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給湯エコキュート家庭設備

給湯負荷 計算ツール|世帯人数・浴槽・温度差から給湯機・エコキュート容量を選定

世帯人数×80L+浴槽容量で1日給湯量、L×温度差÷860で必要熱量(kWh)、機器能力(kW)を即算出。ガス給湯機の号数選び、エコキュート370L/460Lの選定、資源エネルギー庁の給湯省エネ事業・BELS評価・トップランナー基準を踏まえた住宅設備計画に。

最終更新:2026-07-30/監修:計算ツールズ編集部

給湯負荷(家族人数・用途別)ツール

給湯負荷の基本式

1日給湯量の算定

1日給湯量(L) = 人数×80L + 浴槽容量

1人あたりの給湯量は約80L/日(シャワー・洗面・食器洗い・洗濯を含む)が住宅設備業界の標準値。日本冷凍空調工業会・給湯機メーカー各社の設計指針で採用されている実務目安です。4人家族+標準浴槽(200L)なら1日520L。この値は東京・大阪等の標準都市部を想定しており、寒冷地・シャワー好きの家庭ではさらに10-20%増を見込むこともあります。

必要熱量の算定

1日熱量(kWh) = 給湯量(L) × 温度差(℃) ÷ 860

1kWh = 860kcalの関係を使って熱量を算出。水の比熱を1kcal/kg・℃、密度を1kg/Lとして単純化しています。給水15℃・給湯50℃の温度差35℃、520L給湯なら日熱量約21kWh。冬期の給水5℃・夏期25℃で年間熱量に約20%の差が出るため、年間平均で熱量計算するのが実務です。

給湯機能力の目安

給湯機能力(kW) = 1日熱量(kWh) ÷ 給湯可能時間(h)

ガス給湯機は瞬間式のため、実務では「必要な瞬間流量×温度差」で号数選定します。エコキュートは貯湯式のため「深夜7-8時間で日必要熱量を貯める能力」で計算。両者で選定ロジックが異なる点に注意。

家族人数別 給湯量・熱量早見

標準浴槽200L・給水15℃・給湯50℃(温度差35℃)を前提とした早見表です。

人数日給湯量(浴槽込)日必要熱量ガス号数エコキュート
1人280L約11 kWh16号185-300L
2人360L約15 kWh16-20号300-370L
3人440L約18 kWh20-24号370L
4人520L約21 kWh24号370-460L
5人600L約24 kWh24号460L
6人680L約28 kWh24号複数台460-550L
7人以上760L+約31 kWh+24号複数台550L以上

用途別 給湯量の内訳(4人家族の例)

用途1回量回数/日1日合計
浴槽湯張り200L(40℃)1回200L
シャワー(1人)50-70L(40℃)4人240L
洗面・手洗い3-5L(35℃)10回40L
台所(食器洗い)5-15L(40℃)3回30L
その他(掃除等)10L
合計520L

給湯機の種類と選定

種類方式効率年間ランニング(4人)初期費用寿命
ガス給湯機24号瞬間式効率95%(エコジョーズ)約9-12万円15-25万円10-15年
石油給湯機瞬間式効率85-90%約7-10万円20-35万円10-15年
電気温水器貯湯式(深夜電力)効率100%約10-14万円25-40万円15年
エコキュート370Lヒートポンプ貯湯COP 3-4約3-5万円40-60万円10-15年
エコキュート460Lヒートポンプ貯湯COP 3-4約3-5万円45-65万円10-15年
ハイブリッド給湯ヒートポンプ+ガス複合約5-7万円50-75万円10-15年

ガス給湯機の号数の意味

ガス給湯機の「号数」は1分間に水温+25℃の湯を何L作れるかの指標。24号なら1分間に24L(水温+25℃)、16号なら16L。冬場の水温5℃で40℃給湯は温度差35℃なので、24号での実流量は約17L/min。シャワー(10L/min)+台所(3L/min)を同時に使う場合は24号以上が安心です。

エコキュートのCOPと省エネ性

エコキュートのCOP(成績係数)は3-4で、電気1kWhで3-4kWh相当のお湯を作れる高効率機。深夜電力単価12-18円/kWh(2026年時点の目安)を使うと、年電気代3-5万円で済み、ガス給湯機比較で年5-8万円削減できます。初期費用40-60万円を6-10年で回収可能です。

エコキュート容量の選び方

エコキュートの貯湯タンク容量は1日の必要湯量を1.5-2倍に設定するのが業界標準。深夜電力時間帯に貯めた湯で翌日1日分をまかなう設計だからです。

タンク容量適合人数1日給湯量目安初期費用(標準)
180L1-2人200-350L35-45万円
300L2-3人350-500L40-50万円
370L3-4人440-620L40-60万円
460L4-5人520-750L45-65万円
550L5-7人600-950L50-75万円

