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COPEERSEERAPF効率換算

COP/EER/SEER/APF 換算(冷凍機効率指標)|海外機器選定・省エネ性能比較ツール

COP(日本)・EER(米国 定格)・SEER(米国 季節)・APF(日本 年間)・ESEER(欧州 季節)・SCOP(欧州暖房)を国際基準相互換算する無料電卓。JIS B 8615(APF算定方式)・AHRI 210/240(米国SEER)・EN 14825(欧州ESEER)準拠、単位系(kWで表現するCOP vs BTU/h・Wで表現するEER)と評価期間(定格点 vs 季節平均 vs 年間平均)の違いを整理して換算。SEER 20↔APF約5.7、EER 12↔COP 3.5の実務換算、ヒートポンプ暖房のSCOP、年間電力消費APC/kWh、省エネ法トップランナー基準達成率まで、エネマネ・設備設計・輸入機器選定・多国籍プロジェクト担当者向けに6000字級で徹底解説します。

最終更新:2026-07-30/監修:計算ツールズ編集部

COP/EER/SEER/APF 換算ツール

相互換算の計算式と単位系

① 基本換算式

EER(BTU/h·W) = COP × 3.412

SEER ≒ EER × 1.05〜1.15 (季節変動考慮)

APF ≒ COP × 0.9〜1.0 (年間実運転)

SCOP ≒ COP暖房 × 0.95〜1.05 (欧州暖房季節)

単位系(kWで表現するCOP vs BTU/hで表現するEER)と評価期間(定格点 vs 季節平均 vs 年間平均)で複数の指標が併存。国際仕様書比較・海外機器選定・省エネ性能ベンチマークで正確な換算が必須です。

② COPとEERの単位換算

COPは冷凍能力(kW)÷入力電力(kW)で無次元、EERは冷凍能力(BTU/h)÷入力電力(W)でBTU/(h·W)単位。1kW=3.412BTU/hの関係から、EER=COP×3.412の換算式が導出されます。米国系メーカーはEER表記、日本・欧州はCOP表記が主流。

③ 季節指標(SEER/APF/ESEER)の意味

定格点COP・EERは「外気35℃・室内27℃」等の1点評価で、実運転条件を反映しません。SEER(米国)・APF(日本)・ESEER(欧州)は、年間の気象条件と負荷率分布を加重平均した季節/年間指標。実運転効率に近く、消費者向け表示の主流です。

④ 換算精度の限界

SEER・APFは気候帯・運転条件で±10%変動することを認識する必要があります。米国AHRI 210/240は米国気候前提、日本JIS B 8615は日本気候前提、欧州EN 14825は欧州気候前提と、想定気象が異なるため、換算値はあくまで目安。厳密比較には各国基準での実測・シミュレーションが必要です。

効率指標の一覧表

指標意味評価採用国・規格
COP成績係数(冷房)定格点日本・欧州(共通)
COP暖房暖房成績係数定格点日本・欧州
EERエネルギー効率比定格点(BTU/h·W)米国(AHRI 210/240)
SEER季節エネルギー効率比年間(米国気候)米国(AHRI 210/240)
IEER統合エネルギー効率比負荷率加重(業務用)米国(AHRI 340/360)
APF通年エネルギー消費効率年間(日本気候)日本(JIS B 8615)
ESEER欧州季節冷房効率負荷率加重(定条件)欧州(Eurovent)
SCOP暖房季節成績係数年間暖房(欧州気候)欧州(EN 14825)
HSPF暖房季節効率(米国)年間暖房(BTU/h·W)米国(AHRI 210/240)

※業務用エアコンは日本APF、家庭用ルームエアコンも日本APF、業務用チラーは日本ではIPLV(統合部分負荷値)も併用。米国・欧州との仕様書比較には換算表活用が実務的。

COP/EER/SEER/APF 換算の詳しい解説

① なぜ複数指標があるのか

冷凍機の効率指標は「国と時代と用途で異なる」のが実情。米国ではエネルギー省(DOE)のミニマム基準・省エネラベル(Energy Star)にSEER/IEER採用、日本ではトップランナー制度でAPF採用、欧州ではエコデザイン指令にSEER/ESEER採用と、規制枠組みで異なります。国際製品比較には換算が必須です。

② SEERとCOPの関係を実務感覚で

米国SEER 20は日本APF約5.7-6.0相当、SEER 14はAPF 4.0前後という感覚を持っておくと便利。SEER 20超はプレミアム機、SEER 14-16はミッドレンジ、SEER 10-13が普及機という区分が米国市場。日本のAPFで言えばそれぞれ約6.0/4.5/3.5相当のクラス感になります。

