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配当金 手取り 計算ツール|源泉徴収20.315%・配当控除・新NISA非課税を年収別に比較

株式配当金の手取り額を、源泉徴収(20.315%)総合課税+配当控除(所得税10%・住民税2.8%)新NISA非課税の3方式で比較する計算機です。給与所得と配当所得を合算した際の限界税率から、最も有利な申告方式を自動判定。特定口座・一般口座・NISA、外国株式の外国税額控除、上場株式等の損益通算まで、国税庁・金融庁の公的資料に沿って解説します。

最終更新:2026-07-30/監修:計算ツールズ編集部

配当金 計算機

配当金の課税ルールと計算式

基本の税率

源泉徴収税額 = 配当金 × 20.315%(所得税15% + 復興特別所得税0.315% + 住民税5%)

総合課税額 = 配当金 ×(所得税の累進税率 + 住民税10%)- 配当控除(所得税10% + 住民税2.8%)

上場株式の配当所得は、原則として支払い時に20.315%が源泉徴収されます。所得税15%と復興特別所得税0.315%(2037年まで)に、住民税5%を合算した合計税率です。特定口座(源泉徴収あり)を選択している場合は、この源泉徴収のみで課税関係が完結し、確定申告は不要となります(国税庁タックスアンサーNo.1330)。

総合課税を選んだ場合の配当控除

確定申告で総合課税を選択すると、給与所得等と配当所得を合算し、所得税の累進税率(5%〜45%)が適用されます。ただし、内国法人からの配当については配当控除(所得税10%・住民税2.8%)が税額控除として使えるため、限界税率が20%以下の層では手取りが増えるケースがあります(所得税法第92条)。

申告分離課税との違い

申告分離課税を選ぶと、税率は源泉徴収と同じ20.315%のままですが、上場株式等の譲渡損失との損益通算や、3年間の繰越控除が使える点がメリットです。値下がり銘柄を損切りしている年は、申告分離課税で損益通算するのが定石です。

3つの課税方式の比較

方式税率確定申告損益通算配当控除
源泉分離(特定口座源泉あり)20.315%(一律)不要口座内のみ不可
申告分離課税20.315%必要他口座・繰越可不可
総合課税累進5-45%+住民税10%必要不可可(所得税10%・住民税2.8%)
新NISA成長投資枠0%(非課税)不要不可(損益通算不能)不可(元々非課税)

2023年度税制改正で、所得税と住民税の課税方式を別々に選ぶ「異なる課税方式の選択」は廃止され、令和6年分(2024年)以降は所得税・住民税で同一の課税方式に統一されています。以前は「所得税は総合課税、住民税は申告不要」で最適化できましたが、現在はそれができません。

税率早見表(所得税+住民税)

総合課税を選んだ場合の、給与所得と配当所得を合算した課税所得別の実効税率です。配当控除(所得税10%・住民税2.8%)を差し引いた後の値で示しています。

課税所得所得税率住民税率配当控除後の実効税率源泉徴収との差
〜195万円5%10%約2.2%約-18.1%(総合有利)
195〜330万円10%10%約7.2%約-13.1%(総合有利)
330〜695万円20%10%約17.2%約-3.1%(総合有利)
695〜900万円23%10%約20.2%約-0.1%(ほぼ同等)
900〜1,000万円33%10%約30.2%約+9.9%(分離有利)
1,000〜1,800万円33%10%約35.2%(住民税控除なし)約+14.9%(分離有利)
1,800〜4,000万円40%10%約45%約+24.7%(分離有利)
4,000万円超45%10%約50%約+29.7%(分離有利)

課税所得1,000万円を超える部分の配当所得については、配当控除の率が半減(所得税5%・住民税1.4%)となる点に注意が必要です(所得税法第92条第1項)。

年収別・有利な方式チャート

給与年収の目安(2026年分)推奨方式理由
〜約527万円総合課税+配当控除課税所得195万円以下=所得税5%。実効税率2.2%で20.315%より大幅に有利
約527〜676万円総合課税+配当控除課税所得195〜330万円=所得税10%。実効税率7.2%でなお有利
約676〜1,120万円総合課税+配当控除課税所得330〜695万円=所得税20%。実効税率17.2%で源泉徴収よりわずかに有利
約1,120万円超申告不要 or 申告分離課税所得695万円超で累進が上回るため源泉徴収20.315%が有利
年収問わず(NISA枠内)新NISA配当・売却益ともに完全非課税。優先度最高

年収の区切りは2026年分(令和8年分)の給与所得控除(220万円以下は74万円、〜850万円は段階式、超過分は195万円上限)と基礎控除(合計所得489万円以下104万円/〜655万円67万円/超62万円)、社会保険料を年収の15%として逆算した独身・扶養なしの目安です。改正前(基礎控除48万円・給与所得控除55万円)の同じ表では「〜330万円」「330〜695万円」と、課税所得の区切りをそのまま年収として書いていました。扶養家族や各種控除があれば区切りはさらに上にずれます。ただし、総合課税を選ぶと配当所得が合計所得金額に加算されるため、国民健康保険料・介護保険料・扶養判定・児童手当・保育料が増える可能性があります。特に自営業者・年金生活者・扶養に入っている方は、税額の減少分と社会保険料の増加分を合算して判断する必要があります。

