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水分バランス(IN/OUT)計算|24時間体液出納と±500mL中立バランス、ICU・術後の実務指標

24時間の輸液・経口摂取・食事水分(IN)尿量・ドレーン・便・不感蒸泄(OUT)から水分バランスを即算出。不感蒸泄900mL/日(体重×15mL、発熱1℃で15%増)、代謝水約300mL/日、±500mL/日以内の中立バランス、+1,000mL超で浮腫・肺水腫リスク、−1,000mL超で脱水・循環不全リスク、体重変動との整合、心不全・腎不全・術後・敗血症・小児・高齢者の管理特性、電解質(Na・K)との連動判断、看護記録・電子カルテ運用まで、日本集中治療医学会・日本輸液学会・厚労省の臨床指針に基づき解説します。

最終更新:2026-07-30/監修:計算ツールズ編集部

水分バランス(IN/OUT)ツール

計算式とIN/OUTの内訳

基本の計算式

水分バランス = IN(輸液+経口+食事水分+代謝水) − OUT(尿+便+不感蒸泄+ドレーン+出血)

臨床では「IN=輸液+経口」「OUT=尿+ドレーン+便」を実測値として記録し、不感蒸泄と代謝水は概算値で補正するのが一般的です。これに1日の体重変動を照合することで、記録の妥当性を検証します。

IN側の内訳

輸液(点滴・末梢/中心静脈栄養・経管栄養剤の水分)=最も正確に測定可能。滴下速度と時間、または輸液ポンプの記録から算出。②経口摂取(飲水・お茶・スープ・果物)=看護師・患者の記録が必要。目安として湯呑1杯150mL、コップ1杯200mL、味噌汁1杯180mL。③食事水分=食品の含水率から算出。全粥800mL、白飯300mL、パン100mLが目安。④代謝水=糖・脂質・タンパクの酸化で生じる水分、成人で約300mL/日を追加。

OUT側の内訳

尿量(蓄尿・尿器・膀胱留置カテーテル)=最重要指標で、時間尿量(0.5〜1mL/kg/時)が急性期モニターの基本。②ドレーン排液=手術・外傷後の胸腔・腹腔・脳室ドレーンの排液量。③便中水分=通常100〜200mL/日、下痢時は1L以上増加。④不感蒸泄=発汗・呼気の水分蒸発で成人900mL/日(体重×15mL)。⑤出血・吐物=急性期のロス量を別途カウント。

健常成人の1日水分収支

体重60kg・活動量普通・環境温度25℃の健常成人の典型的な水分収支です。

IN(摂取)mL/日OUT(排出)mL/日
飲水(お茶・水)1,200尿量1,500
食事水分1,000不感蒸泄(皮膚・呼気)900
代謝水300便中水分100
IN合計2,500OUT合計2,500

健常成人ではIN・OUTがほぼ均衡(±100mL/日以内)しています。「1日2.5L」の水分摂取・排出が基本モデル。ただし体重・活動量・環境温度・年齢によって大きく変動し、高齢者は摂取・排出とも1,800〜2,000mL/日に低下、乳幼児は体重比で成人の2〜3倍の水分回転率(体重kg×150mL/日)となります。

不感蒸泄の詳細と補正

不感蒸泄は「感じない蒸発水」=発汗として自覚しない水分損失。皮膚からの蒸発と呼気水分の合計で、意外に大きな量になります。

体重ベースの基本式

不感蒸泄(mL/日) = 体重(kg) × 15

60kg成人で900mL/日、50kgで750mL/日、40kgで600mL/日。皮膚から約2/3(600mL)、呼気から約1/3(300mL)が成人の内訳です。

発熱時の補正

発熱補正 = 通常不感蒸泄 × (1 + 0.15 × ΔT)

体温1℃上昇で不感蒸泄は約15%増加。38℃(平熱+1℃)で900→1,035mL、39℃で1,170mL、40℃で1,305mLに増える計算です。敗血症・熱中症等の発熱患者では見落とすと脱水を招くため、必ず補正が必要です。

