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蒸留石油精製沸点分留製油所JIS K 2249

石油分留 沸点範囲|LPG/ナフサ/ガソリン/灯油/軽油/重油/アスファルトの分離と製油所の実務

原油の沸点から石油製品種別と用途を即判定。LPG(-40〜30℃)・軽ナフサ(30〜80)・重ナフサ(80〜180)・ガソリン・灯油(180〜250)・軽油(250〜350)・重油(350〜500)・アスファルト残渣(500℃超)の各留分について、常圧蒸留塔(CDU)・減圧蒸留塔(VDU)・接触分解(FCC)・水素化脱硫(HDS)・水素化分解(HYD)の二次装置、収率・IBP-EP・製油所ワークフロー、環境規制サルファ0.001%までを、石油精製・化学プラント・燃料商社・脱炭素戦略のプロ向けに徹底解説します。

最終更新:2026-08-19/監修:計算ツールズ編集部

石油分留 沸点範囲ツール

石油分留の原理

原油の組成と分離

原油は炭化水素の混合物で、分子量(炭素数)・分子構造(直鎖・分岐・環状・芳香族)によって沸点が異なります。この沸点差を利用して分離するのが分留(fractional distillation)です。工業的には常圧蒸留塔(CDU: Crude Distillation Unit)高さ50-70mの塔内で連続的に分離します。

常圧蒸留の温度プロファイル

原油を350-370℃に加熱して塔内に投入すると、軽質分は上部に上昇して凝縮、重質分は下部に流下します。塔内の各段(トレイ)から抜き出す温度で製品種別が決まります。

抜き出し位置温度製品
塔頂(オーバーヘッド)~30℃LPG(プロパン・ブタン)
上部サイドカット30-180℃ナフサ(軽ナフサ・重ナフサ)
中部サイドカット180-250℃灯油・ジェット燃料
下部サイドカット250-350℃軽油(ディーゼル)
塔底(ボトム)350℃以上常圧残油(AR: Atmospheric Residue)

減圧蒸留(VDU)

常圧では500℃超で熱分解してしまう重質留分を分離するため、減圧(絶対圧40-60mmHg)で蒸留する減圧蒸留塔(VDU: Vacuum Distillation Unit)が使われます。ここで軽質減圧軽油(LVGO)・重質減圧軽油(HVGO)・減圧残油(VR)を分離。VRは接触分解の原料またはアスファルト・重油の原料となります。

沸点別 石油製品早見

沸点範囲製品名炭素数主な用途原油からの収率
-40〜-30℃メタン・エタンC1-C2都市ガス原料・LPG化学原料1-3%
-30〜30℃LPG(プロパン・ブタン)C3-C4家庭用・工業用燃料・タクシーLPG2-4%
30〜80℃軽ナフサC5-C6ハイオク成分・イソペン・化学原料5-8%
80〜180℃重ナフサC7-C10ガソリン改質原料・エチレン原料15-20%
150〜250℃ジェット燃料(A-1)C9-C15民間航空機・ケロシン8-12%
180〜250℃灯油C10-C15暖房用・農業用・工業用10-15%
250〜350℃軽油(ディーゼル)C15-C22トラック・重機・鉄道ディーゼル20-25%
350〜500℃重油(A・B・C)C22-C40船舶燃料・発電・工業ボイラー15-25%
500℃超(残渣)アスファルト・ピッチC40以上道路舗装・防水材・電極用5-15%

原油の約30-40%がガソリン・軽油の高価値留分、残りは低価値の重油・残渣。二次装置(接触分解・水素化分解)で重質分を軽質化して高付加価値化するのが製油所の利益源です。

常圧蒸留・減圧蒸留の詳細

常圧蒸留塔(CDU)の構造

直径5-8m・高さ50-70mの円筒塔内に30-40段のトレイを配置。加熱炉で350-370℃に加熱した原油を塔中部に投入、上昇する蒸気と下降する液体が各段で平衡を取りながら分離が進みます。原油処理能力は日量10万〜30万バレル(バレル=159L)級が世界標準です。

減圧蒸留塔(VDU)の役割

常圧残油(AR)を350-400℃・絶対圧40-60mmHgで再蒸留。減圧により沸点が50-80℃下がるため、常圧では熱分解する重質分を分離できます。減圧残油(VR)は次段の接触分解・コーカーで軽質化されます。

