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災害保険 請求 計算ツール|地震・火災・水災の支払率と受取額を即算出

地震・火災・水災・風災による建物・家財の損害保険金を、保険金額と被害区分から即算出。地震保険の4区分(全損100%・大半損60%・小半損30%・一部損5%)と、火災保険の実損てん補・比例てん補両方に対応。査定日数の目安、罹災証明書の取得、必要書類、時効3年、税務(非課税)、被災者生活再建支援金との併給まで、財務省・金融庁・損保協会・内閣府防災の公的資料に基づき解説します。

最終更新:2026-08-05/監修:計算ツールズ編集部

災害保険 請求 計算機

計算式と支払率の考え方

地震保険の基本式

受取保険金 = 保険金額 × 支払率(被害区分別)

地震保険は「地震保険に関する法律」に基づく官民一体の保険で、支払率は被害区分ごとに固定されています。全損100%・大半損60%・小半損30%・一部損5%の4段階(2017年1月改定後)。改定前契約は3区分(全損100%・半損50%・一部損5%)で運用されています。保険金額は火災保険金額の30〜50%の範囲で設定でき、建物5,000万円・家財1,000万円が上限です。

火災保険の基本式(実損てん補)

受取保険金 = min(実損額, 保険金額) − 免責金額

火災保険は原則実損てん補で、修復にかかった実費(見積書または領収書)を上限額まで支払います。免責金額(自己負担)は0円、5万円、10万円などの選択制で、免責を高くするほど保険料は下がります。

火災保険の基本式(比例てん補)

受取保険金 = 実損額 × (保険金額 ÷ 時価 × 80%基準)

時価保険で保険金額が時価の80%未満の場合、比例てん補となり実損より少額の支払になります。新価(再調達価額)特約付き契約であれば、経年劣化を無視して新品価格で支払われるため、比例てん補は発生しません。2010年以降の一般家庭向け火災保険は新価特約が標準です。

地震保険 4区分の判定基準

損害保険料率算出機構が定める「地震保険損害認定基準」に基づき、建物と家財それぞれで区分判定します。

区分建物:主要構造部の損害割合建物:焼失・流失面積家財:損害割合支払率
全損50%以上延床面積の70%以上80%以上100%
大半損40〜50%未満延床面積の50〜70%未満60〜80%未満60%
小半損20〜40%未満延床面積の20〜50%未満30〜60%未満30%
一部損3〜20%未満床上浸水または地盤面から45cm超浸水10〜30%未満5%

建物の主要構造部(基礎・柱・壁・屋根)の損害割合を鑑定人が現地査定して判定します。家財は品目別損害額を積み上げて算定するのが原則ですが、被災件数が多い大災害時は5品目分類(食器類・電気器具・家具類・その他家財・身の回り品)による簡易査定も併用されます。

火災保険 実損てん補・比例てん補の違い

火災保険は火災・落雷・破裂爆発・風災・雹災・雪災・水災・水濡れ・物体飛来・盗難など多岐にわたる災害を対象とし、契約プラン(住宅総合保険・住宅火災保険・オールリスク型)ごとに補償範囲が異なります。

方式特徴対応商品
新価(再調達価額)実損てん補経年劣化を無視し、新品同等品への修理・買替費用を全額支払(上限内)2010年以降の主要商品(THE すまいの保険、GKすまいの保険など)
時価実損てん補経年劣化控除後の時価額を支払。旧型契約1990年代以前の長期火災保険、一部の団体扱契約
比例てん補保険金額 ÷ (時価×80%) の比率でカット。時価保険で保険金額が不足の場合旧型契約・積立火災保険
定額払被害額に関わらず固定額を支払(見舞金・特約)臨時費用保険金(実損の10%等)、地震火災費用保険金(建物5%上限)

新価特約付き契約であれば、築30年の木造住宅の屋根が全損しても新築同等の屋根に葺き替える費用を全額受け取れます。契約書の証券記載事項で「再調達価額(新価)」なのか「時価額」なのかを必ず確認してください。

請求手続きの流れ

STEP1:損保会社へ連絡(被災後すぐ)

まず加入している損保会社の事故受付センターへ電話。マイページ・アプリからの受付も可能。連絡時に証券番号・被害状況・発生日時を伝え、事故受付番号を控えます。連絡が遅れると請求権時効(3年)や証拠散逸のリスクがあるため、被災当日〜1週間以内が理想。

