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クレーンリース建方積算現場実務

クレーンリース単価 計算ツール|容量別日単価・オペ・回送費・作業半径別つり上げ能力早見

クレーンの容量・使用日数から、リース費総額(オペ日当・回送費込)を瞬時に算出。4.9t小型・25tラフター・50t・100t・200t・500t級までの日単価目安、作業半径別つり上げ荷重、労働安全衛生法・クレーン等安全規則・JIS D 6301などの公的規格に基づく安全率まで、建方・プラント・橋梁架設・重量物揚重の積算実務で必要な情報を網羅します。

最終更新:2026-08-08/初版:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

クレーンリース単価 計算機

積算式と単価構成

基本式

総額 = (機械日単価 + オペレーター日当) × 使用日数 + 回送費(往復)

クレーンリース費は「機械賃借料」「オペレーター人件費」「回送費」の3要素で構成されます。国土交通省の公共工事設計労務単価および建設物価・積算資料では、これらを明確に区分して積算するのが標準的な実務です。

単価構成の内訳

機械日単価は容量に比例し、25tラフターで7〜8万円、50tオールテレーンで13〜15万円、100t級で25〜30万円が目安。オペレーター日当は5〜6万円で、移動式クレーン運転士免許保有者の技能給を含みます。回送費は片道1〜4万円で、車両サイズ・移動距離・特殊車両通行許可(道路法第47条の2)取得の要否によって変動します。

付帯費用の目安

1週間以上の常置ではオペレーター宿泊費(1泊1万円前後)、燃料費(軽油ローリー給油)、玉掛作業員費(2〜3万円/日/人)が別途発生します。据付・移設が伴う場合は油圧クローラの設置費・分解組立費が加算されるため、100t超級では機械費と同額規模の付帯費用が計上されるケースもあります。

容量別 日単価早見表(参考値)

関東・関西の主要リース事業者の公表水準および建設物価調査会「積算資料」を参考にした一般的な相場感です。実際は繁忙期・遠隔地・特殊仕様(ジブ延長・カウンターウェイト増設)で±20〜30%変動します。

容量機械種別日単価目安主な用途
4.9t小型ラフター(法定要件緩和)2.0〜2.5万円戸建・小規模建方・造園
13tラフター(4輪駆動)4.0〜4.5万円小規模鉄骨・電柱建替
25tラフター(標準機)7.0〜8.0万円中規模鉄骨建方・機器搬入
50tラフター/オールテレーン12〜15万円中高層建方・PC桁架設
70tオールテレーン18〜20万円プラント機器・橋桁
100tオールテレーン25〜30万円高層建方・大型機器
160tオールテレーン40〜50万円橋梁架設・風車部材
200tオールテレーン50〜65万円プラント大型機器・橋梁
350tオールテレーン90〜120万円石油化学プラント・風車
500tオールテレーン/クローラ130〜180万円洋上風力・原子力構造物

クローラクレーン(履帯式)は同容量のオールテレーンより高単価かつ据付・分解費が別途発生します。

作業半径別つり上げ荷重(25tラフター定格荷重表・参考)

クレーンの実荷重は作業半径・ブーム長・アウトリガー張出しで急激に変化します。定格総荷重表は各機種で必ずカタログ値を確認してください。以下は25tラフター(ブーム長10.5m時)の一般的な参考値です。

作業半径(m)定格総荷重(t)実効能力(定格の75%)備考
2.525.018.75最大荷重域(最小半径)
3.022.016.50
3.518.013.50
4.015.511.63
5.011.58.63
6.08.56.38
8.05.23.90
10.03.42.55
12.02.21.65安全率確保の余裕小
14.01.51.13ジブ使用推奨域

「25tクレーン」は最小作業半径での最大荷重を意味し、実際の吊り上げ能力は作業半径の増加とともに急減する点に注意が必要です。

クレーン種別と選定基準

ラフテレーンクレーン(ラフター)

1つの運転席で走行・クレーン操作を行う自走式。4輪駆動でオフロード性能が高く、狭所現場に強い。13〜80t級が主流で、日本国内建方作業で最頻用。UNIC・タダノ・加藤製作所・コベルコが代表メーカー。

オールテレーンクレーン

走行運転席とクレーン運転席が別の大型自走式。ラフターより高速走行(80km/h)可能で長距離移動に有利。70〜1200t級まで対応し、大型建方・プラント・橋梁架設で主力。リープヘル・タダノ(旧ファウン)が世界的シェア。

クローラクレーン

履帯式で地盤支持力が分散され、軟弱地でも作業可能。50〜3000t級の超大型まで対応。ただし公道走行不可で分解輸送が必須のため、据付費が高額。橋梁架設・洋上風力・原子力施設で使用。

