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移動式クレーン定格総荷重作業半径揚重計画

移動式クレーン 定格総荷重の確認

吊り上げ能力・作業半径・ブーム長・アウトリガーの張出しから、定格総荷重と使用率、吊れる半径の限界を算出します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

移動式クレーン 定格総荷重の確認ツール

定格総荷重は吊り上げ能力×基準半径3m÷作業半径×ブーム長の係数×張出しの係数で近似します。既定値では25t×3÷8m=9.375tに、ブーム16mの係数0.86と最大張出しの係数1.00を掛けて8.06t。ここから玉掛け用具0.4tを引いた定格荷重は7.66tです。吊り荷3.5tと用具0.4tの合計3.90tは定格総荷重の48.37%にあたり、同じ荷のまま伸ばせる作業半径の限界は16.5mとなります。

作業半径と定格総荷重の関係(25t吊り・最大張出しの目安)

作業半径ブーム11mブーム16mブーム24m
4m17.8t16.1t13.1t
6m11.9t10.7t8.8t
8m8.9t8.1t6.6t
12m5.9t5.4t4.4t
16m4.0t3.3t

アウトリガー張出し状態による低減の目安

張出し状態定格総荷重の係数使いどころ
最大張出し1.00敷地に余裕がある一般の据付け
中間張出し0.70〜0.75片側が壁や境界に近い現場
最小張出し0.40〜0.50狭所での軽量物の揚重
張出しなし使用しない原則として作業できません

※参考計算です。実機の性能表・整備要領書・法令の告示が優先されるため、作業前に必ず該当する仕様書で確認してください。

移動式クレーン 定格総荷重の確認の詳しい解説

定格総荷重が作業半径だけで決まらないのは、クレーンが荷をブームの根元で支える片持ちの構造だからです。半径が延びるほど転倒方向のモーメントが増え、同じ機体でも吊れる質量は反比例に近い形で落ちます。さらにブームを伸ばすと自重によるモーメントとたわみが加わるため、同じ半径でも長いブームのほうが定格は小さくなります。性能表が半径とブーム長の二次元の表になっているのはこのためです。

実務で判断が分かれるのは、定格総荷重と定格荷重のどちらで管理するかです。定格総荷重はフックや玉掛け用具を含んだ値で、荷そのものに使えるのはここから吊り具の質量を引いた定格荷重です。ワイヤ、シャックル、吊り天秤を合わせると数百キロになることがあり、荷の質量だけを性能表と見比べると実際には超過している状態が生まれます。吊り具の質量は現場で実測して台帳に残すのが確実です。

見落とされやすいのは半径の測り方です。作業半径は旋回中心から吊り荷の重心までの水平距離で、ブームがたわむと荷は外側へ動き、実際の半径は計画値より大きくなります。荷を地切りした瞬間に半径が数十センチ増えることは珍しくなく、限界に近い条件ほど影響が出ます。旋回中に地盤が沈下しても同じことが起き、風による荷振れも半径を増やす方向に働きます。

条件による違いも大きく、同じ吊り上げ能力の機種でもジブを装着すると定格は大きく下がり、後方吊りと側方吊りで値が変わる機種もあります。地盤の許容支持力度が不足していれば、定格に余裕があってもアウトリガーが沈み転倒に至ります。使用率が七割を超える計画では、機種の変更か据付け位置の見直しを先に検討してください。

作業計画を作る段階では、据付け位置と作業半径を先に固定し、そこから吊れる質量を読む順番が確実です。荷の質量から機種を選ぶ手順では、現場に入ってから半径が延びて成立しなくなる例が後を絶ちません。周辺の建物や電線との離隔、旋回して荷を置く位置、資材を仮置きする場所まで含めて平面図に落とし、最も条件の悪い姿勢で使用率を確認しておくと、当日の判断に迷いが出ません。作業指揮者と玉掛け者の間で、どの半径までなら吊ってよいかを数値で共有しておくことも欠かせません。

業界・現場での使い方

揚重計画書の作成

据付け位置ごとの作業半径から定格総荷重を拾い、使用率が基準内に収まるかを確認します。

機種選定の比較

同じ荷を吊る条件で吊り上げ能力の異なる機種を比較し、必要な能力を絞り込みます。

新規入場者への説明

半径を1m延ばすと定格がどれだけ落ちるかを数値で示し、無理な旋回を防ぎます。

設置場所の検討

狭所で張出しを減らす場合の低減率を確認し、据付け位置を変える判断材料にします。

よくある間違い・注意点

  • 吊り上げ能力の呼称だけで判断する — 25t吊りは最小半径での値で、半径8mでは8t前後まで落ちます。呼称は上限値にすぎません。
  • 玉掛け用具の質量を計算に入れない — ワイヤやシャックル、吊り天秤の質量は定格総荷重に含まれます。荷だけで比べると超過します。
  • ブーム長を伸ばした影響を無視する — 同じ半径でもブームが長いほど定格は下がります。半径だけの表で読むと過大評価になります。
  • 張出し幅を減らした低減を見ない — 中間張出しでは定格が7割前後、最小張出しでは半分以下になる機種があります。
  • たわみによる半径の増加を見込まない — 地切り時に荷が外側へ動くため、限界付近の計画では実際の半径が計画値を上回ります。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

25t吊りで半径8mのとき何トン吊れますか?

ブーム16m・最大張出しの目安で定格総荷重は8.06t、吊り具0.4tを引いた定格荷重は7.66tです。実機は性能表で確認してください。

定格総荷重と定格荷重の違いは何ですか?

定格総荷重はフックや玉掛け用具を含んだ値、定格荷重はそこから吊り具の質量を差し引いた荷そのものに使える値です。

使用率は何%までに抑えるべきですか?

法令上の上限は100%ですが、地盤や風の不確かさを見込み75%前後を計画の目安にする現場が多くなっています。

アウトリガーを最大に張り出せない場合はどうしますか?

中間張出しの性能表に切り替えて計算します。定格は7割前後まで落ちるため、据付け位置の変更も併せて検討します。

ジブを付けた場合も同じ計算でよいですか?

ジブ作業は別の性能表が用意されており、定格は大きく下がります。この計算はブーム単体の目安として使ってください。

風が強い日は定格を下げるべきですか?

受風面積の大きい荷では風荷重が半径方向に働きます。多くの機種で瞬間風速10m/sを作業中止の目安としています。

吊り荷の質量が分からないときはどうしますか?

材質の比重と体積から概算し、余裕を大きめに取ります。荷重計付きのフックで地切り時に確認する方法も有効です。

作業半径はどこから測りますか?

旋回中心から吊り荷の重心までの水平距離です。ブームの先端位置ではなく、荷が下がる位置で測ります。