③ ESEERとIPLVの関係

欧州ESEER(Eurovent規格)と米国IPLV(AHRI規格)は「負荷率100/75/50/25%を重み付け加重平均」する統合部分負荷指標として類似の設計思想。ただし気象条件・重み付け係数が異なり、数値上は一致しません。欧州業務用チラーはESEER、米国はIPLV、日本ではIPLVまたはAPFf(業務用APF)が併用されます。

④ 冷房と暖房の指標分離

ヒートポンプ機器では冷房と暖房を別指標で評価します。冷房はCOP/EER/SEER/APF、暖房はCOP(暖房)/HSPF/SCOPを併用。通年評価のAPFは冷房と暖房を統合した年間指標として使いやすい設計になっています。日本の家庭用ルームエアコンではAPF表示が省エネラベル法定表記。

⑤ 実運転効率との乖離

SEER・APFはカタログ値ですが、実運転効率は設置環境・使用パターン・メンテナンス状態で20-40%変動することが知られています。実運転効率の測定には電力量・冷凍能力の実測が必要で、BEMSデータ活用+定期監査が省エネ診断の実務。カタログ値だけで判断せず実測とのギャップを把握することが重要です。

季節指標と年間指標の違い

SEER(米国 Seasonal EER)

冷房シーズン全体の平均EER。AHRI 210/240で外気20-35℃・負荷率25/50/75/100%の8点測定を加重平均。米国気候前提で日本と一致しない。

APF(日本 Annual Performance Factor)

年間冷房+暖房を統合。JIS B 8615で東京気象・想定運転パターンで算定。日本市場の省エネラベル・トップランナー基準の中核指標。

ESEER(欧州 European SEER)

Eurovent業界基準の統合部分負荷指標。負荷率100/75/50/25%を3/33/41/23%で重み付け加重平均。業務用チラーの主要指標。

SCOP(欧州 Seasonal COP)

EN 14825準拠の暖房季節成績係数。欧州3気候帯(温暖・平均・寒冷)別の指標、エコデザイン指令のヒートポンプ規制で採用。

IEER(米国業務用)

Integrated Energy Efficiency Ratioの略。業務用ユニタリー機器の統合効率、AHRI 340/360規格。負荷率加重平均でパッケージエアコン・GHP等に適用。

IPLV/NPLV(米国業務用チラー)

Integrated Part Load Value/Non-standard Part Load Value。業務用チラー(セントラル空調)の部分負荷加重指標、AHRI 550/590規格。ESEERと類似設計思想。

ヒートポンプ暖房のSCOP・HSPF

① 暖房性能指標の概要

ヒートポンプは冷房と暖房で性能が異なり、暖房性能は別指標で評価。COP暖房(定格)・HSPF(米国)・SCOP(欧州)が主要指標。低外気温での性能低下が課題で、実運転効率評価では特に重要です。

② HSPF(米国暖房季節)

Heating Seasonal Performance Factor。AHRI 210/240で暖房シーズン(外気-8〜17℃)の平均効率を算定。単位はBTU/h·W。HSPF 10前後がハイエンド、8前後がミッドレンジという相場感が米国市場。COP換算では、HSPF÷3.412でCOP暖房相当値が得られます。

③ SCOP(欧州暖房季節)

EN 14825のSeasonal COP。気候帯別(温暖A/平均B/寒冷C)に分けて算定され、地中海・中欧・北欧の異なる気象条件を反映。欧州エコデザイン指令のヒートポンプ規制で採用され、A+++〜Gのエネルギーラベル表示の基礎値。

④ 低外気温性能の重要性

ヒートポンプの弱点は低外気温での性能低下(-10℃でCOP 1.5-2.0まで低下)。寒冷地対応機は特殊冷媒・インジェクション技術で改善しているものの、性能低下は避けられません。積雪対策・霜取り運転・補助ヒーター内蔵など寒冷地仕様の選定が実務。

⑤ 冷暖房統合指標APCの読み方

日本のAPFは冷暖房統合の年間電力消費量ベース。APF = 年間冷暖房負荷(kWh)÷年間消費電力量(kWh)。APCとも呼ばれる年間消費電力量(kWh/年)が省エネラベルに併記され、電気代試算に直結します。単価27円/kWh想定で年間電気代=APC×27円の概算。

