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コーヒー濃度 計算ツール|粉と湯の黄金比・SCAゴールデンカップ・抽出比早見

コーヒー粉と湯の抽出比を、g・mlの入力から瞬時に計算。SCA(米国スペシャルティコーヒー協会)ゴールデンカップ基準のTDS 1.15-1.35%・収率18-22%を軸に、ドリップ・エスプレッソ・フレンチプレス・エアロプレス・水出しの抽出比プリセット、豆量・湯量・カップ杯数からの逆算、粗さと温度のガイドラインまで解説。プロバリスタから家庭抽出まで、再現性の高いレシピ設計のための一次資料付きページです。

最終更新:2026-08-05/監修:計算ツールズ編集部

コーヒー濃度 計算機

計算式と単位

基本式

抽出比 = 湯量(g) ÷ 粉量(g) ※水1ml≒1g

TDS(%) = 抽出液中の可溶性成分質量 ÷ 抽出液総質量 × 100

収率(%) = 抽出された可溶性成分質量 ÷ 使用粉量 × 100

抽出比は粉1に対する湯の質量比で、コーヒーの濃度・味わい・抽出効率を決める最大の変数です。SCA(Specialty Coffee Association)は世界共通指標として「1:15〜1:18」をゴールデンカップの推奨レンジと定めています。水1mlは室温では概ね1gと同一質量なので、家庭でもデジタルスケールとキッチンタイマーがあればプロと同じ精度で管理可能です。

単位系と換算

コーヒーはg・ml・oz・カップと複数の単位が混在するため、計算時は1ml = 1g(20℃の水)を基準にすると誤差が最小になります。海外レシピでは1 fl oz(液量オンス) = 29.57 ml1 US cup = 240 ml1 UK teacup = 250 mlと国別に定義が異なるため、必ず単位を明示してください。

杯数からの逆算

1杯=180ml(日本の一般的な湯呑・マグの2/3量、SCAは1杯150mlを標準採用)として、n杯必要な場合の粉量は「180×n ÷ 抽出比」で算出します。例えばSCA黄金比1:16.5で3杯淹れるなら 180×3÷16.5 ≒ 32.7g の粉が必要です。

SCAゴールデンカップ基準とは

SCA(Specialty Coffee Association)は米欧のスペシャルティコーヒー団体が統合された国際団体で、抽出品質の指標として「ゴールデンカップスタンダード(Golden Cup Standard)」を策定しています。この基準は以下の3要素を推奨レンジとして定義します。

指標SCA推奨レンジ意味
抽出比1:15〜1:18(粉:湯)1gの粉に対し15〜18gの湯
TDS(全溶解固形分)1.15%〜1.35%抽出液中の可溶性成分の質量比率
収率(Extraction Yield)18%〜22%粉から可溶性成分が抽出された割合

収率18%未満だと未抽出(酸味・青臭さが強い)、22%超だと過抽出(渋み・雑味が強い)となり、いずれも「不快な味」に振れます。TDSが1.15%未満は薄すぎ、1.35%超は濃すぎと判定。この「Brewing Control Chart」は現代の抽出理論の基盤となっており、日本のSCAJ(スペシャルティコーヒー協会)、UCC・キーコーヒー・スターバックスなど大手ロースターの品質基準としても採用されています。

抽出方法別の推奨比・早見表

各抽出器具ごとに推奨される粉:湯の抽出比、粒度、湯温、抽出時間の目安をまとめました。日本国内の主要バリスタチャンピオン・SCAJ公認講師の指導レシピを元に整理しています。

