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水災補償・水害保険 保険料 計算ツール|ハザード等級×構造区分×保険金額で年額試算

火災保険の水災補償特約にかかる年間保険料の目安を、建物保険金額・構造区分(M/T/H)・水災等級(1〜5等)から即算出します。2022年10月に導入されたハザードマップ連動の5段階リスク細分化、床上浸水45cm・地盤面45cm以上という支払基準、地下室・土砂災害への対応、被災後の罹災証明取得と保険金請求手順まで、金融庁・国交省・損害保険料率算出機構の公的資料に基づき解説します。

最終更新:2026-08-05/監修:計算ツールズ編集部

水災補償 保険料 計算機

計算式と料率構造

基本式

年間保険料 = 建物保険金額 × 基本料率 × 構造係数 × 水災等地係数 − 自己負担割引

2022年10月の火災保険参考純率改定により、水災補償の料率は市区町村単位の水災等地(1〜5等地)で細分化されました。損害保険料率算出機構が国交省ハザードマップ・過去被災データを基に設定し、各損保会社がこれを参考に自社料率を決めています。

本ツールの係数(目安)

基本料率は建物保険金1万円あたり年0.08%を起点に、構造係数(M=0.7 / T=1.0 / H=1.6)、水災等地係数(1等=0.6 / 2等=0.8 / 3等=1.0 / 4等=1.4 / 5等=1.9)を乗じます。自己負担額(免責)は1万円で3%、3万円で8%、5万円で12%、10万円で18%の保険料割引を反映しています。

長期一括の割引

火災保険は最長5年契約(2022年以前は10年)で、5年一括払は年払の約4%引、10年一括(旧契約継続分)は約9%引が一般的な水準。長期一括は解約返戻金の面でも有利ですが、途中の料率改定リスクを避けられるメリットが大きいです。

水災等地5段階の意味

2022年10月の改定で、市区町村単位で1〜5等地に区分。損害保険料率算出機構「火災保険参考純率」に基づき、各社は自社の水災料率を設定しています。

等地リスク水準該当地域の例3等地比料率
1等地低(浸水想定なし・高台)山手・丘陵地・内陸台地約0.6倍
2等地やや低河川から離れた平地約0.8倍
3等地標準(全国平均)一般的な市街地1.0倍
4等地やや高河川沿い・低地・海岸近く約1.4倍
5等地高(浸水想定3m以上)ゼロメートル地帯・想定氾濫区域約1.9倍

1等地と5等地では保険料に約3倍の差が生じます。自宅の等地は各保険会社の見積書に記載されるほか、損保料率機構「水災等地検索」で市区町村・郵便番号単位で確認できます。

構造区分M/T/Hの見分け方

構造区分該当建物特徴水災料率係数
M構造コンクリ造マンション・耐火共同住宅耐火建築物・共同住宅・地上2階以上約0.7倍
T構造鉄骨造戸建・省令準耐火木造耐火・準耐火性能あり1.0倍
H構造一般木造戸建非耐火・伝統木造約1.6倍

建物確認済証・登記事項証明書・建築確認申請書に「主要構造部」の記載があります。省令準耐火(T構造)に該当すれば保険料は大きく下がるため、木造でもハウスメーカー系のツーバイフォー等は要確認です。

水災補償の支払基準

水災は台風・集中豪雨・融雪・高潮による洪水・土砂崩れ・落石が対象。多くの契約で以下いずれかで保険金支払い対象となります。

  • 床上浸水 ― 居住スペースの床面より上に浸水(畳・フローリング面が浸かる)。
  • 地盤面から45cm超の浸水 ― 床上に達していなくても、外構の地盤面から45cm超の浸水があった場合。
  • 再調達価額の30%以上の損害 ― 建物・家財の損害額が再調達価額の30%を超えた場合。

支払は「実損払い」型が主流で、損害額から自己負担額を差し引いた金額が支払われます(旧契約の70%型・段階払い型もまだ存在)。地下室・半地下は別途特約が必要で、標準補償に含まれない場合があります。