湯切れリスクを避けたい家庭・寒冷地・シャワー好きの家族は1サイズ上を選ぶのが安全側。ただし大きすぎると保温ロスで効率低下するため、家族人数に合った選定が経済的です。エコキュートは沸き上げ湯温90℃を50℃程度に減圧混合して使うため、貯湯量の1.5-2倍程度の湯を実用に供給できます。

設置スペース

エコキュートはヒートポンプユニット(エアコン室外機大)と貯湯タンクユニット(高さ180-220cm)の2ユニット構成。合わせて幅80cm・奥行80cm・高さ220cmの設置スペースが必要。寒冷地仕様は追加スペースが必要です。マンション設置は制約が多いため、リフォーム前に販売店現地調査が必須です。

業界・現場での使い方

戸建て住宅の設備設計

間取り・家族人数・地域から給湯機容量を選定。標準4人家族+標準浴槽なら日520L、ガス24号またはエコキュート370Lが主流。ハウスメーカーの標準仕様書に基づく実務計算で、給水管サイズ・給湯配管ルート・貯湯タンク設置位置と合わせて設計します。

省エネ改修・エコキュート導入

ガス給湯機からエコキュートへの切替は、資源エネルギー庁「給湯省エネ事業」の補助金対象(1台13-15万円、2026年目安)。年間光熱費削減5-8万円と補助金で、実質10-15万円で導入可能なケースもあります。BELS評価・住宅性能表示制度の一次エネルギー等級にも寄与します。

マンション設備計画

マンションは各戸給湯機(ガス瞬間式・電気温水器)またはセントラル給湯方式。近年は各戸エコキュート設置対応のマンションも増加。ベランダ設置スペース・電気容量・排水経路の設計制約があり、既存マンションのエコキュート改修は事前調査必須です。

賃貸・アパートオーナー

10年目安の給湯機更新時にエコキュートを検討する動きが増加。イニシャル増だが空室リスクを下げる差別化要素になり、家賃を月1,000-2,000円上乗せできるケースも。給湯省エネ事業の補助金対象で、投資回収年数が短縮されます。

ゼロエネルギー住宅(ZEH)

ZEH認定住宅では給湯負荷の削減が必須。エコキュートまたはハイブリッド給湯機が事実上の標準装備。太陽光発電による自家消費・売電と組み合わせ、年間一次エネルギー消費量ゼロを目指します。国交省・環境省のZEH補助金の要件になっています。

宿泊施設・介護施設

ホテル・旅館・グループホーム等は業務用大型給湯機が必須。1人あたり200-300L/日(浴槽・洗濯・厨房含む)、20-30人規模で日6,000-9,000L、大型ヒートポンプ給湯機(業務用)またはボイラー給湯システムが選ばれます。介護保険施設は入浴介助時の同時大量給湯対応が課題です。

よくある間違い・注意点

  • シャワーのみ50L/人で計算 ― 洗面・食器洗い・洗濯を含めると1人80L/日が実態。50L/人で計算すると容量不足になり、湯切れ発生のクレームに繋がります。標準80L/人+浴槽容量で計画してください。
  • 冬期水温を考慮しない ― 給水温度は冬5℃・夏25℃で年間20℃差があり、必要熱量に約20%の差が出ます。年間平均で計算するか、冬期最大を基準に選定するのが安全側です。
  • エコキュート貯湯容量が家族人数に不適合 ― 4人家族に300Lを選ぶと湯切れ多発。370Lが最低ラインで、湯切れリスク回避のため460Lを選ぶ家庭も多い。逆に2人家族で460Lは保温ロス過大で非経済的です。
  • ガス号数を号数=人数と誤解 ― 号数は「1分間に水温+25℃の湯を何L出せるか」の瞬時流量指標で、家族人数とは別軸。冬場の同時給湯を想定して24号(3-4人以上)を選ぶのが標準実務です。
  • 設置スペース確認不足 ― エコキュートはヒートポンプ+貯湯タンクの2ユニット構成で幅80cm×高さ220cm前後のスペースが必要。既存住宅への後付けは通気・搬入経路・排水・電気容量(200V専用回路)の事前調査が必須です。
  • 寒冷地仕様の見落とし ― 北海道・東北・北陸のエコキュートは寒冷地仕様(耐凍・耐雪機能付き)が必須。通常仕様を採用すると凍結故障・効率低下のリスクがあります。給水温度も寒冷地は年間平均5℃程度で熱量計算しましょう。
  • 補助金申請の期限逃し ― 給湯省エネ事業は予算枠有り・先着順・申請時期限定。設置業者の登録・書類整備・完了報告のスケジュール管理が必要で、DIY交換は補助金対象外です。

