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個人事業主 確定申告 計算ツール|青色65万控除・所得税・住民税・国保まで一括試算

個人事業主・フリーランスの確定申告税額を、売上・経費・社会保険料から瞬時に算出。青色申告65万円控除、所得税、復興特別所得税、住民税、国民健康保険、事業税、消費税インボイスまで対応。必要書類チェックリスト、e-Tax電子申告手順、税務調査で指摘されやすい経費項目、赤字繰越の扱いまで、国税庁・総務省の一次資料に基づき解説します。

最終更新:2026-08-02/監修:計算ツールズ編集部

確定申告 計算機

計算式と所得税の仕組み

基本の計算フロー

事業所得 = 売上 − 経費 − 青色申告特別控除(65/55/10万円)

課税所得 = 事業所得 − 所得控除(基礎控除 + 社会保険料 + 生命保険料 等)

基礎控除(所得税・2026年分=令和8年分)= 合計所得489万円以下 104万円/〜655万円 67万円/〜2,350万円 62万円/〜2,400万円 48万円(改正前は一律48万でした)

所得税 = 課税所得 × 税率 − 控除額 × 1.021(復興特別所得税)

住民税 ≒ 課税所得(基礎控除は43万円のまま。所得税とは別建て)× 10%(所得割)+ 均等割 5,000円前後
※上の計算機が表示する住民税は所得割のみで、均等割は含めていません

所得税の速算表(2026年時点)

課税所得税率控除額
195万円以下5%0円
195万円超〜330万円10%97,500円
330万円超〜695万円20%427,500円
695万円超〜900万円23%636,000円
900万円超〜1,800万円33%1,536,000円
1,800万円超〜4,000万円40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円

所得税は超過累進課税で、区分を超えた部分にのみ高税率が適用されます。復興特別所得税(2.1%)は所得税額に上乗せ課税(2037年まで)。住民税は前年所得を基に翌年6月から徴収されるため、初年度は資金繰りに注意してください。

青色申告と白色申告の違い

項目青色申告(65万控除)青色申告(55万控除)白色申告(10万控除)
特別控除額65万円55万円10万円(事業所得のみ)
記帳方法複式簿記複式簿記単式簿記
提出書類貸借対照表+損益計算書貸借対照表+損益計算書収支内訳書
e-Tax要件必要不要(紙OK)
赤字繰越3年3年不可
専従者給与全額経費全額経費配偶者86万/その他50万
30万円未満少額償却年300万まで一括年300万まで一括不可
事前届出青色申告承認申請書青色申告承認申請書不要

青色申告承認申請書は、開業日から2ヶ月以内または適用年の3月15日までに税務署へ提出が必要です(所得税法144条)。65万円控除には「複式簿記+e-Tax送信または電子帳簿保存」の要件を満たす必要があり、紙提出だと55万円に減額されます。

確定申告 必要書類チェックリスト

必ず用意する基本書類

書類用途入手先
確定申告書 第一表・第二表所得・税額の申告本体国税庁HP or e-Tax
青色申告決算書(4枚)青色申告(損益計算書+貸借対照表)国税庁HP or 会計ソフト
収支内訳書(2枚)白色申告用国税庁HP
本人確認書類マイナンバー確認マイナンバーカード等
銀行口座情報還付金振込通帳等

収入・売上関係

売上台帳・請求書控え全売上を記録
報酬・料金の支払調書クライアントから受領(源泉徴収された案件)
売掛金・買掛金の残高期末時点

経費・控除関係

領収書・レシート7年間保存義務(青色)
国民年金保険料控除証明書日本年金機構から11月ごろ送付
国民健康保険料の支払通知市区町村から送付
生命保険料控除証明書保険会社から10-11月送付
地震保険料控除証明書保険会社から送付
小規模企業共済・iDeCo掛金証明書中小機構・国民年金基金連合会
ふるさと納税受領証明書寄附先自治体
医療費控除の明細書年10万円 or 所得の5%超
住宅ローン控除関連年末残高証明書等

所得控除の一覧(2026年分=令和8年分)

所得控除は課税所得を減らす効果があり、税負担を大きく変える要素です。個人事業主が使える主な控除は次のとおり。基礎控除・配偶者控除・扶養控除の所得要件は2026年分(令和8年分)の所得から引き上げられています。