STEP2:罹災証明書の取得(自治体)

被災地の市区町村役場へ罹災証明書を申請。台風・地震などの広域災害では、内閣府防災の「災害の被害認定基準」に基づき自治体職員が全戸調査を実施。都市部の火災は消防署の「火災罹災証明」を取得。地震保険は損保会社の鑑定人査定で判定されるため、罹災証明書は火災保険や公的支援金に必要な書類です。

STEP3:現地査定(鑑定人立会い)

損保会社から派遣される鑑定人(損害保険登録鑑定人)が現地を訪問し、被害箇所・程度を確認。写真撮影・計測・修理見積確認を実施。大災害時はドローン航空写真や衛星画像を活用した簡易査定も併用され、査定期間を短縮します。地震保険は原則2週間以内、一般火災保険は1ヶ月以内が目安。

STEP4:保険金支払い

査定完了後、契約者指定口座へ振込。地震保険は査定完了から約1週間、火災保険は約2週間で入金が一般的。金融庁の指針では「速やかに支払う」義務があり、支払遅延には遅延損害金(法定利率年3%)が加算されます。

必要書類チェックリスト

書類取得先用途
保険金請求書損保会社正式な請求手続き
事故状況説明書契約者記入被害経緯・発生日時の説明
罹災証明書市区町村役場被害区分の公的証明(火災保険・支援金用)
被害写真(全景・箇所別)契約者撮影査定資料。被災直後の撮影が重要
修理見積書工務店・専門業者修理費用の証明。実損てん補計算
建物の登記事項証明書法務局建物所有権の確認(全損時)
印鑑証明書市区町村役場500万円超の請求時に必要な場合あり
本人確認書類契約者運転免許証・マイナンバーカード等
銀行口座情報契約者保険金振込先
家財リスト(家財請求時)契約者作成家財被害の内訳(品目・購入時期・金額)

大規模災害時は簡易請求(自己申告制)が導入されることがあり、被害写真とスマホアプリ申請のみで数十万円までは即時支払されるケースもあります(2016年熊本地震・2019年令和元年台風19号など)。

査定日数の目安(保険種別・災害規模別)

ケース連絡〜査定査定〜支払合計目安
地震保険(通常時)1〜2週間1週間約2〜3週間
地震保険(大規模地震)1〜3ヶ月1〜2週間約1.5〜3.5ヶ月
火災保険(火災事故)2〜3週間2週間約1〜1.5ヶ月
火災保険(風水害)2週間〜1ヶ月2週間約1〜1.5ヶ月
火災保険(広域風水害)1〜2ヶ月2〜3週間約1.5〜2.5ヶ月
簡易請求(一部損レベル)数日1週間約10日

能登半島地震(2024年1月)では、日本損害保険協会集計で発災後3ヶ月時点で約85%が支払完了。査定効率化のため、スマホによる被害写真アップロード・オンライン査定が普及しています。

公的支援との併給

保険金と別枠で受け取れる公的支援があります。多くは併給可能ですが、支援金の趣旨により相殺されるケースもあります。

制度金額要件保険金との関係
被災者生活再建支援金(基礎+加算)最大300万円全壊・大規模半壊・半壊解体・長期避難併給可
災害弔慰金500万円/最大250万円災害による死亡・生計維持者併給可
災害障害見舞金250万円/125万円災害による重度障害併給可
災害援護資金貸付最大350万円負傷または住居家財の被害併給可(貸付)
住宅金融支援機構 災害復興融資建設1,680万円・購入2,650万円等罹災証明あり併給可
地方自治体独自の見舞金数万〜数十万円自治体ごと併給可(自治体条例による)
雑損控除・災害減免法所得税還付災害による資産損失保険金差引後で計算

実務での活用シーン

地震被災時の初動判断

震度5強以上の地震直後、家屋・家財の被害を目視確認し、支払率の目安を試算。全損なら建替え・大半損なら大規模修繕・小半損なら部分修繕・一部損なら見舞金相当と、次のアクション(仮住まい確保・工務店手配・住宅ローン繰上返済相談)を早期に決定できます。

