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個人事業税 計算ツール|業種別税率と事業主控除290万円を反映した自動算出

個人事業主・フリーランスが地方自治体に納める個人事業税を、業種別税率(3〜5%)と事業主控除290万円を反映して即時計算。所得税の確定申告データから流用可能。

最終更新:2026-08-18/監修:計算ツールズ編集部

個人事業税 計算機

個人事業税の計算式と前提

個人事業税 = (事業所得 − 290万円 − 繰越控除) × 業種別税率

事業所得が290万円以下なら個人事業税はかかりません(事業主控除でゼロ)。青色申告特別控除を引く前の事業所得をベースにします(注意:所得税と計算ベースが違う)。

既定値の「事業所得500万円・第1種事業(5%)・繰越控除0円」で追うと、まず500万円から事業主控除290万円を差し引いて課税所得が210.0万円。ここに税率5%を掛けて10.50万円が年税額です。これを8月と11月の2回に分けて納めるので、1回あたりの納付書はおよそ5.25万円になります。繰越控除に金額を入れた場合は、事業主控除を引いたあとの課税所得からさらに差し引かれ、マイナスになる分は切り捨てて0円として扱います。

主な業種別税率

  • 5%:物販、サービス業、コンサル、士業、医業 など最も多い区分
  • 4%:畜産業、水産業(漁業を除く)
  • 3%:あんま、マッサージ、はり、きゅう、装蹄師
  • 非課税:作家、画家、スポーツ選手、宗教関係、農業(個人)、林業

所得別・税率別 早見表

事業所得(青色申告特別控除を引く前)ごとの年税額です。計算機に同じ数値を入れると同じ結果になります。

事業所得課税所得
(−290万円)
第1種・第3種A
5%
第2種
4%
第3種B
3%
290万円以下0万円0円0円0円
300万円10.0万円0.50万円0.40万円0.30万円
400万円110.0万円5.50万円4.40万円3.30万円
500万円210.0万円10.50万円8.40万円6.30万円
700万円410.0万円20.50万円16.40万円12.30万円
1,000万円710.0万円35.50万円28.40万円21.30万円
1,500万円1,210.0万円60.50万円48.40万円36.30万円

所得税と事業税で「所得」の中身が違う

同じ帳簿から出発しても、青色申告特別控除65万円を引けるかどうかで課税ベースがずれます。下の表は青色申告(65万円控除)を適用した場合の比較です。

事業所得
(控除前)
所得税の事業所得
(−65万円)
事業税の課税所得
(−290万円)
事業税額
(5%)
400万円335万円110.0万円5.50万円
500万円435万円210.0万円10.50万円
700万円635万円410.0万円20.50万円
1,000万円935万円710.0万円35.50万円

※事業専従者給与や各種引当金など、所得税と事業税で扱いが異なる項目がほかにもあります。実額は確定申告書の内容から都道府県税事務所が計算します。

個人事業税を詳しく理解する

個人事業税は都道府県が課す地方税で、道路や上下水道といった事業活動に欠かせない行政サービスの費用を、事業を営む人に分担してもらうという考え方に立っています。事業主控除290万円は、専従者給与を取らない個人事業主が自分の労働に対して受け取っている報酬に相当する部分を課税対象から外し、給与所得者との均衡を取るための調整です。この290万円という水準は長く据え置かれているため、所得が伸びるほど控除の相対的な効き目は薄れていきます。事業所得500万円なら課税所得210万円・税額10.50万円で、事業所得に対する実効負担は2.1%にとどまりますが、1,500万円では60.50万円・4.0%まで上がります。税率そのものは一定でも、実質的には緩やかな累進として働く構造です。

実務でもっとも判断が分かれるのは業種区分です。地方税法が定める法定業種のいずれにも当てはまらなければ課税されませんが、区分は事業の名称ではなく実態で判定されます。たとえば文章を書く仕事でも、自らの著作物を発表する作家業は法定業種に含まれず非課税、依頼を受けて成果物を納品する形態は請負業として第1種5%と扱われるのが一般的です。判定するのは都道府県税事務所で、税務署が所得税で行う判断とは独立しています。名乗りや屋号と、契約書・請求書に書かれた業務内容が食い違っていると、後から区分を覆される余地が残るため、実態に沿った記載を揃えておくことが実務上の防御になります。

見落とされやすいのは、所得税との時間差と経費性です。個人事業税は前年分の確定申告をもとに計算され、通知が届くのは8月なので、開業2年目には所得税・住民税・国民健康保険料と重なって資金繰りを圧迫しがちです。一方で、納めた個人事業税は翌年の所得税・住民税の計算で必要経費になるため、実質的な負担は表面税率より小さくなります。また、事業税では損失の繰越が青色・白色を問わず3年間認められ、事業所得と不動産所得の両方がある場合は合算して290万円を判定します。開業した年と廃業した年は事業主控除が月割になり、6か月営業なら145万円しか引けません。