控除名金額対象
基礎控除最大104万円合計所得489万円以下104万/〜655万67万/〜2,350万62万/〜2,400万48万(住民税は43万円のまま)
配偶者控除最大38万円配偶者の合計所得62万円以下(給与収入136万円以下)
配偶者特別控除最大38万円配偶者の合計所得62-133万円(給与収入136-207万円)
扶養控除38-63万円16歳以上・合計所得62万円以下(給与収入136万円以下)の親族
特定親族特別控除3-63万円19-22歳の親族で合計所得62-123万円(給与収入136-197万円)。2026年分から新設
社会保険料控除全額国民年金・国保・介護保険
小規模企業共済等掛金控除全額共済・iDeCo(上限あり)
生命保険料控除最大12万円新契約3種計
地震保険料控除最大5万円住宅の地震保険料
医療費控除10万円超部分本人+生計同一の家族
セルフメディケーション最大8.8万円スイッチOTC薬
寄附金控除(ふるさと納税)寄附額-2,000円認定NPO・自治体
寡婦控除・ひとり親控除27-35万円要件該当者
勤労学生控除27万円要件該当者
障害者控除27-75万円本人・扶養親族
雑損控除実損災害・盗難被害

小規模企業共済(月額最大7万円)+iDeCo(月額最大6.8万円)を併用すれば年間約165万円まで全額所得控除可能で、節税効果は絶大です。

経費として認められる項目

個人事業主の経費は「事業のために直接必要な支出」に限られます(所得税法37条)。プライベート兼用の場合は家事按分が必要。

主な経費科目

勘定科目具体例按分の目安
地代家賃自宅兼事務所の家賃床面積比 30-50%
水道光熱費電気・ガス・水道使用時間比 20-40%
通信費ネット・スマホ・郵便事業利用比 50-80%
消耗品費10万円未満の備品全額 or 按分
減価償却費10万円以上の資産耐用年数で分割
旅費交通費電車・タクシー・ガソリン業務分のみ
接待交際費取引先との会食・贈答全額(要相手情報)
広告宣伝費チラシ・Web広告全額
外注工賃業務委託・請負全額
研修費・図書費専門書・セミナー業務関連分
租税公課事業税・固定資産税事業分
雑費該当科目なし全額(内容明記)

青色申告なら30万円未満の減価償却資産は年間300万円まで一括経費化(措置法28の2)可能で、PC・カメラ等の一括経費計上が節税に有効。

e-Tax電子申告の手順

1. マイナンバーカードの準備

マイナンバーカードとICカードリーダー(またはスマホNFC)を用意。マイナポータル連携で保険料控除証明書などを自動取得できます。

2. 会計ソフトで決算書作成

freee・弥生・マネーフォワード等で日次帳簿→期末残高確定→青色申告決算書(4枚)を自動出力。複式簿記の要件を機械的に満たせます。

3. e-Taxソフト・確定申告書等作成コーナー

国税庁「確定申告書等作成コーナー」で申告書第一表・第二表を作成し、決算書データを添付。マイナンバー電子証明書で電子署名して送信します。

4. 納税(所得税)

ダイレクト納付・クレジットカード納付・コンビニQR納付・振替納税から選択。振替納税なら4月ごろの引き落としで資金繰りにゆとりが出ます。

5. 帳簿・書類の保存

青色申告帳簿・決算書は7年、請求書・領収書等は5-7年の保存義務。電子帳簿保存法対応ソフトで電子保存すれば紙保管不要になります。

6. 住民税・国民健康保険の反映

e-Taxで所得税申告すると、自動的に市区町村へ所得データが連携され、住民税と国民健康保険料が翌年6月から通知されます。別途申告不要。

インボイス制度と消費税

2023年10月開始のインボイス制度(適格請求書等保存方式)により、課税事業者の登録番号がない請求書では取引先が仕入税額控除できません。

インボイス登録の判断ポイント

状況推奨判断
売上1,000万円超もともと課税事業者、登録必須
売上1,000万円以下・BtoB主体登録推奨(取引継続のため)
売上1,000万円以下・BtoC主体免税継続でOK(消費者は控除不要)
売上1,000万円以下・低利益率2割特例で消費税負担を大幅軽減(2026年まで)

免税事業者が登録するとインボイス発行事業者=課税事業者となり、消費税納税義務が発生します。2026年まで2割特例(売上税額の20%納税)、簡易課税(業種別みなし仕入率)も選択肢。国税庁の適格請求書発行事業者公表サイトで登録番号は誰でも確認できます。

