以下・短辺12cm以下・厚み1cm以下・重量50g以下の制限があります(日本郵便)。それ以外は定形外扱いで料金が変わります。
米国レター・リーガル・タブロイド
米国・カナダ・メキシコではANSI Y14.1規格が主流で、A4ではなくレターサイズが標準です。海外からのPDF・書類は寸法違いに注意が必要です。
| サイズ | 寸法 (mm) | 寸法 (inch) | 用途 |
|---|---|---|---|
| レター (Letter) | 216 × 279 | 8.5 × 11 | 米国オフィス標準・A4より少し横長 |
| リーガル (Legal) | 216 × 356 | 8.5 × 14 | 米国法律文書 |
| タブロイド (Tabloid) | 279 × 432 | 11 × 17 | 米国新聞・図面 |
| エグゼクティブ | 184 × 267 | 7.25 × 10.5 | 米国ビジネス用 |
| ANSI A | 216 × 279 | 8.5 × 11 | レターと同じ |
| ANSI B | 279 × 432 | 11 × 17 | タブロイドと同じ |
| ANSI C | 432 × 559 | 17 × 22 | 設計図 |
| ANSI D | 559 × 864 | 22 × 34 | 大型設計図 |
| ANSI E | 864 × 1118 | 34 × 44 | 建築図面 |
印刷・DTP実務のポイント
塗り足しと仕上がりサイズ
印刷では仕上がりサイズの周囲に3mmの塗り足し(裁ち落とし)を設けます。A4なら216×303mmで版下を作り、周囲3mmが裁断で落ちて210×297mmになります。DTPソフト(Illustrator・InDesign)ではドキュメント設定で「裁ち落とし3mm」を指定します。
解像度と拡大縮小
印刷は350dpiが標準(新聞は170dpi、大型ポスターは150dpi)。A4→A3拡大は141%(√2倍)、A4→A5縮小は71%(1/√2倍)。倍率を守れば同じ相似形が保たれます。
本文組みと余白
書籍のA5・B6・四六判では、天地左右の余白バランスが読みやすさを左右します。日本語文書ではヘボン比・黄金比を参考にした版面設計が用いられます。行間は文字サイズの1.5〜1.8倍が読みやすい目安。
紙目(縦目・横目)
洋紙にはパルプ繊維の並ぶ方向があり、長辺と平行ならT目(縦目)、短辺と平行ならY目(横目)と呼びます。書籍の背は紙目と平行にすると背が割れにくく、封筒は開口部を紙目と直角にすると強度が出ます。印刷所への発注時は「A4 T目」「B5 Y目」等と明示。
連量(斤量)と厚み
用紙の厚さは連量(斤量)で表現します。1連(1,000枚)あたりの重量kg。四六判135kgは名刺・葉書相当、四六判70〜90kgは書籍本文用、四六判180kg以上は表紙用。DTPソフトで版面設計する際は、実物サンプルを取り寄せて確認するのが確実です。
業界別の応用
オフィス・行政文書
日本の官公庁・企業のビジネス書類はA4が事実上の標準。稟議書・契約書・請求書・議事録すべてA4で統一。バインダー・キャビネット・複合機の設計もA4基準。
出版・書籍
文庫本はA6、新書はB40(103×182mm)、単行本は四六判または46判、大判はA5、写真集はB5。読者層と装丁予算で判型を決定。
広告・販促
駅貼りポスターはB0/B1/B2、中吊りはB3、チラシはA4/A5/A6が主流。折込チラシは新聞紙面(B4)に合わせる。フライヤーはA5/A6が配布しやすい。
設計・建築
建築図面はA1/A2、住宅設備はA3/A4、機械図面はJIS Z 8311でA0〜A4を規定。CAD図面もISO準拠。
電子書籍・PDF
KindleはA6相当、iPadはB5相当。PDF入稿はA4/B5が標準。電子出版ではピクセル寸法(1200×1600等)も併記。
教育・試験
大学入試・資格試験・学校配布物はB4/B5が長年の慣習。近年はA4への移行も進む。答案用紙・問題用紙のフォーマット統一が採点効率を左右。
よくある間違い・注意点
- 「B4はISO?JIS?」の混乱 — JIS B4は257×364mm、ISO B4は250×353mm。海外印刷会社への発注時は必ずmm指定で。
- 塗り足しを忘れて版下作成 — 3mm不足で断裁後に白フチが出る。IllustratorのアートボードとPDF裁ち落とし設定を必ず確認。
- 拡大コピー倍率を間違える — A4→A3は141%(≒√2×100)。150%だとはみ出す。
- 封筒に入らない — 長3封筒はA4三つ折り用。A4を二つ折りだと角2封筒が必要。
- 定形郵便料金の勘違い — 長辺23.5cm・短辺12cm・厚み1cm・50g以下が定形。A4封筒は定形外。
