避難所の収容人数計算
施設の床面積・共用部と通路の割合・1人あたりの基準面積から、避難所の収容可能人数と不足数、必要な区画数を算出します。
避難所の収容人数計算ツール
有効面積は床面積×(1−共用部の割合)×(1−通路の割合)で、既定値では1,200×0.75×0.80=720.0m²。1人あたりの所要面積は基準2m²に区画の係数1.15と滞在7日の係数1.08を掛けて2.484m²となり、収容可能人数は720÷2.484=289人です。想定避難者500人には1,242.0m²が要るため211人分が不足し、同規模の施設がもう1施設必要になります。実際に確保できる1人あたりの面積は720÷500=1.44m²です。
1人あたりの必要面積の考え方
| 局面 | 1人あたりの面積 | 状態 |
|---|---|---|
| 発災直後の緊急収容 | 1.0〜1.65m² | 横になれる最低限の広さです |
| 数日間の滞在 | 2.0m²前後 | 荷物を置く余地が加わります |
| 1週間を超える滞在 | 2.5〜3.3m² | 間仕切りと通路が前提になります |
| 国際的な指標に沿う場合 | 3.5m²以上 | 屋根のある空間として示されています |
施設の種類と有効面積の目安
| 施設 | 床面積の例 | 居住に使える割合 |
|---|---|---|
| 小学校の体育館 | 700〜900m² | 70〜80% |
| 中学校の体育館 | 900〜1,200m² | 70〜80% |
| 公民館・集会所 | 200〜500m² | 50〜65% |
| 市民体育館 | 1,500〜3,000m² | 75〜85% |
※参考計算です。法令・告示・単価は改正されることがあるため、実際の判断は最新の条文と所管窓口、必要に応じて専門家への確認のうえで行ってください。
避難所の収容人数計算の詳しい解説
避難所の収容人数が公表値より少なくなるのは、床面積のうち実際に人が横になれる部分が限られているためです。体育館であればステージや器具庫、玄関ホール、通路として空けておく部分が抜け、既定値の1,200m²でも居住に使えるのは720m²にとどまります。ここに1人2m²で割り付ければ360人ですが、間仕切りを設け、滞在が長引く前提を置くと1人あたり2.5m²近くまで膨らみ、収容力は289人まで落ちます。想定避難者500人との差がそのまま計画の穴になります。
判断が分かれるのは1人あたりの面積をどこに置くかです。発災直後は1人1.65m²ほどで詰めて収容し、命を守ることを優先する運用が現実的です。一方、滞在が1週間を超えると、感染症の広がりや心身の負担を抑えるために3m²前後まで広げる必要があるとされ、同じ施設でも局面によって収容力が半分近く変わります。緊急期の数字で計画を立てておくと、長期化した段階で分散先を探すことになり、対応が後手に回ります。
見落とされやすいのは、居住区画以外に必要な空間です。受付や物資の集積場所、救護スペース、授乳や着替えのための個室、ペットの同行スペース、要配慮者のための区画は、いずれも居住面積とは別に確保する必要があります。トイレの数や給水の動線も収容人数の制約になり、面積上は入っても衛生面で維持できない状況が生じます。通路は幅を確保しないと車椅子や担架が通れず、実質的に使えない区画が生まれます。
地域の条件による違いもあります。都市部では施設あたりの想定避難者が多く、指定避難所だけでは足りないため、ホテルや民間施設との協定、在宅避難や分散避難の呼びかけが前提に組み込まれています。人口の少ない地域では施設に余裕がある一方、道路が寸断されると隣接する施設へ移動できません。想定避難者数は自治体の被害想定に基づいて更新されるため、最新の想定と施設の実測面積を突き合わせて確認してください。
運営の面では、収容人数を先に決めるより、受け入れながら区画を広げていく設計のほうが実態に合います。発災の直後は誰が何人来るか読めないため、入口に近い区画から順に埋め、通路を確保しながら奥へ延ばす手順を図面に落としておくと、現場での判断が早くなります。面積の計算は、その図面を描くための前提を与えるものだと考えてください。
業界・現場での使い方
自治体の避難所計画
施設ごとの有効面積から収容力を算定し、想定避難者数との過不足を地区単位で把握します。
学校施設の受入検討
体育館の実測面積をもとに、区画を設けた場合の収容人数を確認します。
企業の帰宅困難者対策
自社施設で受け入れられる人数を算出し、備蓄量の目安と併せて計画に反映します。
避難所運営訓練
区画数と通路の割合を変えて配置図を作成し、動線の成立を検証します。
よくある間違い・注意点
- 床面積をそのまま収容面積とみなす — ステージや器具庫、通路を除くと居住に使えるのは7割前後にとどまります。
- 緊急期の面積で長期滞在を計画する — 1週間を超えると1人あたり3m²前後が必要となり、収容力は大きく下がります。
- 受付や救護のスペースを見込まない — 物資置場や要配慮者の区画は居住面積とは別に確保する必要があります。
- トイレや給水の制約を無視する — 面積上は収容できても、衛生設備が不足すると滞在の継続が困難になります。
- 間仕切りの占有面積を数えない — 区画を設けると通路と壁の分だけ1人あたりの所要面積が1割以上増えます。
関連する規格・公的資料
- 警察庁 — 警備業法
- 全国警備業協会 — 警備業
- 厚生労働省 — 労働時間・賃金
- 国土交通省 — 建設工事・交通
- 総務省消防庁 — 消防・危険物
- 内閣府 防災情報のページ — 防災・避難所
- 中小企業庁 — 事業継続計画
- 日本産業標準調査会 (JISC) — JIS規格
- 危険物保安技術協会 — 危険物タンク
- 総務省 — 行政・情報通信
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。医療・法務・税務の判断は最新の告示・規格および専門家の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
床面積1,200m²の体育館に何人収容できますか?
共用部25%・通路20%・区画あり・滞在7日の既定値で289人です。有効面積は720.0m²となります。
1人あたり何m²を確保すべきですか?
緊急期は1.65m²前後、数日の滞在で2m²、1週間を超える場合は2.5〜3.3m²が目安とされています。
通路はどのくらい空ければよいですか?
有効面積の15〜25%が目安です。車椅子や担架が通る幅を確保する必要があります。
間仕切りを設けると収容力はどう変わりますか?
1人あたりの所要面積が1割強増えるため、収容できる人数はその分だけ減ります。
必要な区画数はどう数えますか?
1世帯あたりの平均人数で割ります。既定値では2.2人として500人で228区画となります。
収容力が足りない場合はどうしますか?
近隣施設との分散、ホテルなど民間施設との協定、在宅避難や車中泊への支援を組み合わせます。
ペット同行の避難はどう扱いますか?
居住区画とは別に飼育スペースを設けるのが一般的で、その面積は収容人数から差し引きます。
想定避難者数はどこで確認できますか?
自治体が公表する地域防災計画や被害想定に地区ごとの数値が示されています。