抽出方法抽出比粒度湯温時間
ペーパードリップ(V60)1:15〜1:17中細挽き90〜93℃2:30〜3:30
ペーパードリップ(カリタウェーブ)1:15〜1:17中挽き90〜93℃3:00〜4:00
ペーパードリップ(ケメックス)1:15〜1:17中粗挽き92〜96℃4:00〜5:00
フレンチプレス1:12〜1:15粗挽き93〜96℃4:00浸漬
エアロプレス(標準)1:13〜1:16中細挽き80〜92℃1:30〜2:00
サイフォン1:14〜1:16中挽き沸騰→90℃1:00〜1:30
マキネッタ(モカポット)1:7〜1:10中細挽き直火沸騰4:00前後
エスプレッソ(ノーマル)1:2極細挽き90〜94℃25〜30秒
エスプレッソ(リストレット)1:1.5〜1:2極細挽き90〜94℃20〜25秒
エスプレッソ(ルンゴ)1:3〜1:4極細挽き90〜94℃35〜45秒
水出しコールドブリュー1:8〜1:12粗挽き常温or冷蔵8〜24時間
アイスコーヒー(急冷式)1:8〜1:10中細挽き92〜96℃2:30〜3:30

迷ったら1:16.5(SCA黄金比の中心)から始めて、酸味が強ければ粉を増やす(1:15方向)、渋みが出れば粉を減らす(1:18方向)と調整するのが定石です。

粒度・温度・時間の関係

抽出比が同じでも、粒度・湯温・接触時間で味が大きく変わります。この4変数は相互に補完関係にあり、いずれかを変えたら他も再調整が必要です。

粒度目安サイズ用途抽出速度
極細挽き0.2mm前後(小麦粉)エスプレッソ・トルココーヒー非常に遅い(高圧必須)
細挽き0.4mm前後(グラニュー糖)マキネッタ・エアロプレス短時間遅い
中細挽き0.6mm前後(細砂)V60・ペーパードリップ標準やや遅い
中挽き0.8mm前後(粗砂)カリタ・ネル・サイフォン標準
中粗挽き1.0mm前後(ザラメ)ケメックス・コールドブリューやや速い
粗挽き1.2mm前後(粗塩)フレンチプレス・パーコレーター速い

湯温は高いほど成分抽出が加速。93℃前後がバランスの中央値ですが、深煎り豆は88〜90℃で苦味を抑え、浅煎り豆は93〜96℃で酸のバランスを整えるのが一般的です。標高が高い地域(1000m以上)では沸点が下がるため、時間を延長する必要があります。

TDSと収率(Extraction Yield)

TDS(Total Dissolved Solids)はコーヒー抽出液に溶けた固形分の質量比率で、実務上は屈折計(コーヒーTDSメーター)で0.01%精度で測定します。VST製リフラクトメーター・Atago製PAL-COFFEEなどが代表機器。

収率は粉に含まれる可溶性成分(全体の約28-30%)のうち、実際にお湯に溶け出た割合。SCAの推奨18〜22%は「酸味・甘み・苦味のバランスが最も整うレンジ」として1950年代のMIT・Ernest Earl Lockhart博士の研究以来、世界共通の目安となっています。

収率とTDS・抽出比の関係は以下の式で結ばれます。

収率(%) = TDS(%) × 抽出液量(g) ÷ 粉量(g)

例えば粉20g・湯300ml・出来上がり抽出液280gでTDSが1.35%なら、収率 = 1.35 × 280 ÷ 20 = 18.9%。SCA推奨レンジ内で「甘みが強く出るバランス型」と判定できます。

代表的なレシピ例

V60 ペーパードリップ(初心者向け)

粉15g・湯250ml(1:16.7)。中細挽き。湯温92℃。総時間3:00。0-45秒で30ml蒸らし、45秒-1:30で100ml注湯、1:30-2:30で残り120ml注湯、2:30-3:00でドリップ完了。

カリタ ウェーブ(バランス型)

粉20g・湯300ml(1:15)。中挽き。湯温90℃。総時間3:30。3回に分けて100mlずつ注湯、各回で30秒休止。

エスプレッソ(業務用マシン)

粉18g・抽出36ml(1:2)。極細挽き。マシン圧9気圧・湯温93℃。時間25-30秒。プレインフュージョン3秒→本抽出22-27秒。クレマが3-5mm。

水出しコールドブリュー(サマー)

