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BCP非常用発電機燃料備蓄指定数量

BCP非常用燃料の備蓄量計算

発電機の出力と稼働目標時間、車両の給油量から、非常用燃料の必要量とタンク容量、指定数量の倍数と規制区分を算出します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

BCP非常用燃料の備蓄量計算ツール

発電機の消費量は定格出力×負荷率×出力あたり燃費×目標時間で、既定値では100kVA×70%×0.25L×72時間=1,260L。車両分は10台×50L=500Lで、合計1,760Lが必要になります。余裕を1割見たタンク容量は1,936Lとなり、現有2,000Lで足りるため不足は0Lです。軽油の指定数量は1,000Lなので倍数は1,760÷1,000=1.76倍となり、指定数量以上として貯蔵所等の設置許可が必要な区分に入ります。

主な燃料の指定数量

燃料危険物の区分指定数量
ガソリン第4類 第1石油類(非水溶性)200L
灯油第4類 第2石油類(非水溶性)1,000L
軽油第4類 第2石油類(非水溶性)1,000L
重油第4類 第3石油類(非水溶性)2,000L

指定数量の倍数と手続の区分

倍数区分必要となる手続
5分の1未満規制の対象外の目安原則として届出は不要です
5分の1以上1未満少量危険物市町村条例に基づく届出が必要です
1以上危険物施設設置の許可と完成検査を受けます
指定数量の大きい施設危険物保安監督者の選任資格者の選任と届出が求められます

※参考計算です。法令・告示・単価は改正されることがあるため、実際の判断は最新の条文と所管窓口、必要に応じて専門家への確認のうえで行ってください。

BCP非常用燃料の備蓄量計算の詳しい解説

非常用燃料の備蓄が計画倒れになりやすいのは、必要量を出した段階で消防法の規制に突き当たるためです。72時間の電源確保を目標に置くと、100kVA級の発電機だけで1,200Lを超え、車両分を足せば軽油の指定数量1,000Lをあっさり上回ります。指定数量以上を貯蔵するには貯蔵所または取扱所としての設置許可と完成検査が要り、防油堤や離隔距離など施設側の要件も加わります。備蓄量を決める前に、どの区分に入るかを確認しておかないと計画が組み直しになります。

判断が分かれるのは、自社で抱えるか供給契約で補うかです。敷地内に大容量タンクを設ければ確実ですが、設置費用に加えて定期点検と保安体制の維持が続きます。一方、燃料販売事業者と優先供給の協定を結ぶ方法は初期費用を抑えられるものの、広域災害では道路の寸断や供給の集中で契約どおりに届かないことがあります。実務では、24時間から48時間分を自社で持ち、それ以降を協定で補う二段構えにする例が多く見られます。

見落とされやすいのが燃料の劣化です。軽油は保管条件によって半年から1年程度で酸化やスラッジの発生が進み、そのまま使うと噴射系の不具合につながります。定期的な入れ替えを前提に運用するか、添加剤や燃料清浄化の仕組みを組み込む必要があり、その費用も年間の維持費に含めて考えます。発電機側も、無負荷での試運転を続けると不完全燃焼で状態が悪化するため、負荷をかけた試験を年に一度は行うのが望ましいとされています。

条件による差も大きく出ます。負荷率を70%で見るか100%で見るかだけで必要量は4割違い、非常時に本当に必要な回路だけへ絞り込めれば、負荷率を下げて備蓄量を圧縮できます。病院やデータセンターのように停止が許されない施設は目標時間を長く取らざるを得ず、大型タンクの設置が前提になります。実際の許可の要否や施設の技術基準は所轄の消防署の判断によるため、計画段階で事前相談を行ってください。

計画を文書に残すときは、必要量と規制の区分だけでなく、誰がどの順序で給油を行うかまで書いておくと実効性が上がります。停電の下でのタンクからの払い出しは手動になることが多く、資格の要否や作業の手順を知る人が不在なら、燃料があっても使えません。年に一度の点検に合わせて、給油の実地訓練を組み込んでおくことをおすすめします。

業界・現場での使い方

事業継続計画の策定

目標復旧時間に必要な燃料量を算出し、タンク容量と供給契約の組み合わせを決めます。

非常用発電機の更新検討

出力と負荷率を変えた場合の必要量を比較し、機種選定の判断材料にします。

消防への事前相談の準備

指定数量の倍数を確認し、届出か許可かの見通しを立てたうえで相談に臨みます。

自治体施設の防災計画

庁舎と公用車の合計から必要量を出し、地域の供給拠点との協定内容を検討します。

よくある間違い・注意点

  • 指定数量の確認を後回しにする — 軽油1,000Lを超えると設置許可が必要となり、備蓄計画そのものの見直しが生じます。
  • 定格出力で燃料消費を計算する — 実際の負荷率は6〜8割にとどまることが多く、定格で計算すると過大な備蓄になります。
  • 車両分の給油量を計上しない — 緊急車両や送迎車の燃料も同じタンクから供給するため、合計で規制の区分が変わります。
  • 燃料の劣化を考慮しない — 軽油は保管条件により半年から1年で品質が低下し、入れ替えの運用が欠かせません。
  • 供給契約だけを頼りにする — 広域災害では道路の寸断や供給の集中により、契約どおりに届かないことがあります。

関連する規格・公的資料

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

100kVAの発電機を72時間動かすと何L必要ですか?

負荷率70%・出力あたり0.25L/時の既定値では1,260L、車両分500Lを含めて合計1,760Lです。

軽油の指定数量はいくつですか?

第4類第2石油類(非水溶性)として1,000Lです。ガソリンは200L、重油は2,000Lとなります。

指定数量の5分の1を超えるとどうなりますか?

少量危険物として市町村の火災予防条例に基づく貯蔵の届出が必要になります。

負荷率はどのくらいで見積もればよいですか?

実運用では60〜80%が目安です。非常時に使う回路を絞れば負荷率は下がり、備蓄量も減らせます。

タンク容量に余裕はどのくらい必要ですか?

必要量の1割程度を上乗せするのが一般的です。温度変化による膨張と抜き取り不能分を見込みます。

備蓄した燃料はどのくらい持ちますか?

軽油は保管条件によって半年から1年程度で劣化が進むため、定期的な入れ替えが前提となります。

供給協定だけで対応できますか?

広域災害では遅延が生じるため、24〜48時間分を自社で保有し、それ以降を協定で補う構成が現実的です。

許可が必要かどうかは誰に確認しますか?

所轄の消防署が判断します。施設の配置図と貯蔵量を持参して事前相談を行うのが確実です。