条件による違いも小さくありません。個人が営む農業や林業は原則として課税対象外ですが、規模が大きく受託作業や加工販売が中心になると請負業やその他の事業と判断されることがあります。医業・薬剤師・税理士などは第3種でも税率5%、あんま・マッサージ・はり・きゅう・柔道整復などは同じ第3種で3%と、身体を扱う仕事の中でも扱いが分かれます。障害のある方や年齢に応じた減免、災害時の減免の運用は都道府県ごとに差があり、申告書の様式も統一されていません。区分や減免の可否で迷うときは、事業所を管轄する都道府県税事務所または税理士に確認してください。

よくある間違い・注意点

  • 青色申告特別控除を引いた後の金額で判定してしまう:所得税で435万円と申告していても、事業税では控除前の500万円が出発点です。「申告書の数字が290万円未満だから非課税」と早合点すると、8月の納付書で慌てることになります。
  • 290万円を超えたら全額に課税されると思い込む:課税されるのは超えた部分だけです。事業所得300万円なら課税所得は10万円、第1種でも税額は5,000円です。この水準なら業種区分を無理に動かす実益はほとんどありません。
  • 屋号や肩書きだけで非課税業種だと決めつける:「作家」「デザイナー」と名乗っていても、受注制作が中心なら請負業として課税されます。判断するのは都道府県税事務所であり、自己申告の名称ではありません。
  • 開業年の月割を忘れる:7月開業なら営業月数は6か月で、事業主控除は145万円です。開業年は所得が小さいことが多いため見過ごされがちですが、初年度から利益が出た場合は影響します。
  • 納付書が来ないことを非課税の証拠だと考える:住所変更や申告内容の反映漏れで通知が遅れることがあります。事業所得が290万円を大きく超えているのに通知が来ない年は、管轄の都道府県税事務所に確認しておくと安全です。

出典・参考資料

※本ツールは事業主控除290万円と業種別税率による概算です。事業専従者給与、各種の減免、開業年・廃業年の月割、都道府県ごとの運用差は反映していません。個別の業種区分や減免の可否は、事業所を管轄する都道府県税事務所または税理士にご確認ください。

よくある質問

事業所得290万以下なら本当にゼロ?

はい。事業主控除290万円があるため、事業所得290万以下の場合は個人事業税は発生しません。確定申告すれば自動的に計算されるため、別途申請は不要。

納付時期はいつ?

毎年8月と11月の2回。前年の確定申告データをもとに都道府県税事務所が計算し、納付書が送られてきます。

青色申告特別控除は使える?

個人事業税では使えません。所得税では青色申告控除65万円が引けますが、個人事業税の計算では事業主控除290万円のみ。「青色申告者の事業主控除は290+α」と思っている方が誤解しやすいポイント。

作家・ライターは非課税?

純粋な著作活動を行う作家は非課税業種。ただし「ライター業」「Web制作」「コンサル」などは「請負業」または「サービス業」として5%課税対象。区分は税務署・都道府県税事務所の判定によります。

赤字の年でも申告は必要ですか?

所得税の確定申告をしていれば、その内容が都道府県に回るため、個人事業税のための別途の申告は原則として不要です。ただし赤字を翌年以降に繰り越したい場合は、損失が生じた年から連続して申告しておく必要があります。所得税の確定申告をしない年がある場合は、都道府県への事業税の申告が必要かどうかを管轄の税事務所に確認してください。

開業した年も290万円まるごと控除できますか?

できません。事業主控除は営業した月数に応じた月割です。7月開業で6か月なら145万円、10月開業で3か月なら72.5万円が上限になります。廃業した年も同じ扱いです。本ツールは12か月営業を前提にしているため、開業年・廃業年は控除額を月数で按分して読み替えてください。

納めた個人事業税は経費にできますか?

できます。個人事業税は租税公課として、実際に納付した年の必要経費に算入します。8月・11月に納めた分はその年の経費になるため、翌年の所得税・住民税・国民健康保険料が下がります。表面の税率よりも実質負担は軽くなる計算です。

会社員の副業でも個人事業税はかかりますか?

給与以外の所得が事業として営まれていて、法定業種に当たり、その事業所得が290万円を超えていればかかります。給与収入は事業税の課税対象ではないので、判定には含めません。副業が雑所得として申告されている場合は、事業としての規模・継続性がないと判断されて課税されないことが多いものの、実態次第で扱いが変わります。