環境要因の補正

高温環境(夏季屋外・空調不良)=1.5〜2倍(2,000mL/日に達することも)。②低湿度(冬季暖房)=1.3倍。③過呼吸・人工呼吸器管理=呼気水分が増減し、加温加湿器の設定で管理。④大手術・熱傷=皮膚バリア破綻で3〜10倍増(創面積に比例)。熱傷では体表面積×10mLで概算する式もあります。

代謝水との相殺

体内の栄養素(糖・脂質・タンパク)の酸化で生じる代謝水約300mL/日は、不感蒸泄の一部を相殺します。臨床の慣行式では「不感蒸泄900 − 代謝水300 = 実質600mL/日の水分喪失」と扱うことも。医療機関により算式に差があるため、施設のルールに従います。

尿量の評価基準

尿量は水分バランスの最も重要な指標で、時間尿量・24時間総尿量・尿比重・電解質の複数指標で評価します。

正常尿量と時間尿量

正常時間尿量 = 0.5〜1.0mL/kg/時

60kg成人で30〜60mL/時、720〜1,440mL/日が正常範囲。ICU・術後の急性期では0.5mL/kg/時以上を維持することが循環動態の基本目標です。1時間毎の尿量測定(時間尿計・膀胱留置カテーテル)で、循環不全・腎機能悪化を早期発見します。

尿量の異常値と病態

尿量区分成人24時間量病態
無尿(anuria)<100mL/日急性腎不全・完全閉塞・重篤循環不全
乏尿(oliguria)100〜400mL/日脱水・急性腎障害・心不全
正常1,000〜2,000mL/日
多尿(polyuria)>3,000mL/日糖尿病・尿崩症・利尿薬過剰・多飲

時間尿量が0.5mL/kg/時未満が2時間以上続く場合は急性腎障害(AKI)のリスクがあり、KDIGOガイドラインに基づく早期介入(輸液・利尿薬・血液浄化療法の検討)が必要です。

体重変動との整合

水分バランス評価では、体重変動との照合が不可欠。バランス記録と実際の体重変化に大きな乖離があれば、記録漏れ・不感蒸泄の見誤り・出血の見落としを疑います。

水分と体重の関係

1kg体重変動 = 約1L(1,000mL)の水分変動

1日の体重増加0.5kgは+500mLの水分貯留、体重減少1kgは−1,000mLの水分喪失を意味します。ただし急激な栄養状態変化(絶食・敗血症の異化亢進)がある場合は、体重減少に脂肪・筋肉の消費も含まれるため慎重に解釈します。

1日の体重測定タイミング

朝食前・排尿後・着衣同一条件が理想的な体重測定タイミング。ICU・重症患者ではベッドスケールで24時間毎に測定します。心不全患者の外来では朝の体重を毎日記録し、3日連続で1kg以上増加なら悪化サインとしてクリニック連絡を指導します。

水分バランス+体重で判断

①バランス+500mLかつ体重+0.5kg → 記録と体重が一致(信頼できる)。②バランス+500mLだが体重−0.5kg → 不感蒸泄過小評価または記録漏れ。③バランス−500mLだが体重+0.5kg → OUTの記録漏れ(便・失禁・呼気の見誤り)。両者の整合性チェックが看護記録の信頼性を高めます。

病態別のバランス目標

水分バランスの目標値は病態により大きく異なります。中立±500mLは健常時の目安で、疾患ごとに厳密なコントロールが必要です。

心不全(HF)

肺うっ血・浮腫の予防のため、−500〜−1,000mL/日のマイナスバランスを目標とすることが多い。利尿薬(フロセミド等)で尿量を促進し、体重を1日0.5〜1kgのペースで減量。急性心不全のNPPV導入時は輸液量を厳しく管理します。

急性腎障害(AKI)・慢性腎不全

尿量に応じた水分制限が必要。無尿・乏尿期は「不感蒸泄+前日尿量−代謝水」の輸液量に厳格制限し、多尿期は電解質喪失を考慮した補液に切り替え。透析導入時はドライウェイトを目標にバランス管理します。

