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建築面積確認申請現場実務

延べ床面積 計算ツール|各階+特殊空間の算入ルールで合計面積・容積率算定面積を即算出

戸建・マンションの延べ床面積を、各階の床面積+バルコニー・吹抜・玄関ポーチ・ロフト・地下室・ビルトインガレージの算入ルールに従って自動計算。坪数・畳数換算、建築面積、容積率算定面積まで同時表示。建築基準法施行令2条・関係告示に基づき、確認申請・売買契約・住宅ローン控除・不動産評価まで実務用途で活用できます。

最終更新:2026-07-28/監修:計算ツールズ編集部

延べ床面積 計算機

天井高1.4m以下&下階の1/2以下なら床面積に算入されない
床面積の1/5を上限に容積率不算入

延べ床面積の定義(建築基準法)

基本の考え方

延べ床面積 = 各階の床面積の合計(壁芯計測)

延べ床面積(延床面積)は、建築物の各階の床面積の合計で、建築基準法施行令2条1項3号に基づく法定用語です。床面積は壁芯(外壁の中心線)で囲まれた水平投影面積として算定し、外周りの外壁厚みの中心線が基準になります。マンションの登記簿面積(内法面積)とは10〜15%程度差が出ることがあり、区別が必要です。

床面積の計測方法

建築基準法上の床面積は壁芯、区分所有マンションの登記簿は内法と、法律により基準が異なります。同じ「70㎡マンション」でも、確認申請図では75㎡・登記簿では70㎡と表示されるのが一般的です。住宅ローン控除の「50㎡以上」判定は原則登記簿面積(内法)を使うため、契約時に混同しないよう注意が必要です。

関連する派生指標

延べ床面積の派生として 建築面積(1階の水平投影面積)、建蔽率算定面積(建築面積÷敷地面積)、容積率算定面積(延床から地下・ガレージ等を控除)があります。建蔽率・容積率は建ぺい率・容積率 計算ツール、坪単価は坪単価 計算ツールで詳細を確認できます。

床面積算入・不算入の詳細ルール

建築物の一部が床面積に算入されるかは、屋根・柱・壁で囲まれているかがまず判定基準になります。「屋内的用途」があるかどうかで、細かな部位ごとの取扱いが決まります。

部位床面積算入備考
居室・水回り・廊下算入屋根・壁で囲まれた居住空間
吹抜・階段室のホール床がないので不算入階段は各階に1回ずつ算入
バルコニー(奥行2m以内)不算入2m超は超過部分算入
玄関ポーチ・庇(開放性あり)不算入屋外空間扱い
ロフト・小屋裏収納条件付不算入1.4m以下+下階1/2以下
ビルトインガレージ算入(容積率は除外可)床面積1/5を上限に容積率不算入
地下室算入(住宅は容積率1/3除外)天井が地盤面より1m以下
ピロティ(開放性あり)不算入柱のみで壁がない
エレベーターシャフト1階のみ算入(容積率不算入)2019年改正で緩和

設計事務所や工務店が確認申請書に記載する「延べ面積」は、こうしたルールを反映した数値です。売買契約の重要事項説明書や登記簿とはズレることが多く、購入検討時は「壁芯・内法どちらか」「バルコニー含むか」を必ず確認しましょう。

吹抜・ロフト・地下の算定

吹抜(不算入)

吹抜は床がないため、その階の床面積として算入しません。玄関ホールやリビングの吹抜、階段室の上部空間が代表例。確認申請時は平面図で吹抜の範囲を斜線ハッチングで示し、面積表から控除します。ロフトを付けると吹抜面積の一部が床扱いになる場合があるので、意匠設計と申請面積を整合させることが必要です。

ロフト・小屋裏収納(条件付不算入)

天井高1.4m以下、②直下階の床面積の1/2以下、③固定階段は自治体判断(多くの自治体で不可、はしごや可動階段が原則)、を満たせば床面積不算入。これを超えると「3階建て」扱いになり、確認申請の構造要件(構造計算適合性判定)が変わります。自治体により運用が異なる(東京都建築安全条例など)ので、必ず所轄の建築主事に事前確認しましょう。

地下室(算入・容積率一部除外)

地下室は床面積に算入しますが、住宅用途で天井が地盤面より1m以下の場合、床面積の1/3を上限に容積率算定から除外できます(法52条3項)。敷地の容積率を最大限使いたい狭小地の住宅で、地下室付き3階建てを設計する定石。ドライエリア(空堀)の面積は不算入ですが、ドライエリア面積は敷地の建蔽率にはカウントされることがあります。

