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糸番手デニールTex紡績織物

糸番手・デニール・Tex換算 計算ツール|綿番手Ne・毛麻Nm・化繊D・SI単位の相互変換

綿番手(Ne)・毛麻番手(Nm)・デニール(D)・Tex・dtexを瞬時に相互換算。紡績・織物・編物・化繊・不織布・縫製・アパレル資材調達で必須の糸太さ管理を、JIS L 0101・ISO 2060・ISO 1144の国際規格に照らして解説します。番手表記の混同による発注ミス、素材切替時の設計変更、輸入生地の仕様書読解などに、この完全ガイドをご活用ください。

最終更新:2026-08-08/監修:計算ツールズ編集部

糸番手・デニール・Tex換算計算機

番手・繊度の計算式

基本式

Tex = 質量 g ÷ 長さ km(=1000m当たりのg数)
デニール(D) = 質量 g ÷ 長さ 9000m
綿番手(Ne) = 長さ 840yd(≒768.1m) ÷ 質量 1lb(453.6g)
Tex ⇔ D: Tex = D ÷ 9
Tex ⇔ Ne: Ne = 590.5 ÷ Tex

糸番手とは

糸の太さを表す指標。糸は繊維の集合体で断面が不規則なため直径ではなく単位長さあたりの質量(または単位質量あたりの長さ)で規格化されています。歴史的に業界(綿・毛・麻・絹・化繊)ごとに独自の単位が発達し、現在も混在しているため、換算スキルが実務で必須です。

SI単位系Tex(テックス)

1961年にISOで規定されたSI単位系の糸繊度単位。1000m当たりの質量(g)。国際規格ISO 1144で定義され、化繊・産業用繊維で世界標準化が進行。1dtex(デシテックス) = 0.1 tex で、化繊分野ではdtex表記が一般的。Tex系は数値が大きいほど太糸で、直感的に理解しやすいのが利点。

番手方式の体系(恒重式・恒長式)

番手には2つの方式があり、混同すると計算方向を誤ります。

恒重式(数値大=細糸)

単位基準用途分野
綿番手(Ne, English Cotton Count)1ポンド(453.6g)当たり840ヤード束の本数綿糸・スパン紡績糸(日本・米国・英国)
毛番手(Nm, Metric Count)1kg当たり1000m束の本数(1g当たり1m)羊毛・アクリル・混紡糸(欧州・日本)
麻番手(NeL, Lea)1ポンド当たり300ヤード束の本数亜麻・大麻・ラミー
絹番手(Nk)1000ヤード当たり0.05g束の本数絹糸(主に生糸以外)

恒長式(数値大=太糸)

単位基準用途分野
デニール(D)9000m当たりの質量g絹・化繊フィラメント(ナイロン・ポリエステル)
Tex1000m当たりの質量gSI単位系、化繊・産業用繊維(全世界)
dtex(デシテックス)10000m当たりの質量g(=Tex/10)化繊フィラメント(日本・欧州の主流)
ミリテックス(mtex)1000m当たりの質量mg(=Tex×1000)極細繊維(マイクロファイバー)

恒重式は「数値大=細い」(綿100番はTシャツ40番より細い)、恒長式は「数値大=太い」(ナイロン30デニールストッキングより60デニールが太い)。この方向性を混同すると、生地の風合い・強度が全く異なる仕上がりになります。

主要番手の比較早見表

実務で頻用する糸の番手対応表です。JIS L 0101・ISO 2060の換算式に基づき算出。

綿番手(Ne)毛番手(Nm)Texデニール(D)dtex用途例
11.69590.553145905ロープ・帆布
58.511810631181デニム・厚手綿
101759531590デニム・キャンバス
162737332369ワークシャツ・厚手Tシャツ
203430266295ヘビーTシャツ・スウェット
305120177197Tシャツ・カットソー
406814.8133148Tシャツ・薄手カットソー
508511.8106118薄手カットソー・肌着
601019.88998ドレスシャツ
801357.46674高級シャツ・ブラウス
1001695.95359高級シャツ・ハンカチ
1202034.94449超高級シャツ
1502543.93539ボイル・オーガンジー
2003393.02730超高級シャツ・レース

