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事業税 計算ツール|個人事業主・法人事業税、290万円控除・業種別税率で即算出

個人事業税・法人事業税を、事業所得と業種区分から瞬時に試算。第1種事業(5%)・第2種事業(4%)・第3種事業(5%/3%)の法定70業種、事業主控除290万円、地方税法に基づく課税・非課税判定、届出・納期・軽減措置まで対応。フリーランス・個人事業主・スタートアップ経営者が確定申告と資金繰り計画に使える実務基準を、地方税法・都道府県税事務所の公的規定に沿って解説します。

最終更新:2026-08-02/監修:計算ツールズ編集部

事業税 計算機

計算式と課税の仕組み

基本式

個人事業税 = (事業所得 − 事業主控除290万円 − 各種控除)× 税率(3〜5%)

法人事業税 = 所得金額 × 税率(法人区分・所得階層で変動)

事業税は都道府県が課税する地方税で、事業の所在地の都道府県に納付します。個人事業税は地方税法第72条の2、法人事業税は地方税法第72条の12に定めがあります。所得税や住民税とは別建てで、確定申告の情報を都道府県税事務所が引き継いで算定・通知します。

事業主控除290万円

個人事業税には年290万円の事業主控除があり、事業所得がこの金額以下であれば税額はゼロです。事業を開業・廃業した年は、月割で控除額が縮小します(開業月から12月まで、または1月から廃業月まで、月数÷12で按分)。この控除により、小規模フリーランスは事業税の実質負担が発生しないケースも多い。

課税所得の算定

事業税の課税所得は、所得税の事業所得とおおむね同じですが、いくつか差異があります。所得税で認められる青色申告特別控除(最大65万円)は事業税では控除されません。一方、事業税独自の控除として、繰越純損失・被災事業用資産の損失・退職所得等の除外などが規定されています。

業種区分と税率一覧

個人事業税は法定70業種を第1〜第3種に区分し、それぞれ税率が異なります。区分の判定は都道府県税事務所が行い、実態に応じて決まります。

区分税率業種例
第1種事業5%物品販売業・製造業・不動産貸付業・運送業・請負業・出版業・広告業・料理店業・旅館業・興行場業・遊技場業など37業種
第2種事業4%畜産業・水産業・薪炭製造業の3業種(農業は原則非課税)
第3種事業(5%)5%医業・歯科医業・薬剤師業・獣医業・弁護士業・司法書士業・行政書士業・公認会計士業・税理士業・社会保険労務士業・弁理士業・不動産鑑定業・設計士業・美容業・クリーニング業・コンサルタント業など28業種
第3種事業(3%)3%あんま・マッサージ・指圧師業、はり師・きゅう師業、柔道整復師業、装蹄師業の2業種

本ツールでは代表的な4区分を選択できます。個別業種の詳細判定は、事業所在地の都道府県税事務所にご確認ください。

個人事業税と法人事業税の違い

同じ「事業税」でも、個人と法人では課税の仕組みが大きく異なります。

項目個人事業税法人事業税
納税義務者個人事業主・フリーランス株式会社・合同会社・NPO法人等
課税対象事業所得所得金額(一部は付加価値割・資本割)
事業主控除年290万円ありなし
税率業種で3〜5%固定所得400万円以下3.5%、800万円以下5.3%、超7.0%等(普通法人・軽減税率適用)
外形標準課税なし資本金1億円超は付加価値割・資本割あり
申告所得税確定申告と自動連動法人税申告と別途、都道府県税事務所へ
納期8月・11月の年2回事業年度終了2ヶ月以内

本ツールは個人事業税を主な対象としています。法人事業税は、外形標準課税・地方法人特別税・特別法人事業税など複雑な調整があり、税理士や都道府県税事務所への相談を推奨します。

課税されない業種・特例

法定70業種に該当しない事業

個人事業税は法定業種に該当する事業のみ課税されます。以下は非課税または課税対象外となる代表例です。

  • 農業(畜産・水産を除く) — 米作・野菜栽培・果樹栽培などの純農業は、法定業種に含まれず個人事業税は課されません。
  • 林業 — 立木の伐採・木材生産のみの林業は非課税。ただし製材業として加工販売する場合は第1種事業(製造業)に該当。
  • ライター・翻訳者・スポーツ選手 — 文筆業・翻訳業・プロスポーツ選手は法定業種に明記されておらず、非課税となることが多い。ただし出版業として自ら販売する形態は第1種に該当。
  • 作家・画家・音楽家 — 創作活動としての芸術家業は原則非課税。ただし演奏会主催・音楽教室運営など事業性が強い形態は課税対象になる場合があります。
  • 宗教・慈善事業 — 宗教法人・公益事業は原則非課税。

軽減・免除措置

災害による事業用資産の損失・生活困窮による減免、身体障害者や被災者の減免、青色申告者の繰越純損失(3年間)などが定められています。都道府県ごとに詳細規定が異なるため、事業所在地の都道府県税事務所にお問い合わせください。