粉80g・水800ml(1:10)。粗挽き。常温6時間→冷蔵12時間。ペーパーろ過。TDS 1.2%目安で完成。

こんな場面で使う

自宅ドリップの再現性向上

「昨日と同じ味に淹れたい」時、抽出比を1桁小数まで固定するのが最短ルート。粉・湯・時間・湯温をスマホメモに記録すれば、次回同じ味を再現できます。SCA黄金比1:16.5からのマイクロ調整で自分好みを固定化。

カフェ・ロースターの品質管理

営業中の店舗ではドリッパー・粉・湯温を統一しても、日ごとの豆の水分・気温で味が変わります。TDS計と抽出比を毎朝校正しSCA基準内(1.15-1.35%)を保つのが、専門店の日常業務です。

SCA認定試験・バリスタコンテスト

SCAJ・JBrCなどの公式競技会では、収率18-22%・TDS 1.15-1.35%が採点評価の技術指標。競技者は事前に抽出比を1:15.7など小数点まで詰めた「勝負レシピ」を用意します。

コンビニ・オフィスの大量抽出

10L以上のバッチブルーの場合も、原理は同じ「抽出比×粉量」。10Lの湯に対し1:16.5なら606gの粉が必要。業務用ブルワー(FETCOなど)の設定値もこの比率で管理されています。

ホームロースターの豆評価

新しい豆・焙煎度を評価する時、抽出比を固定(通常1:16)して味の違いを比較。抽出比を変えると変数が2つになり、評価が困難になります。カッピング(SCAプロトコル1:18.18)は評価専用の抽出比。

ゲスト対応・パーティー

杯数から必要粉量・湯量を即算出。10杯(1800ml)を1:16.5で淹れるなら粉109gが必要と一発計算。事前に豆を挽いておく量の見積もりに便利です。

よくある間違い・注意点

  • 「湯量=カップ容量」で計算してしまう — ペーパードリップは粉が湯を吸うため、湯200mlで淹れても出来上がりは160-180ml。カップに注ぐ量ではなく「注湯量」で抽出比を計算しないと数値がずれます。粉1gは約2ml吸水するのが目安。
  • デジタルスケールなしでレシピ再現を試みる — スプーン計量は誤差±20%以上。同じ味の再現には0.1g精度のスケールが必須です。1000円台のクッキングスケールで十分。
  • 湯温を測らない — 沸騰直後の熱湯を使うと過抽出になり渋みが強くなります。90-94℃の温度計管理が必要。ケトルから注ぐと自然に3-5℃下がることも計算に入れる。
  • 粒度を無視して抽出比だけ調整 — 抽出比1:16.5でも粒度が粗すぎると未抽出、細かすぎると過抽出。粒度は抽出時間と表裏一体で、単独で調整できません。
  • 豆の焙煎日を無視 — 焙煎後1週間以内はガス放出で抽出が不安定。3週間経過すると劣化で酸敗味。焙煎日から4-14日程度の豆が味のピーク。
  • 浄水器の水を軽視 — 水の硬度・pHで味が変わります。SCA推奨は硬度50-175 ppm・pH 6.5-7.5。日本の水道水(硬度30-80 ppm)は概ね適合。ミネラルウォーターは硬度200 ppm超で苦味増。
  • コールドブリューを冷水で急ぐ — 常温6時間+冷蔵12時間が標準。冷蔵庫で最初から漬け込むと24時間必要。急がず時間で抽出するのが本旨。

関連する規格・基準

  • SCA Golden Cup Standard — Specialty Coffee Association(米欧統合の国際団体)が定める抽出品質基準。抽出比1:15〜1:18、TDS 1.15-1.35%、収率18-22%を規定。
  • SCA Water Quality Standards — 抽出に用いる水の品質基準。総硬度50-175 ppm、pH 6.5-7.5、塩素0 ppm、TDS 75-250 ppm。
  • SCA Cupping Protocol — 品質評価のカッピング(テイスティング)基準。粉8.25g:湯150ml(1:18.18)、湯温93℃、4分浸漬。
  • JAS(日本農林規格) レギュラーコーヒー品質表示基準 — 挽き方・焙煎度・原産国の表示ルール。消費者庁所管。
  • ICO(国際コーヒー機関) 品質分類 — 生豆の品質等級・原産国分類の国際基準。
  • SCAJ(日本スペシャルティコーヒー協会) カッピングフォーム — 日本国内バリスタ競技会・審査の公式評価シート。