綿番手と用途早見

綿糸の場合、番手番号で仕上がる生地の風合いがおおむね決まります。以下は綿100%の場合の目安。

用途推奨綿番手生地目付(g/m²)目安特徴
厚手デニム(14oz以上)7〜10番400〜500ハードデニム、ワーク用
標準デニム(12〜14oz)10〜16番350〜400ジーンズ標準
キャンバス・帆布10〜20番300〜500バッグ・靴・テント
スウェット・トレーナー16〜30番250〜350裏毛・裏起毛
Tシャツ標準30〜40番150〜200天竺編み・カットソー
薄手Tシャツ・肌着40〜60番120〜150吸汗性・肌ざわり良
ワイシャツ・ドレスシャツ50〜100番100〜150ブロード・ポプリン
高級シャツ・ブラウス100〜200番60〜100光沢・柔らかさ
超高級シャツ・ハンカチ140〜300番50〜80肌触り極上・希少

デニールと化繊用途

化繊フィラメント糸の代表用途とデニール(dtex)の対応表。ストッキング・タイツ・スポーツウェア・カーペット等の設計に。

用途デニール(D)dtexTex特徴
ストッキング(サマー)10〜20D11〜221.1〜2.2透け感・軽量
ストッキング(標準)30〜40D33〜443.3〜4.4春秋の定番
タイツ(春秋)60〜80D66〜896.6〜8.9透け感控えめ
タイツ(冬)110〜160D122〜17812〜18厚手・保温
裏地・ライニング50〜100D56〜1115.6〜11薄手・軽量
スポーツウェア(表地)75〜150D83〜1678.3〜17耐久性・伸縮性
アウトドアウェア150〜300D167〜33317〜33耐摩耗・撥水
バックパック生地420〜1000D467〜111147〜111Cordura・帆布代替
カーペット1000〜3000D1111〜3333111〜333耐摩耗・柔軟性
タイヤコード1500〜3000D1667〜3333167〜333ナイロン・ポリエステル・スチール補強

生地重量・強度との関係

糸番手は生地の目付(g/m²)・強度・風合い・染色性・コストのすべてに直接影響します。設計時の主要因子です。

目付との関係

同じ織物組織(平織り・綾織り等)であれば、糸が太いほど(綿番手が小さい/デニール大)生地目付が大きくなります。目付の概算式:目付(g/m²) ≒ (経糸密度 + 緯糸密度) × Tex ÷ 10。詳細計算は布帛重量(GSM)計算ツールで。

強度との関係

糸の引張強度は糸太さ(Tex)に概ね比例。ただし、単純な倍数関係ではなく、繊維種・撚数・単糸/双糸の違いで大きく変わります。デニム・ジーンズは太糸(10〜20番)で強度確保、シャツは細糸(60〜100番)で柔らかさ優先、という設計思想。

コストとの関係

細糸(綿120番以上、化繊15D以下)は原料の高級長繊維(スーピマ綿・エジプト綿)を使用し、紡績工程が精密なため、コストが番手比を大きく超える割合で上昇。高級シャツ100番→200番で単価が3〜5倍になることも珍しくありません。

業界での応用

紡績業(綿・毛・麻・混紡)

原綿・原毛からの糸生産の品質管理指標。番手値のばらつき(CV%)、単糸強度、伸度、撚数を統計管理し、JIS L 1015・L 1017の試験規格に基づき品質保証。国内では東洋紡・シキボウ・ダイワボウなどが老舗、日本紡績協会が業界統計を公表。

織物・編物設計

経糸・緯糸の番手と密度(本/inch, 本/cm)で生地の目付・厚み・風合いが決定。アパレル資材メーカーは番手表記付きの生地見本帳を作成、ブランドの企画部が生地選定に使用。JIS L 1096「一般織物試験方法」で目付・厚み・強度の統一的評価が可能。

化繊メーカー(ポリエステル・ナイロン)

フィラメント糸のデニール・dtex指定生産。ストッキング(20D)、スポーツウェア(150D)、カーペット(1000D)等の用途別ラインナップ。東レ・帝人・旭化成・ユニチカが国内主要メーカー。デニール表記が業界慣習だが、SI単位のdtex移行が進行中。