ハザードマップの活用

自宅の水災リスクは国交省「重ねるハザードマップ」で無料確認可能。以下の情報を重ね合わせで表示できます。

  • 洪水浸水想定区域 ― 想定最大規模の降雨(L2)で予想される浸水深と範囲。
  • 内水氾濫想定区域 ― 下水道・排水路のキャパを超えた市街地内水氾濫。
  • 土砂災害警戒区域(イエロー)・特別警戒区域(レッド) ― がけ崩れ・地滑り・土石流の危険度。
  • 津波浸水想定区域 ― 想定される最大津波での浸水範囲。
  • 高潮浸水想定区域 ― 台風・高潮による沿岸浸水。

浸水想定3m未満なら1階、3〜5mなら2階、5m超なら3階以上が浸水する可能性を意味します。自宅の想定浸水深と建物階数を照合し、保険金額と補償範囲を決定してください。

こんなときに使う

🏠 新居購入・住宅ローン契約時

金融機関から火災保険加入を求められる住宅ローン契約で、水災補償を付けるか外すかの判断材料に。ハザードマップで浸水想定なしの高台なら外す選択も、ゼロメートル地帯なら必須。

🌧️ 火災保険更新時の見直し

5年更新のタイミングで水災等地が変わっていないか、料率改定で保険料がどう変動したか確認。2022年改定・2024年改定と近年頻繁に変更されています。

🏢 マンション購入時の判断

1階・2階の住戸は水災補償を付ける価値大。3階以上は「建物本体は管理組合の火災保険、家財のみ個人加入」の場合も。区分所有の管理規約と個人契約の範囲を確認。

🏘️ 賃貸オーナーの経営判断

アパート・貸家の火災保険で水災補償を付けると保険料が上がる分、災害後の修繕費リスクを軽減。空室率と保険料のバランスで判断。

💰 家計節約・保険料圧縮

低リスク地域(1等地・高台)で水災補償を外せば年間数万円削減可能。ただし土砂崩れは水災補償に含まれるため、山際・崖近くの物件では要注意。

🏭 事業用不動産の保険設計

店舗・倉庫・工場は業務休止による逸失利益もカバーする「企業向け水災補償」の設計に。事業中断保険と組み合わせて総合リスクマネジメント。

主要損保各社の水災補償(参考)

会社特徴再調達価額型
東京海上日動「トータルアシスト住まいの保険」でハザードマップ連動、水災補償は5等地細分化。
損保ジャパン「THE すまいの保険」で水災補償選択制。免責金額を選べる。
三井住友海上「GK すまいの保険」で水災危険度別料率。免責1万〜10万円選択可。
あいおいニッセイ同和「タフ・住まいの保険」で水災・地震セット割引あり。
ソニー損保ネット直販で水災補償のカスタマイズが柔軟。
楽天損保「ホームアシスト」で楽天ポイント還元、水災補償選択可。
共済(JA・県民共済)非営利で保険料安め、ただし水災補償の上限に注意。

各社の水災補償には「実損払い型」「70%型」「一定額型」があります。契約前に約款で支払方式を必ず確認してください。

被災後の請求手順

  1. 安全確保・保険会社への一報 ― まず人命確保、その後保険会社の事故受付センターへ電話またはWebで連絡。
  2. 被害状況の記録 ― 浸水痕・損壊箇所を複数アングルで写真撮影。日時が分かるように新聞や時計と一緒に撮る。
  3. 罹災証明書の取得 ― 市区町村役場で申請。床上浸水・全壊・半壊等の被害区分が公的に認定される。
  4. 修理見積書の取得 ― 業者から詳細見積を取得。相見積が望ましい。
  5. 保険会社の損害査定 ― 保険会社から鑑定人が派遣され、被害額を査定。
  6. 保険金支払い ― 査定完了後、通常1〜3週間で振込。大規模災害時は数ヶ月遅れる場合も。