階段室・エレベーター

階段は各階に1回ずつ床面積に算入します。エレベーターシャフトは2019年の改正で共同住宅・老人ホーム等では容積率不算入となり、既存住宅のエレベーター設置が促進される制度になりました。ただし床面積としては1階のみカウントされます。

バルコニー・ガレージ・ポーチの算入

バルコニー(奥行2m以内は不算入)

屋外バルコニーは、奥行2m以内であれば床面積に不算入。奥行が2mを超える場合は、超過部分(奥行2m超×幅)が算入されます。例:奥行2.5m×幅4mのバルコニーは、超過0.5m×4m=2㎡が延床に加算。マンションの登記簿では原則バルコニー面積が別記されるのが一般的です。

ビルトインガレージ(1/5まで容積率不算入)

屋内車庫は建物の延床面積の1/5を上限に容積率算定から除外できます(法52条6項)。例:延床200㎡で40㎡までのガレージが容積率不算入。ただし床面積そのものには算入されるため、固定資産税や不動産取得税の課税床面積は減りません。狭小地の3階建て住宅でよく採用される手法です。

玄関ポーチ・庇(開放性で不算入)

玄関ポーチ・庇・軒下は屋外扱いで床面積不算入。ただし建築面積(1階水平投影)には算入され、建蔽率に影響します。壁で3方以上囲むと屋内扱いになり床面積算入になるので、開放性を保つ設計が節税・容積率対策になります。

ピロティ・カーポート(不算入)

柱と屋根のみで壁がないピロティ、カーポートは床面積・容積率算定面積のいずれも不算入。ただし後付けカーポートでも建築面積には算入されるため、建蔽率オーバーに注意(違反建築物のリスク)。

容積率算定面積の求め方

容積率算定面積 = 延床面積 − 地下(1/3上限) − ガレージ(1/5上限) − 共用廊下・EVシャフト等

容積率は敷地面積に対する建物延床の比率で、用途地域ごとに上限が定まっています(60%・80%・100%・150%・200%・300%・400%・500%・600%等)。容積率算定面積は、法定の除外項目を控除した延床で判定します。

容積率不算入となる主な部分

  • 地下室(住宅用途):延床の1/3を上限(法52条3項)
  • ビルトインガレージ:延床の1/5を上限(法52条6項)
  • 共同住宅の共用廊下・階段:全部不算入(法52条6項)
  • 老人ホーム等の共用部:全部不算入(法52条6項)
  • 宅配ボックス設置部分:延床の1/100を上限(2018年改正)
  • エレベーターの昇降路:全部不算入(2019年改正)

用途地域別の容積率上限

用途地域容積率上限
第一種低層住居専用50-200%
第一種中高層住居専用100-500%
第一種住居地域100-500%
近隣商業地域200-500%
商業地域200-1300%
準工業地域100-500%

敷地の前面道路が幅員12m未満の場合、道路幅員×0.4(住居系)または×0.6(その他)で計算した容積率と、指定容積率の小さい方が実際の上限になります。詳細は建ぺい率・容積率 計算ツールを参照してください。

坪・畳・平米の換算

1坪 = 3.30578㎡ ≒ 3.31㎡ = 6畳(1畳 ≒ 1.62㎡)

不動産取引では㎡単位が法定ですが、住宅・工務店の会話や見積では坪単位が今も広く使われます。延床100㎡ ≒ 30.25坪。工務店の坪単価計算に使う「坪」は延床基準(施工床面積)で、施工床面積には吹抜・バルコニーが含まれるため、確認申請の延床とは異なる場合があります。

建物種別の平均延床面積(住団連調査)

建物種別平均延床備考
ワンルームマンション20-30㎡6-9畳+水回り
1LDK35-50㎡単身・DINKS向け
2LDK50-70㎡夫婦・小家族
3LDK(マンション)65-90㎡ファミリー標準
戸建(都市部)90-120㎡3LDK〜4LDK
戸建(地方)120-160㎡4LDK〜広い和室

売買・住宅ローン控除での実務

売買契約書の面積表示

戸建・マンションの売買契約書には、登記簿面積・壁芯面積・課税床面積が別々に記載されることがあります。仲介業者の広告は多くが壁芯(大きく見せられる)。実際に住める内法面積とは10-15%差があるため、間取り・家具レイアウト検討時は「専有面積は内法か壁芯か」を必ず確認しましょう。

住宅ローン控除の面積要件

住宅ローン控除の要件「床面積50㎡以上」は、登記簿上の内法面積で判定します。マンションの壁芯面積が55㎡でも登記簿が49㎡なら控除対象外。契約前に登記情報(法務局オンライン発行)で正確な面積を確認するのが確実です。2024年改正で新築住宅は40㎡以上に緩和されました。