不織布・産業資材

マスク・オムツ・フィルター・自動車内装等の不織布素材は、原料繊維のデニールと目付で性能が決定。JIS L 1913「一般不織布試験方法」に基準化。医療用N95マスクはメルトブロウン不織布の細デニール繊維(1D以下)で微粒子捕集性能を実現。

アパレル資材調達・輸入

海外(中国・ベトナム・トルコ・イタリア)の生地・糸調達時、番手表記が混在。イタリアはNm(毛番手)、中国は綿番手英式/仏式、米国は綿番手英式、日本メーカーはNe/Tex/D併記が慣習。仕様書解釈ミスが発注ミス・納品トラブルの原因に。

縫製業・ミシン糸選定

ミシン糸(手縫い糸、家庭用/工業用)は綿番手または番手(30番、60番)で表示。生地の厚み・素材・用途(表地・裏地・ボタン付け)に応じた番手選定が仕上がりの美観と耐久性を左右。工業用は#50、#60、#80が汎用サイズ。

よくある間違い・注意点

  • 番手方向を混同(綿番手とデニール) — 綿番手は数値大=細糸、デニールは数値大=太糸で方向が逆。「40番の綿糸」は細めのTシャツ用、「40デニールの化繊糸」はストッキング用と全く違う太さです。
  • 綿番手と毛番手を同一視 — 綿番手(Ne)は840yd/lb基準、毛番手(Nm)は1000m/kg基準で、同じ「40番」でも太さが約1.7倍違う。羊毛イタリア生地の「40Nm」を「綿40番」と誤認するとまるで違う厚みに。
  • 単糸と双糸(合糸)の表記混同 — 「60/2」は60番の単糸を2本合わせた双糸で、実質太さは30番相当。表記は「番手/合糸本数」の順が国際慣習だが、逆記載する国・メーカーもあり要注意。
  • デニールとdtexの単純混同 — dtex = デニール × 10/9(≒1.11倍)。カタログの「30デニール」と「30dtex」は約1割違う太さ。特に化繊フィラメントの輸入品仕様書で混乱が発生。
  • 混紡糸の番手を成分平均で計算 — 綿60%+ポリエステル40%の混紡糸は、最終製品としての番手表記(Ne)で管理するのが慣習。成分別の理論値と混同すると発注ミスに。
  • 糸強度を番手だけで判断 — 同じTex値でも、繊維種(綿・毛・ナイロン・ポリエステル・アラミド)で強度は10倍以上変わる。ケブラー(アラミド)は綿の5倍以上の強度。
  • 目付計算で密度単位を混同 — 経糸/緯糸密度の「本/inch」と「本/cm」を混同すると目付が2.54倍(または1/2.54)ずれる。JIS表記は本/cm、輸入生地はinch表記も多く要注意。

関連規格・法令

  • JIS L 0101 ― 糸の番手及び太さの表し方。日本国内での番手表記の標準規格。綿番手・毛番手・Tex・デニールの定義と換算式を規定。
  • JIS L 1013 ― 化学繊維フィラメント糸試験方法。デニール・dtex測定手順・引張強度・伸度試験。
  • JIS L 1015 ― 化学繊維ステープル試験方法。カットステープルの繊度・強度・長さ試験。
  • JIS L 1017 ― 化学繊維タイヤコード試験方法。タイヤ補強コードの繊度・強度規格。
  • JIS L 1095 ― 一般紡績糸試験方法。綿・毛・麻・混紡糸の番手・強度・撚数試験。
  • JIS L 1096 ― 織物及び編物の生地試験方法。目付・厚み・強度・伸度の統一試験。
  • JIS L 1913 ― 一般不織布試験方法。目付・強度・通気度など。
  • ISO 1144 ― Textiles - Universal system for designating linear density (Tex System). Tex単位系の国際定義。
  • ISO 2060 ― Textiles - Yarn from packages - Determination of linear density (mass per unit length) by the skein method. かせ法による繊度測定。
  • 家庭用品品質表示法 ― 衣料品への繊維組成表示義務(消費者庁)。番手表示は義務ではないが、業界の商習慣として広く記載。

参考文献・公的資料

より正確な換算値・詳細な試験手順・業界統計は以下の公的機関・業界団体を参照してください。

※本ページの換算値は理論式に基づく概算です。実際の糸の番手は測定誤差(CV%)・撚数・湿度による寸法変化・混紡比率で変動します。取引・仕様書作成・品質検査では、JIS L 1013・JIS L 1095等の規格に準拠した実測値と、メーカー発行の試験成績書を優先してください。輸入品の番手表記は国・地域で慣習が異なるため、発注前にメーカーへの確認を推奨します。

よくある質問(FAQ)

綿40番は何デニール?

