BtoB商談期間
商談の各段階に要する日数と成約率から、BtoB営業のリードタイムと必要な商談量を試算します。
BtoB商談期間ツール
計算式と考え方
受注までの日数は、初回接触から初回商談までの14日、提案書提出までの21日、社内決裁までの35日、契約締結までの20日を合計して90日となります。これに顧客規模の係数を掛けます。中堅企業は1.0倍、小規模企業は0.7倍、エンタープライズは1.8倍を目安としています。さらに意思決定に関わる人数が3人目以降は1人あたり8日を加算するため、4人であれば16日が加わり、合計106日になります。月数では約3.5ヶ月です。必要な新規商談数は目標受注件数を成約率で割り、5件を25%で割って月20件となります。同時に抱えるべき商談数は、月20件にリードタイム3.5ヶ月を掛けた約69.7件です。
商談段階と滞留の要因
| 初回接触から初回商談 | 反応の速さが後工程に影響します。日程調整の往復回数で1週間単位の差が出ます |
|---|---|
| 初回商談から提案 | 要件のヒアリング量に比例します。要件が固まらないまま提案すると差し戻しが起きます |
| 提案から決裁 | 最も長く滞留する段階です。決裁権者の会議日程と予算枠の有無で決まります |
| 決裁から契約 | 法務審査とセキュリティ確認が主な要因です。大企業ほど長くなります |
BtoB商談期間の詳しい解説
BtoBの商談期間が長くなる根本の理由は、購買が個人の判断ではなく組織の合意で決まることにあります。担当者が導入したいと考えても、上長の承認、情報システム部門の技術確認、法務部門の契約審査、購買部門の相見積もりという段階を経る必要があり、それぞれが別の会議体で扱われます。会議が月次であれば、段階を1つ進めるだけで1ヶ月が経過します。意思決定に関わる人数が増えるほど期間が延びるのは、この会議の回数が増えるためです。段階別に見ると、最も滞留しやすいのは提案から決裁までの区間です。ここで止まる原因は多くの場合、予算が確保されていないことにあります。予算年度の途中に提案した場合、次年度の予算要求に回されて数ヶ月から1年の待ちが生じます。逆に予算が確保済みの案件は、同じ提案内容でも決裁が数週間で終わることがあります。したがって商談初期に確認すべきなのは、担当者の関心の高さよりも予算の所在と時期です。実務で判断が分かれるのは、リードタイムの短縮を目指すか、長期前提でパイプラインを厚くするかという方針です。短縮を目指す考え方では、初回商談の段階で決裁権者の同席を求め、決裁基準と時期を明示的に確認します。一方、長期前提の考え方では、期間を所与として、必要な受注件数から逆算した商談数を常時抱える体制を作ります。前者は成約率を高めますが、決裁権者に会えない場合に停滞します。後者は予測の安定性が高い反面、営業担当が抱える案件数が増えて対応が薄くなる懸念があります。見落とされやすいのは、リードタイムが予測に与える時間差です。リードタイムが3.5ヶ月であれば、今月の商談創出が受注として計上されるのは3〜4ヶ月先です。今期の目標達成に必要な商談は、すでに前四半期に創出されている必要があります。この時間差を考えずに月次で商談数を追うと、対策が常に手遅れになります。業種による違いも大きく、クラウド型の業務ソフトのように部門単位で導入できるものは短く、基幹システムの刷新や設備投資を伴うものは1年を超えることも珍しくありません。契約金額が大きいほど決裁権者の階層が上がるため、単価と期間はおおむね比例します。
業界・現場での使い方
営業計画の立案
目標受注件数から逆算して必要な商談数を把握します。
着地予測
リードタイムから今期の受注見込みを見積もります。
体制の検討
担当1人が抱える商談数から人員の過不足を確認します。
よくある間違い・注意点
- 平均日数だけで管理する — 平均には短期案件と超長期案件が混在します。段階別の滞留日数を見ないと、どこで止まっているか分かりません。
- 予算の所在を確認しない — 担当者の関心が高くても予算がなければ決裁は進みません。予算の有無と時期は初期に確認する項目です。
- リードタイムの時間差を無視する — 今月の商談創出は数ヶ月先の受注になります。当月の商談数だけを追うと対策が遅れます。
関連する規格・法規
- 日本ECコンサル協会
- SaaStr
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
リードタイムはどう測りますか?
初回接触日から契約締結日までを案件ごとに記録し、中央値も併せて見ます。平均は長期案件に引かれやすいためです。
短縮する方法はありますか?
初回商談での決裁権者の同席と、決裁基準と時期の明示的な確認が有効とされています。工程そのものを飛ばすことはできません。
エンタープライズはなぜ長いのですか?
決裁の階層が多く、情報システムと法務の審査が加わるためです。年間の予算編成の周期にも左右されます。