CAC顧客獲得コスト
営業・マーケティング費用と獲得数から、顧客獲得コスト(CAC)を算出します。
CAC顧客獲得コストツール
計算式と考え方
CACは「(マーケティング費用 + 営業人件費 + ツール等)÷ 新規顧客数」で求めます。合計530万円で月15社なら1社あたり約353,000円です。LTVは「年間契約額 × 粗利率 ÷ 年次チャーン率」で算出し、ACV 120万円・粗利率75%・チャーン15%なら約600万円になります。LTV/CACは約17倍という計算です。回収期間は「CAC ÷ 月次の粗利」で求め、月次粗利75,000円なら約4.7か月です。この2つの指標がそろって良好なら、獲得への投資を拡大できる状態といえます。
CACに含める費用
| マーケティング費用 | 広告費、コンテンツ制作費、イベント費用 |
|---|---|
| 営業人件費 | 新規獲得に関わる営業とインサイドセールスの人件費 |
| ツール費用 | MA、SFA、リード獲得ツールなど |
| 含めないもの | 既存顧客対応のCS費用、プロダクト開発費 |
CAC顧客獲得コストの詳しい解説
CACはユニットエコノミクスの中核指標で、1人の顧客を獲得するのにいくらかかったかを示します。計算にあたって最も重要なのが、何を分子に含めるかの定義です。新規獲得に関わる費用(広告、コンテンツ、営業人件費、ツール)は含め、既存顧客の維持に関わるカスタマーサクセスの費用や、プロダクトの開発費は含めないのが標準的な扱いです。この定義が組織内で統一されていないと、期間比較も他社比較も意味を持たなくなります。CACは顧客セグメントによって大きく異なります。エンタープライズ向けは営業サイクルが長く関与者も多いため100万〜300万円に達する一方、中小企業向けでは20万〜50万円程度に収まります。全体平均だけを見ると、セグメントごとの実態が見えません。獲得チャネル別の分解も有効で、広告経由と紹介経由ではCACが数倍違うことがあり、効率の良いチャネルへの配分を判断できます。実務では費用と獲得の時間差も論点になります。今月の広告費が今月の獲得につながるとは限らず、検討期間の長い商材では数か月のずれが生じます。月次で単純に割ると投資を増やした月ほど悪化して見えるため、四半期でならす、あるいはリードの発生時期に対応させて集計するといった調整が必要です。広告費だけを分子にした値と、紹介や自然流入による獲得も分母に含めた全社平均では意味が異なるため、出稿判断には前者、事業全体の効率には後者と使い分けるのが実務的です。LTV/CACが3以上という基準は、獲得費用のほかに開発費と管理費を賄う必要があるためです。ただし比率が高すぎる場合も問題で、5を大きく超えるなら獲得への投資が不足している可能性があります。LTV側にも推計の限界があり、チャーン率からの算出は将来も同じ率が続く前提に立つため、一定の幅を持つ目安として扱うのが妥当です。回収期間も併せて見る必要があります。12か月以下なら獲得した顧客からの収益を1年で次の獲得に回せるため、自己資金での成長が視野に入ります。社内で使う際には、CACを下げること自体を目的にしない配慮も要ります。単価の低い顧客ばかりを集めれば数値は改善しますが、LTVも同時に下がるため事業の成長にはつながりません。LTVや回収期間と組み合わせて初めて意味を持つ指標であり、単独で目標値を置くと行動をゆがめる可能性があります。
業界・現場での使い方
SaaS経営
獲得投資の効率を測り、予算配分の根拠にします。
チャネル分析
獲得チャネル別のCACを比較し、効率の良い経路に配分します。
資金調達
投資家への説明でユニットエコノミクスの健全性を示します。
よくある間違い・注意点
- CSの費用を含める — 既存顧客の維持費用は獲得コストではありません。定義を組織内で統一してください。
- 全体平均だけを見る — セグメントとチャネルで数倍違います。分解しないと実態が見えません。
- 回収期間を確認しない — LTV/CACが良好でも回収が長いと資金繰りを圧迫します。両方の指標が必要です。
関連する規格・法規
- 日本ECコンサル協会
- SaaStr
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
CACに何を含めますか?
新規獲得に関わる広告費、コンテンツ制作費、営業人件費、ツール費用です。CS費用と開発費は含めません。
LTV/CACの目安は?
3以上が健全です。5を大きく超える場合は投資不足の可能性もあります。
回収期間の目標は?
12か月以下が優良です。18か月を超えると成長に外部資金が必要になります。