度↔ラジアン↔グラジアン 角度変換ツール|数学・物理・CAD・測量で使う角度単位の相互変換
度(degree, °)・ラジアン(radian, rad)・グラジアン(gradian, gon)・アークミニット(′)・アークセカンド(″)の角度単位を相互変換。三角関数(sin/cos/tan)の引数指定、JavaScript・Python・C++・Excel などプログラミングでの角度入力、物理学の回転運動・角速度・トルク・振動計算、CAD/CAM/CNC の座標系、測量・航空機・天文の角度表記を一括変換。BIPM(国際度量衡局)が定めるSI補助単位・JIS Z 8103(計測用語)に準拠し、実務で頻用する換算式・早見表・プログラミング実装例・よくある間違いまで網羅した完全無料ツールです。
度↔ラジアン 変換ツール
換算式と単位系(度/ラジアン/グラジアン)
基本式
ラジアン = 度 × π ÷ 180 / 度 = ラジアン × 180 ÷ π
1 度 = 0.017453292519943 rad / 1 rad = 57.295779513082 度
角度の単位系は主に3種類あります。度(degree, °)は古代バビロニアの60進法起源で、1周=360°と分割数が多く扱いやすい。ラジアン(radian, rad)は円周率πを基本とし、円弧の長さと半径の比で定義(1周=2π rad)。三角関数の微分積分では自然な単位となり、物理学・工学・プログラミングの標準です。グラジアン(gradian/gon, ᵍ)はフランス革命期に導入された十進化角度単位で、1周=400ᵍ・1直角=100ᵍ。現在は測量業界(特に欧州・GPS)で限定使用されます。
グラジアン・分・秒
1 gon = 0.9° / 1° = 60′(分)= 3600″(秒)
1° = 60分(arcminute, ′)= 3600秒(arcsecond, ″)で、時計と同じ60進法。天文・測量・GPS座標では秒(″)単位の精度で緯度経度を表記し、1秒 ≒ 赤道上30.9m に相当します。
SI補助単位としての位置づけ
ラジアンは国際単位系(SI)で「補助単位」から「無次元導出単位」に格上げされ(BIPM SI Brochure 第9版)、正式なSI単位です。度はSIに含まれないもののBIPMが「SIと併用が認められる非SI単位」として認めており、実質的な国際単位として広く使われています。JIS Z 8103(計測用語)でも定義されています。
度とラジアンの違い(設計思想)
「なぜ2種類の角度単位が併存するのか」を整理します。目的と長所が明確に異なります。
| 項目 | 度(degree) | ラジアン(radian) |
|---|---|---|
| 起源 | 古代バビロニア(60進法) | ロジャー・コーツ(1714年) |
| 1周 | 360° | 2π rad ≒ 6.2832 rad |
| 直角 | 90° | π/2 rad ≒ 1.5708 rad |
| 約数の多さ | 2,3,4,5,6,8,9,10,12,15,18,20,24… | — |
| 整数の直感性 | 高い(30°/45°/60°/90°) | 低い(π/4, π/3など分数) |
| 微分積分の相性 | △(係数が煩雑) | ◎(sin/cosの微分がシンプル) |
| プログラミング標準 | — | ◎(Math.sin/cos/tan の引数) |
| 物理計算 | △ | ◎(角速度ω=v/r) |
| 日常・地図 | ◎(緯度経度・方位) | △ |
実務上は「日常・製図・地図・測量では度、数学の理論式・物理・プログラミング内部処理ではラジアン」という使い分けが確立しています。両者の換算間違いは工学ミス・バグの主要原因になるため、単位を明示する習慣が重要です。
主要角度の早見表
特殊な角(三角関数が有名値になる角度・実務で頻用する角度)をまとめました。
| シーン | 度 | ラジアン | ラジアン(分数) |
|---|---|---|---|
| 0°(無回転) | 0° | 0 rad | 0 |
| 15° | 15° | 0.2618 rad | π/12 |
| 30° | 30° | 0.5236 rad | π/6 |
| 45° | 45° | 0.7854 rad | π/4 |
| 60° | 60° | 1.0472 rad | π/3 |
| 75° | 75° | 1.3090 rad | 5π/12 |
| 90°(直角) | 90° | 1.5708 rad | π/2 |
| 120° | 120° | 2.0944 rad | 2π/3 |
| 135° | 135° | 2.3562 rad | 3π/4 |
| 150° | 150° | 2.6180 rad | 5π/6 |
| 180°(半回転) | 180° | 3.1416 rad | π |
| 270° | 270° | 4.7124 rad | 3π/2 |
| 360°(一周) | 360° | 6.2832 rad | 2π |
| 1° | 1° | 0.01745 rad | π/180 |
| 1 rad | 57.2958° | 1 rad | 180/π |
三角関数値の早見表
頻用する角度における sin・cos・tan の厳密値と近似値です。sin/cos は -1〜1、tan は無限大まで。