敗血症・敗血症性ショック

初期蘇生では+2,000〜4,000mL/日のプラスバランスを許容(SSCGガイドライン)。ただし24時間後には慎重管理に移行し、+バランス過剰は肺水腫・腹部コンパートメント症候群のリスク。早期にネガティブバランスへの移行を検討します。

術後管理(周術期)

術中のIN・OUT・出血を引き継ぎ、術後1〜3日は+500〜1,500mL/日のプラスバランスから開始、その後徐々に中立化。腹部大手術後は術後3〜5日で+バランスから−バランスへ移行(リフィリング期)する自然経過があります。

小児・新生児

成人と比べ体重比で2〜3倍の水分回転率(維持輸液は体重kg×100mL/日が基本、Holliday-Segar式)。不感蒸泄も大きく、脱水・過剰輸液の閾値が狭い。時間尿量1mL/kg/時以上が目標。

高齢者・要介護

口渇中枢の感受性低下で自覚脱水が生じやすい。逆に心機能低下で過剰輸液に弱い。±300mL/日の狭い中立バランスを目指す慎重管理が必要です。誤嚥予防で水分は増粘剤(とろみ剤)使用が多く、経口摂取量の記録が難しい傾向。

電解質(Na・K)との連動

水分バランスは電解質バランスと連動して評価します。単独の水分バランスだけでは判断を誤ることがあります。

ナトリウム(Na)との関係

血清Naの正常値は135〜145mEq/L。低Na血症(<135)は水分過剰または相対的な水分過剰を、高Na血症(>145)は水分不足を示します。単純な水分バランス+500mLでも、低Na血症を伴う場合は「自由水過剰」であり、生理食塩水補液ではなく水分制限が必要です。

カリウム(K)との関係

血清Kの正常値は3.5〜5.0mEq/L。利尿薬使用時はK喪失(低K血症)、腎不全・アシドーシス時はK蓄積(高K血症)。マイナスバランスを目標にする心不全治療では、利尿薬併用でK・Mgの補充を並行するのが標準です。

浸透圧との関係

血清浸透圧の正常値は280〜295mOsm/kg。高浸透圧血症は脱水を、低浸透圧血症は水分過剰を示唆します。水分バランスだけでなく浸透圧も評価軸に加えることで、輸液内容(生食・5%ブドウ糖・維持液)の選択が適切になります。

記録方法と看護実務のTips

水分バランスの記録は看護実務の中核業務。効率と精度を両立するためのTipsをまとめました。

24時間記録の締め時刻

多くの施設では朝6時締めで前日6時からの24時間累積を集計。日勤・準夜・深夜の3勤帯で分担して記録し、朝の申し送りでバランス評価を共有します。夜勤帯の記録漏れを防ぐため、電子カルテとの連動が近年進んでいます。

目分量ではなく実測値で

経口摂取はコップ・湯呑・味噌汁椀の標準mLを病棟で統一(コップ200mL・湯呑150mL・味噌汁椀180mL等)。患者・家族への声かけで「いつも通り」ではなく「杯数」を確認するのが精度向上のコツ。おかず・果物の食事水分は献立表からの計算(全粥800mL・白飯300mL等)を活用します。

電子カルテのバランス集計機能

富士通・NEC・ソフトウェア・サービス(SSI)等の主要電子カルテには、輸液ポンプの記録・尿量記録から自動集計する機能があります。看護師の記録負担を減らし、リアルタイムでの評価が可能。ただし手入力項目(経口摂取・不感蒸泄)は看護師の入力が必要です。

体重測定のタイミング

朝食前・排尿後・寝衣同一条件が理想。ICUではベッドスケールで24時間毎、一般病棟では起立可能な患者は毎日、寝たきり患者は週2〜3回が慣行です。乾燥体重(ドライウェイト)管理が必要な透析患者は毎透析後の測定が必須です。

業界での応用

ICU管理・重症患者

時間毎の水分バランス記録・体重測定・中心静脈圧・尿量モニタリング。心臓外科術後・敗血症・多臓器不全ではバランスと体重を24時間管理し、フロセミド・アルブミン・血液浄化療法(CHDF)を組み合わせた最適化を行います。