新NISAでの配当非課税化

非課税枠と保有限度額

2024年からの新NISA制度では、成長投資枠(年240万円)とつみたて投資枠(年120万円)の合計で年360万円まで、生涯投資枠は1,800万円(成長投資枠は1,200万円まで)です。この枠内で保有する上場株式・投資信託からの配当金・分配金は、期間無期限で非課税となります。

株式数比例配分方式の選択が必須

NISA口座で日本株の配当を非課税で受け取るには、証券会社の「配当金の受取方法」で株式数比例配分方式を選択している必要があります。銀行振込・郵便局窓口受取・配当金領収証方式のままでは、NISA口座保有株の配当も20.315%が源泉徴収されてしまいます。複数の証券会社でNISAを開設している場合、どこか1社で株式数比例配分方式に変更すると全社に自動反映されます。

高配当株戦略との相性

年間240万円の成長投資枠を配当利回り4%の高配当株に配分した場合、年9.6万円の配当を毎年非課税で受け取れます。20.315%課税との差は約1.9万円/年で、10年で約19万円、生涯枠1,200万円をフル活用すれば年48万円の配当が非課税となり、10年で税額差約97万円のインパクトです。

場面別・具体的な使い方

会社員(年収500万円)の配当30万円

年収500万円・独身なら2026年分の課税所得は約177万円で所得税率は5%です。特定口座(源泉徴収)のままだと手取り約23.9万円。総合課税で確定申告すると実効税率2.2%まで下がり、手取り約29.3万円と約5.4万円有利。ふるさと納税の限度額計算にも配当所得が影響するため、確定申告時の限度額を再計算するのがおすすめ。

専業主婦(配偶者控除対象)の配当

特定口座(源泉徴収)で申告不要のままなら、合計所得金額に含まれず配偶者控除・扶養控除が維持されます。総合課税を選ぶと配当が合計所得に加算され、配偶者控除の判定(2026年分は合計所得62万円以下)を超えると控除が消失するリスクがあるため注意。

高年収者(年収1,500万円)

限界税率が33-40%となるため、総合課税は不利。特定口座(源泉徴収)の20.315%か、値下がり株がある年は申告分離課税で損益通算するのが最適解。

米国株ETF(VYM・SPYD)の配当

米国で10%課税された後、国内で20.315%が課税される二重課税状態。確定申告で外国税額控除を申請すれば、米国課税分の一部を取り戻せます。NISA口座では外国税額控除が使えない点に注意。

個人事業主・フリーランス

事業所得と配当所得を合算しても、国民健康保険料への影響が大きい場合があります。総合課税を選ぶ前に、市区町村ごとの保険料計算式で試算する必要があります。

年金生活者(年金+配当)

公的年金等控除後の合計所得金額が課税の分岐点。配当を総合課税にすると住民税非課税世帯の判定を外れ、後期高齢者医療の保険料や介護保険料が上がるケースがあります。

よくある間違い・注意点

  • NISA口座で株式数比例配分方式を選び忘れる — 銀行振込・郵便局窓口受取のままでは、NISA保有株の配当も20.315%が源泉徴収され非課税メリットが消失します。証券会社の配当受取方式を必ず確認してください。
  • 配当所得を確定申告に含めて社会保険料が上がる — 総合課税を選ぶと合計所得金額に配当が加算され、国民健康保険料・介護保険料が増加。税額の減少分より社会保険料増加分の方が大きくなるケースがあります。
  • 配偶者控除・扶養控除の判定を無視 — 配当を確定申告すると合計所得金額に加算され、合計所得62万円(給与のみなら136万円/2026年分)の基準を超えると控除が消失。専業主婦・学生の配当申告は要慎重判断。
  • 米国株の二重課税を放置 — 米国株ETF・個別株の配当は現地10%+国内20.315%が源泉徴収され、実効税率28.284%。確定申告で外国税額控除を申請しないと約8%分を取り戻せません。
  • NISA枠での売却損を損益通算しようとする — NISA口座の損失は、他の課税口座の利益と損益通算できません。値下がり銘柄をNISAで持ち続けるか、課税口座に移管するかの戦略判断が必要。
  • 2023年度改正で「異なる課税方式」ができなくなったのを知らない — 令和6年分以降、所得税と住民税で違う課税方式を選ぶことは不可。以前の節税テクは無効化されています。
  • 課税所得1,000万円超の配当控除半減を見落とす — 1,000万円を超える部分の配当は、所得税5%・住民税1.4%の配当控除に減額。高所得者の総合課税メリットはさらに小さくなります。