参考文献・公的資料

より正確なレシピ・品質基準を確認したい場合は、以下の公的機関・団体の資料を参照してください。

※本ページの計算結果および数値は概算値です。TDS・収率の厳密測定には校正済み屈折計と精密スケールが必要で、水質・気温・豆の状態で最適抽出比は変動します。カフェ営業・競技会等の公式用途では、SCA・SCAJ等の一次資料と認定講師の指導に従ってください。

よくある質問(FAQ)

SCA推奨の抽出比は?

SCA(Specialty Coffee Association)は1:15〜1:18を「ゴールデンカップ」推奨レンジと定めています。中央値は1:16.5で、これがバランス型の標準値。1:15は濃いめ、1:18は薄めの上限です。日本のSCAJ、大手ロースターも同基準を採用しています。

粉15g・湯250mlはどんな味?

抽出比は1:16.7で、SCA推奨レンジのど真ん中。V60・カリタ・ケメックス等ペーパードリップでバランスよく仕上がる標準値です。1:15より少し薄め、1:18より少し濃いめで、多くの豆でクセなく味わえる基本設定。

エスプレッソの抽出比は?

ノーマル(ダブル)で粉18g→抽出36g(1:2)が世界標準。リストレット(1:1.5)は濃厚、ルンゴ(1:3-4)は薄めで抽出時間も長め。マシン圧9気圧・湯温93℃・抽出時間25-30秒が組み合わせの標準値です。

フレンチプレスは何:何?

1:12〜1:15が主流。ペーパードリップ(1:15-18)より濃いめの設定で、油分・微粉が残るため濃厚な味わいに。粗挽き粉を4分完全浸漬してからプランジャーで押し下げます。

水出しコーヒーの抽出比は?

コールドブリューは1:8〜1:12。8時間以上の低温長時間抽出のため、抽出比を高めに(粉を多めに)設定してTDS 1.2-1.5%を実現します。氷入れて薄まる場合は1:8方向で濃いめに準備。

1杯何mlで計算する?

SCA基準では1杯=150mlですが、日本のマグカップは180-220mlが一般的。当ツールは180ml/杯換算です。海外レシピは1 US cup=240mlで計算されている場合が多く、単位確認が必要。

スケールなしでレシピ再現できる?

難しいです。スプーン計量は±20%以上の誤差が出て、同じ味の再現ができません。1000-3000円のデジタルクッキングスケール(0.1g精度)は必須の投資と考えてください。

粒度の目安は?

ペーパードリップは中細挽き〜中挽き(グラニュー糖〜細砂の中間)、エスプレッソは極細挽き(小麦粉状)、フレンチプレスは粗挽き(粗塩状)。同じ抽出比でも粒度で味が激変するため、器具と粒度のマッチングが最重要です。

湯温は何度がベスト?

SCA推奨は91-96℃。深煎り豆は88-90℃(苦味抑制)、浅煎り豆は93-96℃(酸バランス)が目安。100℃の熱湯直投は過抽出になり渋み・エグ味が強くなります。温度計付きケトルが理想。

水は何を使うのがベスト?

SCAは総硬度50-175 ppm・pH 6.5-7.5・塩素0 ppmを推奨。日本の水道水(硬度30-80 ppm)は塩素抜きすれば適合。硬度の高いエビアン(300 ppm)は苦味が強く出る傾向。純水は逆にコクが出ません。

豆の鮮度はどう見る?

焙煎日から4-14日が味のピーク。焙煎直後は炭酸ガス放出で抽出が不安定、3週間過ぎると酸化で味が落ちます。豆の状態で常温密封保存し、粉に挽いたら即使い切るのが理想。

TDS計は必要?

個人利用では必須ではありませんが、営業店・競技会では標準装備。VST社リフラクトメーター(約7万円)、Atago PAL-COFFEE(約5万円)が主流。数値で品質管理できると再現性が飛躍的に向上します。