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相続税基礎控除 計算ツール|法定相続人数と遺産総額から基礎控除・課税価格を即算出、配偶者控除・小規模宅地特例・生前贈与まで

相続税の基礎控除(3000万円+600万円×法定相続人)と課税価格を、法定相続人数と遺産総額から瞬時に算出。相続税の速算表(税率10〜55%)、配偶者の税額軽減(1.6億円または法定相続分)、小規模宅地等の特例(居住用330㎡・事業用400㎡)、生命保険金の非課税枠(500万円×法定相続人)、生前贈与(暦年課税110万円・相続時精算課税2500万円)、二次相続対策、遺言・遺留分・法定相続分、税務調査対策まで、国税庁・国税不服審判所・日本税理士会連合会の実務指針に基づき完全解説します。相続を控えたご家族・税理士・司法書士・FPの実務教育に。

最終更新:2026-07-29/監修:計算ツールズ編集部

相続税基礎控除ツール

計算式(基礎控除・速算表)

基礎控除の計算式

基礎控除 = 3000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

2015年改正で従前の「5000万円+1000万円×人数」から4割減額。相続人が3人なら4800万円、5人なら6000万円が非課税枠です。

相続税の速算表(法定相続分に応ずる取得金額別)

取得金額税率控除額
1000万円以下10%0
3000万円以下15%50万円
5000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1700万円
3億円以下45%2700万円
6億円以下50%4200万円
6億円超55%7200万円

相続税は累進課税で、遺産が多いほど税率が上がります。実際には各相続人の法定相続分に按分してから税額を計算し、その合計を実際の取得割合で再按分する2段階構造。

法定相続人の範囲と順位

常に相続人: 配偶者

婚姻届出の配偶者(内縁は不可)は順位に関係なく常に相続人。血族相続人と共同で相続します。

第1順位: 子(直系卑属)

実子・養子・非嫡出子(認知済み)。子が先に死亡している場合は孫が代襲相続。養子は税法上の相続人数制限あり(実子いれば1名、いなければ2名まで)。

第2順位: 直系尊属(父母・祖父母)

子がいない場合に父母が相続人。父母も死亡していれば祖父母。

第3順位: 兄弟姉妹

子も直系尊属もいない場合。兄弟姉妹の子(甥・姪)まで代襲可、それ以上は代襲なし。

法定相続分の目安

配偶者+子: 1/2・1/2。配偶者+父母: 2/3・1/3。配偶者+兄弟姉妹: 3/4・1/4。同順位が複数なら均等按分。

相続放棄と欠格・廃除

相続放棄は3か月以内に家裁申述。放棄すると相続人の数から外れ、次順位が相続人に。ただし基礎控除の人数には放棄前の人数を用いる特例あり。

基礎控除・課税価格・税額早見表

相続人=配偶者+子(法定相続分1/2・1/2)の場合の目安。配偶者の税額軽減適用前の総額。

相続人数基礎控除遺産5000万遺産1億遺産2億遺産5億
1人3600万160万1220万4860万1億9000万
2人4200万80万770万3340万1億3110万
3人4800万20万630万2460万1億985万
4人5400万0490万2120万1億225万
5人6000万0400万1800万9520万

配偶者の税額軽減(1.6億円または法定相続分まで無税)適用後は、上表の半額程度に軽減されるケースが多い。ただし二次相続で税負担が発生することに注意。

配偶者の税額軽減

制度概要

配偶者が取得した遺産のうち、1億6000万円または法定相続分(2分の1等)のいずれか大きい金額までは相続税が非課税。夫婦の財産形成の共同性・老後生活保障の観点から設けられた制度で、配偶者の取得財産が多いほど直近の税負担は軽減されます。

適用要件

①戸籍上の配偶者であること、②相続税の申告期限までに遺産分割協議が成立していること、③相続税の申告書を提出すること。未分割の場合は「3年以内の分割見込書」提出で仮申告→分割後に更正の請求で還付可能。

