介護費用シミュレーター|要介護度別・在宅/施設別・自己負担割合完全対応の精密計算ツール【2026年版】
要介護度(要支援1〜要介護5)、介護場所(在宅・デイサービス・ショートステイ・特別養護老人ホーム・老健・介護付有料老人ホーム・サ高住)、所得区分(1〜3割負担)、住宅改修の有無まで反映して、介護保険給付と自己負担を精密にシミュレーションします。厚生労働省「介護給付費実態統計」・国民生活基礎調査に基づき、月額の自己負担、年額、介護期間中の累計、そして高額介護サービス費適用後の実質負担まで自動計算。「親の介護でうちは月いくら、生涯いくら払うのか」を、条件ごとに具体化できます。
介護費用シミュレーター
費用の内訳フロー
結果の見方
介護費用シミュレーターは、介護保険の1〜3割負担分と、施設利用時の食費・居住費(保険適用外)を合算して自己負担を算出。さらに高額介護サービス費で戻ってくる分を差し引いた「実質負担額」を示します。
- 月額の実質自己負担:介護サービス費(1〜3割)+食費・居住費(施設利用時)−高額介護サービス費還付。在宅の場合は月2〜5万円、特養で月10万円前後、介護付有料老人ホームで月20万〜35万円がボリュームゾーン。
- 年額:月額×12。在宅で年30万〜60万円、特養で年120万円前後、有料老人ホームで年240万〜420万円。
- 期間累計:月額×介護期間(月)。介護期間の全国平均61ヶ月×月10万円で約610万円が「介護にかかる自分ごとの数字」の目安。
- 高額後実質:高額介護サービス費で払い戻される分を差し引いた実質負担。所得区分により月々の上限(24,600〜140,100円)が設定されているため、要介護度が重く3割負担でも実質負担は上限で抑えられます。
計算の仕組み
基本式(在宅の場合)
月額サービス費 = 区分支給限度基準額 × 利用率 × 自己負担割合
高額介護還付 = max(0, 月額サービス費 − 高額介護サービス費上限)
月額実質負担 = 月額サービス費 + 食費居住費(施設利用時) − 高額介護還付
期間累計 = 月額実質負担 × 介護期間(月) + 住宅改修負担
基本式(施設入所の場合)
特養/老健:介護サービス費(1〜3割) + 食費 + 居住費 + 日常生活費
介護付有料:入居時費用 + 月額利用料(家賃+管理費+食費+介護費) + 介護保険自己負担
サ高住:家賃 + 管理費 + サービス費 + 介護保険自己負担
区分支給限度基準額(2024年度)
介護保険から支給される月額の限度は要介護度別に、要支援1が50,320円→要介護5が362,170円まで7段階。この枠内で在宅サービスを組み合わせ、超過分は全額自己負担。1単位10円で計算(都市部は加算あり)。
要介護度別・場所別の費用相場
| 要介護度 | 在宅(1割) | 特養(1割) | 介護付有料(1割) | 状態イメージ |
|---|---|---|---|---|
| 要支援1 | 約1万円 | − | 約18万円 | 日常動作は概ね自立、予防重視 |
| 要支援2 | 約2万円 | − | 約18万円 | 掃除等の家事に一部支援 |
| 要介護1 | 約3万円 | 約9万円 | 約19万円 | 立ち上がり・歩行に支援 |
| 要介護2 | 約4万円 | 約10万円 | 約20万円 | 排泄・入浴に一部介助 |
| 要介護3 | 約5万円 | 約11万円 | 約22万円 | ほぼ全介助(特養入所目安) |
| 要介護4 | 約5.5万円 | 約12万円 | 約24万円 | 全面介助+認知症進行 |
| 要介護5 | 約6万円 | 約13万円 | 約26万円 | 寝たきり、意思疎通困難 |
※上記は自己負担割合1割・食費居住費含む月額目安。介護付有料は施設ごとの月額利用料の違いが大きく、上表は中位クラスの目安。3割負担世帯では在宅で月10万円超、施設で月30万円超のケースもあります。
ケーススタディ:世帯パターン別の介護費用
① 要介護2・在宅・1割負担・5年
認知症軽度、独居継続、デイサービス週3回+訪問介護。—。区分支給限度額の85%利用で月2〜4万円の介護保険自己負担、加えて家族の間接コスト(食事の宅配、送迎ガソリン代等)が月1〜2万円。生活費として世帯負担は月10万円レベルに落ち着く。
② 要介護3・特養入所・1割負担・7年
特別養護老人ホーム(多床室・従来型)入所。—。月10万〜12万円が入所費用の相場(介護保険自己負担+食費居住費+日常生活費)で、住民税非課税世帯なら特定入所者介護サービス費(補足給付)で月4〜7万円に抑えられる。特養は待機期間平均1〜2年、要介護3以上が入所要件。
