計算ツールズ
透水係数透水試験JIS A 1218土質試験ダルシー則

透水係数の計算

【ご注意】このページの計算結果・情報は参考値です。正確性・最新性は保証できません。税務・法務・お金・設計・施工・安全などに関わる判断は、公式の資料と専門家の確認のうえ、ご自身の責任で行ってください。免責事項

室内透水試験の測定値から、JIS A 1218 の式で透水係数を計算します。定水位透水試験と変水位透水試験の両方を同時に計算し、水温から15℃の値に補正します。m/s・cm/s・m/日の換算と、試験方法の選び方の目安も示します。

最終更新:2026-10-16/監修:計算ツールズ編集部

透水係数の計算ツール

定水位透水試験(JIS A 1218 の式(4))

kT = (L × Q) ÷ (h × A × Δt) × 1/1,000

kT は水温 T℃ での透水係数(m/s)、L は供試体の長さ(mm)、Q は流出水量(mm³。1 mL = 1,000 mm³)、h は水位差(mm)、A は供試体の断面積(mm²)、Δt は測定時間(s)です。1/1,000 は mm/s を m/s に直す係数です。

変水位透水試験(式(6))

kT = 2.303 × (a × L) ÷ (A × (t2 − t1)) × log10(h1 ÷ h2) × 1/1,000

a はスタンドパイプの断面積(mm²)、h1・h2 は時刻 t1・t2 の水位差(mm)です。2.303 は常用対数を自然対数に直す係数です。

15℃への温度補正(式(5))

k15 = kT × ηT ÷ η15

ηT・η15 は水温 T℃・15℃の水の粘性係数で、比 ηT/η15 は JIS A 1218 の表1から求めます。

計算例

定水位:L=120mm、Q=50mL、h=300mm、Δt=60s、直径100mm(A=7,854mm²)なら、kT = 120×50,000 ÷ (300×7,854×60) ÷ 1,000 = 4.24×10^-5 m/s。水温20℃(比0.880)で k15 = 3.73×10^-5 m/s です。変水位:内径20mmのスタンドパイプ(a=314.16mm²)で h1=800mm から h2=400mm まで600秒なら、kT = 5.55×10^-6 m/s、k15 = 4.88×10^-6 m/s です。

温度15℃に対するT℃の粘性係数の比 ηT/η15(JIS A 1218 表1)

T(℃)0123456789
01.5751.5211.4701.4241.3781.3361.2951.2551.2171.181
101.1491.1161.0851.0551.0271.0000.9750.9500.9250.902
200.8800.8590.8390.8190.8000.7820.7640.7480.7310.715
300.7000.6850.6710.6570.6450.6320.6200.6070.5960.584
400.5740.5640.5540.5440.5350.5250.5170.5070.4980.490

表の見方:21℃なら、行の20と列の1が交わる0.859を使います。

スタンドパイプの内径と断面積

内径断面積 a
5 mm19.63 mm²
20 mm314.16 mm²
50 mm1,963.50 mm²

透水係数の単位

m/scm/sm/日
1×10^-31×10^-186.4
1×10^-51×10^-30.864
1×10^-71×10^-50.00864
1×10^-91×10^-70.0000864

JIS A 1218 は1×10^-5 m/s を目安に、それより大きい土は定水位、小さい土は変水位の試験を使うとしています。

※入力した内容はお使いのブラウザの中だけで処理され、サーバーには送信されません。この計算は JIS A 1218 の式で1回分の測定から透水係数を出すものです。規格では、測定時間がほぼ一定になったことを確かめてから3回以上測定し、15℃に補正した値の算術平均を結果とします。室内試験の値は供試体の大きさの範囲の値で、地盤全体の透水性は現場透水試験も合わせて判断してください。

透水係数の計算の詳しい解説

透水係数は、土の中を水がどれだけ流れやすいかを表す値です。ダルシーの法則では、土の中を流れる水の量は、水位差を流れる距離で割った動水勾配に比例し、その比例定数が透水係数 k です。単位は速さと同じ m/s で、礫のように水を通しやすい土では大きく、粘土のように水を通しにくい土では非常に小さくなり、土の種類によって何桁も違います。そのため透水係数は「何×10のマイナス何乗」という形で表します。

室内で透水係数を測る方法は JIS A 1218「土の透水試験方法」に定められています。この規格は、飽和状態にある土の層流状態における透水係数を求める方法で、定水位透水試験と変水位透水試験の2つがあります。どちらを使うかは透水係数の大きさで決め、1×10^-5 m/s を境界の目安として、それより大きい土には定水位、小さい土には変水位を使います。透水円筒は通常、内径100mm・長さ120mmです。

定水位透水試験は、供試体の上下の水位差 h を一定に保ったまま水を流し、一定時間に流れ出た水量 Q を測る方法です。透水係数は kT = L×Q ÷ (h×A×Δt) で、mm と秒で計算すると mm/s になるので、1,000で割って m/s にします。砂や礫のように水がよく流れる土では、流出水量を十分に測れるのでこの方法が向いています。逆に細かい土では、流れ出る水がわずかで量を正確に測れません。