注意点

配偶者控除を最大活用すると二次相続(配偶者死亡時)で税負担が急増するケースあり。一次相続で控除枠を残し子に多く相続させる分割案の方が世帯合計で有利なケースも。税理士の二次相続シミュレーション必須。

小規模宅地等の特例

特定居住用宅地(自宅)

330㎡までを80%減額。配偶者・同居親族・生計一親族が要件。都市部の自宅では1000万〜数千万円の評価減効果が出るケースが多い。「家なき子特例」で別居子でも一定要件で適用可。

特定事業用宅地

被相続人の個人事業用宅地は400㎡まで80%減額。事業を継続する相続人が要件。個人商店・診療所等の事業承継で活用。

貸付事業用宅地

賃貸不動産(アパート・駐車場)は200㎡まで50%減額。相続開始前3年以内の新規賃貸は除外(節税目的の駆け込み対策封じ)。

特定同族会社事業用宅地

被相続人が保有する同族会社に貸付けた土地。400㎡まで80%減額。中小企業オーナー家の事業承継で活用。

生命保険・退職金の非課税枠

死亡保険金

500万円×法定相続人の数までが非課税。相続人3人なら1500万円までの保険金が課税対象外。生命保険は納税資金確保+相続対策の中核ツールとして活用されます。

死亡退職金

同じく500万円×法定相続人の数が非課税。会社役員・公務員の遺族が受け取る場合に該当。

弔慰金の非課税

業務上死亡は普通給与の3年分、業務外死亡は普通給与の半年分まで非課税。それを超える部分は死亡退職金として非課税枠と合算判定。

活用の実務ポイント

生命保険は「受取人指定=遺産分割対象外」で相続人の固有財産に。相続放棄しても受け取れ、遺留分請求も原則対象外。円滑な資金移転と納税資金確保の一石二鳥。

生前贈与(暦年課税・精算課税)

暦年課税(年110万円非課税)

年間110万円までは贈与税ゼロ。ただし2024年改正で「相続開始前7年以内の贈与は相続財産に加算」に段階的延長(旧3年から)。3年超7年以内は100万円控除あり。長期の計画的贈与が節税効果高。

相続時精算課税(累計2500万円)

60歳以上の親・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与で、累計2500万円までは贈与税ゼロ。2024年改正で年110万円の基礎控除が新設(暦年課税とは別枠)。相続時に加算されるが、値上がり資産は贈与時価格で固定できるメリット。