火災事故後の請求準備

失火・もらい火・放火などによる火災。実損てん補契約なら修理見積額を上限とした満額請求、比例てん補契約なら受取見込額を試算して不足分の資金調達計画を立てます。臨時費用保険金(実損の10%・上限100万円)は自動付帯で仮住まい費用に充当できます。

台風・水害被災時の家財請求

床上浸水は火災保険の水災補償(オプション)対象。家財1点あたり30万円超の高額品は明細記載必要。被災前の家財リスト・購入時レシート・写真が請求成功の鍵。日本損害保険協会の「家財損害品目リスト」を活用すると、抜け漏れなく請求できます。

大規模災害後の資金繰り

保険金入金までの1〜3ヶ月間、仮住まい家賃・食費・当面の生活費が必要。地震保険は支払迅速化のため簡易請求制度あり。火災保険も「概算払い」制度で総額の一部を先行受取可能。住宅金融支援機構の災害復興融資と組み合わせて資金繰りを設計。

賃貸契約者(借家人)の家財請求

賃貸物件でも借家人賠償責任保険と家財保険は加入義務(または実質必須)。地震・火災による家財損害は家財保険から、失火で大家に損害を与えた場合は借家人賠償保険から支払。契約時の家財評価額(300〜500万円が標準)を保険金額として設定。

企業・店舗の事業用建物・什器

企業火災保険・地震危険担保特約付き契約で、店舗・工場・機械設備・在庫商品の損害を補償。休業損失(利益保険・営業継続費用保険)も併用可。BCP(事業継続計画)策定時に保険金試算を財務モデルへ組み込むのが実務標準。

よくある間違い・注意点

  • 被害写真の撮影不足で査定不利 — 全景・箇所別・室内外の写真を最低30枚以上、被災直後(1週間以内)に撮影。修理・撤去後は査定困難になるため、必ず撮影後に片付けます。日付入り撮影がベスト。
  • 罹災証明書と地震保険は別査定 — 罹災証明書は市町村の被害認定(内閣府基準)。地震保険は損保鑑定人の査定(損保料率機構基準)。両者の判定は必ずしも一致しません。地震保険は独立して請求してください。
  • 時価契約と新価契約の混同 — 築25年の木造家屋が全損。時価契約なら経年劣化で建物評価30%まで下がっているため保険金も低額。新価契約なら新築相当額を受取れます。証券で必ず「再調達価額(新価)」表記を確認。
  • 時効3年を経過すると請求権消滅 — 保険法第95条により、保険金請求権は原則3年で時効消滅。災害後の混乱で放置しがちですが、事故受付だけでも3年以内に済ませてください。金融庁も時効起算日の通知徹底を損保各社に指導。
  • 免責金額の設定を忘れる — 免責5万円契約で修理費4万円だと保険金ゼロ。契約時の免責選択と支払要件を証券で確認してください。地震保険は原則免責なし(定率控除方式)ですが、火災保険は免責選択制。
  • 比例てん補で満額もらえると誤解 — 保険金額が時価の80%未満だと、実損額×(保険金額÷(時価×80%))の比例計算。時価800万円・保険金額400万円の契約で修繕費100万円だと受取は約63万円のみ。適正な保険金額設定が重要。
  • 公的支援金と重複相殺の誤認 — 被災者生活再建支援金・災害弔慰金は保険金と併給可能。「もらい過ぎ」の心配なく両方申請してください。ただし雑損控除は保険金控除後の残損害に対して適用。

関連する法令・規約

  • 地震保険に関する法律(昭和41年法律第73号) ― 官民一体の再保険制度の根拠法。保険金額上限・支払率区分を規定。
  • 保険法(平成20年法律第56号) ― 保険契約全般の民事ルール。保険金請求権の時効(第95条)、告知義務(第4条)等。
  • 保険業法 ― 損保会社の業務規制。金融庁による監督・報告徴求権限の根拠。
  • 災害対策基本法・被災者生活再建支援法 ― 公的支援金の給付要件・金額。内閣府防災担当所管。
  • 災害の被害認定基準(内閣府) ― 罹災証明書の判定基準。全壊・大規模半壊・中規模半壊・半壊・準半壊・一部損壊の6区分。
  • 地震保険損害認定基準(損保料率機構) ― 地震保険の4区分判定基準。保険業界統一。
  • 所得税法第72条(雑損控除) ― 災害による損失の所得控除。保険金差引後の残損害が対象。
  • 災害減免法 ― 所得税の軽減・免除。年収1,000万円以下で住宅・家財被害が時価1/2以上のケース。