タワークレーン(定置式)

超高層建築で使用。1〜30tクラスをビル躯体に沿ってせり上げる。組立・解体・撤去に1週間以上を要し、リース期間3ヶ月以上のプロジェクト前提。日単価というより月極契約となる。

トラッククレーン

トラック車体にクレーンを架装した形式。25〜1000t級。長距離高速移動が可能で、遠隔地プラント工事の主力機材。オペレーターと運転手が別の2名体制となるケースが多い。

ユニック車(積載形トラッククレーン)

2.9〜4.9tクラスの小型で、荷物運搬とクレーン揚重を1台で行う。玉掛技能講習修了+小型移動式クレーン運転技能講習修了で運転可能。日単価3〜5万円と手頃で、建設・電気・造園業で汎用。

オペレーター日当・資格

クレーンオペレーターの日当は1日5〜6万円が業界水準で、機械賃借料と同額に近い高単価です。労働安全衛生法で規定された運転資格別に単価が変わります。

資格操作可能クレーン日当目安
移動式クレーン運転士免許全つり上げ荷重(5t以上を含む全て)5〜7万円
小型移動式クレーン運転技能講習つり上げ荷重1t以上5t未満3〜4万円
クレーン運転特別教育つり上げ荷重1t未満2〜3万円
玉掛技能講習つり上げ荷重1t以上の玉掛作業2.5〜3.5万円

大型クレーン(100t超)では熟練オペレーターの指名料が発生し、日当10万円超のケースもあります。深夜・休日作業は労働基準法第37条の割増賃金(25〜60%)が上乗せされます。

回送費・現場常置費の実態

回送費の内訳

回送費は「機械持込」「機械持帰り」の往復で計上します。25tラフターの首都圏内近距離(片道30km以内)で往復8万円、遠隔地(200km超)では30〜50万円になるケースも。特殊車両通行許可(道路法第47条の2)を要する寸法(全長12m超・幅2.5m超・総重量25t超)では、警察・道路管理者との事前協議費と誘導車手配が別途発生します。

現場常置費(泊まり込み時)

1週間以上の長期現場では機械を持ち帰らず現場常置します。この場合、機械賃借料+オペ日当のみで回送費不要となる代わりに、宿泊費(1泊9,000〜12,000円)・食費・移動費がオペレーター分として発生。オペ本人の家賃補填を含めた「常駐単価」で契約するケースもあります。

燃料費・雑費

大型クレーンは軽油消費60〜120L/日で、燃料費として1日1〜2万円が発生します。玉掛用ワイヤーロープ・シャックル等の消耗品、養生シート、ブーム下敷き板(木材)は別途調達が必要な場合があります。

業界での応用

🏗 鉄骨建方

1日20〜30トン程度の部材揚重に25t〜50t級を配置。柱・梁・ブレースの建方順序に応じて作業半径を計画。建方1棟あたり延べ日数を積算し、機械+オペ+玉掛作業員の総費用を算出。国土交通省の公共建築工事積算基準の対象。

🏭 プラント工事

石油精製・化学プラントの反応塔・熱交換器・ポンプ設置に100〜500t級。事前に3Dシミュレーション(LIFT PLAN)で作業半径と定格荷重を検証。仮設架台の設計荷重、地盤改良(サンドマット・鉄板敷き)も併せて計画。

🌉 橋梁架設

PC桁・鋼桁の一括架設に200〜1200t級を配置。首都高・鉄道近接工事では夜間集中作業となり、深夜割増でコスト2倍。特殊車両通行許可・警察協議・鉄道会社協議に3ヶ月以上を要す事例も。

💨 風力発電・洋上風力

陸上風車(2〜5MW級)ではナセル・ローターの揚重に500〜1200t級。洋上風力(8〜15MW級)では専用起重機船(SEP船)を使用。1機あたりのクレーンコストで数千万〜億単位が発生。

🚧 電柱・電力設備工事

電柱建替・変圧器設置にユニック車・4.9tラフター。地域独占の電気工事会社が保有機で対応するケースが多く、公道占用許可(道路法第32条)と警察の道路使用許可(道路交通法第77条)が必須。

🏭 機械据付・工場移転

工場内の生産設備移設に25〜70t級を工場敷地内で稼働。長期(1ヶ月以上)契約で常置単価を適用。屋内クレーンとの取り合い、床面荷重計算(アウトリガー接地圧)が重要。