綿40番(Ne 40) ≒ Tex 14.8 ≒ 約133デニールです。計算:Tex = 590.5/40 = 14.76、デニール = Tex × 9 = 132.8。ただし化繊のフィラメント糸で「133デニール相当」の糸は太めで、実際の用途は綿糸とは異なります(Tシャツ用綿40番 vs スポーツウェア用ポリエステル150デニールなど)。

綿番手とデニールで方向性が違う理由は?

綿番手は恒重式(単位重量あたりの長さ)で、細い糸ほど1ポンドから長い糸が取れるので番手が大きくなる。デニールは恒長式(単位長さあたりの重量)で、太い糸ほど9000mの重量が大きくなるので数値が大きい。歴史的に綿業と絹業で計量方式が異なった名残です。

Texとdtexの違いは?

1 Tex = 10 dtex。Texは1000m当たりのg、dtexは10000m当たりのgで、dtexはTexの1/10。デシテックスとも呼びます。化繊業界(特に日本・欧州)ではdtexが主流、産業用繊維はTexが標準的です。

「60/2」の表記の意味は?

綿60番の単糸を2本合わせた双糸(合糸、Ply)を意味します。実質太さは30番相当。ドレスシャツ・スーツ生地に多用され、単糸より強度・耐久性・光沢が向上します。「50/3」なら50番を3本合わせた三合糸で16.7番相当。

混紡糸の番手はどう決まる?

綿60%+ポリエステル40%等の混紡糸は、最終製品としての実測繊度(Tex)に基づき綿番手表記するのが慣習。理論的には成分別の質量比で計算しますが、実務では標準サンプルの実測値に基づき番手を確定します。

高級シャツの糸番手は?

100〜200番が一般的高級シャツ、200〜300番が超高級品です。番手が上がるほど原料の長繊維綿(スーピマ・エジプト綿・海島綿)が必須になり、紡績工程の精密度が要求されるため、単価は指数関数的に上昇します。

ジーンズの糸番手は?

デニムは10〜20番の太糸が一般的。14oz以上のヘビーデニムは7〜10番、標準12〜14ozは10〜16番、ライトオンス(10oz以下)は16〜20番。太糸使用が耐久性・独特の風合いの源泉です。

ストッキングのデニールは何を意味する?

糸9000m当たりの重量(g)を示します。20デニールは軽量・透け感、80デニールは厚手保温、110デニール以上はタイツ相当。数値が大きいほど太糸で、透け感が減り耐久性・保温性が上がります。

マイクロファイバーの太さは?

1デニール以下(1dtex以下)の極細繊維がマイクロファイバーの定義です。0.5D以下をスーパーマイクロ、0.1D以下をナノファイバーとも。掃除用クロス・化粧品パフ・精密清拭布・N95マスクのメルトブロウン層等に使用されます。

タイヤコードのデニールはどれくらい?

1500〜3000デニール(Tex 167〜333)が主流。ナイロン66・ポリエステル・アラミド(ケブラー)・スチール等の高強度繊維を使用。乗用車から大型トラックまで、タイヤの内部補強コードとして構造安全を担います。

Tex表記への国際統一は進んでいる?

SI単位系Tex(またはdtex)への統一が徐々に進行中です。特に化繊・産業用繊維分野では標準化が進み、綿糸・毛糸業界でも輸出用の仕様書ではTex併記が慣習化。ただし業界内商慣習としては、綿番手・毛番手・デニール表記が依然主流です。

ミシン糸の番手選定基準は?

生地厚と用途で決まります。薄手生地(シフォン・レース) → 90〜120番、標準生地(Tシャツ・シャツ) → 50〜60番、厚手生地(デニム・帆布) → 20〜30番、飾りステッチ → 20〜30番が目安。針の太さ(#9〜#16)も生地に合わせて選定します。