参考文献・公的資料

正確な請求手続き・支給要件・最新情報は、以下の公的機関の一次資料を参照してください。

※本ページの計算結果は、公開情報に基づく概算値です。実際の受取保険金は契約内容(証券記載事項)・免責金額・特約・鑑定人の査定結果によって異なります。正式な金額確定は必ず加入保険会社の書面通知および担当者確認をもって行ってください。公的支援金・税制優遇の申請可否は自治体窓口・税務署に確認を推奨します。

よくある質問(FAQ)

地震保険の請求手順は?

連絡→鑑定人査定→支払の3ステップ。損保会社の事故受付センターへ電話またはアプリで連絡→鑑定人が現地査定(通常時2週間以内)→区分判定に基づき保険金額×支払率(全損100%・大半損60%・小半損30%・一部損5%)を指定口座振込。大規模地震時は簡易請求(自己申告制)も選択可。

罹災証明書はどこで発行される?

被災地の市区町村役場で申請・発行(内閣府防災の運用指針に準拠)。台風・地震等の広域災害では自治体職員が家屋調査を実施し、全壊・大規模半壊・半壊・一部損壊等の区分を判定。地震保険の査定は独立して損保鑑定人が行うため、両者の判定は一致しないこともあります。

必要書類は何?

保険金請求書・事故状況説明書・罹災証明書・被害写真・修理見積書が基本。500万円超は印鑑証明も。家財請求時は家財リストが必要。大規模災害時は簡易請求で写真のみでも受付可能なケースあり。

保険金は税金がかかる?

原則非課税(所得税法第9条・相続税法の非課税財産)。損害てん補目的の保険金は経済的損失を補うもので所得ではありません。ただし、事業用資産の保険金で減価償却済み帳簿価額を超える部分は圧縮記帳の対象になります。

請求期限(時効)はいつまで?

保険法第95条により原則3年(発生日から起算)。実務上、事故受付だけでも早期に完了させれば時効中断効果があります。時効経過後の請求は原則却下されるため、被災後は速やかに損保会社への連絡を推奨。

火災保険の実損てん補と比例てん補の違いは?

実損てん補は修理費実費を上限額まで支払(新価契約が標準)。比例てん補は保険金額÷(時価×80%)の比率でカット、時価契約で保険金額が不足の場合に発生します。2010年以降の一般家庭向け契約は新価特約が標準で、比例てん補は原則発生しません。

被災者生活再建支援金と併給できる?

併給可能。保険金と支援金は性格が異なる(民間契約 vs 公的支援)ため相殺されません。全壊・大規模半壊等で最大300万円受給可。罹災証明書を持って市区町村窓口で申請してください。

賃貸住宅の場合はどうする?

建物本体は大家(貸主)の火災保険から、家財は借家人(借主)の家財保険から支払。借家人賠償責任保険は借主の失火で大家に損害を与えた場合の賠償責任を補償。賃貸契約時に加入することが多く、年5,000〜10,000円程度。

地震保険を後から追加できる?

火災保険加入中いつでも中途付帯可能。単独加入はできません(火災保険とセット)。地震保険の保険金額は火災保険金額の30〜50%(建物5,000万円・家財1,000万円上限)。保険料は都道府県別料率で北海道・関東・東海が高く、九州・四国が低め。

水災補償は必ず付いている?

火災保険のパッケージ型商品では選択制(外すと保険料が下がる)。マンション上層階では水災リスクが低いため外す選択もあり。台風・豪雨リスクの高い地域(河川近傍・低地)は必ず付けてください。ハザードマップで浸水想定を確認。

査定金額に納得できないときは?

まず再査定を書面で依頼。改善しない場合はそんぽADRセンター(一般社団法人 日本損害保険協会)で無料の紛争解決手続きが可能。それでも解決しない場合は裁判所の民事調停・訴訟。国民生活センターや弁護士会の災害無料相談窓口も活用してください。

写真は何枚くらい撮ればいい?

最低30枚以上推奨。全景(建物外観・室内)、被害箇所別(屋根・外壁・窓・室内壁天井・家財)、日付表示・スケール(定規等)入りの詳細写真をセットで。修理・片付け前に必ず撮影。動画も併用するとより確実です。