関連する規格・法令

  • JIS S 2109 ― 家庭用ガス燃焼機器(給湯用)の一般基準。号数表示・性能試験方法。
  • JIS C 9220 ― 家庭用ヒートポンプ給湯機(エコキュート)の性能・試験方法。COP・貯湯容量表示の基準。
  • 省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律) ― 給湯機のトップランナー基準の根拠法。ガス給湯機・電気温水器・エコキュートに個別基準あり。
  • 建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法) ― 住宅の一次エネルギー消費量計算での給湯設備の位置づけ。
  • ガス事業法・液化石油ガス法 ― 都市ガス・LPガス給湯機の設置・保安基準。
  • 電気事業法 ― エコキュート・電気温水器の電源・接地要件。
  • 水道法 ― 給水配管の材料・逆流防止・水質保持基準。
  • 資源エネルギー庁「給湯省エネ事業」 ― 高効率給湯機導入の国庫補助制度。
  • BELS(建築物省エネルギー性能表示制度) ― 住宅の省エネ性能評価。給湯設備の効率が評価対象。

参考文献・公的資料

給湯機選定・省エネ計画にあたっては、以下の公的機関・業界団体の資料が参考になります。

※本ページの計算結果は、公表資料に基づく実務目安の参考値です。実際の給湯機選定・エコキュート導入・補助金申請にあたっては、各メーカーの最新カタログ、給湯省エネ事業事務局の申請要領、資源エネルギー庁・国土交通省の告示を必ず確認してください。設置には有資格者(液化石油ガス設備士・ガス消費機器設置工事監督者・電気工事士等)の施工が必要です。

よくある質問(FAQ)

4人家族の給湯量は?

標準浴槽200L込みで約520L/日。内訳は浴槽湯張り200L+シャワー240L(4人分)+洗面40L+台所30L+その他10L。給水15℃→給湯50℃(温度差35℃)の場合、必要熱量は約21kWh/日です。

ガス給湯機24号とは?

1分間に水温+25℃の湯を24L作れる能力の意味。4人家族でシャワー+台所の同時給湯に対応できる標準サイズ。冬場水温5℃で40℃給湯の場合、温度差35℃で実流量は約17L/min。3-4人以上の家庭には24号推奨、1-2人なら16-20号でも足ります。

エコキュート370Lと460Lどちらが良い?

3-4人家族の標準は370L、湯切れリスク回避や寒冷地・シャワー好きの4-5人家族は460Lが推奨。1サイズ上を選べば安心ですが、大きすぎると保温ロスで非経済的です。家族の給湯パターンと将来家族計画を考慮して選定します。

エコキュートの元取り年数は?

初期費用40-60万円、年間光熱費削減5-8万円で6-10年で回収可能。給湯省エネ事業の補助金(1台13-15万円、2026年目安)を活用すれば実質30-45万円で導入でき、投資回収期間はさらに短縮されます。

寒冷地でもエコキュートは使える?

使えますが寒冷地仕様(耐凍・耐雪機能付き)を選ぶ必要があります。通常仕様は凍結故障・効率低下のリスク。北海道・東北・北陸ではメーカー各社の寒冷地専用モデルを採用し、給水温度も年間平均5℃程度で熱量計算します。

ハイブリッド給湯機のメリットは?

ヒートポンプ(電気)+ガス瞬間式の組合せで、日常はヒートポンプで省エネ、大量使用時はガスで即時対応。湯切れなし+高効率のバランス型。イニシャル50-75万円と高いですが、エコキュートの湯切れが心配な家庭に選ばれます。

給湯省エネ事業の補助金額は?

2026年時点の目安でエコキュート1台13-15万円、ハイブリッド給湯機15-18万円、家庭用燃料電池(エネファーム)20万円程度。予算枠・先着順のため、設置業者経由での早期申請が必要です。最新条件は資源エネルギー庁公式ページで確認してください。

マンションでエコキュート導入できる?

可能ですが制約が多い。ベランダ設置スペース・電気容量200V専用回路・排水経路・重量支持の事前調査が必須。既存マンションのリフォームでは管理組合承認が必要な場合もあります。エコキュート対応マンションが増えていますが、購入前の確認が重要。

湯切れが起きる条件は?

エコキュートの貯湯容量を超える使用がある日。急な来客・大量入浴・洗濯集中がトリガー。対策は1サイズ上のタンク、昼間沸き増しモード活用、翌日の計画的な使用が有効です。深夜電力時間帯以外の沸き増しは電気代が上がります。

ガス給湯機とエコキュートどちらが得?

ランニングコストはエコキュートが年5-8万円安いのが標準。ただしイニシャル差20-40万円あり、回収期間は6-10年。10年住み続ける前提ならエコキュート有利、頻繁な引越し予定ならガス給湯機が経済的です。

給湯機の寿命は?

ガス給湯機・エコキュート・石油給湯機ともに10-15年が標準寿命。10年を過ぎたら故障リスクが上がり、修理より買い替えが経済的なケースが多い。定期メンテナンス(年1回)で寿命が延びる可能性はあります。

ZEH住宅で必須の給湯機は?

資源エネルギー庁の一次エネルギー消費量計算で、エコキュートまたはハイブリッド給湯機が事実上必須。太陽光発電・断熱性能と組み合わせて、一次エネルギー消費量ゼロを目指します。ZEH補助金の要件になっているため、認定住宅計画では選定が固定されます。