その他の蒸留装置

  • スタビライザー:LPGとナフサの分離、圧力10-15kg/cm²の高圧塔
  • スプリッター:軽ナフサ・重ナフサの分離
  • ケロシンハイドロトリーター:灯油・ジェット燃料の脱硫
  • ディーゼルハイドロトリーター:軽油の脱硫(サルファ10ppm以下)

接触分解・水素化処理の二次装置

常圧・減圧蒸留で得られる重質留分を、より高価値のガソリン・軽油に変換する二次装置が製油所の核心です。

装置反応触媒/条件製品
接触分解(FCC)減圧軽油→軽質分解ゼオライト触媒・500-550℃LPG・ガソリン成分・LCO
水素化分解(HYD)重質油→軽質高品位油金属触媒・50-200気圧水素灯油・軽油(低硫黄)
接触改質(CCR)直留ナフサ→高オクタン白金触媒・500℃ハイオクガソリン成分
アルキレーションC4+C3→C7-C8硫酸/HF酸触媒ハイオク成分
異性化(ISOM)ノルマル→分岐(イソ)白金触媒・低温ハイオク成分
コーカー減圧残油→軽質分解500℃・熱分解ガス・ナフサ・軽油・石油コークス
水素化脱硫(HDS)S含有分→H₂S除去Co-Mo触媒・水素低硫黄軽油・重油

接触分解(FCC)は製油所の主力二次装置で、日量5万バレルの装置が典型。ガソリン収率50%以上を目指した触媒開発、日々のヴィスコシティ・APIカット調整でオペレーターが精密制御します。

原油種と収率

原油は産地・地質年代によって組成が大きく異なります。API比重(°API)で分類され、軽質(°API 35以上)・中質(°API 22-35)・重質(°API 22以下)に分けられます。

原油種API硫黄分特徴
WTI(米・軽質スイート)39°0.24%米国内陸産、ガソリン収率高い
ブレント(北海)38°0.37%欧州・アジア基準原油
ドバイ(中東)31°2.0%中東サワー、日本主力輸入
アラビアンライト(サウジ)33°1.8%サウジ主力輸出、日本輸入
アラビアンヘビー(サウジ)28°2.9%重質サワー、脱硫コスト高
マヤ(メキシコ)22°3.4%重質・高硫黄、アスファルト向き
ベネズエラ超重質8-12°4%超オリノコタール、特殊処理必要

日本は年間約1.5億kLの原油を輸入(2020年代)。中東依存度は90%超で、うちUAE・サウジ・カタール・クウェートが主力供給源。原油価格はブレント・WTI・ドバイの3指標で決まり、地政学リスクで大きく変動します。

環境規制と燃料品質

脱炭素・大気汚染防止のため、燃料品質規制は年々厳格化しています。日本の燃料品質は揮発油等の品質の確保等に関する法律(品確法)で定められています。

燃料硫黄分備考
ガソリン(JIS K 2202)10ppm以下2008年から欧州水準
軽油(JIS K 2204)10ppm以下ULSD(Ultra Low Sulfur Diesel)
灯油(JIS K 2203)80ppm以下石油ストーブ用
ジェット燃料(JIS K 2209)3,000ppm以下民間航空機用
A重油1,000ppm以下工業用ボイラー
C重油(高硫黄)3.5%以下船舶燃料(IMO 2020規制で0.5%へ)
船舶用低硫黄重油0.5%以下IMO 2020規制対応

脱炭素・エネルギー転換

2050年カーボンニュートラルに向け、日本の石油業界はSAF(Sustainable Aviation Fuel)・バイオ燃料・水素・アンモニアへのシフトを進めています。既存の製油所インフラを活用して合成燃料・カーボンリサイクル製品を製造する構想も具体化しつつあります。

日本の製油所と処理能力

日本国内の製油所は2026年時点で21箇所、精製能力は約320万バレル/日。過去のピーク(1980年代600万バレル/日)から需要減少に伴い集約が進みました。

元売会社主要製油所処理能力(万bbl/日)
ENEOS(旧JXTG)根岸・水島・堺・仙台・大分・和歌山合計約150
出光興産愛知・千葉・北海道・山口合計約95
コスモ石油四日市・堺・千葉合計約45
富士石油袖ケ浦約14
太陽石油四国約12