教育資金・結婚子育て資金の一括贈与

教育資金は最大1500万円、結婚子育て資金は最大1000万円まで非課税で一括贈与可能(信託等の要件)。使途制限あり、期限切れ残額は課税対象。

住宅取得等資金の非課税

直系尊属から住宅取得資金の贈与を受けた場合、省エネ住宅で1000万円、一般住宅で500万円まで非課税(2026年12月末まで)。若年層の住宅取得支援策。

二次相続対策

二次相続とは

一次相続(父の死亡)後、母が死亡する二度目の相続。配偶者控除・小規模宅地特例が使えない/縮小され、税負担が一次相続より重くなることが多い。

典型対策1: 一次相続で子に多く相続

配偶者に法定分1/2を集中させると二次相続時の遺産が肥大。一次相続で子に多く相続させ、二次相続の遺産を圧縮するのが定番。世帯合計の税負担で最適化。

典型対策2: 母から子への生前贈与

母が受け継いだ財産を暦年課税・精算課税で子に生前贈与。母の相続財産を計画的に圧縮。ただし7年以内加算ルールで直前贈与は効果減。

典型対策3: 生命保険の活用

母を契約者・被保険者、子を受取人にした保険契約で、母の死亡時に子が保険金受給。500万円×人数の非課税枠+固有財産化のメリット。

現場での使い方

相続を控えたご家族

自宅と現預金の遺産総額を試算し、基礎控除内か否かを確認。都市部で持ち家+金融資産があれば課税対象になるケース増加。生前対策の要否判断の起点。

税理士・会計士

相続税申告・生前対策コンサル。小規模宅地特例の適用可否、配偶者控除と二次相続の最適化、生前贈与のスケジューリング等の実務。

司法書士・弁護士

遺言書作成・遺産分割協議・相続登記・遺留分対応。税務は税理士と連携するが、法的争点(遺留分・寄与分・特別受益)は司法書士・弁護士の領域。

FP・保険営業

ライフプラン・相続対策提案。生命保険・不動産活用・信託等のツール選定、二次相続を見据えた世帯合計のシミュレーション。

不動産オーナー

収益不動産の相続税評価(路線価・倍率方式)、小規模宅地特例の活用、法人化・家族信託等のオプション検討。

中小企業経営者

自社株評価・事業承継税制(一定要件で猶予・免除)、後継者への計画的な株式移転、種類株式・信託活用の総合対策。

よくある間違い・注意点

  • 「基礎控除内だから申告不要」の誤解 — 小規模宅地特例・配偶者控除を使うと基礎控除内に収まる場合でも、特例適用には申告が必須。申告漏れで特例が使えず追徴となる事例あり。
  • 養子縁組の税法上人数制限 — 民法上は何人でも養子可能だが、相続税の基礎控除・生保非課税枠の人数計算では実子あり=1名、なし=2名まで。孫養子は2割加算あり。
  • 相続放棄と基礎控除の混同 — 相続放棄した相続人も基礎控除の人数計算には含める(法定相続人の数)。ただし放棄で相続財産を受け取らない場合の課税価格計算は別途注意。
  • 名義預金・タンス預金の申告漏れ — 家族名義で被相続人が実質管理していた預金は被相続人の相続財産と認定される。税務調査で発見されると追徴課税+加算税。
  • 生前贈与の7年以内加算 — 2024年改正で3年→7年に延長(段階施行)。相続開始前7年以内の贈与は相続財産加算(3年超7年以内は100万円控除)。長期の計画的贈与が重要。
  • 小規模宅地特例の要件見落とし — 「同居」「生計一」「事業継続」等の要件は厳格。相続開始直前の住民票異動・別居子の家なき子要件等で否認事例あり。事前の税理士確認が必須。
  • 路線価と実勢価格の乖離 — 路線価は実勢の8割程度が目安だが、都市部で乖離拡大。相続時の評価額と譲渡時の実勢価格の差が節税源泉になる反面、否認リスクも(令和4年最高裁「不当な評価減」事例)。
  • 遺言書のない兄弟争族 — 遺言書なしで遺産分割協議が難航すると、10か月の申告期限を経過し配偶者控除・小規模宅地特例が使えなくなるリスク。遺言書と生前家族会議が重要。

関連する法規

  • 相続税法 ― 相続税・贈与税の基本法。基礎控除・税率・特例のすべての根拠。
  • 相続税法施行令・施行規則 ― 具体的な計算方法・特例適用要件の詳細。
  • 財産評価基本通達 ― 土地(路線価・倍率方式)・自社株・非上場株の評価ルール。
  • 民法(相続編) ― 法定相続人・法定相続分・遺留分・遺言の民事法的枠組み。2018年改正で配偶者居住権・自筆証書遺言の法務局保管制度創設。
  • 租税特別措置法 ― 小規模宅地特例・生前贈与特例(教育資金・住宅取得等)の時限的措置。
  • 国税通則法 ― 申告期限・加算税・更正の請求・税務調査の一般法。
  • 相続税法基本通達 ― 国税庁による相続税法の解釈・運用指針の実務標準。
  • 事業承継税制(法人版・個人版) ― 中小企業の株式・事業用資産に対する納税猶予・免除制度。