こんな場面で使う

開業初年度の税額シミュレーション

売上見込みと経費予算から想定納税額を算出し、資金繰り計画に反映。初年度は前年所得ゼロで住民税がかからないため翌年の住民税・国保が想像より重い点を事前に把握できます。

青色申告への切替判断

白色から青色に切り替えた場合の節税額(65万円控除×税率)を比較。所得税率20%なら年13万円の節税、10%でも6.5万円の節税効果になります。

ふるさと納税・iDeCoの上限確認

課税所得から控除枠を逆算。ふるさと納税のワンストップ対象外(確定申告者)向けの寄附金控除枠、iDeCo拠出額の年末調整計算に活用できます。

経費上乗せ・売上減の影響試算

大型設備投資(30万円未満少額減価償却)や翌年の売上減少シナリオでの税額変動を試算。事業計画・借入返済の資金繰り検討に。

法人成りタイミングの判断

売上・所得ベースで個人事業と法人の税負担を比較。所得800万円超あたりから法人化メリットが出やすいという基準ラインの検討材料に。

予定納税・中間申告の準備

前年納税額が15万円超なら予定納税、消費税課税事業者は中間申告の必要が発生。年内キャッシュフロー計画のための試算に。

よくある間違い・税務調査で指摘される点

  • 売上計上の期ズレ — 現金主義で「入金日=売上日」としがちですが、原則は「請求書発行日=売上日」(発生主義)。決算月をまたぐ売掛金は当期売上、翌期入金として計上します。
  • プライベート支出の混入 — 家族との外食、私的な旅行、日用品購入を経費計上するのは典型的な指摘対象。個人事業主でも「事業関連性」の説明責任があり、税務調査で否認されます。
  • 家事按分の根拠不足 — 家賃・光熱費・通信費の按分率に根拠がないと否認リスク。「床面積比」「使用時間比」など客観的な計算根拠を残しておきます。
  • 青色申告承認申請書の提出忘れ — 開業から2ヶ月以内 or 適用年3月15日までに提出しないと、その年は白色申告扱い。65万円控除が受けられません。
  • e-Tax送信忘れ or 紙提出 — 青色65万円控除には電子申告必須。紙提出だと55万円に減額され、税率20%なら年2万円の損失。
  • インボイス登録の勇み足 — 免税事業者がインボイス登録すると消費税納税義務が発生。BtoC中心の事業では登録しない選択肢も検討すべき。
  • 領収書の保存不足 — 青色は7年保存義務(所得税法施行令63条)。紛失した領収書は経費計上できず、税務調査で全額否認されるリスクがあります。

関連する法令・通達

  • 所得税法 ― 所得税の課税所得計算、税率、控除の基本ルールを定める法律。事業所得の計算(37条)、必要経費(37条)、青色申告(143-151条)。
  • 所得税法施行令 ― 減価償却資産の耐用年数、家事関連費の按分ルール、少額減価償却資産(30万円未満)の取扱い等の詳細規定。
  • 租税特別措置法28条の2 ― 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入特例(30万円未満・年300万円まで)。
  • 消費税法 ― 消費税納税義務者、課税事業者選択届出、簡易課税、インボイス制度(適格請求書等保存方式)の根拠。
  • 地方税法 ― 個人住民税(所得割10% + 均等割)、個人事業税(業種別3-5%)の税率と課税ルール。
  • 電子帳簿保存法 ― 電子取引データ(メール添付PDF請求書等)の保存要件。2024年1月から電子データ保存が原則義務化。
  • 国民健康保険法 ― 国民健康保険料の算定式(所得割+均等割+平等割)。市区町村ごとに料率が異なるため要事前確認。
  • 国税庁 個人課税事務提要 ― 税務署員向けの実務マニュアル。経費否認の判断基準等の一次資料として参考になります。

参考文献・公的資料

確定申告の税額計算・書類作成・申告手続の詳細は、以下の公的機関の一次資料を参照してください。制度は毎年改正されるため、最新版の確認が必須です。

※本ページの計算結果は概算値です。実際の申告税額は、控除の適用可否、社会保険料の実額、住民税均等割の自治体差、事業税・消費税等の影響で変動します。申告書提出前には必ず国税庁の確定申告書等作成コーナーで最終確認するか、税理士に相談してください。制度は毎年改正されるため、最新情報は上記公的機関の一次資料でご確認ください。

よくある質問(FAQ)

青色申告と白色申告、どちらが有利?