| 角度 | sin | cos | tan |
|---|---|---|---|
| 0° | 0 | 1 | 0 |
| 30°(π/6) | 1/2 = 0.5 | √3/2 = 0.8660 | 1/√3 = 0.5774 |
| 45°(π/4) | √2/2 = 0.7071 | √2/2 = 0.7071 | 1 |
| 60°(π/3) | √3/2 = 0.8660 | 1/2 = 0.5 | √3 = 1.7321 |
| 90°(π/2) | 1 | 0 | ∞(未定義) |
| 120° | √3/2 = 0.8660 | -1/2 | -√3 |
| 180°(π) | 0 | -1 | 0 |
| 270°(3π/2) | -1 | 0 | ∞(未定義) |
| 360°(2π) | 0 | 1 | 0 |
度分秒(DMS)表記と10進度
10進度 = 度 + 分/60 + 秒/3600
緯度経度・天文座標では「35°40′15″」のような度分秒(DMS: Degrees-Minutes-Seconds)表記が伝統的に使われます。GPS デバイスや地図APIは10進度(35.6708333°)を採用するのが一般的で、両者の相互変換が必要になります。
| DMS表記 | 10進度 | 用途 |
|---|---|---|
| 35°40′15″ | 35.670833° | 東京駅の緯度 |
| 139°46′00″ | 139.766667° | 東京駅の経度 |
| 1° | 1° | 赤道上111km |
| 1′(分) | 0.016667° | 赤道上1.85km(1海里の由来) |
| 1″(秒) | 0.000278° | 赤道上30.9m |
プログラミング実装(JS/Python/C++/Excel)
主要言語・ツールでの角度変換と三角関数の実装例です。Math.sin/cos/tan はすべてラジアン入力が国際標準(IEEE 754浮動小数点数学関数)。
JavaScript
const rad = deg * Math.PI / 180;
const deg = rad * 180 / Math.PI;
const y = Math.sin(rad);
Python
import math
rad = math.radians(deg) # または deg * math.pi / 180
deg = math.degrees(rad)
y = math.sin(rad)
C/C++
#include <math.h>
double rad = deg * M_PI / 180.0;
double y = sin(rad); /* すべてラジアン */
Excel
=RADIANS(度) → ラジアンに変換
=DEGREES(rad) → 度に変換
=SIN(RADIANS(30)) → 0.5(sin 30°)
その他(参考)
Java(Math.toRadians/toDegrees)、C#(Math.PI/180)、Ruby(Math::PI)、Go(math.Pi)いずれも同じ換算式。GLSL/HLSL シェーダー言語もラジアン入力。CAD ソフト(AutoCAD/SolidWorks)は表示は度、内部処理はラジアン。
物理・工学での角度単位
回転運動・角速度
角速度 ω [rad/s] = 2π × 回転数[Hz]。モーターの3000rpm(回/分)は50Hz、角速度 314 rad/s。線速度 v = r × ω は必ずラジアン単位で計算します。1分あたり回転数(rpm)と rad/s の変換が現場で頻出。
トルク・仕事
回転仕事 W [J] = T [N·m] × θ [rad]。ボルト締付けトルクの計算、モーター動力設計、減速機のギア比計算はすべてラジアン基準。度で計算すると 180/π ≒ 57.3倍のズレが出ます。
振動・波動・信号処理
正弦波 y = A sin(ωt + φ)。ω = 2πf は角周波数[rad/s]、φは位相[rad]。FFT・デジタル信号処理・電子回路解析はラジアンが標準。オシロスコープ表示は度でも内部はラジアン。
光学・レーザー・カメラ
視野角(FOV)は度で表記されるのが一般的(例:フルサイズ50mmで46°)。屈折・回折・偏光の理論式はラジアン。カメラの被写界深度計算、望遠鏡の分解能(arcsecond)で単位の使い分けが必要です。
航空・海上・GPS
飛行機の方位(heading)は0-360°、コンパス表記(N/E/S/W)と併用。GPS 緯度経度は10進度、船舶の航海計算は度分秒。1海里=1分(緯度)=1.852km は歴史的定義。
建築・CAD・3Dグラフィックス
AutoCAD/SolidWorks/Fusion360 の角度入力は度が標準。BIM/3Dモデル内部処理はラジアン。屋根勾配「3寸勾配」は「10:3」の傾斜比=約16.7°。CNC工作機械のG-code は度指定。
業界での応用
📐 機械設計・CAD/CAM
ボルト穴の等分配置(360°/n本)、ギア設計(歯当たり角度)、カム輪郭設計はすべて角度計算の連続。3D CADは内部でラジアン処理し、ユーザーインターフェースは度表示。CAM 側の G-code は度で出力。
🚀 航空宇宙・ロケット
