鉄筋の切断長計算
鉄筋径・加工形状・外形寸法・フックの角度から、1本あたりの切断長と定尺からの取れ本数、端材のロス率を算出します。
鉄筋の切断長計算ツール
切断長は外形寸法の合計−曲げ伸び+フック余長で求めます。既定値のD13・L形では、かぶり40mmを両側引いてA=920mm、B=420mmとなり外形合計は1,340 mm。曲げ内半径は3d=38.1 mmで、90度1か所の曲げ伸びは31.8 mmです。90度フックの余長は8d=101.6mmを2か所で203.2 mm。合計して切断長は1511.4 mmとなり、5.5m定尺からは3本取れて端材のロス率は17.56%、200本には67本の定尺が要ります。
鉄筋径と曲げ内半径・フック余長
| 呼び名 | 公称直径 | 曲げ内半径 | 90度フック余長 |
|---|---|---|---|
| D10 | 9.53 mm | 28.6 mm | 76.2 mm |
| D13 | 12.7 mm | 38.1 mm | 101.6 mm |
| D16 | 15.9 mm | 47.7 mm | 127.2 mm |
| D19 | 19.1 mm | 76.4 mm | 152.8 mm |
| D22 | 22.2 mm | 88.8 mm | 177.6 mm |
| D25 | 25.4 mm | 101.6 mm | 203.2 mm |
フックの角度と余長の関係
| 角度 | 余長 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 90度 | 8d以上 | 柱・梁の主筋、基礎 |
| 135度 | 6d以上 | あばら筋・帯筋 |
| 180度 | 4d以上 | 丸鋼・端部の定着 |
| フックなし | 0 | 定着長で確保する場合 |
※参考計算です。規準・示方書・製品仕様は改定されるため、実施設計では最新の告示と材料メーカーの技術資料で確認してください。
鉄筋の切断長計算の詳しい解説
鉄筋の切断長が外形寸法の単純な合計にならないのは、曲げた部分で材料が内側の経路を通るためです。外形で測った長さは角を回った距離ですが、実際の鉄筋は曲げ半径に沿って通るので短くて済みます。この差が曲げ伸びで、径が太く曲げ半径が大きいほど大きくなります。D25の90度曲げでは1か所で60mm以上になり、曲げが4か所あるスターラップでは無視できない量になります。
判断が分かれるのは曲げ内半径の取り方です。規準では径によって3dまたは4dが下限とされていますが、加工機の曲げ型は段階的な寸法しか持たないため、実際の半径はこれより大きくなることがあります。工場の標準に合わせて計算するか、規準の下限で計算するかで切断長が数ミリ変わります。少数本なら誤差の範囲でも、数千本の加工では材料費と端材の量に差が出ます。加工図の段階で工場と条件をそろえておくのが確実です。
見落とされやすいのはかぶり厚の扱いです。加工寸法は部材の外形からかぶりを引いた値で指定しますが、あばら筋の外側に主筋のかぶりを重ねて考えると二重に引いてしまいます。どの筋を基準にかぶりを確保するかを決めてから寸法を出す必要があります。またフック余長は所定の長さ以上を確保する規定なので、切りのよい寸法へ丸めるときは必ず切り上げます。切り下げると定着が不足します。
定尺からの取り方も原価に直結します。5.5m定尺から1.5m強の材を取れば3本で端材が約1m残り、ロス率は2割近くになります。同じ加工寸法でも定尺を6mや7mに替えれば端材が減ることがあり、径ごとに最も歩留まりのよい定尺を選ぶ余地があります。残った端材を別の短い部材に転用できるかも、実際のロス率を左右します。工場加工では自動的に最適化されることが多い一方、現場加工では計画が必要です。
数量の詰め方としては、まず配筋図から形状別に本数を拾い、径ごとに切断長を計算し、定尺との組合せで歩留まりを確かめる順になります。加工形状が数種類に収まるよう設計段階で調整できれば、加工手間も端材も減らせます。最終的な加工寸法は施工図と工場の標準に基づいて確定してください。
業界・現場での使い方
鉄筋加工図の作成
形状ごとの切断長を算出し、加工帳の寸法を確定します。
鉄筋の発注と歩留まり検討
定尺との組合せから端材のロス率を比べ、発注する定尺長を選びます。
現場加工の段取り
必要な定尺本数を求め、加工機の段取り替えの回数を減らします。
積算・原価管理
切断長と本数から総重量を求め、材料費と加工費を見積もります。
よくある間違い・注意点
- 外形寸法の合計をそのまま切断長にする — 曲げ伸びを引かないと材料が長くなり、加工後の寸法が設計より大きくなります。
- フック余長を切り下げて丸める — 余長は所定の長さ以上が必要です。切り下げると定着が不足します。
- かぶり厚を二重に引く — どの筋を基準にかぶりを確保するかを決めてから加工寸法を出す必要があります。
- 定尺を一種類に固定する — 加工寸法によって歩留まりのよい定尺は変わります。径ごとの検討で端材を減らせます。
- 曲げ半径を工場と確認しない — 加工機の曲げ型は段階的で、規準の下限どおりとは限りません。
関連する規格・公的資料
- 国土交通省 — 建築基準法・土木
- 日本建築学会 — 構造設計規準
- 土木学会 — 示方書・指針
- 日本産業標準調査会 (JISC) — JIS規格
- 建築研究所 — 建築の研究開発
- 土木研究所 — 土木の研究開発
- 日本道路協会 — 道路構造・舗装
- 日本コンクリート工学会 — コンクリート
- 日本建設業連合会 — 施工・積算
- 国土地理院 — 測量・基準点
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
D13のL形で外形1,000×500mmの切断長は?
かぶり40mmを引いた外形合計1,340mmから曲げ伸び31.8mmを引き、フック203.2mmを足して1511.4 mmです。
曲げ伸びはどのくらいですか?
D13の90度曲げで約31.8mmです。径が太いほど大きくなり、D25では60mmを超えます。
曲げ内半径は何dですか?
D16以下で3d、D19以上で4dが下限とされています。加工機の曲げ型により実際はこれ以上になります。
フックの余長はどう決まりますか?
90度で8d以上、135度で6d以上、180度で4d以上です。いずれも下限なので切り上げて指定します。
定尺は何mを選べばよいですか?
加工寸法によります。5.5mで端材が多い場合は6mや7mを試すと歩留まりが改善することがあります。
スターラップの切断長はどう計算しますか?
外形を一周した長さから4か所分の曲げ伸びを引き、135度フック2か所の余長を加えます。
端材は再利用できますか?
短い補強筋や差し筋に転用できる場合があります。加工計画に組み込むと実質のロスが下がります。
この寸法で加工を発注できますか?
目安です。施工図と加工工場の標準寸法に基づいて、最終的な加工帳を作成してください。