片付けや修理を急いで、写真も撮らずに証拠が消えるケースが多発します。撮影→保険会社連絡→修理の順を守ってください。

近年の主要水害被害と保険金支払

災害名主被災地損保支払保険金(推定)
20187月豪雨(西日本豪雨)広島・岡山・愛媛約1,956億円
2019台風19号(令和元年東日本台風)長野・福島・宮城・関東約5,826億円
20207月豪雨(令和2年)熊本・鹿児島・岐阜約977億円
20218月豪雨(前線)広島・佐賀・長崎約200億円
2023台風7号・13号・線状降水帯秋田・福島・千葉集計中

近年の水害は「50年に1度」「経験したことのない大雨」が頻発。損保業界の水災保険金支払は増加傾向で、料率改定(2022年10月・2024年)も続いています。

都道府県別の水災リスク傾向

都道府県主なリスク参考等地
東京都(下町・江東5区)ゼロメートル地帯、荒川氾濫4〜5等地
神奈川県(多摩川沿い)多摩川氾濫、内水氾濫3〜5等地
埼玉県(荒川流域)荒川氾濫、内水氾濫3〜5等地
千葉県(利根川流域)利根川氾濫、高潮3〜5等地
大阪府(淀川流域)淀川氾濫、内水、高潮3〜5等地
愛知県(濃尾平野)木曽三川氾濫、ゼロメートル4〜5等地
福岡県(筑後川流域)筑後川氾濫、集中豪雨3〜5等地
広島県(土砂災害)山際急傾斜、土石流土砂特化3〜5等地
長野県(千曲川流域)千曲川氾濫、令和元年台風19号被災3〜5等地
宮城県(沿岸部)津波(地震保険対象)、高潮沿岸1〜3等地

2019年台風19号・2020年7月豪雨・2023年台風13号など、想定外の広域被害が全国で発生。ハザードマップ白地でも近隣被災履歴の確認と加入判断を推奨します。

よくある間違い・注意点

  • 「水害=地震・津波までカバー」と誤解 — 火災保険の水災補償に地震・地震由来の津波は含まれません。地震保険を別途セット契約する必要があります。地震由来の水害(津波・地盤液状化)は水災補償の対象外です。
  • ハザードマップを見ずに契約 — 自宅の水災等地・想定浸水深を確認せずに補償有無を決めると、必要な補償を外したり過剰に付けたりします。国交省「重ねるハザードマップ」で必ず確認しましょう。
  • 地下室・地下車庫が対象外 — 標準の水災補償では地下スペースの家財が支払われない契約があります。地下室特約の有無を約款で確認してください。
  • 床上浸水基準の誤解 — 「床上浸水」は畳・フローリング面より上への浸水を指し、床下だけの浸水は原則対象外。ただし地盤面から45cm超なら支払対象になる特約もあります。
  • 被害写真を撮らずに片付け — 保険金請求では写真が最重要証拠。片付け前・浸水痕が残った状態で複数アングル撮影し、日時が分かる形で保存してください。
  • 免責金額の設定ミス — 自己負担額を10万円に設定すると保険料は下がりますが、小規模被害では保険金がゼロになります。過去の水災被害額と免責のバランスを検討しましょう。
  • 保険金額を土地代込みで設定 — 火災保険の保険金額は「建物再調達価額」であり、土地は対象外です。過大設定は無効となる場合があります。

関連する法令・規約

  • 保険業法 ― 損害保険会社の業務・監督を定める基本法。金融庁が監督官庁。
  • 火災保険参考純率 ― 損害保険料率算出機構が算出・届出する公的な参考料率。2022年改定で水災料率が5等地に細分化。
  • 水防法・河川法 ― 洪水浸水想定区域の指定基準を定める。国交省・都道府県が公表。
  • 土砂災害防止法 ― イエロー・レッドゾーンの指定と重要事項説明義務。
  • 宅地建物取引業法35条 ― 不動産取引時のハザードマップ説明義務(2020年8月改正)。
  • 災害対策基本法 ― 罹災証明書の交付根拠。市区町村長が交付。
  • 地震保険に関する法律 ― 地震・津波は地震保険の担当。火災保険とは別制度。

参考文献・公的資料

水災補償の最新料率・ハザードマップ・法令の詳細は以下の公的機関でご確認ください。

※本ページの試算は損害保険料率算出機構の公表料率を参考にした簡易計算であり、実際の保険料は各損保会社の独自料率・特約・築年数・所在地・エリア割引などで大きく変わります。契約前には必ず複数社の正式見積を取得し、約款・重要事項説明書を確認してください。特に地震・津波・地盤液状化は火災保険の水災補償の対象外です(地震保険で別途対応)。

よくある質問(FAQ)

水災補償は必ず付けるべき?

