OEE設備総合効率
計画稼働時間と生産実績から、設備総合効率OEEを時間稼働率・性能稼働率・良品率に分けて計算します。
OEE設備総合効率ツール
計算式と考え方
OEEは「時間稼働率 × 性能稼働率 × 良品率」で求めます。計画480分に対し停止60分なら実稼働は420分で、時間稼働率は87.5%です。性能稼働率は理想サイクル30秒 × 760個 = 22,800秒を実稼働25,200秒で割った90.5%になります。良品率は不良15個を除いた745個を760個で割って98.0%です。三つを掛けて77.6%となり、理論上の最大生産数960個に対し、目標85%との差は1日あたり約71個です。限界利益250円、年240日で年間約426万円の機会損失にあたります。
OEEを構成する三つの指標
| 時間稼働率 | 計画した時間のうち実際に動いていた割合。故障、段取り替え、材料待ちが下げる要因 |
|---|---|
| 性能稼働率 | 動いている間の速度の指標。空転や小停止、速度低下が下げる要因 |
| 良品率 | 作った数のうち良品の割合。不良と手直し、立ち上げ時のロスが下げる要因 |
| OEE | 三つを掛け合わせた総合値。85%が世界水準、60%から75%が一般的とされる |
| 理論最大生産数 | 計画時間を理想サイクルで割った数。改善余地の大きさを測る基準になる |
OEE設備総合効率の詳しい解説
OEEが掛け算で定義されているのは、三つの損失が独立に発生し、どれか一つでも低ければ全体が引き下げられるという構造を表すためです。それぞれが90%でも積は72.9%にしかならず、この直感とのずれがOEEを使う意味でもあります。85%が世界水準とされるのは、時間稼働率90%、性能稼働率95%、良品率99%という水準の積がおおむねこの値になるためで、各要素で達成すべき目標を逆算する目安として使われています。実務で判断が分かれるのは計画稼働時間の取り方です。昼休みや朝礼、計画的な保全の時間を分母に含めるかどうかで数値は大きく動きます。含めない扱いが一般的で、含めた場合の指標は別の名称で区別されることがあります。同じ工場でも部署ごとに定義が違うと比較の意味がなくなるため、まず何を分母に置くかを決めることが導入の第一歩になります。理想サイクルタイムの設定も判断が分かれる点です。設備の設計上の能力を使うと性能稼働率は低く出ますが改善余地は正しく見え、現在の標準時間を使うと数値は高く出るものの改善の余地が見えなくなります。多品種を扱う設備では品種ごとにサイクルタイムが異なるため、生産数を単純に合計すると意味のない値になり、品種別の理想時間で重み付けする必要があります。見落とされやすいのは、OEEを上げること自体が目的化する場面です。設備を止めないために必要のない量を作れば、OEEは上がっても在庫が増えて資金繰りは悪化します。売れる量に合わせて生産する方針の工場では、ボトルネックとなる工程だけを対象にOEEを追い、それ以外の工程は稼働率が低くても問題としない判断が取られます。業種による違いも大きく、段取り替えの多い金属加工では時間稼働率が課題になり、連続運転の化学プロセスでは性能と品質が中心になります。まず自社の損失がどの要素に集中しているかを数か月分の記録から見極めることが、改善の順序を決めるうえで効きます。
業界・現場での使い方
設備の実力把握
三つの要素に分けて、どこに損失が集中しているかを確認します。
改善効果の試算
目標水準に到達した場合の年間の利益増加額を見積もります。
投資判断の材料
設備更新と改善活動のどちらが効くかを数値で比較します。
よくある間違い・注意点
- OEEの数値だけを比較する — 計画稼働時間の定義が違えば比較になりません。分母の取り方を揃えてから比べてください。
- 理想サイクルに現状の標準時間を使う — 改善余地が見えなくなります。設備の設計能力を基準にするほうが実態を映します。
- ボトルネック以外の工程でもOEEを追う — 作りすぎによる在庫増を招きます。制約となる工程に絞って評価するのが基本です。
関連する規格・法規
- JIS
- ISO
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
OEEはどのくらいが目標ですか?
85%が世界水準とされ、一般的な工場では60%から75%に収まることが多いとされています。
昼休みは計画稼働時間に含めますか?
含めない扱いが一般的です。含める場合は別の指標として区別し、社内で定義を統一してください。
性能稼働率が100%を超えることはありますか?
理想サイクルの設定が実態より遅い場合に起こります。設定値の見直しが必要な合図です。