所得別税額シミュレーション

第1種事業(税率5%)を前提とした、事業所得別の税額目安です。事業主控除290万円を差し引いた課税所得に税率を乗じます。

事業所得課税対象額税額(5%)税額(3%)
290万円以下0円0円0円
300万円10万円5,000円3,000円
400万円110万円55,000円33,000円
500万円210万円105,000円63,000円
700万円410万円205,000円123,000円
1,000万円710万円355,000円213,000円
1,500万円1,210万円605,000円363,000円
2,000万円1,710万円855,000円513,000円
3,000万円2,710万円1,355,000円813,000円

フリーランス経営者・士業事務所を運営する場合、所得税・住民税・社会保険料に加えて事業税の負担も年数十万円〜数百万円規模になります。資金繰り計画には必ず組み込んでください。

実務での使いどころ

フリーランス・独立初年度

会社員から独立する初年度は、青色申告・事業主控除290万円を差し引くと、多くのケースで事業税負担がゼロまたは軽微。ただし開業2年目以降、事業所得が290万円を超えると事業税が課税され始めます。翌年8月・11月の納期に向けた資金確保が必要です。

士業事務所(税理士・弁護士・社労士)

第3種事業(税率5%)に該当。士業は事業主本人の労働集約型で経費が少なく、所得率が高くなりがち。年収1,000万円クラスの士業では事業税だけで年30〜40万円規模になります。開業3〜5年目の資金計画に必ず織り込んでください。

物販EC・製造業

Amazon物販・BASE・自社EC・OEM製造など第1種事業(5%)に該当。仕入原価と在庫回転により所得金額は変動しますが、成長期の年収500万〜1,500万円ゾーンで事業税5〜60万円/年が発生します。8月・11月納付の資金繰り計画が必須。

不動産賃貸業(規模判定)

不動産貸付業は第1種事業(5%)ですが、規模(貸家5棟または貸間10室以上)を満たさない小規模賃貸は事業性が認められず非課税になる場合があります。都道府県により判定基準が異なるため、事前確認を推奨。

コンサルタント・デザイナー

経営コンサルタント・ITコンサルタント・Webデザイナー・グラフィックデザイナーは第3種事業(5%)または第1種事業扱いになる場合が多い。契約形態と業務実態で区分が変わるため、開業届時に都道府県税事務所へ確認するのが安全です。

創作活動系(ライター・作家)

純粋な執筆・翻訳・作曲などの創作活動は法定業種に該当せず非課税となるケースが多い。ただし出版・販売事業として展開する場合は第1種事業となり課税対象。文筆家として活動する場合は、事業実態を明確に説明できるようにしてください。

申告・納期・支払方法

個人事業税は、確定申告の情報が都道府県税事務所に引き継がれて賦課決定される仕組みで、原則として個別の申告書提出は不要です。以下の流れで支払います。

  1. 3月中旬 — 所得税の確定申告(青色または白色)を税務署へ提出
  2. 6月頃 — 都道府県税事務所から事業税の納税通知書が届く
  3. 8月末 — 第1期分の納付期限(税額の半分)
  4. 11月末 — 第2期分の納付期限(残り半分)

納付方法は、金融機関窓口・コンビニ・口座振替・クレジットカード・スマホ決済(PayPay・LINE Pay・au PAY等)から選べます。都道府県により対応方法が異なります。全額を一括納付することも可能。事業税は所得税・住民税と異なり必要経費として損金算入できるため、翌年の確定申告で経費計上を忘れないようにしてください。

よくある間違い・注意点

  • 青色申告特別控除65万円を事業税でも差し引く — 事業税では青色申告特別控除は控除されません。所得税の課税所得よりも事業税の課税所得のほうが多くなる点に注意。
  • 事業主控除の月割計算漏れ — 開業年・廃業年は、事業を営んでいた月数分だけの事業主控除になります(月数÷12×290万円)。開業初年で全額290万円控除できるわけではありません。
  • 業種区分の自己判断 — 業種の税率が事業実態に応じて判定されるため、税率5%か3%かは自己判断ではなく都道府県税事務所の見解で決まります。事前に相談することを推奨。
  • 事業税を経費計上し忘れる — 支払った事業税は翌年の確定申告で必要経費に算入可能です。所得税・住民税は経費にできませんが、事業税は経費です。計上漏れは所得税・住民税・翌年の事業税すべてを過大納付する結果になります。
  • 不動産賃貸の規模判定を無視 — 貸家5棟・貸間10室未満の小規模賃貸は事業性が認められず、事業税の課税対象外になる場合があります。逆にサラリーマン大家でも規模を満たせば課税対象。都道府県により判定基準が違います。
  • 法人化タイミングを事業税だけで判断 — 法人事業税は所得400万円以下でも3.5%、外形標準課税・法人住民税均等割など固定コストもあります。個人と法人の総合税負担で比較しないと判断を誤ります。
  • 納期を忘れる(8月・11月) — 事業税は所得税と別建てで通知されるため、確定申告後に忘れがち。8月末・11月末の納期に向けた資金確保が必須。延滞金は年8.7%(法定日数超過後)と高率です。

