中小企業融資
借入額と金利、期間から、中小企業融資の毎月返済額と信用保証料、返済余力を試算します。
中小企業融資ツール
計算式と考え方
毎月返済額は元利均等返済の式で求めます。3,000万円を年2.0%・7年で借りると毎月約38万3,000円、7年間の利息は約217万円です。信用保証料は保証金額に料率と期間を掛け、分割返済の係数0.55を掛けた概算で、料率0.9%なら約104万円になります。事務手数料5万円を加えた総支払額は約3,326万円です。返済原資は税引後利益500万円に減価償却費300万円を足した800万円と見て、年間返済額約460万円はその57.5%にあたります。
借入の形ごとの性格
| 信用保証協会の保証付き | 保証協会が返済を保証するため審査が通りやすい。金利に加えて保証料が別途かかり、保証枠には上限がある |
|---|---|
| 銀行・信用金庫のプロパー | 保証料がかからず金利も低めになりやすい。返済不能の際の損失を金融機関が負うため、審査は保証付きより厳しい |
| 日本政策金融公庫 | 創業期や設備投資に固定金利で長期の資金を出す。保証料はかからず、要件に合えば金利が優遇される制度がある |
| 制度融資(自治体) | 自治体が利子や保証料の一部を補助する。要件に合えば実質負担が下がるが、申込から実行までの期間は長め |
| 当座貸越・手形貸付 | 短期の運転資金向け。分割返済ではないため毎月の返済負担は軽いが、期限に一括で返す必要がある |
中小企業融資の詳しい解説
中小企業向け融資の金利が1%台から2%台の幅に収まりやすいのは、調達コストと信用リスクの積み上げで決まるからです。金融機関の資金調達コストに、貸倒れの見込み、事務コスト、目標とする利ざやを足したものが表面金利になります。保証付き融資では貸倒れの大部分を保証協会が負うため、金融機関が上乗せするリスク分は小さくなり、その代わり借り手が保証料を負担します。保証料込みで比べると、プロパー融資のほうが総負担で安くなることは珍しくありません。金利だけを見て保証付きを選ぶと、実質の負担を見誤ります。実務で判断が分かれるのは返済期間の取り方です。期間を延ばせば毎月の返済額は下がりますが、利息の総額は増え、保証料も期間に比例して増えます。一方で、設備の耐用年数より短い期間で借りると、設備が稼ぐ前に返済が来る形になり、資金繰りを圧迫します。設備資金は投資対象の耐用年数に近い期間で、運転資金は営業サイクルに合わせた短期で、という組み方が基本になります。据置期間も同じ性格の論点で、立ち上がりに時間がかかる投資では元金の据置が効きますが、据置中も利息は発生し、据置後の返済額は据置なしより重くなります。返済余力の見方も押さえておきたいところです。返済の原資は利益そのものではなく、税引後利益に減価償却費を足したものです。減価償却費は費用として利益を減らしますが現金は出ていかないため、返済に回せます。この額に対して年間の返済元金と利息がどれくらいを占めるかが、追加の借入余地を測る目安になります。8割を超えると、売上が1割下がっただけで返済が滞る計算になります。近年は決算書の数値だけでなく、事業の内容や将来性を見る事業性評価の考え方が広がっており、地域経済への貢献や取引先との関係、経営者の後継計画なども判断材料に入ります。財務指標が弱くても、資金使途と回収の道筋を具体的に説明できるかどうかで結果が変わる場面があります。なお経営者保証については、一定の要件を満たす場合に保証を求めない取扱いを進める指針が示されており、条件の確認は個別に金融機関へ行う必要があります。
業界・現場での使い方
資金繰り計画の作成
毎月の返済額と年間の返済原資を並べて、無理のない借入額を決めます。
保証付きとプロパーの比較
保証料を含めた総支払額で比べ、どちらが実質的に安いかを確かめます。
期間と据置の設計
返済期間を変えたときに利息と保証料がどれだけ増えるかを見て、投資回収の期間と合わせます。
よくある間違い・注意点
- 表面金利だけで借入先を選ぶ — 保証付き融資では保証料が別にかかります。保証料と手数料を含めた総支払額で比べてください。
- 返済原資を税引後利益だけで見る — 減価償却費は現金が出ていかないため返済に回せます。利益と減価償却費の合計で余力を測ってください。
- 据置期間を付ければ負担が軽くなると考える — 据置中も利息は発生し、据置後の返済額は重くなります。立ち上がりまでの期間と合わせて設定する必要があります。
関連する規格・法規
- 金融庁
- 日本銀行
※本ツールは公的基準に基づく参考計算です。実際の設計・施工・法令適用は最新の告示・規格および所轄官庁の判断に従ってください。
よくある質問(FAQ)
信用保証料はいつ払いますか?
借入時に一括で前払いするのが一般的です。繰上返済をした場合は、残りの期間に応じて一部が返還される取扱いがあります。
金利は交渉できますか?
取引実績や財務内容、他行の条件によって見直しの余地があります。資金使途と回収の見通しを具体的に示せるかが判断材料になります。
経営者保証は必ず求められますか?
法人と個人の資産が明確に分離され、財務基盤が確保されているなどの要件を満たす場合には、保証を求めない取扱いを進める指針が示されています。個別の判断は金融機関への確認が必要です。