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配管保有水量満水試験充水

配管の保有水量計算

管種・呼び径・延長・機器の保有水量から、系統全体の保有水量と充水時間を算出します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

配管の保有水量計算ツール

単位長さあたりの保有水量は内径(mm)の2乗×0.0007854でL/mが求まります。既定値の50A塩ビ管は内径50.8mmとして50.8の2乗×0.0007854=2.03L/m、延長60mで121.5L。枝管の20Aは内径20.7mmで0.34L/m、延長120mで40.5Lです。機器の80Lを加えた総保有水量は242.1Lとなり、充水ポンプ60L/minでの充水時間は242.1÷60=4.0分。排水時に出る水量は残水を除いた230.0L、凍結時の体積膨張はおよそ9%で21.8L相当です。

呼び径別の保有水量(鋼管の内径基準)

呼び径内径の目安保有水量
20A21.6mm0.37 L/m
25A27.6mm0.60 L/m
40A41.6mm1.36 L/m
50A52.9mm2.20 L/m
80A80.7mm5.11 L/m
100A105.3mm8.71 L/m

保有水量を使う主な場面

場面使い方
満水試験・水圧試験充水に必要な水量と時間を見積もる
系統の水抜き排水先の受け容量と作業時間を決める
薬品洗浄・防錆剤の注入系内水量に対する薬剤の希釈量を決める
凍結対策膨張量と保温・水抜きの要否を検討する

※参考計算です。材料の仕様・現場条件・適用される規準によって値は変わるため、製品資料と最新の規準で確認してください。

配管の保有水量計算の詳しい解説

保有水量が管の呼び径だけで決まらないのは、同じ呼び径でも管種によって内径が違うためです。鋼管は肉厚が薄く内径が呼び径に近い一方、塩ビ管は耐圧のために肉厚を確保しており内径が数%小さくなります。保有水量は内径の2乗に比例するので、内径が5%違えば水量は約10%違います。長い系統ではこの差がバケツ数杯分になります。

実務で判断が分かれるのは、どこまでを系統の水量に含めるかです。配管だけを数えると熱源機や貯湯槽、膨張タンク、放熱器の保有水量が抜け、薬剤の希釈計算が濃くなります。逆に機器の水量を機器表の値のまま足すと、実際には運転状態でしか満たされない部分まで含めてしまいます。試験なのか薬洗なのか凍結対策なのか、目的に応じて含める範囲を決めるのが実務的です。

見落とされやすいのは充水の速度です。計算上の充水時間は管の断面を水が満たすだけの時間ですが、実際には空気抜きが追いつかないと途中でエアが噛み、想定の数倍かかります。系統の頂部と行き止まりに空気抜き弁があるか、勾配が空気を逃がす向きに付いているかで作業時間が変わります。急いで充水すると管内に残ったエアが後で音や流量不足として現れます。

凍結の検討では膨張量そのものより、逃げ場のない閉じた区間があるかどうかが問題になります。水は凍ると約9%膨張しますが、片側が開いていれば体積は逃げます。閉止弁で挟まれた区間や外部露出の立ち上がりは逃げ場がなく、管や継手が破損します。屋外配管や非暖房室を通る系統では、保温だけに頼らず水抜き弁の位置を確認してください。試験圧力や試験時間は適用される仕様書で定められているため、実施前に確認が必要です。

建築側への影響も見ておく必要があります。満水にした配管は空の状態より重くなり、100Aの鋼管なら1mあたり9kg近い水が加わります。長い横引きが天井内を走る系統では、この重量が吊り材とインサートに常時かかるため、試験時だけの一時的な荷重として扱わず、支持の設計に含めるのが原則です。水抜きの際も同様で、短時間に大量の水を排水口へ流すと逆流や溢れが起きることがあり、排水先の受け容量と流入速度を事前に確認しておくと作業が滞りません。

業界・現場での使い方

満水試験・水圧試験の準備

必要な水量と充水時間を出し、給水の手配と試験日の時間割を決めます。

薬品洗浄の薬剤量算出

系内水量から希釈倍率に応じた薬剤の投入量を求めます。

水抜き作業の計画

排水量から排水先の受け容量と作業時間を見積もります。

凍結対策の検討

膨張量と閉止区間の有無を確認し、保温と水抜きの範囲を決めます。

よくある間違い・注意点

  • 呼び径をそのまま内径として計算する — 管種によって内径が数%違い、水量は2乗で効くため1割前後ずれます。
  • 機器の保有水量を忘れる — 熱源機や貯湯槽の水量は系統全体の数割を占めることがあります。
  • 空気抜きを考えずに充水時間を見積もる — エアが噛むと計算の数倍かかり、試験の当日に間に合いません。
  • 排水量を総保有水量と同じとみなす — 勾配の関係で残る水があり、実際に出る量はやや少なくなります。
  • 凍結対策を保温だけで済ませる — 閉止弁で挟まれた区間は膨張の逃げ場がなく、保温していても破損します。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

50Aの塩ビ管60mと20A枝管120mの保有水量は?

機器80Lを含めて約242.1L、60L/minの充水ポンプでおよそ4.0分です。

内径はどこで確認できますか?

管種ごとのJIS規格または製造元の寸法表に記載されています。呼び径と内径は一致しません。

充水時間が計算より長くなるのはなぜですか?

空気抜きが追いつかないためです。頂部と行き止まりの空気抜き弁の有無を確認してください。

薬品洗浄の薬剤量はどう決めますか?

系内水量に対する規定の希釈倍率で決めます。機器の保有水量を含めた総量を使ってください。

凍結すると必ず破損しますか?

膨張の逃げ場があれば破損しないこともあります。閉止弁で挟まれた区間が最も危険です。

保温すれば水抜きは不要ですか?

保温は凍結までの時間を延ばすもので、長時間の低温では凍結します。停止期間が長い系統は水抜きが確実です。

満水試験の時間はどれくらいですか?

仕様書によって定められています。一般に一定時間の保持と漏水の目視確認が求められます。

銅管の保有水量が少ないのはなぜですか?

同じ呼び径でも肉厚と外径の取り方が異なり、内径がやや小さくなるためです。