関連する法令・規定

  • 地方税法 第72条の2〜第72条の76 ― 事業税の課税対象・税率・申告・納期・特例措置を規定する根拠法令。
  • 地方税法施行令 第10条の3 ― 個人事業税の法定70業種の詳細区分。
  • 地方税法施行規則 ― 事業税の申告書様式・記載事項の詳細規定。
  • 租税特別措置法 ― 事業税の減免・軽減特例(青色事業専従者・被災者減免・繰越純損失等)。
  • 都道府県税条例 ― 各都道府県ごとの事業税減免規定・独自措置。
  • 所得税法 第27条 ― 事業所得の定義(事業税の課税所得算定の基礎)。
  • 法人税法・法人事業税法 ― 法人事業税の課税所得・外形標準課税の算定根拠。

参考文献・公的資料

より正確な最新情報や個別判定は、以下の公的機関の資料を参照してください。

※本ページの計算結果および税額は概算値です。実際の税額は事業所在地の都道府県税事務所からの通知に従ってください。業種区分の判定・減免適用・法人事業税の外形標準課税など個別判断が必要な場合は、税理士・都道府県税事務所への相談を推奨します。法令改正により税率・控除額が変更される可能性があります。

よくある質問(FAQ)

個人事業税と住民税・所得税の違いは?

個人事業税は都道府県が課税する地方税で、事業所得のある人に対して業種別税率で課されます。住民税(都道府県民税・市町村民税)は所得の有無に関わらず所得割・均等割で課され、所得税は国税として累進課税されます。事業税は業種で3〜5%の固定税率で、事業主控除290万円がある点が独特です。

事業主控除290万円は誰でも受けられる?

個人事業税の課税対象となるすべての個人事業主が対象です。ただし開業年・廃業年は月割となり、事業を営んだ月数÷12を乗じた金額が控除額になります。例えば7月開業の場合、6ヶ月÷12=0.5、控除額は145万円です。

ライター・翻訳者に事業税はかかる?

純粋な執筆・翻訳業は法定70業種に該当せず、多くの都道府県で非課税となります。ただし出版・販売事業として活動する場合、または業務実態が請負業・広告業に近い場合は課税対象になることがあります。判定は都道府県税事務所により異なるため、事前確認を推奨します。

事業税はいつ支払う?

都道府県税事務所から6月頃に納税通知書が届き、8月末(第1期)と11月末(第2期)の年2回に分けて納付します。全額一括納付も可能。金融機関窓口・コンビニ・口座振替・クレジットカード・スマホ決済に対応(都道府県により異なる)。

青色申告特別控除は事業税に適用される?

いいえ、適用されません。所得税では最大65万円の青色申告特別控除がありますが、事業税の課税所得算定では控除できません。所得税の課税所得より事業税の課税所得のほうが多くなるため、税額計算時に混同しないよう注意してください。

不動産賃貸は事業税がかかる?

不動産貸付業は第1種事業(5%)ですが、規模要件(貸家5棟または貸間10室以上、駐車場10台以上等)を満たさない小規模賃貸は事業性が認められず非課税になる場合があります。都道府県により判定基準が異なるため、詳細は事業所在地の都道府県税事務所へ確認してください。

事業税は経費にできる?

はい、支払った事業税は翌年の必要経費として損金算入可能です。所得税・住民税は経費にできませんが、事業税は経費です。青色申告決算書・収支内訳書の「租税公課」欄に計上してください。計上漏れは所得税・住民税・翌年の事業税をすべて過大納付する結果になります。

法人成りすると事業税はどう変わる?

個人事業税から法人事業税に切り替わります。法人事業税は所得400万円以下3.5%、800万円以下5.3%、超7.0%(普通法人・軽減税率)と累進的で、事業主控除はありません。ただし所得を役員報酬として支払い、法人所得を圧縮する節税策があります。総合税負担を試算して判断してください。

副業でも事業税はかかる?

副業所得が事業所得として認められ、法定業種に該当し、事業主控除290万円を超える場合は課税対象になります。多くの副業ワーカーは雑所得として申告するため事業税は課されませんが、独立志向で青色申告事業として展開する場合は課税対象になり得ます。

事業税を滞納するとどうなる?

納期限を過ぎると延滞金(年8.7%程度・法定日数超過後)が加算されます。督促状発送後も未納の場合、財産差押えなどの滞納処分に進みます。事業運営に必要な信用にも悪影響するため、資金繰りが厳しい場合は事前に都道府県税事務所へ相談し、分割納付や猶予制度の利用を検討してください。

復興特別事業税や地方法人特別税は?

復興特別事業税はありません。法人事業税には特別法人事業税(旧地方法人特別税)が付随し、事業税額の37〜260%が加算されます(法人区分・所得階層で異なる)。個人事業税には該当する付加税はありません。

年の途中で廃業した場合の事業税は?

廃業した年も、事業を営んでいた月数分の月割事業主控除が適用されます。1〜6月まで事業を営み7月に廃業した場合、6ヶ月÷12×290万円=145万円が控除額。廃業届を税務署・都道府県税事務所に提出し、廃業年分の確定申告を翌年3月に行うと、事業税は6月頃通知・8月末に納付します。