飛行姿勢(ロール・ピッチ・ヨー)はオイラー角で度表記、姿勢制御アルゴリズム内部はクォータニオン(無次元)。JAXA・NASA いずれもドキュメントは度、コードはラジアン。姿勢制御の1°誤差が数km軌道ズレを生む。
📡 測量・GIS・地図
国土地理院の地形図・地籍測量はDMS表記、GPS座標は10進度。トータルステーション(電子測量機)は度・グラジアン切替可能。GIS ソフト(QGIS/ArcGIS)は10進度が内部標準。
🎮 ゲーム開発・3Dグラフィックス
Unity(Transform.rotation)は内部クォータニオン、Editor 表示は度。Unreal Engine も同様。OpenGL/DirectX の行列演算はラジアン、シェーダーもラジアン。座標系の右手/左手系と角度単位の両方に注意。
🌌 天文・宇宙観測
赤道座標(RA/Dec)は時角(0-24h)と度、視差(parallax)はアークセカンド(″)。ハッブル宇宙望遠鏡の分解能0.05″、すばる望遠鏡0.4″。数値計算はラジアン、観測データは度分秒表記。
🏥 医療画像・放射線治療
CT/MRI のガントリー回転角、放射線治療の照射角度は度で管理。DICOM 規格でメタデータに度で記録。IMRT/VMAT の複雑照射も度単位で治療計画装置に入力。
よくある間違い・注意点
- Math.sin(30) と書いて 30° と誤解 — JavaScript/Python/C++ の sin/cos/tan はすべてラジアン入力。sin(30) は 30rad(≒ 5周半後の位相)で -0.988。正しくは
Math.sin(30 * Math.PI / 180)= 0.5。 - Excel の SIN 関数を度で入力 — SIN(30) は 30rad の sin。正しくは
SIN(RADIANS(30))またはSIN(30*PI()/180)。ASIN/ACOS/ATAN の逆関数もラジアン出力なのでDEGREES(ASIN(0.5))で度に戻す。 - 角度単位を書かないコメント — 「θ = 30」と書かれた変数が度なのかラジアンなのか判別不能。変数名に単位を含める(angle_deg / angle_rad)か、コメントで単位明示が必須。実務プロジェクトで単位不明の変数はバグの温床。
- π/2 と 90 の混同 — 数式上は π/2 rad ≒ 1.5708、90° の両方が「直角」を表現。数値だけ扱うコードで単位換算し忘れ、90倍/57倍のオーダーで結果ズレが発生。
- DMS 表記の変換ミス — 「35°40′15″」を単純に 35.4015° と解釈するのは誤り。正しくは 35 + 40/60 + 15/3600 = 35.6708°。GPS 座標処理で頻発。
- 負角・360°超過の処理漏れ — -30° と 330°、720° と 0° は同じ角度だが、アルゴリズムによっては同一視されない。正規化(mod 360°)を明示的に実行する。
- atan と atan2 の混同 —
atan(y/x)は象限判定できず -π/2 〜 π/2 のみ返す。atan2(y, x)は象限を考慮し -π 〜 π を返す。方位角計算は必ず atan2 を使用。
関連する規格
- SI Brochure(第9版, 2019) ― BIPM(国際度量衡局)が発行するSI単位系公式ハンドブック。ラジアンを無次元導出単位と定義。
- ISO 80000-3 ― 量および単位 第3部:空間と時間。平面角・立体角の定義と単位を規定。
- JIS Z 8103 ― 計測用語。日本国内における角度・計測用語の標準化。
- JIS Z 8000-3 ― 量及び単位 第3部:空間及び時間。ISO 80000-3 に対応。
- IEEE 754 ― 浮動小数点演算の国際規格。sin/cos/tan の引数はラジアン、精度・丸め規則を規定。
- ANSI/ASME Y14.5 ― 幾何公差表示規格。CAD・製図における角度公差の表記ルール。
参考文献・公的資料
より正確な定義や詳細を確認したい場合は、以下の公的機関の資料を参照してください。
- BIPM(国際度量衡局)SI Brochure ― 国際単位系(SI)の公式定義。ラジアン・立体角ステラジアンの定義。
- 産業技術総合研究所 計量標準総合センター(NMIJ) ― 日本の国家計量標準を管理。角度計・計測器の一次標準を保有。
- 日本産業標準調査会(JISC) ― JIS Z 8103 計測用語・JIS Z 8000-3 空間量単位など、日本のJIS規格公式索引。
- ISO 80000-3 Quantities and units - Space and time ― 空間・時間量の国際標準規格。
- 国土地理院 ― 日本の測量・地図・GPS基準の公式機関。緯度経度・DMS表記の標準。
- 国立天文台 ― 天文座標・分角/秒角の観測基準。
- 経済産業省 計量法 ― 日本の計量法制度・計量単位令。
- IEEE 754-2019 Floating-Point Arithmetic ― 浮動小数点数学関数の国際規格。
- MDN JavaScript Math ― Math.sin/cos/tan の公式リファレンス。
- Python 数学関数ドキュメント ― math.radians/degrees・三角関数の公式リファレンス。
よくある質問(FAQ)
JavaScript で度をラジアンに変換するには?