固定資産税・不動産取得税

固定資産税の課税床面積も原則内法面積ですが、増改築の申告漏れ(違反建築)は課税床面積の再計算対象になります。ロフト・地下室・ガレージも申告面積次第で税額が変わるため、建築士・税理士の助言に基づき正確に申告することが重要です。

建築確認申請

確認申請書(第1面〜第6面)の「延べ面積」は壁芯計測。ここで申告した延床が容積率・建蔽率の基礎値になります。着工後の追加工事(ロフト増設・地下拡張)は用途変更や増築の確認申請が別途必要で、無申告のまま拡張すると違反建築物として指導・是正命令の対象になります。

よくある間違い・注意点

  • 壁芯と内法を混同する — 建築基準法は壁芯、区分所有マンションの登記簿は内法。差は10〜15%。住宅ローン控除の50㎡判定は内法基準のため、契約書と登記簿の両方で確認が必要です。
  • バルコニー2m超の超過分を算入し忘れる — 奥行2mまでは不算入ですが、超過部分は延床に加算されます。設計段階で吹抜バルコニーを大きくとると容積率オーバーの原因に。
  • ロフトの面積・天井高オーバー — 1.4m以下・下階1/2以下を満たさないと「2階」扱いになり、確認申請の階数変更が必要。固定階段設置は自治体により運用が異なります。
  • ビルトインガレージの床面積そのものは算入 — 容積率算定からは1/5除外できますが、床面積・課税床面積・固定資産税評価には算入されます。「ガレージは延床に含まれない」は誤解。
  • 共用廊下・EVシャフトの算入ミス — 共同住宅では容積率不算入だが、床面積・登記面積には算入。売買契約書の「延べ面積」がどちらを指すか要確認。
  • 建築後の増改築を無申告 — 増築(10㎡超)は原則確認申請必要。無申告のロフト増設・地下拡張は違反建築物となり、売却時のトラブル、住宅ローン借換不可、火災保険加入拒否のリスクがあります。

関連する規格・法令

  • 建築基準法52条・53条 ― 容積率・建蔽率の上限規定と算定方法。用途地域ごとの制限。
  • 建築基準法施行令2条 ― 床面積・延べ面積・建築面積の定義。壁芯計測の原則。
  • 平成5年建設省告示第1437号 ― ロフト・小屋裏収納の面積不算入要件(天井高1.4m以下・下階1/2以下)。
  • 不動産登記法・不動産登記規則115条 ― 区分所有マンションの専有部分面積は内法で計測(壁の内側)。
  • 租税特別措置法41条 ― 住宅ローン控除の面積要件(50㎡以上、内法基準)。2024年改正で新築40㎡以上に緩和。
  • 宅地建物取引業法35条 ― 重要事項説明書における床面積の表示義務。壁芯・内法の別を明示。
  • 都市計画法9条 ― 用途地域による建蔽率・容積率の指定上限。
  • 東京都建築安全条例(各自治体条例) ― ロフト・地下室の面積算入運用の詳細(自治体で異なる)。
  • 建築物省エネ法 ― 延床300㎡以上の非住宅で省エネ基準適合義務。住宅も2025年から義務化。

参考文献・公的資料

延べ床面積・容積率の詳細な算定手順や運用ルールは、以下の公的機関・専門団体の資料を参照してください。

※本ページの計算結果および算入ルールは概算であり、確認申請・売買契約・住宅ローン控除等の公式書類には、必ず一級建築士・土地家屋調査士・宅地建物取引士等の有資格者による最新の建築基準法・自治体条例に基づく判断を優先してください。ロフト・地下室・ガレージの取扱いは自治体により運用差があるため、事前に所轄の建築主事へ確認することを推奨します。

よくある質問(FAQ)

延べ床面積と建築面積の違い?

延べ床面積は各階の床面積の合計(建物全体のボリューム)。建築面積は1階の最大投影面積(敷地に占める面積)。建蔽率は建築面積÷敷地面積、容積率は延べ床面積÷敷地面積で算定します。両者は都市計画上の異なる制限として機能します。

ロフトを付けると延床は増える?

条件付きで増えません。①天井高1.4m以下、②直下階の1/2以下の面積、③固定階段不可(自治体判断)、を満たせば床面積不算入。これを超えると2階扱いになります。運用は自治体により微妙に異なるため、東京23区外・地方都市では所轄建築主事に事前確認しましょう。

バルコニーが2mを超えるとどうなる?