製油所は沿岸部に立地(タンカーで原油輸入・製品出荷)。京葉・京浜・伊勢湾・瀬戸内海・大分・仙台等の工業地帯が代表的な立地。24時間365日連続運転、3-4年に1回の計画停止(オーバーホール)。

石油製品の価格と税制

ガソリン・軽油・灯油には揮発油税・地方揮発油税・軽油引取税・石油石炭税が課されます。旧暫定税率(当分の間税率)は令和7年12月31日に、軽油引取税の当分の間税率は令和8年4月1日に廃止され、いずれも本則税率だけになりました。その結果、税の比率はガソリンで店頭価格の約28%、軽油で約19%です。原油価格の変動は数週間遅れで小売価格に反映されます。

製品店頭価格税・諸経費備考
レギュラーガソリン169.8円/L揮発油税24.3円+地方揮発油税4.4円=28.7円+石油石炭税2.8円+消費税全国平均。SSにより地域差±10円
ハイオクガソリン180.7円/L同上+ハイオク価格差全国平均。レギュラー+約11円/L
軽油159.3円/L軽油引取税15.0円+石油石炭税2.8円+消費税(軽油引取税は消費税の課税標準外)全国平均。ディーゼル用
灯油店頭2,532円/18L(約140.7円/L)石油石炭税等全国平均。季節・地域差大
A重油90-120円/L(目安)石油石炭税等工業ボイラー用。小売価格調査の対象外
C重油65,000-85,000円/kL(目安)石油石炭税等発電・船舶用。小売価格調査の対象外

ガソリン・軽油・灯油の価格は資源エネルギー庁「給油所小売価格調査」の全国平均(2026年8月17日調査)。かつてガソリン税は本則28.7円/Lに当分の間税率(旧暫定税率)25.1円/Lを上乗せした53.8円/Lでしたが、この特例は令和7年12月31日に廃止され、現在は本則の28.7円/Lだけです。軽油引取税も当分の間税率17.1円/Lが令和8年4月1日に廃止され、地方税法第144条の10の本則15.0円/Lになりました。ガソリン価格が3か月連続160円/L超で暫定税率を止める「トリガー条項」を定めていた租税特別措置法第89条も「削除」されています。原油価格に加えて政策要因で価格が動く構造は変わりません。

エネルギー転換とSAF・バイオ燃料

2050年カーボンニュートラル目標に向け、石油業界はSAF・バイオ燃料・水素・アンモニア・カーボンリサイクルへの転換を進めています。

代替燃料原料用途普及見込み
SAF(持続可能航空燃料)廃食油・木質・アルコールジェット燃料2030年10%目標
バイオディーゼル(BDF)菜種油・大豆油・廃食油軽油代替低濃度混合(B5・B20)
バイオエタノールサトウキビ・トウモロコシガソリン混合(E3・E10)ブラジル・米国で普及
水素(グリーン水素)再エネ電解水FCV・産業ボイラー2030年商用化目標
アンモニアグリーン水素+窒素船舶燃料・混焼発電2030年商用化目標
e-Fuel(合成燃料)CO2+H2既存内燃機関汎用2035年頃実装期

これらの代替燃料は既存の製油所インフラ(水素化装置・改質装置・タンク・出荷設備)を活用できるものが多く、石油元売各社は「燃料転換」を軸にした2050年戦略を描いています。ENEOSの水素製造・出光のバイオ燃料・コスモの洋上風力等の投資が具体的な方向性です。

業界・現場での使い方

🏭 製油所オペレーション

常圧蒸留塔の温度・還流比・投入量の制御、留分品質(IBP・EP・引火点・流動点)の連続監視。24時間365日連続運転で計画停止(オーバーホール)は3-4年に1回。DCS(分散制御システム)による自動化+熟練オペレーターの判断が組み合わさる。

⚗️ 石油化学プラント

ナフサを原料としてエチレン・プロピレン・ベンゼン・トルエン・キシレン(BTX)を製造。ナフサクラッカーの原料スペック(IBP・EP・PIONA組成)から製品収率を計算し、原料調達・製品出荷を計画。

🚢 船舶燃料商社(バンカー)

C重油・低硫黄重油(0.5%以下・IMO 2020対応)・LNG・アンモニアの調達計画。船舶の主機出力・航路・国際規制(SOx・NOx・CO2)を加味した燃料選定を提案。