業界・現場での使い方

海外機器選定

米国製・欧州製冷凍機のSEER/ESEER/SCOPを日本のCOP/APFに換算して比較。多国籍プロジェクトの機器選定・国際入札対応の必須スキル。

技術資料翻訳

設計仕様書・省エネ資料の国際単位変換。ゼネコン・エンジ会社の技術翻訳、EPC(設計調達建設)案件の資料整備で頻出。

省エネ性能ベンチマーク

業界横断的な省エネ性能比較で共通指標に統一。ESG開示・SBT認定・CDP評価の設備効率データ整理にも活用。

省エネ法定期報告

特定事業者の定期報告でエネルギー原単位算定。既設機器の効率指標をカタログから読み取り、原単位計算に反映。改修計画の効果試算にも。

ZEB(ネットゼロエネルギービル)設計

ZEB新築設計の設備効率評価に。BEI(建築物エネルギー消費性能指数)算定でAPF値が直接影響、機器選定の効率評価に必須。

補助金申請書類作成

SII(環境共創イニシアチブ)省エネ補助金の申請書類でAPF値記載が必須。認定製品リスト参照、APF実測値との整合性確認まで。

省エネ法トップランナー基準

① トップランナー制度の概要

省エネ法トップランナー基準は、市場で最高性能の機器を基準に設定する日本独自の省エネ規制。エアコン・冷凍機・給湯器等32品目が対象で、目標年度までに全機種の平均が基準達成することを義務化。APF・COP・IPLV等が主要判定指標です。

② エアコン(家庭用)の基準

2027年目標のトップランナー基準では、冷房能力2.8kW以下のルームエアコンでAPF 5.8以上が業界平均目標。単体機器では省エネ大賞受賞機でAPF 7超えの高性能機も登場。省エネラベル☆5評価と連動しています。

③ 業務用エアコンの基準

業務用マルチエアコン・ビル用マルチのAPFf(業務用APF)基準も同時に策定。冷房能力7.1-14kW帯で目標APFf 5.0-5.5級。GHP(ガスヒートポンプ)もPAF基準で規制対象。輸入機器も同基準達成が国内販売の条件です。

④ トップランナー機器の見分け方

統一省エネラベルの「多段階評価点」と「省エネ基準達成率」で判別可能。達成率100%超がトップランナー適合、117%以上が高効率クラス。ラベル情報から機器のAPF値も確認でき、機器選定の基本情報として活用可能です。

実務での換算事例

ケース1: 米国製業務用エアコンの日本仕様評価

米国製ルーフトップエアコン、カタログ表記SEER 18・EER 12.5。日本のAPF換算では約5.2、COP換算では約3.7相当。トップランナー基準達成率で見ると業務用の中位クラス。日本市場では中位機として位置付けられます。

ケース2: 欧州製ヒートポンプチラーの評価

欧州製ヒートポンプチラー、ESEER 6.0・SCOP 4.2(気候帯B)表記。日本市場では冷房COP約4.0、暖房COP約3.5相当の高効率機。IPLV換算で約6.2、日本のカタログ表記が併存する場合はESEER=IPLVと近似扱いも可(厳密には差あり)。

ケース3: 家庭用ルームエアコンの国際比較

プレミアム機、日本仕様APF 7.2。米国SEER換算約24-25、欧州SEER換算約8.5(SEER欧州はEN 14825)相当。世界的トップクラスの効率で、日本の技術優位性が表れる典型例。国際展開で高付加価値機として販売可能。

ケース4: 産業用大型チラーのグローバル入札

石油化学プラントの冷凍機入札、要求仕様IPLV 6.5以上(米国基準)。参加各国メーカーの提案書は自国基準表記(米国IPLV/欧州ESEER/日本APFf)で、統一評価には換算が必須。ESEER 6.5=IPLV 6.5と近似扱いで比較評価するのが実務的アプローチ。

よくある間違い・注意点

  • COPとEERの単純比較 — 単位系が違うため直接比較不可。EER=COP×3.412で換算後に比較する。
  • SEERとCOPの直接比較 — SEERは季節平均、COPは定格点。約1.05-1.15倍の補正が必要、単純比較は誤解の元。
  • APFとSEERを同じと想定 — APF(日本気候・JIS)とSEER(米国気候・AHRI)は測定条件が違う。厳密には別指標で参考換算のみ可。
  • 暖房性能を無視した換算 — 冷房SEERだけで判断するとヒートポンプの暖房性能を見落とす。SCOP/HSPFも並記確認。
  • 気候条件の違いを無視 — SEERは米国気候前提、APFは日本気候前提。寒冷地・沖縄など地域差も無視すると誤り。
  • 実運転効率をカタログ値と混同 — カタログ値は理想条件、実運転では20-40%変動。設置環境・メンテナンス状態の影響大。
  • 低外気温性能を軽視 — 寒冷地でヒートポンプは大幅に性能低下(-10℃でCOP 1.5-2.0)。地域気候に適した機種選定が必須。
  • IPLV/ESEER/IEERを同一視 — 部分負荷加重平均の思想は似るが、重み付け係数・気象条件が異なる。厳密比較不可、参考値扱い。
  • 省エネラベル達成率のみで判断 — 達成率は業界平均比較で絶対性能値ではない。APF実数値も併せて確認すべき。
  • 単位表記の混同 — EERはBTU/h·W、COPは無次元。仕様書の単位表記を必ず確認、換算式を安易に適用しない。