関連する規格・法令

  • 所得税法第92条 ― 配当控除の規定。上場株式配当の総合課税選択時、内国法人配当について所得税10%・住民税2.8%を税額から控除。
  • 租税特別措置法第8条の4 ― 上場株式等の配当所得等の申告分離課税の特例。20.315%(所得税15.315%+住民税5%)の適用根拠。
  • 復興特別所得税法 ― 所得税額に2.1%を加算する時限措置(2013〜2037年)。源泉徴収税率15%×1.021≒15.315%の根拠。
  • 租税特別措置法第37条の14 ― 少額投資非課税制度(新NISA)の非課税措置。年間360万円・生涯1,800万円の非課税投資枠を規定。
  • 所得税法第95条 ― 外国税額控除の規定。米国株など二重課税の緩和措置。
  • 地方税法第32条・第313条 ― 住民税の総合課税・申告分離課税に関する規定。令和6年度から所得税と課税方式が一体化。

参考文献・公的資料

制度の詳細・最新の税率・申告手続きは、以下の公的機関の一次資料を確認してください。

※本ページの計算は概算です。実際の税額は他の所得・控除・年度によって変動します。正確な税額計算・申告方式の選択は、税理士等の専門家、または国税庁「確定申告書等作成コーナー」・お住まいの市区町村の税務担当窓口にご相談ください。特に社会保険料・扶養判定への影響、外国税額控除、複数証券会社での損益通算は個別事情の確認が必要です。

よくある質問(FAQ)

特定口座(源泉徴収あり)なら確定申告は本当に不要?

はい、源泉徴収で課税関係が完結するため確定申告は不要です。ただし、①損失があり他の口座と損益通算したい、②所得税率20%未満で配当控除メリットを享受したい、③外国税額控除を受けたい、④ふるさと納税の限度額を最大化したい場合は、あえて申告する選択肢があります。

NISA口座の配当も源泉徴収される?

配当受取方式が「株式数比例配分方式」以外だと、NISA保有株でも20.315%が源泉徴収されてしまいます。ネット証券なら口座管理画面から数分で変更可能。この設定は全ての証券会社に一括反映される点も要注意です。

総合課税を選ぶと社会保険料に影響する?

影響します。国民健康保険料・介護保険料・後期高齢者医療保険料は「合計所得金額」ベースで計算されるため、総合課税で配当を加算すると保険料が上がる可能性があります。会社員の健康保険料(給与ベース)は影響しません。

配当控除の12.8%はどう計算する?

所得税10%と住民税2.8%の合計です。ただし課税所得1,000万円超の部分については、所得税5%・住民税1.4%(合計6.4%)に半減されます。証券投資信託の配当については、原則として配当控除は所得税5%・住民税1.4%となり、株式配当の半分の率です。

年収500万円で総合課税と源泉徴収どちらが得?

おおむね総合課税+配当控除の方が有利です。2026年分(令和8年分)では年収500万円・独身の課税所得は約177万円で所得税率5%。5%+住民税10%=15%から配当控除12.8%を差し引いた実効2.2%となり、源泉20.315%より約18%分手取りが増えます(改正前は所得税率20%で実効17.2%でした)。ただし社会保険料・扶養判定への影響を必ず確認してください。

米国株の配当は現地で課税される?

はい、米国国内法で10%が源泉徴収された後、日本で20.315%が課税されるため、二重課税状態となります。確定申告で外国税額控除を申請すれば、米国課税分を国内税額から控除できます。NISA口座の場合は外国税額控除が使えない点に注意。

非上場株式(未公開株)の配当は同じ税率?

いいえ、非上場株式(未公開株)の配当は総合課税が原則で、源泉徴収税率も20.42%(所得税20%+復興特別所得税0.42%)と異なります。少額配当(1回10万円以下等の一定要件)は申告不要制度あり。

配当を再投資(DRIP)した場合の課税は?

再投資型でも配当受領時点で課税されます。DRIP(配当再投資プログラム)で税引後の配当が自動的に株式取得に回っていても、税務上は「配当を受け取ってから再投資した」扱いです。

ふるさと納税の限度額に配当所得は含まれる?

特定口座(源泉徴収あり)で申告不要なら含まれません。総合課税・申告分離課税を選んで確定申告すると、合計所得金額に配当所得が加算され、ふるさと納税の控除上限額が上がります。

2023年改正の「異なる課税方式」廃止とは?

令和5年分(2023年)までは「所得税は総合課税で配当控除、住民税は申告不要で5%」という節税テクがありましたが、令和6年分(2024年)以降は所得税と住民税で同じ課税方式に統一されました。従来の節税手法は無効化されています。

ETF・REITの分配金も株式配当と同じ?

上場ETF(投資信託)の分配金は基本的に株式配当と同様に扱われますが、配当控除の率が半分(所得税5%・住民税1.4%)です。REITの分配金は配当控除の対象外で、20.315%の源泉徴収か総合課税(配当控除なし)のいずれか。

特定口座と一般口座、どちらが有利?

ほとんどのケースで特定口座(源泉徴収あり)が有利です。年間取引報告書が自動作成され、源泉徴収で課税完結。一般口座は取得価額の管理・確定申告を自分で行う必要があり、税理士のクライアントや長期保有株の相続対策等の特殊用途以外では選ぶメリットが小さいです。