奥行2mまでは不算入、超過部分(奥行2m超の幅×長さ)が床面積として算入されます。例:奥行2.5m×幅4mのバルコニーなら、超過0.5m×4m=2㎡が延床に追加。容積率にも反映されるため、狭小地では設計段階で要検討です。

ビルトインガレージは延床に入る?

床面積には算入されます。ただし容積率算定からは延床の1/5を上限に除外可能。例えば延床200㎡なら最大40㎡までのガレージ分を容積率から控除できます。固定資産税課税床面積・登記面積・住宅ローン控除の面積判定には算入されるので、「ガレージ分は無料」は誤解です。

マンションの登記面積が広告より小さいのは?

広告表示は壁芯(外壁の中心)で計測されることが多く、登記簿は内法(内壁の内側)のため、10-15%小さくなります。同じマンションで壁芯70㎡なら登記62〜65㎡が一般的。住宅ローン控除の50㎡以上判定は登記簿基準です。

地下室を作れば容積率オーバーを回避できる?

住宅用途の地下室は、天井が地盤面より1m以下なら延床の1/3を上限に容積率算定から除外可能(法52条3項)。都市部の狭小地では地下室付き3階建てで容積率を最大限使う設計が定石。ドライエリア(空堀)の設置で採光・換気を確保します。

吹抜は延床に含まれる?

吹抜は床がないため、その階の床面積として算入しません。玄関ホール吹抜・階段室上部が代表例。設計上、リビングを2階分の吹抜にすると、その分だけ延床が減り、容積率に余裕が出ます。ただし空調負荷が増えるため冷暖房容量の再検討が必要です。

玄関ポーチや軒下は延床に入る?

屋外扱いで床面積不算入ですが、建築面積には算入されて建蔽率に影響します。3方以上を壁で囲むと屋内扱いになり床面積算入。開放性を保つ設計が節税・容積率対策になります。

坪単価計算の「坪」は延床基準?

工務店により異なりますが、一般には施工床面積(延床+バルコニー・玄関ポーチ・ロフト等)基準で坪単価を算出することが多いです。確認申請延床とはズレるため、見積比較時は「坪単価の分母は何か」を必ず統一して比較しましょう。

住宅ローン控除の面積要件は?

登記簿上の内法面積で50㎡以上(2024年改正で新築は40㎡以上に緩和、ただし所得1,000万円以下)。契約時の壁芯面積で判断すると要件不足のリスクがあるため、法務局で登記情報を取得して確認するのが安全です。

共同住宅の共用廊下は容積率に入る?

2005年の建築基準法改正で、共同住宅・老人ホーム等の共用廊下・階段は容積率算定から全部不算入となりました(法52条6項)。これにより同じ敷地でより多くの住戸を配置できるようになり、マンション設計が変化。ただし床面積・登記面積には算入されます。

増築を無申告で行うとどうなる?

10㎡超の増築(防火地域・準防火地域は面積問わず)は確認申請が必要。違反建築物として指導・是正命令の対象となり、売却時に買主が住宅ローン借換不可・火災保険加入拒否になるリスクがあります。将来的な既存不適格是正指導の対象になることも。

ケース別 延床計算シナリオ

都市部の狭小地3階建て

敷地50㎡・建蔽率60%・容積率200%の場合、建築面積30㎡×3階=理論最大延床90㎡。ここに地下室(延床の1/3=30㎡上限)+ビルトインガレージ(延床の1/5=18㎡上限)を加えると容積率上は90㎡のまま、実延床は138㎡確保可能。狭小地の住宅で頻用される定石です。

マンション70㎡3LDK購入時

広告70㎡(壁芯)→登記62㎡(内法)が典型。住宅ローン控除の50㎡以上要件はクリアできます。バルコニー面積8㎡は原則専有面積外で、共用部分の「専用使用権」扱い。管理費・修繕積立金は専有面積比で按分されるのが一般的です。

戸建て125㎡の設計イメージ

1階60㎡(LDK18畳+和室6畳+水回り+玄関)+2階55㎡(洋室6畳×3+WIC+バルコニー2m以内)+ロフト10㎡(1.4m以下・不算入)で、確認申請延床115㎡。実質使える床は125㎡強で、ロフト分がボーナス収納として機能。工務店の坪単価計算は125㎡(37.8坪)ベースが一般的です。

賃貸マンションのオーナー視点

1棟RCマンション(延床500㎡・8戸)を建てる場合、共用廊下・階段は容積率不算入(法52条6項)で有効に活用。同じ敷地でより多くの住戸を配置でき、収益性が向上。エレベーターも2019年改正で容積率不算入となり、既存建物へのEV後付けが促進されました。