手術室・麻酔管理

術中のIN(輸液・輸血)・OUT(尿量・出血・ドレーン)を10〜30分毎に記録。腹部大手術では細胞外液の第3スペースへの移行(サードスペース損失)を見込み、術中補液を計算。麻酔科医が動脈血ガス・尿量から最終判断します。

透析室・腎臓内科

血液透析患者の除水量(1回透析で1〜3L)、ドライウェイト管理、透析間の体重増加(1日1kg以内が目標)、電解質・尿素窒素(BUN)との連動評価。CAPD(腹膜透析)患者は自宅での透析液交換量と体重管理を指導します。

心臓内科・心不全外来

慢性心不全患者に朝の体重測定を毎日指導し、+1kg/3日で受診勧告。塩分制限(6g/日以下)・水分制限(1,500mL/日以下等)の遵守状況を確認し、利尿薬の増減を判断。地域医療連携で在宅管理をサポートします。

小児科・NICU

新生児(低体重児含む)の輸液は体重×80〜150mL/日で計算。不感蒸泄が大きく、光線療法・保育器温度でも変動。時間尿量・血清Na・体重変動の3軸で厳密管理し、脱水・過剰輸液のリスクを最小化します。

看護記録・電子カルテ

看護師の日々の記録として、24時間累積のIN/OUT表を電子カルテに入力。輸液ポンプの記録と連動する機能を持つシステム(富士通・NEC・SSI等)が普及。手書きから電子化で記録漏れが減少し、リアルタイム集計が可能に。

よくある間違い・注意点

  • 不感蒸泄を無視する — 900mL/日の過小評価が最も多いミス。24時間積算で1L近い喪失を無視すると、輸液量が過剰になり肺水腫を招きます。必ず体重×15mLで計算に含めてください。
  • 発熱時の補正忘れ — 体温1℃上昇で不感蒸泄15%増(60kg成人で135mL/日追加)。敗血症・術後・熱中症患者では体温と不感蒸泄を連動させて記録するのが必須です。
  • 代謝水を計算しない — 代謝水約300mL/日は、絶食・長期臥床では減少しますが、経口摂取・経管栄養患者では見込みに含めるべきINです。施設のルールに従い一貫した計算を。
  • 体重変動と乖離した記録を放置 — バランス−500mLなのに体重が増えているのは記録の信頼性が低い兆候。看護師・患者・家族に確認し、便・尿失禁・経口摂取の記録漏れを埋めることが必要です。
  • 電解質と水分の同一視 — 血清Na値・浸透圧を確認せずに水分バランスだけで判断すると、低Na血症を「水分不足」と誤解し悪化させる可能性があります。血液検査結果との併読が必須です。
  • ドレーン排液を過小評価 — 手術・外傷後のドレーンは血性・漿液性・膿性で成分が違い、単純に水分量として計上すると出血の見落としに。ドレーン排液は「量+性状+電解質」で評価します。
  • 下痢・嘔吐の水分・電解質喪失を軽視 — 下痢は1回500〜1,000mLの水分喪失、電解質(K・重炭酸)も大量喪失。感染性腸炎の入院患者は水分バランスだけでなく代謝性アシドーシス評価も必要です。
  • 小児・高齢者に成人基準を適用 — 体重比の水分回転率が違うため、Holliday-Segar式(小児)や高齢者用の狭い中立バランスに切り替える必要があります。

関連する規格・臨床指針

  • 日本集中治療医学会「日本版敗血症診療ガイドライン」 ― 敗血症の初期輸液蘇生・維持輸液の指針。SSCG(国際)を国内実情に合わせた版。
  • 日本輸液学会「輸液療法の考え方」 ― 維持輸液・補正輸液の基本、電解質異常への対応。
  • KDIGO(国際腎臓病予後改善機構)AKIガイドライン ― 急性腎障害の定義・診断・管理。尿量0.5mL/kg/時未満が診断基準の一つ。
  • 日本循環器学会「急性・慢性心不全診療ガイドライン」 ― 心不全のうっ血管理、水分・塩分制限、利尿薬使用の指針。
  • 日本腎臓学会「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン」 ― 慢性腎臓病の水分・電解質・栄養管理。
  • 日本小児科学会「小児輸液」 ― Holliday-Segar式・DarrowとPratt式に基づく小児維持輸液基準。
  • 日本看護協会「看護実践基準」 ― 水分出納記録の看護記録標準、電子カルテ運用指針。
  • 厚生労働省「熱中症予防対策指針」 ― 高温環境下の水分・塩分補給、日常生活での不感蒸泄の考え方。