参考文献・公的資料

相続税の申告・生前対策・法令解釈は下記の公的機関・専門団体の資料を参照してください。

※本ページの計算結果は概算・目安値です。実際の相続税申告・生前対策・遺産分割にあたっては、税理士・司法書士・弁護士の専門家に相談し、最新の税法・国税庁通達・裁決事例に基づいた個別具体的な判断を必ず実施してください。相続税は財産評価・特例適用・遺産分割方法で税額が数百万〜数千万円変動する複雑な税目です。特に不動産(路線価・小規模宅地特例)・非上場株式(類似業種比準・純資産価額)の評価、二次相続の税負担、生前贈与の7年以内加算等の判断には専門知識が必要です。当社は本ページの情報に基づく申告・対策結果について責任を負いません。

よくある質問(FAQ)

3人相続の基礎控除は?

4800万円(3000万円+600万円×3)。遺産1億円なら5200万円が課税対象。配偶者+子2人の一般的なケースで、都市部の持ち家+金融資産では課税対象になることが多い。

相続税の申告期限は?

被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内に申告・納付。期限内に遺産分割協議が難航しても、法定相続分で仮申告→分割後に更正の請求で還付可能。

配偶者は相続税がかからない?

配偶者の税額軽減で1.6億円または法定相続分まで無税。ただし二次相続(配偶者死亡時)で税負担が急増するため、世帯合計の最適化が重要。税理士による二次相続シミュレーションが必須。

小規模宅地の特例で自宅は?

特定居住用宅地は330㎡まで80%減額。都市部の自宅で1000万〜数千万円の評価減効果。配偶者・同居親族・生計一親族・家なき子(別居子の一定要件)が対象。

生命保険の非課税枠は?

500万円×法定相続人の数まで非課税。相続人3人なら1500万円。契約者=被保険者=被相続人、受取人=相続人の契約形態が典型。納税資金確保と相続対策の一石二鳥。

年110万円贈与はいつまで有効?

相続開始前7年以内の贈与は相続財産に加算(2024年改正で3年→7年に段階的延長)。長期・早期の計画的贈与が節税効果高。3年超7年以内は100万円控除あり。

相続時精算課税の選び方は?

60歳以上の親から18歳以上の子・孫への贈与で累計2500万円まで非課税。2024年改正で年110万円の基礎控除新設。値上がり資産・自社株の早期移転に有効。一度選択すると暦年課税に戻れない。

養子の相続税上の扱いは?

民法上は何人でも養子可能だが、税法上は実子あり=1名、実子なし=2名までしか基礎控除・保険金非課税の人数に算入不可。孫養子は2割加算あり。

遺言書は必要?

相続人が複数いれば強く推奨。遺言なしで遺産分割協議が難航すると、10か月申告期限を超過し配偶者控除・小規模宅地特例が使えなくなるリスク。公正証書遺言または法務局保管の自筆証書遺言が安全。

二次相続対策のポイントは?

一次相続で配偶者に法定分1/2集中させると二次相続の遺産肥大。一次で子に多く相続+母から子への計画的生前贈与+生命保険活用が定番。世帯合計の税負担で最適化。税理士シミュレーション必須。

タンス預金・名義預金の扱いは?

被相続人が実質管理していた家族名義預金・タンス預金は相続財産と認定。税務調査で発見されると追徴課税+加算税(最大35%)。金融資産の全容を把握し正確に申告するのが原則。

不動産の評価はどうする?

土地は路線価方式(市街地)または倍率方式(郊外)、家屋は固定資産税評価額。路線価は実勢の8割程度が目安。国税庁の路線価図で自分でも試算可能。複雑な形状・貸家建付地・借地権等は税理士確認推奨。

事業承継税制は使える?

中小企業オーナーの自社株・事業用資産に対する納税猶予・免除制度。法人版・個人版があり、認定申請・後継者要件・雇用維持要件等が厳格。使い方次第で相続税ゼロも可能だが専門家伴走必須。