const rad = deg * Math.PI / 180; 逆変換は const deg = rad * 180 / Math.PI;。Math.sin/cos/tan/asin/acos/atan/atan2 はすべてラジアン単位で、Math.PI は円周率 π ≒ 3.14159265358979。方位角計算では atan2 を使用してください。
π(パイ)とは?
π ≒ 3.14159265358979...。円周÷直径の比で、無理数かつ超越数。ラジアンの基本定数で、1周=2π rad、半円=π rad、直角=π/2 rad。BBP公式やチュドノフスキー公式で数兆桁まで計算可能ですが、実用ではdouble精度の15桁で十分。
180°がπラジアンなのはなぜ?
ラジアンの定義は「円弧の長さ ÷ 半径」。半径1の単位円で180°回転すると弧長は円周の半分=π。よって180°=π rad。この定義により sin'(x) = cos(x) のような微積分公式が最も簡潔になります。
グラジアン(gon)とは?
1周を400等分した角度単位(1直角=100 gon、1° = 10/9 gon)。フランス革命期の十進化政策の名残で、現代では欧州(フランス・ドイツ)の測量業界、砲兵・軍事、一部のGPS機器で使用。日本の実務ではほぼ使いません。
Excel の RADIANS/DEGREES 関数の使い方は?
=RADIANS(30) で 30° をラジアン(0.5236)に変換、=DEGREES(0.5236) で度(30)に戻す。SIN/COS/TAN の引数はラジアンなので、=SIN(RADIANS(30)) で sin 30° = 0.5 を得られます。ASIN 等の逆関数もラジアン出力。
「°」記号(度)は何?
Unicode U+00B0(DEGREE SIGN)。物理的な度(℃、℉、rad は文字ではなく単位記号)と共通の表記。日本語入力なら「ど」変換で候補に出ます。プログラミングでは "°" または直接記述可能。
1ラジアンは何度?
1 rad = 180 ÷ π ≒ 57.29577951°。半径1の円で弧長1に対応する角度。直感的に理解しにくいため、数学理論以外ではラジアンを分数(π/6, π/4 など)で表記するのが慣例です。
度分秒(DMS)を10進度に変換するには?
10進度 = 度 + 分/60 + 秒/3600。例:35°40′15″ = 35 + 40/60 + 15/3600 = 35.6708°。逆変換は 10進部分に 60 をかけて分・秒に分解。GPS座標処理・地理院地図APIとの連携で頻出します。
負の角度や 360° 超過はどう扱う?
-30° = 330°、720° = 0° は同じ方向。プログラミングでは (deg % 360 + 360) % 360 で 0〜360 に正規化、または ((deg + 180) % 360) - 180 で -180〜180 に。三角関数は自動的に周期性を扱いますが、方位計算では明示的正規化が安全です。
atan と atan2 の違いは?
atan(y/x) は -π/2〜π/2 のみ返し象限判定できない。atan2(y, x) は x, y の符号から象限を判定し -π〜π(-180°〜180°)を返す。方位角・回転角の計算は必ず atan2 を使用してください。
屋根勾配「3寸勾配」は何度?
「10寸走って3寸上がる」=傾斜比 3/10。角度は atan(3/10) × 180/π ≒ 16.7°。4寸勾配で 21.8°、5寸勾配で 26.6°。建築図面と角度の相互変換で使います。
「時角」と「度」の関係は?
天文の時角は「1周=24時間」で1時間=15°、1分(時分)=15′、1秒(時秒)=15″。地球自転周期に対応。赤経(RA)の伝統的表記で使用され、赤経12h = 180°、6h = 90° に相当します。