🛢️ 燃料元売り・SS

ガソリン・軽油・灯油の卸売・小売。全国SS(サービスステーション)網の燃料供給、輸送計画、需給バランス調整。JIS K 2202・2203・2204の規格品質を維持。

🎓 化学・化学工学の研究・教育

分離工学・熱力学の基本教材。VLE(気液平衡)・還流比・トレイ効率・HETPなど工学的パラメータの理解に。設備設計にはAspen Plus・PRO/II等のシミュレーターを併用。

🌱 脱炭素・エネルギー転換

従来の石油精製プロセスをSAF・バイオ燃料・水素製造・カーボンリサイクルに転用する設備計画。既存の水素化装置・接触改質装置を活用してグリーン水素製造インフラへ再構築する構想。

よくある間違い・注意点

  • 沸点=単一値と誤解 — 石油製品は混合物なので、沸点は「範囲」で表示される。IBP(Initial Boiling Point・初留点)〜EP(End Point・終点)の温度範囲で規定され、単一沸点は存在しない。
  • 常圧蒸留のみで完結すると誤解 — 実際の製油所は常圧+減圧+接触分解+水素化処理+改質+アルキル化など10-20の装置が連携。単純な「原油→蒸留→製品」ではない複合プロセス。
  • 原油種の違いを無視 — WTI(軽質スイート)とアラビアンヘビー(重質サワー)では処理条件・触媒・製品収率が大きく異なる。プラント設計は特定原油の想定で最適化される。
  • 硫黄規制の甘い認識 — 現行規制はガソリン・軽油とも10ppm以下(ULSD)。1990年代の500ppm感覚では通用しない。C重油もIMO 2020で0.5%以下(旧3.5%)へ厳格化。
  • 減圧蒸留の必要性軽視 — 常圧では500℃超で熱分解(コーキング)が起こり装置を痛める。減圧で沸点を50-80℃下げて分離する必要性を認識する。
  • 接触分解の触媒管理不足 — FCCのゼオライト触媒は連続的に劣化・再生を繰り返す。触媒粒度・活性・重金属汚染の監視が装置稼働率に直結。
  • 石油化学と石油精製の混同 — 石油精製は燃料・アスファルト製造、石油化学はナフサから樹脂・繊維・化学品製造。装置構成も経営指標も別物。ナフサはその境界の連携原料。
  • SAF・バイオ燃料の実力を過大評価 — 現状の生産量はジェット燃料需要の1%未満(2026年)。既存石油需要の急速置換は物理的に困難で、段階的移行が現実解。

関連する規格・法規

  • JIS K 2202「自動車ガソリン」 ― ハイオク・レギュラーガソリンの品質規格。オクタン価・硫黄分・鉛分・ベンゼン分。
  • JIS K 2203「灯油」 ― 1号(白灯油・ストーブ用)・2号(茶灯油・工業用)の品質規格。
  • JIS K 2204「軽油」 ― 特1号・1号・2号・3号・特3号の品質規格。セタン価・流動点・硫黄分。
  • JIS K 2209「航空燃料油」 ― ジェット燃料A-1・JP-4・JP-5等の品質規格。
  • JIS K 2205「重油」 ― A重油・B重油・C重油の品質規格。硫黄分・引火点・流動点。
  • JIS K 2249「原油及び石油製品-密度試験方法」 ― API比重・15℃密度の測定方法。
  • 揮発油等の品質の確保等に関する法律(品確法) ― 経産省管轄。ガソリン・軽油・灯油の品質保証。
  • 石油業法・石油の備蓄の確保等に関する法律 ― 石油の安定供給・備蓄・元売業の許可要件。
  • 大気汚染防止法 ― 燃料の硫黄分・大気汚染物質排出の法的規制。
  • IMO 2020規制(MARPOL条約付属書VI) ― 国際海事機関の船舶燃料硫黄分規制(0.5%以下)。
  • 建築基準法・消防法 ― 石油の貯蔵・取扱いの防火規制。危険物取扱者資格要件。

参考文献・公的資料

石油精製・石油化学・燃料品質の一次情報は、以下の政府機関・業界団体・学協会が発行しています。実務判断は最新の法令・告示に従ってください。

※本ページの沸点範囲・製品分類・収率は、石油学会標準および一般的な製油所での運用に基づく参考値です。原油種・製油所設計・季節・目的製品によって実際の運用値は異なります。石油の取扱い・貯蔵・製造は消防法・高圧ガス保安法・毒物劇物取締法等の法規制対象で、有資格者(危険物取扱者甲種・高圧ガス製造保安責任者等)による管理が必要です。実務判断は最新法令および上記公的機関の指針に従ってください。

よくある質問(FAQ)

沸点150℃の石油製品は?