変水位透水試験は、供試体の上に細いスタンドパイプを立てて水を入れ、水面が h1 から h2 まで下がる時間を測る方法です。水位差が時間とともに小さくなるので、式に対数が入り、kT = 2.303 × a×L ÷ (A×(t2−t1)) × log10(h1/h2) となります。2.303は常用対数を自然対数に直す係数(自然対数の10)です。スタンドパイプは内径5mm・20mm・50mmのものから、土の透水性に合わせて選びます。細いパイプほど水位の下がりが速く、透水係数の小さい土でも測りやすくなります。

透水係数は水温で変わります。水は温度が高いほど粘りが小さくなり(粘性係数が小さくなり)、同じ土でも流れやすくなるからです。そこで JIS A 1218 では、測定した水温 T℃の透水係数 kT に、粘性係数の比 ηT/η15 を掛けて、15℃のときの値 k15 に揃えます。比は規格の表1に0〜49℃の1℃ごとに載っていて、20℃なら0.880、25℃なら0.782、10℃なら1.149です。夏場に25℃で測った値を補正せずに使うと、15℃の値より約28%大きく出ることになります。

試験の結果は1回の測定で決めません。規格では、測定時間がほぼ一定になったことを確かめてから3回以上測定し、15℃に補正した値の算術平均を透水係数とし、有効数字3桁に丸めます。供試体の中に空気が残っていると水の通り道がふさがれて透水係数が小さく出るため、試験の前に供試体を十分に飽和させることも大切です。

室内試験の値は、直径10cmほどの供試体の値にすぎません。実際の地盤には砂の薄い層や亀裂、根の跡などの水の通り道があり、地盤全体の透水性は室内試験の値より大きいことがあります。逆に、乱した試料を締め固めた供試体は自然の地盤と構造が違います。掘削時の湧水や排水の計画など、地盤全体の透水性が問題になるときは、現場透水試験も合わせて判断してください。

計算の例です。定水位透水試験で、長さ120mm・直径100mm(断面積7,854mm²)の供試体に水位差300mmで水を流し、60秒間に50mL(50,000mm³)流れ出たとします。kT = 120×50,000 ÷ (300×7,854×60) ÷ 1,000 = 4.24×10^-5 m/s で、水温20℃なら比0.880を掛けて k15 = 3.73×10^-5 m/s です。1×10^-5 m/s より大きいので、定水位で測るのが合っている土です。

変水位透水試験では、内径20mm(断面積314.16mm²)のスタンドパイプの水位差が800mmから400mmまで下がるのに600秒かかったとすると、kT = 2.303 × 314.16×120 ÷ (7,854×600) × log10(2) ÷ 1,000 = 5.55×10^-6 m/s、20℃で k15 = 4.88×10^-6 m/s です。log10(2) は約0.301で、2.303を掛けると自然対数の ln2(約0.693)と同じになります。表計算ソフトで LN 関数を使う場合は、2.303を掛けないでください。

このツールは、定水位と変水位の両方を同時に計算し、選んだほうを主な結果として表示します。両方の欄を見比べると、入力した測定値が試験方法の向き不向きに合っているかも分かります。単位は m/s のほか、cm/s(100倍)と m/日(86,400倍)でも表示します。古い資料では cm/s で書かれていることが多いので、比べるときは桁に注意してください。

業界・現場での使い方

土質試験室

定水位・変水位の測定値から透水係数を計算し、15℃に補正して報告書にまとめます。

盛土・遮水の材料の評価

堤防や処分場の遮水層に使う土が、必要な遮水性(小さい透水係数)を持つかを確かめます。

掘削と排水の計画

根切りの湧水量や排水工法を考える際の地盤の透水性の目安にします(現場透水試験と合わせて使います)。

雨水浸透施設の検討

浸透ますや浸透トレンチを計画する際の土の透水性の目安を把握します。

よくある間違い・注意点

  • 流出水量を mL のまま計算する — JIS の式は mm³ で、1 mL = 1,000 mm³ です。換算しないと1,000倍ずれます。
  • 1/1,000 を掛け忘れる — mm と秒で計算すると mm/s です。m/s にするには1,000で割ります。
  • 温度補正をしない — 水温が高いと透水係数は大きく出ます。15℃の値に補正して比べます。
  • 変水位で自然対数と常用対数を混同する — log10 を使うなら2.303を掛けます。自然対数を使うなら2.303は不要です。
  • 1回の測定で結果にする — 測定時間がほぼ一定になってから3回以上測り、平均します。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

定水位透水試験の透水係数の式は?

kT=L×Q÷(h×A×Δt)÷1,000(m/s)です。L・h は mm、Q は mm³、A は mm²、Δt は秒です。

変水位透水試験の式は?

kT=2.303×a×L÷(A×(t2−t1))×log10(h1/h2)÷1,000(m/s)です。

温度補正はどうしますか?

k15=kT×ηT/η15 です。比は JIS A 1218 の表1から求め、20℃なら0.880です。

定水位と変水位はどう使い分けますか?

1×10^-5 m/s を目安に、大きい土は定水位、小さい土は変水位を使います。

m/s を cm/s に直すには?

100を掛けます。1×10^-5 m/s は1×10^-3 cm/s です。

m/日に直すには?

86,400を掛けます。1×10^-5 m/s は0.864 m/日です。

透水円筒の大きさは?

通常、内径100mm・長さ120mmです。

スタンドパイプの内径は?

5mm・20mm・50mmのものから、土の透水性に合わせて選びます。

何回測りますか?

測定時間がほぼ一定になったことを確かめてから3回以上測り、15℃に補正した値の平均を結果とします。