ハザードマップで浸水想定なし・土砂災害区域外・海抜10m以上ならば外すことで年間数万円節約できます。逆にゼロメートル地帯・河川近く・崖下・想定浸水3m超の地域では付帯を強く推奨。マンションの3階以上でも地下車庫や共用部の被害を考えると管理組合契約の内容を要確認。

ハザードマップはどこで確認?

国交省「重ねるハザードマップ」(disaportal.gsi.go.jp)で郵便番号・住所検索が可能。洪水浸水想定・内水氾濫・土砂災害・津波・高潮を重ね表示できます。市区町村独自のマップも自治体HPで公開されており、こちらの方が詳細な場合もあります。

床上浸水45cm基準とは?

多くの契約で「地盤面から45cm超の浸水」または「建物・家財の再調達価額の30%以上損害」を支払条件としています。畳・フローリング面より上の浸水があれば「床上浸水」として認定されます。実損払い型では損害額から自己負担額を差し引いた実損金額が支払われます。

地震による津波は水災補償の対象?

対象外です。地震・噴火・地震由来の津波は地震保険の担当で、火災保険の水災補償には含まれません。ゼロメートル地帯・沿岸部では地震保険の付帯を強く推奨します。地震保険は火災保険とセット契約のみ可能で、単独加入はできません。

土砂災害・崖崩れは水災補償で払われる?

台風・豪雨・融雪による土砂崩れ・落石・地滑りは水災補償の対象。ただし地震由来の土砂崩れは地震保険の担当です。山際・崖下・急傾斜地の物件では水災補償の付帯を推奨します。土砂災害警戒区域指定は不動産取引時の説明義務対象。

地下室・地下車庫は補償対象?

標準の水災補償では対象外の契約があり、地下室特約を別途付帯する必要があるケースが多いです。半地下住宅・地下車庫・地下収納がある物件は、約款で「地階の家財・設備」の記載を必ず確認してください。

5年一括払いはどれくらい割引される?

火災保険は最長5年契約で、5年一括払で年払の約4%割引が一般的水準です。旧10年一括契約では約9%割引でしたが、2022年10月以降新規は5年が上限。長期契約は途中の料率改定リスクを避けられるメリットも大きいです。

被災後の請求はいつまで?

保険法により被災から3年以内が請求権の時効。ただし被害状況の確認・鑑定が困難になるため、被災から30日以内の保険会社への連絡が実務上推奨されます。罹災証明書と被害写真は必須書類です。

賃貸の借り手も水災保険に入る?

借家人は建物本体の水災補償は不要(オーナー加入)ですが、家財保険で水災補償を付帯できます。1階・地下階・低地の物件では家財の水災補償を推奨。家財500万円で年数千円〜1万円程度が相場です。

ハザードマップが「白地」なら補償不要?

白地でも内水氾濫・下水道逆流・想定外降雨による浸水はゼロではありません。近年の局地的豪雨は想定を超えるケースが増えており、周辺の過去被災履歴も確認してください。市区町村の防災担当部署に過去10年の被害履歴を照会するのも有効です。

火災保険と共済の違いは?

共済(JA・県民共済・全労済等)は非営利で保険料が安めですが、水災補償の内容や支払限度額が民間損保より狭い場合があります。契約約款で水災補償の支払要件・限度額を比較確認してください。特に高額物件・浸水リスク高地域では民間損保が有利なケースが多いです。

保険金は課税される?

個人の住宅火災保険金は非課税(所得税法・相続税法上)。事業用の場合は事業所得・不動産所得の収入計上と修繕費の必要経費計上で相殺します。詳細は税理士または国税庁タックスアンサーで確認してください。