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高置水槽給水設備有効容量時間最大予想給水量

高置水槽の有効容量計算

使用人員・1人1日使用水量・使用時間から、高置水槽の必要有効容量と採用容量、貯水時間を算出します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

高置水槽の有効容量計算ツール

1日使用水量は使用人員×1人1日使用水量で、既定値では200人×100L=20,000L=20.0m3。これを使用時間8時間で割った2.50m3/hが時間平均給水量です。事務所の時間最大係数1.5を掛けて時間最大予想給水量は3.75m3/hとなり、高置水槽の有効容量はこの1時間分として3.75m3。規格寸法へ切り上げると採用容量は4.0m3です。受水槽10m3と合わせた貯水時間は(10+4)÷2.5=5.6時間、有効容量の半分を1サイクルとした揚水ポンプの運転時間は3,750×0.5÷200=9.4分になります。

建物用途別の設計用水量と時間最大係数

用途1人1日使用水量時間最大係数
事務所60〜120L1.5
集合住宅200〜350L2.0
学校70〜100L2.0
ホテル (客室)350〜450L1.5

受水槽と高置水槽の容量配分の考え方

水槽容量の目安役割
受水槽1日使用水量の4〜6割断水時の備えと供給の安定
高置水槽時間最大予想給水量の0.5〜1時間分ピーク時の補給と圧力の確保
合計の貯水時間5〜10時間相当長すぎると水質が悪化する
ポンプ1回の運転5〜15分短すぎると起動が頻発する

※参考計算です。材料の仕様・現場条件・適用される規準によって値は変わるため、製品資料と最新の規準で確認してください。

高置水槽の有効容量計算の詳しい解説

高置水槽の容量が受水槽ほど大きくならないのは、役割が違うためです。受水槽は水道本管からの供給の変動を吸収し断水にも備える貯留槽ですが、高置水槽は各階へ重力で配る途中の調整槽で、ピーク時に揚水ポンプが追いつかない分だけを一時的に補えばよい設計になっています。時間最大予想給水量の0.5から1時間分という目安は、この補給の役割から導かれています。

判断が分かれるのは時間最大係数の取り方です。事務所は始業直後と昼休みに使用が集中し、集合住宅は朝夕に二つの山ができます。同じ延べ人数でも山の鋭さが違うため、集合住宅では2.0前後、事務所では1.5前後が使われますが、テナントの業種や在館率によって実測は上下します。過大に見れば水槽が重くなり構造の負担と滞留時間の増加を招き、過小に見ればピーク時に水位が下がって上階の圧力が不足します。

見落とされやすいのは水質です。貯水時間が長いほど残留塩素が減り、水質の管理が難しくなります。受水槽と高置水槽を合わせた貯水量が1日使用水量に近づくと滞留が問題になるため、容量を増やす方向だけで考えるのは適切ではありません。実際の在館人員が設計値を大きく下回る建物では、水槽を小さくするか槽内を仕切って使用容量を減らす改修が行われます。

ポンプ側の条件も併せて確認します。有効容量が小さすぎると水位計の作動間隔が短くなり、ポンプの起動停止が頻発してモーターの寿命を縮めます。1回の運転が5分から15分に収まるかを確認し、収まらない場合は水位の設定幅か吐出量を見直します。また高置水槽の設置高さは最上階の器具に必要な圧力から決まり、容量とは別の検討が要ります。建築物の衛生管理と貯水槽の清掃には基準が定められているため、点検口や維持管理のスペースも計画段階で確保してください。

建築側との調整も欠かせません。有効容量4m3の水槽は満水時に4トン以上の重量となり、屋上に据える場合は架台の位置を梁の上に合わせる必要があります。既存建物での更新では、搬入経路の寸法から槽を分割したパネル形に限られることもあり、容量だけでなく形状と据付方法を同時に検討します。また災害時の断水を想定するなら、飲料水として使える容量と、水槽から直接取り出すための給水栓の設置を別に検討してください。

業界・現場での使い方

給水設備の基本設計

用途と人員から必要容量を求め、水槽の据付スペースと躯体の荷重を検討します。

既存建物の水槽更新

現在の在館人員に基づく容量を算出し、過大な水槽の縮小を検討します。

揚水ポンプの選定

有効容量と吐出量の関係から1回の運転時間を確認し、起動の頻発を避けます。

水質管理の点検

貯水時間を試算し、残留塩素の低下が起きやすい条件かを確認します。

よくある間違い・注意点

  • 1日使用水量をそのまま高置水槽の容量にする — 高置水槽はピーク時の補給が役割で、1日分を貯める設計にはしません。
  • 時間最大係数を用途によらず一律にする — 集合住宅と事務所ではピークの鋭さが違い、必要容量が3割以上ずれます。
  • 貯水時間を確認しない — 受水槽と合わせた貯水量が多すぎると滞留により水質が悪化します。
  • ポンプの運転時間を確認しない — 有効容量が小さいと起動停止が頻発し、モーターの寿命が縮みます。
  • 設計人員と実在館人員を同一視する — 在館率が低い建物では過大な容量となり、水質と維持費の両面で不利になります。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

事務所200人の高置水槽はどれくらい必要ですか?

1人100L・使用時間8時間なら時間最大予想給水量3.75m3/h、有効容量3.75m3で採用は4.0m3が目安です。

有効容量は時間最大予想給水量の何時間分ですか?

0.5〜1時間分が一般的な目安です。本計算では1時間分としています。

受水槽との容量配分はどう決めますか?

受水槽を1日使用水量の4〜6割、高置水槽をピークの補給分とする配分が広く用いられています。

貯水時間が長いと何が問題ですか?

残留塩素が減って水質が保ちにくくなります。滞留を避ける容量設定と定期的な清掃が求められます。

ポンプの運転時間が短すぎる場合はどうしますか?

水位計の設定幅を広げるか吐出量の小さいポンプに変更します。1回5〜15分が目安です。

高置水槽の設置高さはどう決めますか?

最上階の器具に必要な圧力と配管の損失から決めます。容量の計算とは別の検討が必要です。

増圧直結方式なら高置水槽は不要ですか?

不要になる場合があります。ただし水道事業者ごとに適用条件が定められているため事前協議が必要です。

清掃や点検のために必要なことはありますか?

点検口とマンホール周りの空間、槽の周囲と上部の保守スペースを確保する必要があります。