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銀行経費率

業務粗利益と経費から、銀行の経費率(OHR)を算出します。

最終更新:2026-05-06/監修:計算ツールズ編集部

銀行経費率ツール

計算式と考え方

経費率(OHR、Over Head Ratio)は「経費 ÷ 業務粗利益 × 100」で求めます。経費は人件費、物件費、税金の合計です。業務粗利益3,000億円に対して経費1,900億円なら、OHRは63.3%という計算になります。この指標は銀行の効率性を示すもので、数値が低いほど効率的です。日本のメガバンクは60〜70%、地方銀行では70〜80%台の水準にあり、米国の主要銀行が50%台であるのと比べて高い傾向があります。差の主因は、店舗網の維持費、対面営業を前提とした人員構成、そして低金利による業務粗利益の伸び悩みにあります。

OHRを構成する要素

人件費行員の給与と福利厚生。店舗数と業務量に連動する最大の固定費
物件費店舗の賃料、システム関連費、事務費。IT投資が近年増加傾向
業務粗利益資金利益(貸出と預金の利ざや)+役務取引等利益(手数料)+その他
改善の方向分母を増やす(手数料収益の拡大)か、分子を減らす(店舗と人員の効率化)か

銀行経費率の詳しい解説

銀行の経費率は収益力を測る基本指標で、分母である業務粗利益と分子である経費の両面から改善が図られます。日本の銀行が国際比較で高いOHRを示してきた背景には、長期にわたる低金利環境があります。貸出金利と預金金利の差である利ざやが極端に縮小したため、分母となる資金利益が伸びず、店舗と人員を維持する費用が相対的に重くなりました。米国の主要銀行が50%台であるのに対し、日本のメガバンクが60〜70%、地方銀行が70〜80%台にとどまるのは、経営努力の差というより、収益構造と店舗網の前提が異なることの反映という側面があります。対応として各行が進めてきたのが、店舗の統廃合と小型化、事務の集中処理とデジタル化、人員の再配置です。窓口業務をタブレット化し、後方事務をセンターに集約することで、1店舗あたりの人員を大きく減らす取り組みが広がっています。ただし経費削減には限界があり、システム投資は近年むしろ増加する項目です。分子を削るだけでは数年で頭打ちになるため、分母を増やす方向として手数料収益の拡大が図られており、資産運用の相談業務、法人向けのコンサルティング、M&Aの仲介、事業承継支援といった領域が強化されています。金利環境の変化は利ざやの改善要因になりますが、同時に貸倒リスクの上昇や、預金金利の引き上げによる調達コスト増という側面もあります。OHRを見る際は単年度の数値だけでなく、店舗数と人員の推移、手数料収益の比率、IT投資の水準を併せて追うことで、構造改革の進捗が把握できます。指標を比較する際は定義の違いにも注意が要ります。経費に何を含めるか、業務粗利益に債券関係の損益を含めるかといった扱いは資料によって異なり、開示された数値をそのまま並べても比較にならない場合があります。近年は債券関係の損益を除いたコア業務純益を併せて見る例が増えており、本業の稼ぐ力を測るという目的にはこちらのほうが適します。また経費の中身も変質しており、店舗と人員の削減で固定費を落とす一方、システムの更新や人材への投資はむしろ増やす必要があるため、経費の総額が下がることだけを改善と評価するのは適切ではありません。比較する相手も重要で、規模の経済が働く指標であるため、メガバンクと地方銀行を並べても優劣の判断にはなりません。同規模・同地域の銀行と比べ、数期の推移で見るのが実務的な使い方です。

業界・現場での使い方

金融機関

自行の効率性を同規模行と比較し、改善余地を検討します。

投資判断

銀行株の分析で、収益性と構造改革の進捗を評価します。

取引先企業

取引銀行の経営体力を把握する指標の一つとして参照します。

よくある間違い・注意点

  • 単年度の数値だけで判断する — 一時的な要因で変動します。数期の推移と店舗・人員の動きを併せて見てください。
  • 分子の削減だけを評価する — 経費削減は限界があります。手数料収益の拡大という分母の改善も重要です。
  • 規模の異なる銀行と比較する — 規模の経済が働くため、メガバンクと地銀では構造が異なります。同規模行との比較が有効です。

関連する規格・法規

  • 金融庁
  • 日本銀行

※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。

よくある質問(FAQ)

OHRの目安は?

50%台なら国際的にも良好、60〜70%が日本のメガバンクの水準、地方銀行では70〜80%台が多くなります。

業務粗利益とは?

資金利益、役務取引等利益、その他業務利益の合計です。銀行の本業から得られる収益を示します。

改善にはどのくらいかかりますか?

店舗統廃合や人員再配置は数年単位の取り組みです。単年度で大きく動く指標ではありません。