クレーン等安全規則のポイント

移動式クレーンの使用は労働安全衛生法および「クレーン等安全規則」(昭和47年労働省令第34号)で厳格に規定されています。主要ポイントを整理します。

  • 作業計画書の作成義務(クレーン等安全規則第66条の2) — つり上げ荷重3t以上の移動式クレーンによる作業では、作業計画書を事前作成し関係労働者に周知する義務があります。
  • 過負荷防止装置(モーメントリミッター)の装備 — つり上げ荷重3t以上の機体に義務化。定格荷重の1.05倍で自動停止。
  • アウトリガー最大張出しの原則 — 定格荷重表はアウトリガー最大張出しを前提。中間張出しでは能力大幅低下。
  • 年次自主検査(クレーン等安全規則第76条) — 1年以内ごとに1回、労働安全コンサルタント等の資格者による性能検査。検査済票の掲示義務。
  • 玉掛作業の安全確保 — 玉掛技能講習修了者が作業。ワイヤーロープ・チェーン・繊維スリング等の適切選定と、荷重・重心・角度を考慮した吊り方(平均張力係数)。

よくある間違い・注意点

  • 「25tクレーン」で25tを吊れると誤解 — 25tは最小作業半径での最大荷重。実際の作業半径(6〜10m)では吊り上げ能力が半分以下になります。作業半径・ブーム長を必ず定格荷重表と照合してください。
  • 回送費・オペ日当を計上せず「日単価×日数」で見積 — 実際の総費用は機械賃借料の1.5〜2倍。オペ日当5万円・回送費8万円が加算され、25t 5日で40万円→70万円級に増加します。
  • アウトリガー中間張出しで最大能力を想定 — 定格荷重は最大張出しが前提。狭所で中間張出しになる場合、能力が50〜70%に低下し過負荷停止の原因となります。
  • 特殊車両通行許可の取得漏れ — 総重量25t超・幅2.5m超の車両は道路法上の特殊車両。無許可通行は道路法違反(100万円以下罰金)。許可申請には2〜4週間要します。
  • 地盤支持力の未検討 — 大型クレーンのアウトリガー接地圧は500〜1500kN/m²に達する場合があり、軟弱地盤では地盤改良(鉄板敷き・サンドマット)が必須。JIS A 1216等の土質試験結果に基づく設計を。
  • 年次自主検査未実施のリース車両 — 検査済票の期限切れは労働安全衛生法違反。契約前に検査済票と作業計画書対応可否を確認してください。
  • 雑費(玉掛工・誘導員・警備員)を忘れる — 玉掛作業員2〜3万円/日/人、交通誘導警備員1.5〜2万円/日/人が別途。公道使用時は必ず必要になります。

典型工事別 総費用シミュレーション例

実際の建方・据付工事における、クレーンリース費の概算例を整理しました。実施工事の見積り作成の参考にしてください(値は目安であり、地域・時期・機種で変動します)。

工事内容使用機材日数総費用目安
戸建住宅の建方(2階建)25tラフター1日約20〜25万円
倉庫の鉄骨建方(500m²)25tラフター3日約50〜60万円
中規模鉄骨建方(3階1000m²)50tオールテレーン5日約110〜130万円
高層ビル建方(10階建)100tオールテレーン + タワークレーン60日約2500〜3500万円
PC橋桁架設(1径間30m)160tオールテレーン ×2台2日(夜間集中)約200〜300万円
プラント大型機器据付(反応塔)500tオールテレーン3日 + 分解組立各3日約1500〜2500万円
陸上風車設置(3MW級)750tクローラクレーン5日 + 分解組立各5日約3000〜5000万円

大型化するほど分解・組立・輸送費が総費用に占める割合が大きくなり、100t超級では機械費と同額の付帯費用が計上されるケースも珍しくありません。

関連する規格・法令

  • 労働安全衛生法 ― クレーン作業の安全確保を規定する基本法。第20条(危険防止措置)・第59条(特別教育)・第61条(就業制限)。
  • クレーン等安全規則(昭和47年労働省令第34号) ― 移動式クレーンの構造・使用方法・検査を詳細に規定。第55条〜第74条(移動式クレーン)。
  • JIS D 6301 ― 移動式クレーンの試験方法。定格荷重表の作成基準。
  • JIS B 8821 ― クレーン鋼構造部分の計算基準。安全率・許容応力の規定。
  • 道路法第47条の2(特殊車両通行許可) ― 総重量25t超・幅2.5m超の車両の道路通行許可制度。
  • 道路交通法第77条(道路使用許可) ― 公道でのクレーン作業に必要な警察署長許可。
  • 国土交通省 公共建築工事積算基準 ― 公共工事の機械経費・労務費積算の公式基準。
  • 公共工事設計労務単価 ― 国土交通省告示。オペレーター・玉掛作業員の労務単価の公式基準。