重ナフサ・ガソリン成分(C7-C10)。ガソリン改質原料またはエチレンプラントのナフサ原料。オクタン価向上のため接触改質・アルキル化・異性化で処理される。

常圧蒸留と減圧蒸留の違いは?

常圧蒸留は大気圧で350-370℃まで、減圧蒸留は絶対圧40-60mmHgで沸点を50-80℃下げて500℃超の重質分を分離。両方組み合わせて原油をフル分離する。

ナフサとガソリンの違いは?

ナフサは石油化学原料(エチレン・BTX製造用)、ガソリンは自動車燃料。同じ沸点範囲(30-180℃)の留分だが、用途で呼び分ける。重ナフサは改質してハイオク成分にも。

原油からの主要製品収率は?

原油の約30-40%がガソリン・軽油の高価値留分、残りは灯油・重油・アスファルト。二次装置(FCC・水素化分解)で重質分を軽質化して高付加価値化するのが利益源。

ハイオクとレギュラーの違いは?

オクタン価(異常燃焼耐性)の違い。ハイオク=RON 96以上、レギュラー=RON 89-92以上(JIS K 2202)。接触改質・アルキル化成分の配合率が異なる。

ULSD(超低硫黄軽油)とは?

硫黄分10ppm以下の軽油。2008年から日本で全面切替。水素化脱硫装置(HDS)で処理。ディーゼル排ガスのSOx・PM(粒子状物質)激減が目的。

接触分解(FCC)の役割は?

減圧軽油をゼオライト触媒で500-550℃で分解し、LPG・ガソリン成分・LCO(軽サイクル油)を製造。日量5万バレル級の装置が製油所の主力二次装置。

日本の原油輸入元は?

中東依存度90%超で、UAE・サウジアラビア・カタール・クウェートが主力。年間約1.5億kLの輸入。地政学リスク・海運ルート(ホルムズ海峡・スエズ運河)が備蓄・多角化戦略の背景。

API比重とは?

米国石油協会が定めた比重指標。°API = 141.5/SG(15℃) - 131.5。数値が高いほど軽質。WTI=39°、ブレント=38°、ドバイ=31°、アラビアンライト=33°、超重質原油は10°以下。

製油所は何時間稼働?

24時間365日連続運転。計画停止(オーバーホール)は3-4年に1回、期間30-60日。停止中は装置全解体点検・触媒交換・トレイ更新・配管検査を実施する。

SAF(持続可能航空燃料)とは?

植物油・廃食油・アルコール由来のジェット燃料。従来ジェット燃料と混合可能。IATAが2050年ネットゼロ目標、2030年10%目標を掲げるが、現状の生産量は世界需要の1%未満で急拡大は困難。

IMO 2020規制とは?

国際海事機関が2020年施行の船舶燃料硫黄分0.5%以下規制(従来3.5%)。船舶側でスクラバー(排ガス脱硫装置)設置または低硫黄燃料使用が必要。海運業界に大きな影響。

日本の製油所は何箇所?

2026年時点で21箇所、精製能力は約320万バレル/日。1980年代ピーク(600万bbl/日)から需要減少で集約。ENEOS・出光・コスモ・富士石油・太陽石油が主要元売。

ガソリン税はいくら?

揮発油税24.3円/L+地方揮発油税4.4円/L=28.7円/L。旧暫定税率25.1円/Lは令和7年12月31日に廃止されました。軽油引取税も当分の間税率が令和8年4月1日に廃止され15.0円/L。ほかに石油石炭税2.8円/Lと消費税がかかり、店頭価格169.8円に占める税は約28%です。灯油・重油には石油石炭税等が課税されます。

石油需給の見通しは?

国内需要は年1-2%減少傾向(EV化・脱炭素)。2050年に向けて需要半減シナリオも想定。代替として水素・アンモニア・SAF・バイオ燃料への燃料転換が段階的に進行。