ほとんどのケースで青色申告が有利です。65万円控除だけで所得税率20%なら年13万円の節税、赤字繰越3年、専従者給与全額経費、30万円未満資産の一括償却など優遇が多く、複式簿記の手間は会計ソフトで大幅に軽減されます。売上100万円程度の副業でも青色を選ぶ価値があります。

65万円控除と55万円控除の違いは?

両者の違いはe-Tax送信または電子帳簿保存の有無です。紙で税務署に提出すると55万円、e-Tax送信または電子帳簿保存法対応で保存すると65万円。差額10万円×税率で年間の節税額が変わります。マイナンバーカードとICカードリーダー(またはスマホ)があればe-Tax送信は可能です。

家賃・光熱費はいくら経費計上できる?

自宅兼事務所の場合、事業に使う床面積比・使用時間比で家事按分します。ワンルームで作業スペース半分なら家賃の30-50%、時間比なら電気代の20-40%が一般的な目安。按分根拠(平面図・使用時間の記録)を残しておくと税務調査で説明しやすくなります。

領収書は何年保存する?

青色申告は帳簿・決算書7年、請求書・領収書等5-7年の保存義務(所得税法施行規則63条)。白色でも5年です。電子帳簿保存法対応ソフトで電子保存すれば紙の原本は不要になります。ただし電子取引データ(メール添付PDF)は2024年から電子のまま保存が原則義務化されました。

売上1,000万円を超えたら?

翌々年から消費税課税事業者になります(2年後ルール)。売上に含まれる消費税を国に納める必要があり、簡易課税・本則課税・2割特例のいずれかを選択。インボイス発行事業者の登録も併せて検討します。売上1,000万円超が見えたら税理士に相談を推奨します。

ふるさと納税は個人事業主でもできる?

できます。ただしワンストップ特例(5自治体まで確定申告不要制度)は確定申告する個人事業主には使えないため、寄附金控除として申告書に記載します。上限額は課税所得に応じて変動し、所得税率20%なら課税所得の約2.5%が目安。本ツールで課税所得を試算後、ふるさと納税サイトのシミュレータで上限確認を。

国民健康保険料はいくら?

市区町村ごとに料率が異なりますが、所得400万円で年40-60万円が目安。所得割(前年所得×料率)+均等割(1人あたり)+平等割(1世帯)の合計。年間上限額(現行104万円)も設定されています。国民健康保険料は全額所得控除可能で、確定申告書の社会保険料控除欄に記入します。

予定納税とは?

前年の所得税額が15万円以上あった場合、税務署から7月と11月に予定納税額(前年税額×1/3ずつ)の通知が来ます。翌年の確定申告で本税額と予定納税額を精算し、多ければ還付、少なければ追加納付。予定納税を減額申請することも可能です(業績悪化時)。

赤字になった年はどうする?

青色申告なら赤字(純損失)を3年間繰り越して翌年以降の黒字と相殺可能(所得税法70条)。ただし確定申告書と青色申告決算書の提出が要件です。白色は繰越不可(変動所得・被災事業用資産の損失を除く)。開業初年度は先行投資で赤字になりやすいので、青色申告を強く推奨します。

個人事業税はいくら?

事業所得290万円超の部分に、業種ごとの税率(3-5%)を掛けた金額。第1種事業(飲食・小売等)5%、第2種事業(畜産・水産等)4%、第3種事業(医業・弁護士・コンサル等)5%、第3種の一部(あんま・鍼灸師等)3%、フリーライター・システムエンジニア等は法定業種でなければ非課税のこともあります。都道府県税で、8月と11月に納付通知が届きます。

インボイス登録すべき?

BtoB(法人相手)主体なら登録推奨。免税事業者だと取引先が仕入税額控除できないため、値下げ交渉や取引停止のリスクがあります。BtoC(個人客)主体なら登録不要。登録すると消費税納税義務が発生しますが、2026年まで2割特例で売上税額の20%納税で済む軽減措置があります。

税務調査はいつ来る?

個人事業主の場合、開業3-5年目、売上急増時、経費比率が業界平均より高いとき等に来やすい傾向。事前通知後、税務署員が帳簿・領収書を確認します。青色申告で複式簿記+7年保存を徹底していれば恐れる必要はありません。書類が揃っていない場合の追徴・重加算税は数百万円規模になることも。