- 解像度不足 — Web画像(72dpi)を印刷(350dpi)に流用するとぼける。1/5の解像度しかない。
- 用紙目(縦目/横目)の指定漏れ — 綴じ本や封筒は用紙目方向で強度が変わる。印刷所へは「T目/Y目」を明示。
関連規格・法令
- ISO 216 ― Writing paper and certain classes of printed matter — Trimmed sizes — A and B series。国際紙サイズ規格の本典。
- JIS P 0138 ― 紙加工仕上げ寸法。日本国内のA判・B判寸法を規定。
- JIS Z 8311 ― 製図における表紙・図面の様式。設計図面の紙サイズと折り方を規定。
- ANSI/ASME Y14.1 ― 米国製図規格。レター・タブロイド等の寸法。
- ISO 269 ― 封筒サイズ規格。ISO C判系列(C4/C5/C6等)を規定。
- 郵便法・内国郵便約款 ― 定形・定形外・郵便料金の区分と寸法制限。
- DIN 476 ― 1922年制定のドイツ規格。ISO 216の起源。
参考文献・公的資料
より正確な寸法データや業界標準を確認したい場合は、以下の公的機関・団体の資料を参照してください。
- ISO 216:2007 公式ページ ― 国際標準化機構による紙サイズ規格の一次資料。
- 日本産業標準調査会(JISC) ― JIS P 0138等の日本産業規格を検索・閲覧できる公式索引。
- 日本郵便 定形郵便・定形外郵便の規格 ― 郵便物のサイズ・重量制限の公式情報。
- 経済産業省 計量法・計量単位 ― 寸法単位の法令根拠。
- 国立国会図書館 ― 書籍判型の歴史資料・国内出版物の寸法統計。
- 日本印刷技術協会(JAGAT) ― 印刷・DTPの業界団体。技術資料。
- 日本郵便 ― 封筒サイズと料金の公式ページ。
- American National Standards Institute (ANSI) ― 米国紙サイズ規格の一次資料。
よくある質問(FAQ)
A4とレターサイズの違いは?
A4=210×297mm(ISO国際規格)、米国レター=216×279mm(ANSI)。A4はレターより6mm細く18mm長い。海外PDFはレターで作られていることが多く、A4プリンタでは上下がずれる。
A4を拡大してA3にする倍率は?
141%(正確には√2=1.4142倍)。逆にA3→A4縮小は71%(1/√2)。この倍率でアスペクト比が保たれる。コピー機のプリセットボタン「A4→A3」もこの倍率。
JIS B判とISO B判のどっちが正しい?
どちらも公式規格。日本国内の書籍・雑誌・広告物はJIS B判(B4=257×364mm)、海外印刷や電子書籍はISO B判(B4=250×353mm)が主流。発注時にmm指定するのが確実。
ハガキサイズはA6?
官製ハガキは100×148mmで、A6(105×148mm)に近いがわずかに狭い。私製ハガキも郵便規約でこの寸法範囲内。年賀状印刷ではハガキ寸法を選ぶ。
名刺サイズはA判?
日本の名刺は91×55mmが慣習で、A判規格ではない。欧米は85×55mm、韓国は90×50mmなど国で異なる。国際ビジネスでは相手国サイズも検討。
四六判・菊判とは?
四六判(127×188mm)は明治初期からの単行本標準、菊判(152×218mm)はやや大きめ。B6/A5に近いが独自寸法。老舗出版社の書籍で今も使われる伝統判型。
ポスター印刷はA1?B1?
駅貼り広告はB0/B1/B2、店内POPはA1/A2、映画ポスターはB2(515×728mm)が伝統的な標準。用途と掲示場所で決定。
コンビニコピーはA判・B判どちらも可?
セブン・ローソン・ファミマの複合機はA3/A4/A5/B4/B5に対応。B5モノクロ10円、A3カラー80円が相場。用紙選択画面で指定できる。
Excelの印刷でA4に収まらない理由は?
Excelの初期用紙設定が「Letter」になっている場合が多い。ファイル→ページ設定→用紙サイズを「A4」に変更。「拡大縮小印刷」で1ページに収める設定も併用。
写真プリントの2L判とは?
2L判は127×178mmで、B6より一回り小さい。L判(89×127mm)の2倍の面積。写真店・コンビニのプリントサービスで選択可能。
塗り足しはなぜ3mm必要?
断裁機の刃の誤差は±0.5〜1mm、束ねて切ると最大2〜3mmのズレが発生。3mmの余裕があれば白フチや絵柄切れを防げる。DTPソフトの初期値も3mm。
PDF入稿時のA4サイズ設定は?
Illustratorのアートボードを210×297mmに、裁ち落とし3mmを設定。書き出しPDFで「トンボと裁ち落とし」を含める。印刷所によっては「PDF/X-1a」形式を要求する。