参考文献・公的資料

クレーンリース単価の積算根拠や安全規則の詳細については、以下の公的機関・業界団体の一次資料を参照してください。

※本ページの単価および定格荷重表は、業界公表値・カタログ値・国土交通省積算基準を基にした一般的な参考値です。実際のリース契約金額はリース事業者・時期・地域・機種・特殊仕様(ジブ延長・カウンターウェイト増設等)により大きく変動します。作業計画書の作成、地盤支持力の検討、特殊車両通行許可の要否判断等は、有資格者(移動式クレーン運転士・作業主任者・労働安全コンサルタント等)による現場確認と最新のカタログ・法令の確認を必ず行ってください。

よくある質問(FAQ)

25tクレーン5日間の総費用は?

機械日単価7〜8万円×5日=35〜40万円、オペ日当5万円×5日=25万円、回送費(往復)8〜10万円で、合計約70〜75万円が目安です。玉掛作業員費(2.5万円×5日=12.5万円)を別途要する場合、90万円級となります。深夜作業・遠隔地・特殊車両許可要件で更に増加します。

作業半径と荷重能力の関係は?

25tラフターは最小作業半径2.5mで25t吊れますが、作業半径6mで8.5t、10mで3.4tまで能力が急減します。作業半径の増加に対し能力は反比例より急激に低下するため、必ず定格荷重表(カタログ値)で作業半径・ブーム長・アウトリガー張出し量を照合してください。

ラフターとオールテレーンの違いは?

ラフターは1つの運転席で走行・クレーン操作を行う4輪駆動車で、狭所現場に強い(13〜80t)。オールテレーンは走行運転席とクレーン運転席が別で、公道80km/h走行が可能な長距離向け大型機(70〜1200t)。同容量ではオールテレーンの方が高単価です。

クレーンオペレーターの資格は?

つり上げ荷重5t以上は「移動式クレーン運転士免許」、1t以上5t未満は「小型移動式クレーン運転技能講習」、1t未満は「クレーン運転特別教育」が必要です(労働安全衛生法第61条・クレーン等安全規則)。無資格運転は事業者・運転者ともに罰則対象です。

回送費が高い理由は?

大型クレーンは特殊車両通行許可(道路法第47条の2)が必要で、事前申請2〜4週間、経路制限、通行時間帯制限があります。遠隔地では誘導車・後続車手配、宿泊費、燃料費が加算され、200km超では往復30〜50万円になるケースもあります。

作業計画書の作成は必須?

つり上げ荷重3t以上の移動式クレーン作業は「クレーン等安全規則第66条の2」で作業計画書の事前作成が義務です。作業内容・作業半径・定格荷重・アウトリガー張出し・地盤支持力・立入禁止区画等を記載し、作業員に周知します。

アウトリガーは中間張出しでもOK?

定格荷重表はアウトリガー最大張出しが前提で、中間張出しでは能力が50〜70%に低下します。カタログには中間張出し用の別表がある場合もあります。狭所現場での作業では事前に張出し量と作業半径の組合せを設計してください。

地盤支持力の目安は?

大型クレーンのアウトリガー接地圧は500〜1500kN/m²に達します。地耐力の不足する軟弱地盤では、鉄板敷き(2枚重ね2m×6m)・サンドマット・改良地盤による分散対策が必須。JIS A 1216の土質試験結果に基づく地耐力算定を行ってください。

年次自主検査の期限は?

クレーン等安全規則第76条により1年以内ごとに1回、性能検査を実施し、検査済票を機体に掲示する義務があります。期限切れの機体は使用禁止で、労働安全衛生法違反となります。リース契約時に必ず検査済票の期限を確認してください。

深夜作業の割増は?

労働基準法第37条により、22時〜翌5時の作業は25%以上の深夜割増、法定休日は35%以上の休日割増となります。オペ日当5万円は、深夜作業だと6.25万円、休日深夜だと8.5万円級に増額。首都高・鉄道近接工事は夜間作業前提のため、割増込みで見積してください。

玉掛作業員は別途手配が必要?

玉掛作業(荷にワイヤーを掛ける作業)は玉掛技能講習修了者が実施する必要があります。オペレーターが玉掛資格を持っていても、地上での玉掛作業には別作業員が必要です。1〜2名を日当2.5〜3.5万円/人で手配するのが一般的です。

タワークレーンとの使い分けは?

タワークレーンは3ヶ月以上・7階建以上の建方で採用するのが一般的で、月極契約となります。組立・解体・撤去に1週間+高額な機械費で、コストパフォーマンスは長期プロジェクト前提。中小規模はラフター・オールテレーンが有利です。