③ 要介護5・介護付有料老人ホーム・2割負担・5年
寝たきり、24時間介護必要。月額利用料20万〜30万円+介護保険自己負担5〜6万円で、—。入居時に一時金500万〜1,000万円が必要な有料老人ホームも多く、生涯コストは2,000万円超。相続財産の一部を介護費用として確保する設計が必要。
④ 要支援1・在宅(軽度)・1割・3年
介護予防プラン(週1回の通所リハ+福祉用具レンタル)。—。月々5,000〜8,000円が中心で、住宅改修を初回20万円実施しても実質負担2万円。要支援段階から地域包括支援センターとつながっておくことで、要介護悪化時にスムーズに移行できる。
⑤ 要介護2〜4進行・在宅10年
認知症進行に伴う要介護度悪化、家族介護中心。—。10年間の期間累計で500万〜800万円レンジ。介護離職の逸失収入を含めるとさらに数百万円規模の負担増。仕事と介護の両立支援制度(介護休業93日・介護休暇年5日)を活用しつつ、介護保険サービスの支給限度枠を8割以上使うのが標準的な運用。
高額介護サービス費とは
介護保険の自己負担額が高額になった場合、所得区分に応じた上限額を超えた分は後から払い戻される制度です。同一世帯で1ヶ月分の自己負担額を合算し、上限を超えた分が対象。申請は市区町村介護保険課で、初回申請後は自動的に振り込まれます。
| 所得区分 | 月額上限 | 該当条件 |
|---|---|---|
| 現役並み所得III | 140,100円 | 年収約1,160万円以上 |
| 現役並み所得II | 93,000円 | 年収約770万〜1,160万円 |
| 現役並み所得I | 44,400円 | 年収約383万〜770万円 |
| 一般 | 44,400円 | 市町村民税課税〜年収383万円 |
| 市町村民税非課税世帯 | 24,600円 | 年金80万円超 |
| 市町村民税非課税・年金80万円以下 | 15,000円 | 低所得者 |
2021年改正で現役並み所得層の上限が引き上げられ、高所得者ほど自己負担が増える方向に。ただし要介護度が重く3割負担でも、この上限で月々の負担はキャップされます。
介護費用を抑えるコツ
地域包括支援センターに早期相談
介護が始まる前・軽度の段階から地域包括支援センターに相談することで、要介護認定申請、ケアマネジャー選定、地域の低料金デイサービス、ボランティア移動支援などの情報を包括的に得られます。相談は無料。介護保険サービスの支給限度枠を100%活用するには、経験豊富なケアマネの選定が最重要ポイントです。
特養の申込みは要介護3で即実施
特別養護老人ホームは月10万円台で入所できる公的施設ですが、要介護3以上が入所要件で、都市部の人気特養は待機1〜3年。「まだ元気だから」と申込みを先延ばしにすると、必要な時に入所できないリスクがあります。要介護3認定を受けたら即座に複数施設に申込むのが定石です。
医療費控除・障害者控除で節税
介護保険サービスのうち医療系サービス(訪問看護・訪問リハビリ・老健入所等)の自己負担は医療費控除の対象。年間10万円超で所得控除、実質2〜3割の税還付。要介護認定を受けた高齢者は「障害者控除対象者認定書」の交付を受けられる自治体が多く、所得税・住民税の障害者控除(27万〜40万円)が使えます。
民間介護保険の活用
介護保険の自己負担(月2〜30万円)と施設入居一時金(500万〜3,000万円)は民間介護保険で補完可能。契約者本人が要介護2以上と認定された時点で一時金+年金支給される保険が主流で、40〜50代の元気なうちに月5,000〜1万円の保険料で加入するケースが増えています。
よくある質問(FAQ)
介護には生涯でいくらかかりますか?
生命保険文化センター「2024年度生命保険に関する全国実態調査」によれば、介護期間の全国平均は5年1ヶ月(61ヶ月)、月々の介護費用は在宅で平均約4.8万円、施設入所で平均約12.2万円。全介護期間の平均自己負担は約580万円(全介護一時費用約74万円+月々8.3万円×61ヶ月)。介護付有料老人ホームで10年介護なら3,000万円超のケースも珍しくありません。
要介護度の判定はどのように決まりますか?
市区町村への申請後、認定調査員が74項目のADL・IADL・認知機能等を調査+主治医意見書+介護認定審査会で決定。要支援1・2、要介護1〜5の7段階があり、それぞれ介護保険の支給限度額(月5万〜36万円)が設定されます。判定に不服がある場合は都道府県の介護保険審査会に不服申立てが可能で、区分変更申請は認定日から6ヶ月経過後にできます。
特別養護老人ホームは月いくらで入れますか?