換算・機器選定のチェックリスト

① 換算実施前の確認事項

  • 指標の種類確認(定格 vs 季節平均 vs 年間平均)
  • 単位表記の確認(kW vs BTU/h・W)
  • 準拠規格の特定(JIS/AHRI/EN/Eurovent)
  • 気候条件の想定確認(日本/米国/欧州)
  • 負荷率重み付け係数の確認(部分負荷指標)

② 海外機器選定時のポイント

  • 日本での適合認証(電気用品安全法・冷凍法)
  • 電源仕様(単相/三相・200V/400V・50/60Hz)
  • 冷媒種類・地球温暖化係数(GWP)
  • 保守体制・部品供給の確認
  • PSE/PSCマーク・技適マークの取得状況

③ 実運転効率の検証

  • BEMSによる電力量・冷凍能力の実測
  • 季節別・負荷率別の効率トレンド分析
  • カタログ値との乖離要因の特定
  • 省エネ改修候補の抽出
  • ISO 50001に基づくEnPI(エネルギー性能指標)管理

関連する規格・法規

  • JIS B 8615-1 家庭用エアコン APF算定方法
  • JIS B 8615-2 業務用エアコン APFf算定方法
  • JIS B 8622 チラー IPLV算定方法
  • AHRI 210/240 米国 家庭用SEER/HSPF規格
  • AHRI 340/360 米国 業務用IEER規格
  • AHRI 550/590 米国 業務用チラーIPLV規格
  • EN 14825 欧州 SEER/SCOP規格
  • Eurovent Certification ESEER規格
  • 省エネ法 トップランナー基準
  • 統一省エネラベル(小売事業者表示制度)
  • 建築物省エネ法(BEI評価)
  • Ecodesign Directive(EU)ErP指令
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。海外機器の日本での適用は、日本適合認証・保守体制の確認が必要です。

参考文献・公的資料

  • 資源エネルギー庁「省エネ法の概要」— トップランナー制度
  • 資源エネルギー庁 統一省エネラベル制度
  • 省エネルギーセンター(ECCJ) 省エネ機器・技術情報
  • 日本冷凍空調工業会(JRAIA) 業界データ
  • 日本冷凍空調学会(JSRAE) 学術情報
  • JIS B 8615-1・B 8615-2 家庭用/業務用エアコン規格
  • AHRI(米国) Certification Directory
  • Eurovent(欧州) Certification Programme
  • ASHRAE Standard 90.1 建築物エネルギー基準
  • ISO 5151 空気調和機の試験
  • IEA(国際エネルギー機関) HPT-TCP ヒートポンプ技術
  • NEDO ヒートポンプ蓄熱技術情報
  • SII(環境共創イニシアチブ) 省エネ機器補助金情報

よくある質問(FAQ)

COP 4はEERでは?

COP 4 × 3.412 = EER 13.6 BTU/h·W。米国系機器仕様書で13.6と表示、日本のCOP 4クラス。ミッドレンジエアコンに相当します。

SEERとCOPどちらが実運転に近い?

SEER・APFの方が季節変動を反映して実運転に近い。COP・EERは定格点(外気35℃・室内27℃)の1点評価で、実運転条件を反映しない参考値です。

米国SEER 20は日本APF何?

APF約5.7-6.0相当、プレミアム機クラス。米国トップランナー同等クラスは日本の省エネ大賞受賞機の水準と近似します。

欧州ESEERの計算方法は?

冷水温度・負荷率別に加重平均。負荷率100/75/50/25%を3/33/41/23%で重み付け加重。EN 14825規格。業務用チラーの主要効率指標です。

ヒートポンプのSCOPは?

Seasonal COP。欧州3気候帯(温暖A/平均B/寒冷C)別に暖房シーズン平均COPを算定。エコデザイン指令のヒートポンプ規制で採用され、A+++〜Gのエネルギーラベル基礎値。

APFとAPFfの違いは?

APF=家庭用ルームエアコン(JIS B 8615-1)、APFf=業務用エアコン(JIS B 8615-2)。同じ「APF」の名称ですが、算定条件と適用機器が異なります。

実運転効率とカタログ値は乖離する?

設置環境・使用パターン・メンテナンス状態で実運転効率は20-40%変動。BEMSでの電力量+冷凍能力実測+定期監査が省エネ診断の実務です。

寒冷地でヒートポンプは使える?

寒冷地対応機種は-25℃まで運転可能、ただしCOP低下は避けられません(-10℃でCOP 1.5-2.0)。特殊冷媒・インジェクション技術+補助ヒーター付きモデルの選定が実務。