参考文献・公的資料

より詳細な輸液計算や病態別管理を確認したい場合は、以下の公的機関・学会の資料を参照してください。

※本ページの水分バランス計算は一般的な臨床概念に基づく参考値です。実際の患者管理は、疾患・年齢・合併症・薬剤使用状況・電解質・血液ガス・体重変動・血行動態を総合的に評価する必要があります。輸液計画・薬剤変更・除水量の判断は、必ず主治医(集中治療医・循環器内科医・腎臓内科医・小児科医等)および担当看護師の判断に従ってください。本ツールを患者・家族が自己判断の根拠として使用することは避け、医療専門職への相談を推奨します。

よくある質問(FAQ)

中立バランスの目安は?

IN=OUT±500mL/日が健常時の中立バランス目安。病態により目標は異なり、心不全患者は−500〜−1,000mL/日(利尿目標)、敗血症初期は+2,000〜4,000mL/日(蘇生目標)、術後1〜3日は+500〜+1,500mL/日(周術期補正)と幅があります。

不感蒸泄はいくつ?

成人約900mL/日(=体重kg×15mLで概算)。皮膚から約2/3、呼気から約1/3。体温1℃上昇で15%増加し、38℃で1,035mL、39℃で1,170mLに増える計算です。高温環境・低湿度・過呼吸・熱傷では大幅増加し、加温加湿の管理も加味します。

正常尿量は?

健常成人で1日1,000〜2,000mL(体重×20〜30mL)。時間尿量0.5〜1.0mL/kg/時が急性期モニターの基本目標です。0.5mL/kg/時未満が2時間以上続くと急性腎障害(AKI)のリスクがあり、早期介入が必要になります。

体重変動と水分バランスの関係は?

1kg体重変動=約1L水分変動。バランス+500mLで体重も+0.5kgなら記録は信頼できます。乖離があれば記録漏れや不感蒸泄の誤算を疑います。特に心不全患者では朝の体重測定を毎日行い、3日連続+1kgで悪化サインとして受診勧告します。

心不全患者のバランス目標は?

肺うっ血・浮腫の予防のため−500〜−1,000mL/日のマイナスバランスを目標とすることが多い。利尿薬(フロセミド等)で尿量を促進、体重を1日0.5〜1kgのペースで減量。同時に低K血症予防で電解質補正も並行します。

敗血症の初期輸液は?

敗血症性ショック初期は+2,000〜4,000mL/日のプラスバランスを許容(SSCGガイドライン)。ただし24時間以内に慎重管理へ移行し、+バランス過剰は肺水腫・腹部コンパートメント症候群のリスク。早期にネガティブバランスへ切り替えます。

小児の水分計算はどう違う?

小児・新生児は体重比で成人の2〜3倍の水分回転率。Holliday-Segar式で体重10kgまで100mL/kg/日、10〜20kgは1,000+50mL/kg/日、20kg超は1,500+20mL/kg/日が維持輸液の目安。時間尿量1mL/kg/時以上が目標です。

高齢者の管理はどこが違う?

口渇中枢の感受性低下で自覚脱水が生じやすい一方、心機能低下で過剰輸液に弱い。±300mL/日の狭い中立バランスが目標です。誤嚥予防でとろみ剤使用も多く経口摂取量の記録が難しい傾向あり、看護記録の精度がより重要になります。

電解質と水分バランスの関連は?

血清Naは体内水分量の指標で、低Na=水分過剰、高Na=水分不足を示唆。バランス+500mLで低Na血症があるなら「自由水過剰」で水分制限が必要、生食補液ではありません。K・浸透圧・血糖値と併せた総合評価が必須です。