特養(多床室・従来型)で月8万〜15万円が全国平均。内訳は介護保険自己負担(1〜3割)+食費(月4.2万円)+居住費(月2.5万円)+日常生活費(月1万円)。市町村民税非課税世帯は特定入所者介護サービス費(補足給付)で食費・居住費が減額され、月5万〜8万円まで下がります。ユニット型個室は月13万〜18万円と割高。要介護3以上が入所要件で、待機期間は1〜3年。
介護付有料老人ホームの費用は?
入居一時金+月額利用料の2階建て構造。入居一時金0円〜3,000万円、月額利用料15万〜35万円が全国のボリュームゾーン。都心部の高級施設では入居一時金1億円超、月額50万円のケースも。月額利用料には家賃・管理費・食費・介護費が含まれ、介護保険自己負担分(1〜3割)は別途上乗せ。要介護度が上がると月額が増える施設と、定額の施設があるため契約前に要確認。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)と有料老人ホームの違いは?
サ高住は賃貸住宅+安否確認・生活相談サービスの組合せで、月額家賃10万〜20万円+管理費3〜5万円+介護サービス(個別契約)が基本構造。有料老人ホームは介護一体型施設で、施設内で介護サービスを提供。サ高住は自立〜要介護2程度の元気な高齢者向け、有料老人ホームは要介護状態の全期対応が原則です。
親の介護で自分の仕事を辞めるべきですか?
結論として介護離職は絶対に避けるべきです。介護離職者の6割が「経済的に苦しい」、5割が「精神的にきつい」と回答(厚労省調査)。介護休業(93日・給付金67%)、介護休暇(年5日)、短時間勤務、テレワークなど法定の両立支援を活用しつつ、介護保険サービス(デイ・訪問・ショート)を組み合わせるのが正解。介護は平均5年、離職すると生涯収入で2,000万〜5,000万円のロスが発生します。
介護費用に医療費控除は使えますか?
使えます。訪問看護・訪問リハビリ・老健入所・訪問診療の自己負担分、おむつ代(医師の証明書必要)は医療費控除の対象。介護保険サービスの中でも医療系のみが対象で、生活援助系(掃除・買い物代行)は対象外。年間10万円を超えた分が所得控除となり、所得税+住民税で15〜30%の税還付。世帯合算で最も所得の高い人が申告するのが節税上有利です。
親の年金だけで介護費用を賄えますか?
厚生年金の平均月14.6万円、国民年金の平均月5.8万円という水準では、在宅介護(月4〜5万円)は可能、施設介護は不足が一般的な答えです。特養(月10万円台)で厚生年金なら賄える可能性、介護付有料老人ホーム(月20万〜30万円)では年金だけでは不足で、蓄えの取り崩しか家族仕送りが必要。親が持ち家ならリバースモーゲージや自宅売却で介護費用を捻出する選択肢もあります。
住宅改修の補助金はいくらまで使えますか?
介護保険の住宅改修費として要介護認定者1人につき生涯20万円まで(自己負担1〜3割)、実質補助14〜18万円が上限。手すり設置・段差解消・滑り防止床・引き戸交換・洋式便器交換の5種類が対象。要介護度が3段階以上上がった場合や引越し時は追加で20万円の再利用可能。同居家族全員が使うため、親が要介護認定を受けた早い段階で住環境改善に投資するのが賢い運用です。
介護休業給付金はいくらもらえますか?
雇用保険加入者が介護休業を取ると、賃金日額の67%が最大93日間支給されます。月給30万円なら月約20万円、93日で約60万円が受給可能。介護休業は対象家族1人につき3回・通算93日まで分割取得可能。両親2人が対象なら合計186日取得できます。給付は非課税、社会保険料も免除で、育休給付金と同様の家計効果があります。
出典・参考資料
- 厚生労働省「介護給付費等実態統計」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/45-1.html
- 厚生労働省「国民生活基礎調査」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/20-21kekka.html
- 厚生労働省「介護保険制度の概要」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/
- 生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」 https://www.jili.or.jp/research/report/
- 厚生労働省「高額介護サービス費」 https://www.mhlw.go.jp/content/000827884.pdf
※本ツールは介護保険標準料金と要介護度別の平均利用率に基づく概算です。地域区分単価差、施設ごとの月額利用料の違い、補足給付制度の適用可否により実費は上下します。実際の介護計画はケアマネジャー・地域包括支援センターに相談の上、複数の施設・サービスを比較して決定してください。